犬との共同生活を始めた後で、飼い主が一番驚く出来事に挙げられるのが食ふんです。
特に異変がないのに突然自分の出したフンを食べてしまうと、飼い主にとっては何か問題が起きているのではないかと不安に思ってしまいます。
そんな食ふんには、犬にとって問題がない場合と問題を抱えている場合の2種類に分類されます。
そこでこれから犬を飼おうとしている飼い主のために、この記事では食ふんの問題がない場合と問題を抱えている場合がどのような状態か紹介します。
犬の食ふんの原因1. お腹が空いている
犬の食ふんの原因はいくつかありますが、真っ先に考えられるのが空腹を満たすために行う場合です。
飼い主は適切に食事を与えているはずが、犬にとっては量が足りていないことで目の前にあった食ふんで満たそうとするためにします。
もし食ふんを見かけた場合には、年齢別の摂取量よりも少し多めの食事を与えて様子を見ることが大事です。
年齢別の摂取量よりも多めの食事を与えているのに食ふんをしてしまう場合で考えられるのが、消化器官が弱っているために栄養を吸収できていないためです。
消化器官が弱っていると、食事で得た栄養を吸収できないのですぐに空腹感に襲われてしまいます。
さらに消化器官が弱っていることで食べ物が一部残ったままで排泄されるため、糞の中に食べ物のにおいが混じることがあります。
そのにおいをかぎ取ることで食事が来たと勘違いしてしまい、自分のフンを食べてしまうという形です。
消化器官が弱る原因としては生まれつき消化器官が弱い犬種という以外では、ストレスと風邪や寄生虫などに感染している場合が挙げられます。
ストレスは引っ越しなどの新しい環境や運動不足などが影響することにより、犬の心に不満がたまることで神経に作用し消化器官が弱ります。
このストレスが蓄積すると遠吠えをするもしくは落ち着かないなどの動作をするので、しっかりと遊んであげるなどのケアをすることでストレスを緩和させることが大事です。
風邪や寄生虫などに感染している場合は、これらの原因を駆除するために抗体が働くことによる反動で弱ってしまう形です。
犬の風邪の場合には、くしゃみや鼻水そして目ヤニの発生そして発熱で判断します。
感染症や寄生虫の可能性も
これらの症状が現れていないのに消化器官が弱っている場合には、胃もしくは腸に寄生虫が感染している可能性が高いです。
ウィルスと寄生虫の感染は、残念ながら飼い主ができることはないためこれらの症状に思い当たる場合には衰弱する前に動物病院を受診することが大事です。
ウィルスに感染している場合には対応している抗生物質を処方してもらい、お肉と野菜を軟らかく煮た食事と一緒に食べさせることで様子を見ます。
寄生虫の場合にはレントゲンや胃カメラなどで特定したらカテーテル手術で取り除いてもらい、その後卵を駆除するために専用の薬を餌と一緒に食べさせて回復を待つという形です。
犬の食ふんの原因2. うんちを隠したい
食事の量や体調面以外で、食ふんをしてしまう場合は犬が本能的にうんちを隠したいと思っているからです。
犬がうんちを隠したいと思うのは、犬の心にトラウマを抱えている場合があります。
その原因として挙げられるのが、トイレの教え方に失敗している恐れです。
犬を自宅に招く際に、真っ先に教えてあげる必要があるのがトイレの位置です。
最初から予定していた位置で排泄をしてくれれば問題はないですが、基本的にトイレの位置がわからないのでカーペットや床など様々な位置で排泄してしまいます。
犬を飼ったことがない飼い主でやってしまいがちなことは、予定していた位置でしなかったときに叱ってしまうことです。
犬は人が怒っていることを認識できる力はありますが、何に対して怒っているのか理解する力はないです。
そのため怒っている原因がフンを出したことと認識すると、その後フンを出すことに関してマイナスイメージとなってしまいます。
この時に近くに隠せるポイントがあれば足や口を使って運ぶことが多いですが、隠せるポイントがない場合には食べてしまうことで隠ぺいしようとするのが食ふんの原因です。
トイレの位置を間違えたもしくは覚えていても間に合わずに排泄してしまった場合には、絶対に飼い主は叱らないことが重要です。
そのうえで飼い主は黙って排泄物を処理して何事もなかったようにふるまい、そして今一度トイレの位置を犬に覚えさせるところから始めます。
犬は感情を読む力に長けているので、適切な位置でトイレをしていたら、しっかりと頭をなでてあげたり笑顔で誉め言葉を言ってあげることで隠さないで済むようにしてあげると治ります。
犬の食ふんの原因3. ひまつぶし/ストレス発散
トイレの位置を覚えているのに食ふんをしてしまう原因としては、犬の心に鬱憤が溜まっていることです。
犬にも感情があり、いやなことがあったり不満なことがあると鬱憤つまりストレスが溜まります。
ストレスがたまると消化器官が弱るといいましたが、そのほかにも何でもいいから気分を晴らすために目の前のものに八つ当たりすることもあります。
この時に目の前にフンがあると足で転がして遊んでしまったり、興味本位で口にくわえた後に食べてしまうということをします。
この時にフンを食べてしまったことを叱ると、逆にフンに対する執着心が強くなってしまい狂暴化してしまう恐れがあります。
そのため食糞をしてしまったときには、犬に対して何もアクションをしないことが大事です。
そのうえでストレスでフンで遊んでいるもしくは食糞をしていることを確認出来たら、常態化する前に対処してあげることが重要になります。
まず飼い主さんの目の前にいるのに食べる場合は、ストレスを何とかしたいために飼い主に助力を求めているためです。
もしフンを食べようとしているときには、ボールやガムの骨そしてフリスビーなどを使って興味をそらしてあげます。
その間にフンを回収して、道具で遊んでいることを確認したらほめてあげます。
留守中に飼い主がいない間に食ふんをする場合には、その場で待機していることに対して暇を持て余しているためです。
基本的には食事をする前の時間帯に、しっかりと犬と遊ぶ時間を設けてあげてスキンシップを図る必要があります。
もし仕事が忙しくてかまってあげられないときには、犬が夢中になるようなアイテムをペットショップで購入して与えてあげます。
もし夢中になるようなアイテムが見つからなかった時には、留守中にペットを預かってくれる施設を利用して遊ばせてあげましょう。
犬の食ふんの原因4. お母さんの真似をしている
紹介したすべての原因に思い当たらないときには、親の真似をしている可能性があります。
自然の動物の世界では、縄張りを誇示する以外で排泄物を出した後はすぐにその場から離れるもしくは匂いが漏れないようにすぐに隠すという方法をとります。
これはフンは強いにおいを発するため、ダニやハエなどの害虫の繁殖源になるだけでなく熊などの強い敵を呼び寄せてしまうリスクがあるからです。
そこで親犬は子犬が糞を出した後に、すでに近くに敵がいた場合や野原など隠すポイントがない場合において最終手段として食べて隠ぺいするということをします。
本来であれば成長する間に忘れてしまう行為ですが、子犬と一緒に生活するなどがきっかけで記憶がよみがえることで食ふんをしてしまうことが原因です。
この場合も決して叱らずに、遊び道具などを用意して遊んでいる間に回収するということが適切です。
常態化してしまったときには強制的にダメなこととして教えよう
犬が食ふんをするのは、ストレスと消化器官が弱っていることが原因です。
消化器官が弱っている場合には寄生虫など病気が隠れている場合があるので、動物病院を受診して治療してあげる必要があります。
ストレスが原因の場合には、スキンシップをしっかりして時間をかければ治ります。
ただストレスが原因の場合の対処法をしても食ふんが常態化してしまった場合には、最終手段としてペットショップにある誤飲防止の悪臭もしくは苦みを出す液体を購入してフンにかけるという手段を講じます。