定期的な検診で疾患がわかり、ケアが必要になるケースは多くあるでしょう。
心臓の疾患がわかる場合もその一つと言えます。
心臓病がわかったら飼い主さんはどのようなことに気を付け、どんなご飯を食べたらいいのかご存知でしょうか?
心臓病の愛犬におすすめのフード
心臓病が進行すると、運動不耐性と呼ばれる運動を好まなくなることや、食欲不振、元気消失、循環不全による腹水などの貯留による腹部圧迫などの症状で体に負担がかかることが知られています。
治療薬の投与や、療法食で状態を改善すると同時に、しっかりとごはんを食べて体力が維持できるよう心がけることが大切です。
こちらでは、より健康的に食欲も維持することが見込めるごはんをいくつかご紹介させていただきます。
手作りドッグフードのココグルメ
心臓などの疾患へ特化して作られているわけではありませんが私達が食べるごはんと同様に製造するなどごはんの質にこだわって作り上げられた手作りご飯です。
総合栄養食としても使用できるだけでなく、トッピングとして、またはおやつとしてなど使い方はいろいろできます。
心臓病になって、食欲が落ちたり、少しでも栄養を付けたいときなどに食欲増進として用いてもいいかもしれません。
ビオピュア ヘルツ・エアクランクンゲン オーガニック
ドイツのオーガニック認定を受けたドッグフードです。
心臓用のごはんの中で、珍しい缶詰タイプのごはんなので、高齢で歯が悪くて硬いものは食べにくい子でも選びやすいでしょう。
ナトリウムの含有量を抑え、カリウムとマグネシウムの量を調整しているので、心臓の負担軽減が期待されると言われています。
オーガニック素材を使用し、添加物などは不使用で職人が一つ一つ作った心臓のごはんということを抜きにしても安心できるごはんです。
ヒルズ サイエンス・ダイエット〈プロ〉
心臓病ピンポイントということではなく、シニアになると心臓の機能も若齢の頃と比較して低下しがちであるため、高齢の子に向けたごはんです。
心臓だけでなく、衰えがちな腎機能や関節などにも配慮されており、各器官に有意義な成分が含まれています。
各器官の衰えだけでなく、免疫力にも着目し、より免疫力も健康に維持できるような抗酸化成分の配合など、いつまでも若々しく健康でいるために工夫がされているごはんと言えるでしょう。
Vet Solution(ベッツソリューション) ドッグフード 心臓サポート 犬 400グラム (x 1)
心臓に良いとされるタウリンやL-カルニチンの配合などが配慮されています。
イタリアのメーカーのごはんで、心臓への配慮だけでなく、最近栄養吸収などの面で注目されている腸内フローラを整えるためのプレバイオティクスや穀物フリーにする代わりにポテト・エンドウ豆・タピオカなどを使用しています。
心臓への負担を軽減すべく低ナトリウムになっていることも安心できる要素の一つです。
Vet Solution(ベッツソリューション) ドッグフード
ロイヤルカナン 療法食 犬用 早期心臓サポート+関節サポート 1kg
動物病院で療法食として処方することの多いメーカーのため、品質は高いと言えるでしょう。
心臓病が疑わしい場合や、高齢の子、心臓病になりやすい犬種の子が早期に食べると良いかもしれません。
高齢になると問題となりやすい関節トラブルを防ぐべく、関節に良い成分も配合されているごはんです。
ロイヤルカナン 療法食 犬用 早期心臓サポート+関節サポート
心臓病は早期発見が大事
心臓は加齢とともに機能も退化していく傾向の強い器官です。
一度心臓病になってしまうと、不可逆であるため、元には戻りません。
そのため、早期発見をし、治療や日々のケアにより進行を遅らせ、負担を軽減させてあげることが大切です。
心臓病の愛犬に適したフードや療法食のメリット
心臓病であることがわかった場合、心臓病の治療の一環として療法食を処方することがあります。
処方されない場合でも、心臓に負担をかけにくいような配慮をされているごはんも開発されています。
より健康に維持できるよう、心臓病の子に適したご飯に切り替えても良いかもしれません。
心臓に負担がかからない
心臓に負担がかからないようにするために、以下のようなことに配慮されているごはんが多いです。
ナトリウムを制限している 肥満にならないようにカロリーが制限されている、 より健康的に過ごせるよう栄養バランスが整っている これらは条件として大切になります。
心臓病への配慮がされているとより安心と言えるでしょう。
併せてごはんの質もきちんとしたものであることが安全性という面でも安心です。
元気になる
まずはごはんを食べることで体力の維持につながり、より動くことが出来るようになる可能性が高いです。
また、心臓への負担の軽減などの配慮がされているものは、治療薬に併せてごはんによる維持の効果も見込まれ、負担の軽減により愛犬もより元気に感じることがあるかもしれません。
安心できる
市販のごはんと比較して、心臓病へのごはんは、より細部までこだわって作られたごはんであることが多いです。
栄養成分の配合の調整や、心臓に良いとされる素材の使用がされているごはんであれば、良質である可能性は高いでしょう。
さらに、製造に関しても 素材をヒューマングレードのものにしている 製造工程も人間のごはん同様に作っているなどの工夫がしているもの などだと食の安全という面で安心できると言えるでしょう。
心臓病の愛犬がフードで気を付けるべきこと
心臓病であると発覚した際に、フードを選ぶときにどんなことを気を付けたらよいでしょうか。
心臓病の特徴を把握し、避けるべきことや補足してあげる必要がある成分を理解することが大切です。
塩分バランスが取れているか
厳密にいうとナトリウムというミネラルの過剰摂取が、血圧や心臓の動きなどの心臓病で問題のある部分にさらに負荷をかけ、悪化が予想されるために制限が必要とされています。
塩はナトリウムが含まれ、そのために塩分の濃度が高くなりすぎると心臓への負担がかかると言われています。
犬は尿で塩分を排出する能力が高いとされていますが、過剰な摂取は心臓への負担になる恐れがあるため、避けた方がいいでしょう。
低カロリーであるか
肥満になることで、より心臓への負担が大きくなるため、心臓病が判明した時点で、肥満気味の子はダイエットを、肥満でなくても太りすぎないよう維持をする必要があります。
犬は運動で痩せることは難しいため、食事制限で体重管理をすることになるケースが多いです。
カロリー摂取を抑えることで体重の増加を予防するために低カロリーであることは大切です。
心筋ケアに必要な栄養素が入っているか
心臓病になることで、心臓への負荷がかかり、より心臓の状態は悪くなる傾向が高いです。
一度ダメージを負った心臓が健康な状態まで戻すことは不可能です。
心臓に良い栄養素や負担をかけない栄養素を選んで与えることで、治療によるケアと併せて行うとより悪化することを防げる可能性が高まります。
少しでも現状のまま維持できる可能性があるでしょう。
L-カルニチン
心臓病とのつながりがわかっているアミノ酸です。
タウリンと同様、心臓病の罹患している個体への投与で生存率の改善が報告されています。
体内でもメチオニンとリジンというアミノ酸から合成され、心筋の細胞内に多く存在しています。
体内でも合成されますが、補給することで真菌へのエネルギー供給のサポートが期待されることが多いです。
タウリン
タウリンはわんちゃんにとっては必ずしも必須なアミノ酸というわけではありません。
細胞の中側と外側でのカルシウムの移動を調節する働きがあり、心筋の動きのサポートには欠かせません。
心臓内のアミノ酸の中でタウリンは40%以上を占めるとされていて、心筋症や不整脈との結びつきもわかっています。
ポリフェノール
抗酸化作用と呼ばれる、細胞へのダメージを減らすことで知られる成分です。
実はそれだけでなく一酸化窒素の生成を減らして血管の平滑筋を弛緩させるという効果も期待されるため、心臓病の罹患している個体にも心臓の状態をより健康に保つために使用することも多いです。
腎臓病への配慮
心臓と腎臓は直結しており、心臓が悪くなると、付随して腎臓も状態が悪化したり、逆に腎臓が悪い場合に付随して心臓も悪くなったりする相互関係があります。
腎臓の状態の悪化により、血圧の変動や循環の異常なども起こり、より心臓への負担がかかり、状態悪化の悪循環につながる危険性もあります。
腎臓病への配慮もあるフードだと、将来的な健康の維持という点で、より安心です。
心臓病の愛犬に適したフードや療法食のデメリット
心臓病の進行や、心臓への負担を軽減してくれる代わりに心臓病の際に治療の一環として処方される療法食を使用することが、より心臓に負担をかけずに維持をする方法の一つです。
しかし、その分市販のごはんと違う面ももちろんあって、犬の個性によってはデメリットになってしまう場合もあります。
どんなデメリットが生じてしまうのでしょうか。
食べない時もある
最近では嗜好性も重要視される傾向がありますが、健康面への配慮が優先され、市販のごはんよりも食いつきが悪くなることもあります。
その子の味の好みなどもあるので食べてくれるものと食べてくれないものと差が生じてしまう可能性があるでしょう。
そういった困りごとの場合に、サンプルを使用してみたり、食べなかった時の返金システムを採用したり、メーカーによって様々な対策を立てています。
ごはんを選ぶ際に、食べない場合の対策も調べたうえで、決める要素としても良いかもしれません。
どこでも販売していない
療法食であることが多い心臓病の子に適したフードは、どこでも市販されているフードと異なり、動物病院での取り扱いになってしまうことが多いです。
純粋な療法食をかかりつけの先生に処方された場合は動物病院で指定されたものを、動物病院で購入することをお勧めします。
最近では病院のコードを入力してインターネットで直送してもらえる療法食もあるので、どのような発注方法なのかを確認する必要があります。
値段が高い
市販されているものと比較すると療法食や心臓病への配慮がされているごはんは、成分の調整などの面でより仕様が精密になっているものが多く、値段が高めな傾向があります。
毎日食べるものなので、年単位で値段を比較すると値段の差は大きくなってしまうかもしれません。
どの程度であれば負担できるのか、生活費などとの兼ね合いをよく考えていただくことをおすすめします。
効果があるのかわかりにくい
心臓病の悪化を防ぐ方法の一つではありますが、心臓病用のごはんだけで悪化を防げるわけではありません。
治療薬の投与や、心臓への負担をかけない生活環境、肥満を予防するなどの体の健康の維持を併せて行うことで、悪化を防ぎ、心疾患による症状を減らせることが多いです。
そのため、心臓に良いごはんへの変更をしても、それだけでは効果を実感しにくいかもしれません。
愛犬の心臓が心配ならまずば食事から!
高齢になると気にしなければならないのが心臓や腎臓などの器官の機能低下です。
早期に発見して投薬治療を始めることももちろん大切ですが、併せて生活環境や食生活の見直しを行ない、より負担を軽減する必要があるでしょう。
後悔をしないように、できることはすべてしてあげることが満足のいく看取りをすることにつながるでしょう。
小さな変化でも気づけるように毎日観察をすること、そして異変を感じたらすぐに受診をする週間を付けることで早期発見が出来る可能性があります。
心臓病がわかったら、今愛犬がどの程度の進行具合なのかということもきちんと把握したうえで、生活を病気の程度に見合うものに見直してあげるようにするとよいと思います。