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腎臓病の愛犬の食事を手作りで。腎臓に良い食材と避けたい成分

最終更新: 2024.10.23
腎臓病の愛犬の食事を手作りで。腎臓に良い食材と避けたい成分
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腎臓病の犬の食事管理は、手作りごはんで効果的に行えます。腎臓に優しい低タンパク・低リン・低ナトリウムの食材を選び、適切な調理法で栄養バランスを整えることが重要です。

白身魚や鶏むね肉、野菜を中心とした食材選びのポイントや、避けるべき成分、そして愛犬の食欲を引き立てる簡単レシピをご紹介。腎不全の進行を抑え、愛犬の健康を守る手作り食の秘訣をお教えします。

 

愛犬の腎臓に良い食事とは

犬の食事は内容によっては、腎臓に負担をかけてしまう場合があります。

飼い主さんは、どういった食事内容が犬の腎臓に負担をかけてしまうのか、またどういった栄養素が腎臓に良い影響を与えるのかをしっかりと理解していきましょう。

リンやナトリウムを抑える

腎臓病の犬では、リンやナトリウムといったミネラル成分を抑えることが大切です。

健康な犬では、体の中で余ったリンやナトリウムは腎臓から排泄されていきます。

しかし、腎臓病の犬では、腎臓の排泄機能が弱まっておりリンやナトリウムが体の中に蓄積してしまいます。

リンは体の中で増えすぎると、カルシウムと結合して結晶化し腎臓の血管に沈着していき、ナトリウムは高血圧やむくみの原因となり腎臓病が悪化していきます。

飼い主さんは、愛犬に食事を与える時にはリンとナトリウムが含まれている食材はなるべく控えるようにしましょう。

タンパク質を抑える

腎臓病の犬では、タンパク質の摂取量を抑えることも非常に重要です。

タンパク質が多く含まれている食事は、腎臓の尿細管や糸球体といった部分の線維化や炎症を引き起こします。

タンパク質を制限した食事を与えた犬では、生存期間が延長するといった報告もありますので、愛犬の食事ではタンパク質を制限してあげるようにしましょう。

適切なカロリー摂取量を保つ

腎臓病の犬では、食欲の低下により必要なカロリー量を摂取することが難しくなります。

摂取カロリーが少なくなると体重減少にも繋がり栄養状態も悪化します。

そのため食欲低下によって、カロリー不足にならないようにすることが大切です。

腎臓病の犬では、タンパク質を制限することが大切なので、炭水化物や脂肪から適切なカロリーを摂取できるような食事を与えてあげましょう。

オメガ3脂肪酸が含まれている

オメガ3脂肪酸とは、抗炎症作用を持つ脂肪酸の一種です。

腎臓病の犬では、腎臓の糸球体の炎症が起こり病態が悪化していくことが知られています。

オメガ3脂肪酸は、こうした炎症を抑えてくれる働きをもち、腎不全の悪化を防ぎます。

魚などに多く含まれている脂肪酸ですので、手作り食を与えてあげたいと考えている飼い主さんは積極的に魚を使ったご飯を与えるようにしましょう。

食物繊維を多く含む

腎臓病の犬では、食物繊維を多く含む食事を与えてあげるようにしましょう。

食物繊維は腸内環境を整え、アンモニアなどの有毒物質の発生を抑えます。

その結果として腎臓への負担を軽減することができます。

また、腎臓病の犬は脱水からか便秘気味になることが多いです。

食物繊維は便秘を予防する働きもあるため、腎臓病の犬にはぜひ食物繊維を多く含む食事を与えるようにしましょう。

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腎臓病の愛犬におすすめの食材

ここからは、腎臓病の愛犬におすすめの食材を紹介します。

腎臓病の犬でも食べれる食材はたくさんありますので、飼い主さんはぜひ手作り食を作る際の参考にしてみてください。

お肉

腎臓病の犬では、タンパク質やリンを制限して与えることが大切であると説明してきました。

タンパク質やリンを摂取しすぎると、腎臓の炎症や線維化などが起こり腎不全が悪化していきます。

以下に肉類100g当たりに含まれるタンパク質やリンの含有量を表にまとめています。

  ささみ 鶏もも肉 豚ロース 鶏レバー 鶏手羽 豚足
カロリー 105kcal 229kcal 327kcal 111kcal 211kcal 227kcal
タンパク質含有量 23g 25g 27g 18.9g 17.5g 20.1g
リン含有量 200mg 110mg 180mg 300mg 100mg 32mg

※食材100g当たりの含有量

食材100g当たりのタンパク質の含有量はどの肉類も20g前後ですが、リンの含有量は豚足、鶏手羽、鶏もも肉の順で少ないです。

腎臓病の愛犬に何か肉類を食べさせたい場合は、豚足や鳥手羽のような肉がおすすめと言えるでしょう。

しかし、豚足は脂肪分が多く膵炎を引き起こすリスクがあります。

また、リン含有量は少なくてもタンパク質の含有量はどのお肉も多いので、与えるとしても少量のお肉を与えるようにしましょう。

海藻類

ひじきなどの海藻類は、食物繊維を含んでおり、腸内環境を整える働きがあります。

腎臓病で便秘気味な犬にもぜひ食べさせてあげてほしい食材です。

また海藻類は、血圧を安定させて腎臓病の悪化を予防することができます。

ただし、犬は海藻類はなかなか消化できないこともありますので、与える際は少量与えるようにしてあげましょう。

きのこ類

キクラゲやしいたけ、なめこ、まいたけなどのきのこ類も腎臓病の愛犬におすすめです。

きのこ類は食物繊維を多量に含んでいます。

腎臓病では脱水により便秘になることも多く、食物繊維を多量に含んでいるきのこ類はこうした便秘を改善してくれます。

野菜

にんじん、なす、だいこん、カボチャ、キャベツなどの野菜も積極的に愛犬に与えてあげましょう。

野菜はきのこ類と同様に食物繊維を含んでおり、腸内環境を整え便秘を予防します。

また、抗酸化作用を持つ野菜も多いため、腎臓の毛細血管の炎症を抑える効果も期待できます。

野菜などの食物繊維を多量に含む食べ物は、犬にとっては消化吸収しにくい食材です。

しっかりと加熱処理して柔らかくしたり、細かくカットしてから与えるようにしましょう。

魚類

たら、ぶり、さんま、さばなどの魚は、ω3脂肪酸を含んでいます。

ω3脂肪酸は腎臓の毛細血管の炎症を抑え、腎臓病の悪化を防ぎます。

また、ω3脂肪酸は皮膚や関節、認知機能などに良い影響をもたらす物質として知られており、シニア期の愛犬にはぜひ摂取してほしい成分です。

与える際には、しっかりと骨を取り小さく解してから与えるようにしましょう。

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腎臓病におすすめの食事レシピ

腎臓病の犬は、食欲が低下して普段のドッグフードや食事を食べてくれないことが多いです。

そんな時には、手作りごはんで愛犬の食欲を刺激してあげましょう。

ここからは、腎臓病の犬におすすめの食事のレシピをご紹介していきます。

野菜と鶏手羽の炒め物

<材料>(2食分)

  • 手羽元65g
  • キャベツ15g
  • まいたけ15g
  • じゃがいも5g
  • ブロッコリー5g

<作り方>

  1. 手羽元は皮をむく
  2. 1Lの水に手羽元を入れ、沸騰させる
  3. 20分茹でたら手羽元をお湯から出し、骨を取り除く。
  4. 油をひかずに、野菜類を炒める(火が通りやすいように先にレンジで加熱しておくと良い)
  5. 柔らかくなったら、ほぐした手羽元と混ぜ合わせて完成

鶏手羽、お肉類の中でもリンの含有量が少なく、腎臓に優しいお肉です。

腎臓病で食欲が低下気味の愛犬でも美味しく食べてくれるでしょう。

出典

サーモンと野菜の炒め物

<材料>(3食分)

  • サーモン115g
  • まいたけ50g
  • もやし30g
  • キャベツ20g

<作り方>

  1. サーモンの皮と骨を取り除き、フライパンで火を通す。
  2. サーモンに火が通ったら、身をほぐしておく
  3. 野菜類を炒め、柔らかくなったらサーモンと混ぜ合わせて完成
  4. サーモンにはω3脂肪酸が多量に含まれており、腎臓の炎症を抑える効果があります。

また、まいたけ、キャベツには食物繊維も含まれていますので、腎臓病の犬には非常におすすめのレシピです。

出典

サーモンボール

<材料>

  • 生サーモン60g
  • 白米60g
  • ブロッコリー20g
  • にんじん20g
  • カボチャ15g

<作り方>

  1. サーモンに火をしっかりと通して、細かくカットする(骨は取り除く)
  2. ブロッコリー、にんじん一口サイズにきり柔らかくなるまで茹でる
  3. 薄く切ったカボチャを140度のオーブンで10分程度加熱しチップスにする
  4. 材料を炊き上がった白米と混ぜあわえせて完成

サーモンには、ω3脂肪酸が含まれています。

また、白米を使うことで炭水化物からカロリーを摂取しつつ、野菜をとることもできるバランスのとれたレシピとなっています。

出典

はるさめ中華風煮込み

<材料> (5kgの犬に120g(1食あたり))

  • 鶏むね肉190g
  • しらす10g
  • 小松菜60g
  • にんじん40g
  • ぶなしめじ40g
  • はるさめ30g

<作り方>

  1. 1.はるさめをキッチンバサミで細かくし、水かお湯でふやかす
  2. 2.鶏むね肉と野菜類を細かく切る。
  3. 3.コップ半分の水に野菜類を入れ煮込む。その後、鶏むね肉とはるさめを煮込んでいく
  4. 4.最後にしらすをトッピングして完成

はるさめに含まれている炭水化物、鶏むね肉、しらすに含まれているタンパク質、野菜類に含まれている食物繊維が腎不全の犬にとってちょうど良いバランスで作られているレシピです。

はるさめは、高カロリーな食材であり、腎臓に負担をかけることなくカロリーを摂取することができます。

野菜も多く摂取できますので、腎臓病の愛犬にぜひ食べさせてほしいレシピです。

出典
 

低タンパクかぼちゃクッキー

<材料>

  • かぼちゃ 30g
  • でんぷん 50g
  • 無塩バター 5g
  • 低リンミルク粉末

<作り方>

  1. かぼちゃをサイコロ状にカットし、たっぷりの水で茹でる
  2. かぼちゃをペースト状につぶす
  3. デンプン、低リンミルク粉末をあわせる
  4. かぼちゃと3の材料を混ぜ合わせ、無塩バターを加える
  5. オーブンシートに薄く伸ばし、切り目を入れる
  6. オーブンで180℃、10分程度焼く

タンパク質の含有量が少なく腎臓への負担は少ないクッキーです。

かぼちゃの甘味があり、喜んで食べてくれる子も多いです。普段のおやつとして与えることもおすすめです。

出典

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愛犬の腎臓ケアにおすすめのグッズ

愛犬の腎臓ケアにおすすめのサプリもあります。

なかなか手作りご飯を作ることができないという飼い主さんも多いと思います。

そういった方は、普段のドッグフードにここで紹介するサプリを加えてみて腎臓病の悪化を防いでいきましょう。

イパキチン60g

「炭酸カルシウム」と「キトサン」によって、食物に含まれているリンや老廃物を吸着して排泄させていきます。

無味無臭で粉末タイプのため普段の食事と簡単に混ぜ合わせることができます。

動物病院でもよく処方されるサプリメントですので、ぜひ腎臓病の愛犬に使ってあげてください。

イパキチン60g

アンチノール60粒

このサプリは、ω3脂肪酸を含んでおり、摂取することで腎臓の毛細血管の炎症を抑え、腎臓病の悪化を防ぎます。

他にも皮膚疾患や関節疾患、認知症などさまざまな病気にも効果を発揮しますので、シニア期に入ってきた愛犬には飲ませてあげることをおすすめします。

アンチノール60粒

腎パワー元気犬用90g

こちらのサプリも腎臓の炎症を防ぐω3脂肪酸を含んでいます。

また、整腸剤の成分やポリフェノールやコエンザイムなどの体に良い影響をもたらす成分もたくさん含まれており、腎臓病以外にも体が弱っている子や老犬におすすめしたいサプリです。

腎パワー元気犬用90g

愛犬の腎臓の病気とは

犬の腎臓の病気は、腎臓病や腎臓腫瘍、腎盂腎炎などが挙げられます。 腎臓は一度機能が低下すると回復することはない臓器ですので、状態が悪化しないように維持することが大切です。

腎臓病・腎不全

腎臓病は、腎臓の糸球体や尿細管と呼ばれる部分が何らかの原因により炎症や線維化を起こし腎臓の働きが低下している状態であり腎不全とも呼ばれます。

腎臓から毒素やミネラルが排泄できなくなり、末期には尿毒症などの症状が出ることもあります。

腎臓腫瘍

腎臓に腫瘍ができた場合にも、腎機能が低下していきます。

血液検査では、腎数値の上昇があらわれ、エコー検査で腫瘍が発見されることが多いです。

しかし、血液検査で腎数値の上昇が認められない場合もありますので、定期的にエコー検査をすることをおすすめします。

腎盂腎炎

腎盂腎炎は腎臓に細菌感染が起こり、炎症がおこっている状態です。

腎盂腎炎では、発熱と腎数値上昇が異常所見として認められます。

膀胱炎から腎炎になることも多いので、膀胱炎になりやすい犬は注意が必要です。

しっかりと抗生剤を飲ませることにより改善することもあります。

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腎臓病の愛犬には手作りご飯をあげよう!

愛犬が腎臓病になると食欲が低下してしまうことがほとんどです。

そのため、飼い主さんは手作りご飯を作って愛犬の食欲を増進させてあげましょう。

腎臓病のご飯は気をつけるべきポイントも多いですが、しっかりとご飯を食べさせてあげて体力をつけてあげることが大切です。

手作りご飯を使って愛犬の腎臓病とうまく付き合っていきましょう。

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