犬にごはんを与える際の選択肢のひとつとして、手作りごはんが挙げられます。
酸化防止剤などの添加物を極力含まずにごはんを与えることができる上、素材そのもののミネラルやビタミンといった栄養素を摂取させることができるというメリットは手作りごはんならではです。
しかし、犬も我々人間と同じく、栄養バランスを考えない食事を摂り続けると体調を崩す元になってしまいます。
今回は、犬の手作りごはんで栄養バランスを崩さないために気をつけるべきことについて説明します。
犬の手作りごはんは1週間通しての栄養バランスで考えよう
手作りごはんを犬に与える上では、毎日同じような食事ばかりを与えるのはご法度です。
人間もそうであるように、犬にとっても偏った食事は体調を崩す原因になります。
そのため、毎食献立を変えてあげる必要があります。
献立を考える上で意識することは、1週間の栄養バランスです。
1日で必要な栄養素全てを摂取することは、1回あたりの食事のボリュームが大きいものになり、食の細い犬にとっては現実的ではありません。
1週間通して、この日はミネラルを中心に、この日はカルシウムを中心に、というように、日毎に重点的に摂取させる栄養を決めてごはんを作ることが大事です。
予め1週間の献立表を作成して、献立表に従ってごはんをあげるようにしましょう。
もちろん、その際には同じ献立が続くことがないように工夫しましょう。
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犬の手作りごはんで取り入れる栄養その1
タンパク質の重要性と与え方
犬に必要な栄養素のひとつがタンパク質です。
犬は元々肉食に近い動物であり、肉類から摂ることができるタンパク質や脂質は犬が生きるために必要不可欠です。
犬にとってのタンパク質は主に、消化の過程で分解されてアミノ酸となり、体づくりやエネルギー源として使用されます。
毛や爪、筋肉、骨、腱、体内で分泌される酵素など、体組織のほとんどはタンパク質で構成されています。
よって、タンパク質なしでは犬は生命を維持できません。
とりわけ、必須アミノ酸と呼ばれる一部のアミノ酸は、体内で生成されないため、食事による摂取を行う必要があるのです。
当然、タンパク質が不足することで、食欲不振や栄養失調といった様々な悪影響が犬に襲いかかることになります。
ただし、いくら生きるために必要な栄養素であるからと言って、摂り過ぎはかえって身体に毒になります。
具体的には、肥満体質になってしまい、肝臓や腎臓の病気にかかりやすくなります。
また、尿石症もタンパク質の過剰摂取によって引き起こされる恐れがあります。
犬にとってのタンパク質の摂取量の目安は、犬の理想体重1kgにつき1.6gから2.5g程度とされています。
また、犬の年齢によっても変わり、育ち盛りの幼犬に対しては健やかな成長のために積極的に摂取する必要があります。
成犬や老犬は加齢によって運動量も減ってくる頃合いであるため、摂取量を幼犬期に比べて減らすようにしましょう。
与え方としては、肉や魚、卵、乳製品を食べさせるようにします。
エビやカニといった甲殻類や貝類、イカやタコといった軟体生物は消化不良や栄養障害を起こしやすいので、与えないようにしましょう。
また、卵に関しては加熱することで安全に食べさせることができます。
アジなどの青魚、タラやカレイといった白身魚はタウリンやDHAなどを含むために好ましいとされています。
犬の手作りごはんで取り入れる栄養その2
野菜の重要性と与える量の目安・与え方
犬にとっての野菜は、肉だけでは摂取できない栄養素を賄い、体調を整える効果があります。
代表的なところとしては食物繊維やカリウム、ビタミンなどが挙がります。
体内で栄養素をエネルギーに変えるための助けとなったり、カリウムやカルシウムをはじめとする一部のミネラル類は骨や歯を構成したり、神経伝達物質として脳の発達を助けるなどします。
野菜不足は食欲不振や消化不良の原因になり、また免疫力の低下や筋力の衰え、貧血などの症状を引き起こします。
逆に過剰摂取した場合、ビタミンの摂りすぎによる中毒症状や骨の異常などが発生する恐れがあります。
ただし、野菜に関してはよほど大量に摂取しない限り、ビタミンの過剰摂取は起こりません。
肉を中心としたごはんに30%~40%くらい混ぜ込むと良いでしょう。
犬に野菜を与える場合は、かぼちゃやニンジン、ブロッコリー、キャベツ、ダイコンといった野菜が好ましいとされています。
タマネギは溶血性貧血を引き起こし、少量でも死に至るため、ハンバーグ等に混ぜたものも含めて絶対に与えないようにしましょう。
梅の種やナッツ類も中毒の原因となるため、犬に与えるには好ましくありません。
犬の手作りごはんで取り入れる栄養その3
炭水化物の重要性と与える量の目安・与え方
炭水化物は犬の体内で糖質と繊維質に分解されます。糖質はエネルギー源になり、繊維質は消化を助け、腸管を健康に保つ効果があります。
米や麦、イモ類に多く含まれます。
糖質の不足は低血糖などの原因になります。
特に幼犬は糖質をしっかりと摂取する必要があります。
ただし、過剰摂取は肥満や糖尿病の原因になるため、成長に合わせて摂取量を減らしていくと良いでしょう。
繊維質が不足した場合は便秘や腸内環境の乱れの原因となり、過剰摂取は下痢や軟便、栄養吸収の阻害といった症状を引き起こします。
正確な適正摂取量は公表されていませんが、一般的には白米を少量与えるのが良いとされています。
玄米やイモ類などからも摂取できますが、とりわけ玄米は消化が悪いため、消化量を見て分量を調節するのが好ましいです。
雑穀は鉄分やミネラルを摂取できる点でもおすすめです。
うどんも炭水化物の摂取に適してはいますが、塩分を含むため、摂取量に注意しましょう。
また、パンは多いと太ってしまうため、食パンの耳やフランスパンの切れ端などを与えるのが好ましいとされています。
成犬や老犬の場合は下痢や肥満になりやすくなるため、幼犬時よりも量を減らし、消化のされ方を確認しながら与える量を調整するようにしましょう。
犬の手作りごはんと栄養に対する考え方は人間と一緒
犬も人間も同じ生き物であり、どちらも栄養バランスが考慮された食事を摂ることで健やかに生活ができるようになるのです。
特に幼年期においては、食生活がしっかりしていることで健やかに成長できるかが決まります。
もちろん、人間と犬は身体の作りが違いますから、毒になる食べ物や消化のされ方など、細かい部分での違いはあります。
しかし、結局のところ、手作りごはんの基本となるのは人間と同じ、栄養バランスのとれた食生活なのです。
毎日の献立をきちんと考えながら、愛犬とともに健やかな食事を楽しみましょう。