犬の食べ物に関しては気を付けている飼い主さんは多いでしょう。
ただ、ドッグフード以外の野菜などを与えてもいいか疑問に思う人はいるかもしれません。
野菜は犬の健康にいい影響を与える可能性があるため、与えたいという飼い主さんもいます。
手に入りにくい野菜だと日常的に与えるのは難しいです。
キャベツなら手元にあることが多い野菜です。
キャベツが大丈夫なら与えてみたい人もいるでしょう。
ここでは犬にキャベツを与えたときの影響やおすすめのレシピなどを紹介していきます。
犬にキャベツをあげても大丈夫!でも芯に注意!
キャベツは犬も食べることができ、食物繊維が多く含まれるキャベツは、正しい与え方をすれば、ダイエット中の犬のかさましなどにも有効です。
ではどのような健康な体作りへの影響があり、正しい与え方はどのようなものなのでしょうか。
キャベツの葉
食物繊維を多く含むキャベツの葉は、生で大きいまま与えると、消化器に負担を与えてしまう危険性があります。
出来れば細かく刻んで、湯がくなど加熱をしたうえで与えていただくことをおすすめします。
長時間ゆでたりすると栄養素が湯の中に溶け出てしまうこともあるので加熱方法などには注意が必要です。
キャベツの芯
キャベツの芯は、同様に食物繊維ではありますが、硬くて消化器に負担を与える危険性が高いです。
また微量ではありますが、硫酸イオンと呼ばれる中毒物質を含んでいます。
芯の部分は中毒物質や硬さから起こる消化不良のことを考えて、与える場合は芯の部分は除去して歯の部分を与えるのみにしましょう。
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愛犬は何歳からキャベツを食べていい?
何歳という区切りではなく、食欲や便の状態を見ながら安定したところで与えていただくと良いです。(1歳齢以降でもっと過ぎる場合もあり得ます)
離乳食を完了した月齢頃ではある程度消化能力が備わっていると考えられるでしょう。
ただし、消化吸収能力の発達は個体差があり、食物繊維が豊富なキャベツは消化機能が未発達な個体にとって刺激されてしまい、消化器症状につながる危険性があります。
だいたい成犬と呼ばれる1歳齢以降が消化機能の発達という面でも安心と言えますが、発達には個体差があります。
またキャベツをメインとした手作り食のみで、成長期の体を支えることは難しく、栄養バランスが偏ってしまう危険性があります。
できればトッピング程度で主食は総合栄養食であるドッグフードにすることをお勧めします。
愛犬が食べて良いキャベツの量
超小型犬(5㎏くらい) | 約5~30g |
小型犬(5㎏~10㎏くらい) | 約10~60g |
中型犬(10㎏~25kgくらい) | 約50~100g |
大型犬(25㎏くらい~) | 約100g~140g |
基本的には1日の摂取カロリーの10%とされていますが、食物繊維による消化器への影響などを考えると以下の程度になると思います。
ただし、消化機能には個体差があるため、以下の量でも負担がかかってしまう可能性もあります。
便の状態などを確認しながら調整しましょう。
キャベツの成分と愛犬に与える影響
持病などがなければ犬も食べることのできるキャベツ。
せっかくなら健康に良いものであることがわかったうえで与えたいですよね。
犬の体に与える良い要素としてどんなものが含まれているのか、ドッグフードにももちろん必要な栄養素は含まれていますが、プラスしてキャベツを摂取することで得られるものがあると理想的だと思います。 どのようなメリットがあるのか、ご紹介させていただきます。
フィトケミカル
ファイトケミカルとも呼ばれ、キャベツが身を守るために生成した成分と言われています。ビタミンやミネラルとは異なる機能性成分です。
具体的にはイソチオシアネート・ゼアキサンチン・フラボノイドなどが挙げられます。
がん予防、抗酸化作用・免疫力の強化などが期待されると言われています。
ビタミンC
ビタミンの中でも抗酸化作用や、体を若々しく健康に保つために必要な要素と言われています。 免疫力をより健康に維持し、病気の予防などにもつながります。
ビタミンCは水分の中に流出してしまうという説もあり、調理方法には工夫が必要です。
ビタミンの摂取を優先したい場合は蒸したり、ゆで汁をスープとして一緒に与えるなどするとよいでしょう。
シュウ酸
キャベツに多く含まれるシュウ酸という成分は、カルシウムと結びついて尿路結石と呼ばれる膀胱や尿道内の結石の形成につながる危険性があります。
すでに尿路結石の治療中で療法食を食べている犬にはキャベツを与えることはおすすめできません。
現在治療中や他の尿路結石や膀胱系の異常で治療歴のある子の場合、もし与えたいときはまずはかかりつけの先生に相談をして許可が出てから与える方が良いでしょう。
ビタミンU
ビタミンUはキャベツから発見されたこともあり、キャベジンとも呼ばれ、胃酸分泌の調整や、胃腸の粘膜を保護する働きが期待されます。
胃胃腸を健康に保ち、胃潰瘍や十二指腸潰瘍などの胃酸分泌や胃腸の粘膜が関与する消化器疾患の予防効果も期待できます。
カリウム
野菜の中でも比較的多く含まれていると言われているキャベツです。
細胞内の浸透圧を調整し、水分排出を調整してくれる役割が期待されると言われています。
ただし、腎臓や心臓に問題のある子の場合、過剰なカリウム摂取はより負担を与えて疾患の進行に拍車をかけてしまう危険性もあります。
与える前に持病がある場合はかかりつけの先生に確認しましょう。
鉄分
赤血球による血液中の酸素運搬の中で重要な役割をするのが鉄分です。
ヘモグロビンを構成します。
赤血球だけでなく、筋肉中のミオグロビンと呼ばれる成分の構成要素でもあり、赤血球や筋肉の酸素の取入れに大きな働きをしています。
欠乏により貧血や発育不良などが見られる場合があります。
ビタミンK
ビタミンKと聞いてまず思い浮かぶのが血液凝固です。
犬の血液凝固作用の中で、重要な役割を担います。
他にも骨の形成のためにも大切です。
消化器の状態などにより生成が低下している可能性が疑われる場合、食物などで補足できるとよいでしょう。
食物繊維
胃腸の動きを健康に保ち、便秘を予防するのが食物繊維です。
キャベツは食物繊維を豊富に含んでいます。
腸内環境を整え、老廃物を排出するサポートをしてくれるでしょう。
ただし、その子の消化器の状態によっては腸運動が亢進されたり、逆に便の状態が悪くなることもあるので、その子に合った量を調節してあげましょう。
ゴイトロゲン
ゴイトロゲンという成分はヨウ素の吸収を阻害する傾向があります。
ゴイトロゲンの過剰な摂取により、甲状腺ホルモンの生成がされず、甲状腺機能低下症などの病気につながる可能性があります。
甲状腺に疾患がある犬などは、より危険性が高いでしょう。
甲状腺疾患があったり、健康診断などで甲状腺の機能に異常がある可能性が高いと言われた犬は与える前にまずはかかりつけの先生に相談することをお勧めします。
愛犬にキャベツをあげるメリット
キャベツは犬の体に有意義な栄養素がたくさん含まれていることがわかりました。
ではこれらの栄養素がどのように健康な体作りをするために働いてくれるのでしょうか。
免疫力向上
キャベツの中に含まれるビタミンには抗酸化作用などの体を健康に維持するために活躍してくれる働きがあります。
この抗酸化作用により、免疫力も向上し、病気の予防にも繋がると言われています。
ただし、この免疫力向上の作用に大きく貢献するのは水に溶けやすい成分であるビタミンCであるため、調理方法には工夫が必要です。
腸内環境、便秘改善
多く含まれる食物繊維は、腸内環境を整え、便秘を改善する効果が期待できます。
ただし、キャベツは硬い葉もあり、与え方によっては消化器に負担をかけてしまうこともあり得ます。
やわらかい葉であれば細かく刻んで生で与える方法でも良いかもしれませんが、硬い葉であれば加熱をし、細かく刻んで与えるようにしましょう。
骨粗鬆症の予防
キャベツには骨の形成にかかわるカルシウムやビタミンKが豊富に含まれています。
加齢とともに訪れる骨格系の衰えや、成長期の骨格形成期の犬たちにとって、有意義だと言えるでしょう。
健康な骨格系の維持や育成へのサポートが期待できます。
愛犬にキャベツを与える際の注意点
犬の体にも良い成分を多く含むキャベツですが、与え方を間違えると大きな負担をかけてしまう危険性も秘めています。
愛犬のことを考えるからこそ与えたものが害を与えてしまうことになっては大変です。
与える際に守るべきことをきちんと把握する必要があるでしょう。
調理方法に注意する
腸に働きかける食物繊維を多く含むキャベツですが、塊では硬さもあり、生のままや大きな塊で与えると、消化が難しく、消化器に負担をかけてしまう危険性があります。
細かく刻んで、蒸す・ゆがくなどの加熱方法でしっかり柔らかくしてから与える必要があります。
ただし、水に溶ける栄養素もあるので、ゆで汁ごと与えたり、蒸す方法を積極的に取り入れる等の工夫が必要です。
毎日与えない
体にいい成分を多く含むキャベツですが、主食として愛犬の体の健康維持のすべてを補うことはできません。
あくまでも毎日与える主食は、総合栄養食であるドッグフードである必要があります。
キャベツは一緒に与えるトッピングなどにするとよいと思いますが、アレルギーなどに今後なり得る可能性や、栄養の偏りを考えると、毎日キャベツばかりを与えることはおすすめできません。
よく切ってあげる
食物繊維を多く含む一方で、硬いために与え方次第では消化器に負担をかける危険性のあるキャベツは、大きな塊のまま与えると、下痢や嘔吐などの消化器症状につながってしまう可能性があります。
消化器に負担をかけないためにも、細かく刻み、特に硬い芯の部分は除くなどの工夫をして与えるようにしましょう。
甲状腺疾患や尿石を持っている愛犬には注意
キャベツに含まれる成分や性質が持病を悪化させてしまう恐れもあります。
キャベツが含むゴイトロゲンと呼ばれる甲状腺ホルモンの生成を抑制する物質が甲状腺の状態をより悪化させる危険性があることがまず一つ挙げられます。
すでに甲状腺の機能が健康な犬と比較して問題があるとわかっている犬には与えることはおすすめできません。
また、キャベツに多く含まれるシュウ酸やカルシウムは尿路結石と呼ばれる膀胱や尿道内での結石につながる可能性のある物質です。
結石が出来ることで、排尿が困難になり、ひどい場合は尿毒症や腎臓への不可により死につながる危険性があることもあります。
すでに治療中の犬や、治療歴のある犬は与えることはおすすめできず、与えたい場合はまずはかかりつけの先生に確認してみることをお勧めします。
キャベツは既存のご飯にトッピングしてもおすすめ!
ダイエットなどでごはんの量の制限をしている子も多いのではないでしょうか。
そんなときに、食物繊維が豊富で排便をしやすくしてくれて、低カロリーで満腹感を得られるゆでたキャベツなどをトッピングすることもお勧めです。
ただし、尿路結石など食事療法を行っている子にはキャベツのトッピングは状態を悪化させる危険性もあるので、持病がある場合はまずはかかりつけの先生に相談してから行うようにしましょう。
犬にキャベツをあげる際のお手軽レシピ!
犬にキャベツを与えるときのお手軽レシピとしておすすめなのがキャベツのスープです。
キャベツをくたくたになるまで煮るだけです。
ただ、キャベツだけでは食べてもらえない可能性もあります。
そのために、骨で出汁を取ったスープを使いましょう。
豚骨や鳥の骨などと一緒にキャベツを煮ると、スープからキャベツに動物性の匂いが移ります。
出汁の匂いが犬の嗅覚を刺激するのです。
ただ、骨で出汁を取るときには骨がスープに残らないように細かくチェックしましょう。
細かい骨は犬の喉に刺さってトラブルになることもあるからです。
スープを作るときには人間が食べるものではありませんので、塩味を加える必要はありません。
塩分量が多くなると、それが問題になることもあるからです。
他のおすすめレシピとしてはキャベツ入りのメンチカツです。
メンチカツを馬や鹿の肉で作ると健康にも良いメンチカツが出来上がります。
メンチカツにキャベツを使うときには細かく刻むことが大事です。
かなり細かく刻むことで食感を隠すことができます。
犬の好みによってはキャベツの食感が気に入らないから食べないということもありえます。
また、メンチカツに近いレシピですが、ハンバーグもおすすめです。
ハンバーグは揚げる手間がかからないため、より簡単に作れます。
ただ、メンチカツよりも細かくキャベツを刻む必要があります。
ハンバーグにキャベツを混ぜると食感が出やすいからです。
食間がなくなるまで先にキャベツを炒めてから、ハンバーグに練り込むと犬は気づきにくいでしょう。
犬にキャベツは注意点を守って与えよう
犬にキャベツを与えることは問題ありません。
キャベツはビタミンなどの豊富な栄養素を含んでいるため、取り入れると栄養素がバランスがいい食事になります。
ただし、甲状腺に持病があるときや体調を崩しているときなどは与えないようにしましょう。
そんなキャベツのおすすめレシピは豚骨などで出汁を取ったスープです。
くたくたになるまでキャベツを煮れば犬は美味しそうに食べてくれます。
キャベツを与えるときは犬の体調を考慮して、少しづつ与えることが大事になります。