シーズーはチベットが原産で、ライオンのような風貌を持つ犬種を作る目的で品種改良が進められてきました。
そのような考えとは裏腹にシーズーは人懐っこい性格で、初心者でも飼いやすいとされ、人気の高い犬種です。
愛犬が心地よく過ごすためにはドッグフード選びやカットなどお手入れが欠かせませんが、シーズーにカットが必要なのはなぜでしょうか。
また、どれくらいの頻度でカットに通えばよいでしょうか。
人気のカットを10種類挙げるとともに、カットにかかる費用の概算についてもお伝えします。
シーズーがカットに通うべき理由
シーズーは美しい毛並みと毛色が特徴です。
ダブルコートと呼ばれる2種類の被毛を持っていますが、抜け毛が少ないため、適当な長さで毛が抜け落ちるということはなく、一生の間、伸び続けます。
そのため、本来はカットする必要はありませんが、シーズーが生活する環境によってはカットの必要性が出てきます。
例えば、シーズーは食欲旺盛でドッグフードのコントロールは欠かせませんし、ある程度の運動量を確保する必要があります。
肥満や心臓病、関節や骨に関係する病気を発症しやすくなるため、家の中など比較的狭い空間で飼育しているシーズーは、定期的な運動や散歩が必要です。
運動の際に毛足が長くて動きづらいと、歩くこと自体、嫌がる可能性があるため、動きやすくカットすることは健康を維持するうえでも大切です。
また、シーズーは他の犬種と比較して鼻の周辺が低いので、目やにが落ちずに顔につきやすくなります。
そのため、鼻の周りをカットすることで目やにやごみが付くことを避けられます。
顔周りをカットしておけば、ドッグフードを食べた時に顔周りの毛に食べかすが付きにくくなり、衛生的にも良い点にあります。
また、シーズーは皮脂が多く、その影響で皮膚病にかかりやすいため、日ごろのブラッシングが欠かせません。
あまりにも毛が長く、ブラッシングの際に引っかかってしまうと、ブラッシング自体を嫌がる可能性があるため、毛が絡まらない程度にカットしておくことが重要です。
シーズーのカットに適した頻度は?
では、シーズーのカットはどれくらいの頻度で行うと良いのでしょうか。
個体によって毛が伸びるスピードが異なりますが、毛玉ができる前にカットすると、愛犬が心地よく過ごせるはずです。
そのため、月に1度程度の頻度になることが多いようです。
シーズーのカットは子犬のころから始めると良いでしょう。
なお、子犬のカットを開始するのは、ワクチンプログラムが終わってから2週間ないしは1か月経過した後からになります。
カットの後のお手入れは、季節ごとに注意点があります。
夏の時期は湿気も多く、ただでさえ皮脂の多いシーズーの毛は汚れやすくなるため、シャンプーするとすっきりするはずです。
また、冬は静電気が発生して毛にほこりが付きやすくなります。
そのため、シャンプーをするなどして汚れを落としてあげる必要も出てきます。
愛犬の年齢によってカットの仕方や頻度を変えることも検討しましょう。
特に老犬は皮脂が多くなり、短めにカットすると通気性が良くなります。
しかし、老犬にとってはカットに行くことが大きな負担になってしまうため、毛足を短くしてカットの頻度を少なくする工夫もできるでしょう。
なお、シーズーの皮脂は、お手入れの他にドッグフードでコントロールすることもできます。
犬の健康を第一に考えたドッグフードの中には、サーモンや鳥の油などの良質な不飽和脂肪酸を取り入れたり、ビタミンやミネラルなどを加えて栄養バランスを良くしている製品があります。
シーズーの人気カット10選
テディベアスタイル
シーズーのカットの種類は豊富で、いろいろなカットを楽しむことができますが、その中でも人気が高いのが、テディベアスタイルです。
シーズーは元々顔が丸いため、その顔の特徴を引き立たせるようにした丸顔カットが良く似合います。
テディベアスタイルは大きく分けて、おかっぱのように耳の毛の長さを鼻のラインにするスタイル、顔のあごのラインまでとする短めのスタイル、胸のラインまで長くするスタイルの3種類があります。
ぬいぐるみスタイル
テディベアスタイルと似ているのが、ぬいぐるみスタイルと呼ばれるカットで、目と鼻の間の毛を少し長めに直線にすることで目鼻立ちを強調することができます。
トップ・ノット
シーズーは様々なアレンジが楽しめますが、トップ・ノットと呼ばれるスタイルは、頭の上の毛を伸ばしてリボンなどで結び、口の周りをカットする方法で、特に毛量が多い個体向けのカットです。
フルコート
ストレートな毛並みの個体であれば、フルコートと呼ばれる毛足を極力長くするスタイルが似合います。
目鼻と口が出るように被毛を流して足元を隠すくらいに長くすると、優雅さを感じることができます。
モヒカンスタイル
個性的なスタイルとしては、モヒカンスタイルがあります。
頭の上の毛を山型に立つくらいに短くし、耳の毛をあごのラインまでとすると、元気な男の子のイメージが出ます。
サンバカットスタイル
サンバカットスタイルは、顔の毛をできるだけ短くし、足元の毛を丸いポンポンのように膨らませることで、カーニバルの踊り手のようなカットになります。
ライオンテールスタイル
シーズーは他の動物を模したカットも似合います。
ライオンテールスタイルは、元々ライオンを模して品種改良した顔の表情を活かして体の毛を短くし、しっぽの先を膨らませてライオンのように見せます。
子羊スタイル
子羊スタイルのカットは、顔はテディベアスタイルに似せて、体はフワフワとした毛並みになるようにカットし、足元は素肌が見えるくらい短く刈ります。
ブーツカットスタイル
シーズーは、よくプードルが行うブーツカットスタイルも似合います。
ベリーショートスタイル
皮膚トラブルを起こしがちな個体は全体的に短くカットするベリーショートスタイルにするのもおすすめです。
いくらきれいにカットしても、毛艶が良くないとカットの効果が半減してしまいます。
そのため、添加物などが含まれず、良質なたんぱく質や脂質が含まれるドッグフードを与えることが大切になります。
シーズーのカットにかかる費用は?
シーズーのカットの値段ですが、サロンによっても、どれくらいカットするかによっても異なりますが、
全身をカットする場合は5,000円から10,000円程度となることが多いようです。
愛犬が健康を維持できるよう適度なカットを心がけるとともに、日ごろのお手入れをしっかりし、体に取り入れるドッグフードを選ぶことなど、飼い主側の努力が大切です。
シーズーのカットについて
シーズーはダブルコートの美しい毛並みが特徴の犬種で、毛が抜けにくいことから、生活スタイルに合わせて、また健康を維持できるよう適度にカットすることが大切です。
また、カットに加えて、日ごろのお手入れや良質なドッグフードを与えることが、愛犬が健康的に生活するためのポイントです。