ポメラニアンは愛らしい外見とは裏腹に、しつけや飼い方に注意が必要な小型犬種です。
警戒心が強く、頑固で甘えん坊な一面があり、噛み癖や吠え癖がつきやすいといった特徴は欠点とも言えるでしょう。ポメラニアンと良好な関係を保つためには適切なトレーニングと根気強い“しつけ”が欠かせません。
このユニークな性格を持つポメラニアンとハッピーに暮らすには、具体的にどのような工夫が必要なのでしょうか?
ポメラニアンが性格わるいと言われる理由
ポメラニアンが「性格わるい」と言われてしまうのは警戒心の強さと頑固さ、甘えん坊である点の3つが理由です。
ポメラニアンは勇敢であり、警戒心も強いため番犬に向くというメリットがある一方で、すぐに吠えたり噛み癖がついたりといったデメリットもあります。
牧羊犬を祖先に持つため、周囲の変化にいち早く気付き吠えて知らせるという習性が残っているという訳です。
ただし牧場であれば役に立つその習性も、マンションや住宅地では逆に作用する場合もあります。
中には、家の前を人が通るたびに吠えてしまって困っている飼い主も少なくありません。
ポメラニアンは、頑固な性格も持ち合わせています。
そのため思うようにしつけやトレーニングが進まず、わがままと認識されてしまうケースも多いです。
一方で小さな見た目にそぐわず、意思の強さも持っています。
大きな家畜にもひるまずに吠えて誘導するのが仕事である、牧羊犬の名残りかもしれません。
自立心が高いため、留守番は苦手ではないという一面もあります。
家に人がいなくなる瞬間があるご家庭でも、安心してお迎えできる点はメリットと言えるでしょう。
自立心が強く勇敢ではあるものの、同時に甘えん坊という特徴も持っています。
一度飼い主に構ってほしいと思ったら、遊んでもらえるまで諦めずにおねだりしたり周囲をついて回ったりします。
時間がある時なら良いですが、忙しい時も同じ調子で要求してくるため性格がわるいと思われがちという訳です。
ポメラニアンはどんな性格?
ポメラニアンは勇敢であるとともに、元気で活発な性格です。
好奇心旺盛で色んなものに興味を持ち、遊ぶのが大好きという特徴を持っています。
明るい性格であると同時に、元気がありあまってやんちゃ坊主な一面を覗かせる子も多いです。
周囲の変化に注意深く対応し、警戒心が強いという点も大きな特徴です。
加えて興奮しやすい傾向にあり、警戒心が高まった際には吠えやすいため注意しましょう。
むやみに吠えないよう、子犬の頃からしつけを行っておくことが大切です。
また自立心が高く、頑固な面はデメリットばかりではありません。
牧羊犬の血を引くポメラニアンは、飼い主への忠誠心が強いことでも知られています。
飼い主への依存症があり、甘えん坊な側面がある一方できちんとしつければ言うことを忠実に守ってくれる犬種です。
思う存分甘えさせる時と、飼い主の言いつけを守らせる時をしっかりと分けるのがポイントとなります。
ポメラニアンの性格以外の特徴は?
ポメラニアンはドイツ原産の小型犬であり、バルト海に面したポメラニア地方にちなんで名付けられた犬種です。
この地方では色々な種類のスピッツが飼育されており、中型のスピッツの品種改良を重ねることによって生み出されました。
同じくスピッツ族であり使役犬のサモエド、牧羊犬であるジャーマンスピッツの血を引いています。
愛玩用に飼うために小型化されたポメラニアンが流行犬種となったのは、17世紀以降の多くの王族に飼育されたことがきっかけと言われています。
小さくなだらかな形状の耳と尖ったマズル、身体と比べて大きめの尻尾が特徴的です。
保温機能を持つ短めのアンダーコートと、長めのオーバーコートによる二重構造の被毛を持ちます。
保温の必要がなくなった春先には毛が抜け始めるため、抜け毛の多い犬種としても知られています。
体重は1.8~2.3kg程度が平均的ではあるものの、中には10kg近くにまで成長するなど個体差が大きい犬種です。
両親に加えて祖父母の影響も受けると言われており、成長する大きさは親族のサイズを確認すればある程度予測がつきやすいです。
平均寿命は12~16歳となっており、小型犬の中では長命な犬種として知られています。
ポメラニアンを選ぶメリットとして挙げられるのが、身体の頑丈さです。
小型であるとは言え、もともと使役犬や牧羊犬の血を引く犬種であるため身体のつくりは丈夫です。
一方で他の小型犬の例に漏れず、歯周病に罹患しやすい傾向にあります。
口が小さいため歯磨きがしにくかったり、汚れに気付きにくかったりするのが原因です。
ポメラニアンと正しく育てるコツ
世間一般で言われている「性格がわるい」とされる箇所も、子犬の頃から根気よくしつけを行うことで手のかからない犬に育てることができます。
小さい頃からできるだけ長い時間寄り添ってあげること、そして色んな人や犬と面会させることが大切です。
散歩に連れ出したり、ドッグラン・公園に遊びに行って色々な環境やものごとに触れさせましょう。
吠え癖がつくのは、飼い主や家族以外との交流が少ないことが原因です。
警戒心が強いという点は、翻せば利口な犬であるとも言えます。
多くの体験を積ませることにより、無駄吠えをしない賢い犬へと成長しやすくなります。
留守番が得意な犬種であるため、子犬の時から外出時間を徐々に長くしてトレーニングすることも重要です。
成長すれば自立心が高まり、留守番ができる子に育って飼い主も安心して外出できるようになります。
甘えん坊な性格に関しても、要求に全て応じるのではなく遊ぶ時と我慢する時を区別することで矯正可能です。
上手く我慢できた時はご褒美をあげるなど、褒めて伸ばすようにすれば効果的です。
子犬の頃からしっかりとしつければ賢く育つ!
牧羊犬や使役犬の血を引くポメラニアンは、祖先の名残りからか警戒心が強く頑固な一面を持っています。
周囲の変化にいち早く気付き吠えて知らせるという習性がある一方で、放置すれば無駄吠えをするようになるため注意が必要です。
しかし子犬の頃からその特徴・性格を知った上で根気よくしつけを行えば、賢く育てることも可能です。
小さい頃からドッグランなどに頻繁に連れて行って外の世界に慣れさせたり、留守番のトレーニングを行ったりすると効果的です。