小さくて可愛いチワワは老若男女問わず人気のある犬種ですが、よく「キャンキャン」と吠えているイメージがありませんか?
これは無駄吠えと呼ばれるものですが、むやみに叱りつけても効果はありません。
この記事ではチワワに無駄吠えが多い理由や無駄吠えを始める時期、無駄吠えがひどい時の対策などについて紹介していきます。
なぜ愛犬が吠えているのか、その原因さえ把握出来れば、もっと気持ちに寄り添うことが出来て飼いやすくなるのではないでしょうか。
チワワは無駄吠えが多い理由
チワワの無駄吠えが多いのは、チワワ特有のその性格に理由があります。
可愛らしい見た目とは裏腹に、実はとても気が強く、群れの中では自分が一番になろうとする気質があるのです。
つまり飼い主より自分の方が上と思い込んでいると、「ごはんが欲しい」「散歩に行きたい」といった要求も吠える事で押し通そうとする訳です。
また気性が激しい反面、臆病で警戒心が強い一面もあります。
見ての通り体が小さいため、見知らぬ人や犬に遭遇した際は、少しでも自分を強く、大きく見せようと吠えて相手を威嚇します。
基本的にチワワの無駄吠えは要求吠えと防衛吠えの2種類に分かれますが、中には飼い主と一緒に居なければ不安を感じる「分離不安」という心の病気を抱えていたり、認知症が原因で無駄吠えが見られるケースもあります。
チワワの無駄吠えを始める時期
チワワの無駄吠えが始まる時期ですが、一概に何歳から、何か月からとは断定出来ません。
気が強く臆病な犬種ではありますが、生まれ持った性格も大きく関係します。
例えば親から気の強い性格が遺伝すると、生後2~3ヶ月の子犬の頃からでもよく吠えます。
また7ヶ月頃は反抗期、1~2歳頃は縄張り意識を強く持つようになるため、それまでは大人しかった犬も、
突然の来客やインターホンの音が鳴った時に自分のテリトリーを守ろうと激しく吠えるようになるケースもあります。
そして環境や育て方も無関係ではありません。
可愛いからと飼い主が甘やかして育てると、元々大人しい性格であっても次第にわがままになり、
性格も攻撃的になってしまう可能性もあります。
チワワの無駄吠えがひどい時の対策
チワワの無駄吠えがひどい時は、つい大きな声で叱りがちですが、ただむやみに叫んで制止させようとするのはNGです。
そもそも見知らぬ人や犬に対して吠えている時は警戒心を持って自分を守ろうとする行為であり、ここで飼い主も大声で叫ぶと、愛犬は飼い主も一緒になって吠えてくれたと理解してしまうのです。
そしてもう一つ、とりあえず吠えるのをやめて欲しいと要求に応じてしまうのも避けなければいけません。
吠えると飼い主は自分の言う事を聞いてくれると勘違いし、何か要求がある度に無駄吠えするようになります。
主従関係の構築
無駄吠えを無くすためには、吠えないようにしつけをする事が大事ですが、その前に飼い主との主従関係もしっかり構築しておかなければいけません。
甘やかして育てていると、愛犬は飼い主より上の立場と認識し、しつけをしても言う事を聞いてくれないのです。
主従関係をハッキリさせるコツは、ドアから出る時や散歩のリード、食事をする時など全ての面において、飼い主優先で進めていくことです。
愛犬が通り道に座り込んで通れない状況になっている時は、飼い主が避けて通ろうとするのではなく、犬が動いて道を開けるように言葉をかけていきます。
飼い主の言う事を聞かなければならないと愛犬が理解できるようになれば、しつけもしやすくなります。
正しい叱り方・褒め方
しつけをする際は正しい叱り方、褒め方を意識する必要があります。
まず叱る時は、チワワが吠え始めたタイミングで、「ダメ」と強めの低い声で声をかけます。
ただ声をかけるだけで静かになる事はほとんどありません。
注意しても吠え続けている場合は、片手でチワワの腰を、もう片方の手で頭を抑えて動きを止めます。
チワワは骨が弱いので、あまり強く押さえつけると骨折の危険性があるため、軽く抑える程度で問題ありません。
動きが止められると自然と大人しくなります。
大人しくなったタイミングで、再び「吠えたらダメ」と言い聞かせます。
数秒間拘束し、落ち着いたと判断出来れば手を放します。
もちろん最初から上手くいく訳ではなく、何度も繰り返して教え込んでいくことが大切で、根気よく続ければ、次第に吠えると叱られると認識できるようになります。
そして叱るだけではなく、無駄吠えを我慢出来た時はしっかり褒めてあげます。
飼い主であれば、知らない人が近づいてきた時や他の犬の様子をじっと見ている時など、何となく愛犬が吠えそうな瞬間というものがわかるものです。
愛犬が吠えそうになる前に、「ダメ」と声をかけ、もし飼い主の言うことを聞いて吠えるのを我慢できた際は、撫でるなりご褒美としておやつをあげるなりして、思いっきり褒めるようにします。
逆にチワワが吠えない時は…?
チワワはよく吠える犬種というイメージがありますが、全てのチワワに吠え癖がついている訳ではありません。
元々大人しい性格だったり、普段の生活の中で安心感や満足感が得られていれば、無駄に吠える事もないのです。
つまり他のチワワに比べて愛犬が吠えないからといって、心配する必要はありません。
ただしいつもよく吠えていた犬が、急に吠えなくなった、大人しくなった場合は注意が必要です。
しつけを繰り返して大人しくなってくれたなら良いですが、実は体に異変が生じている可能性もあります。
病気の可能性も
吠えなくなった以外に食事や水分をあまり摂取しない、呼吸が荒い、下痢などの症状がある時は何かしらの病気を抱えているかもしれません。
またチワワは神経質な一面もあるので、長時間留守番をさせていた、知らない人と頻繁に会う機会があったなど些細な事が大きなストレスになっていることもあります。
普段と様子が違うと感じたなら、迷わず動物病院を受診した方が安心です。
愛犬の性格を見極めて正しく躾をしよう
ひとえに無駄吠えをするチワワといっても、それぞれで性格が違います。
ただただ要求に応えて欲しくて吠えている犬もいれば、極度の怖がりで吠えるしか抵抗する方法が無いと無駄吠えをするチワワもいます。
飼い主にとっては長い付き合いになるため、まずは愛犬の性格をよく知って吠えている原因を探す事が大切です。
そして途中で投げ出さず根気よくトレーニングを続けていけば、
気性の激しい犬でも大好きな飼い主の期待に応えようと無駄吠えを我慢してくれるようになります。