シーズーは、チベットや中国が原産の犬であり、中国歴代王朝の宮廷犬として飼育されていました。
美しい毛並みと、人懐っこく、フレンドリーな性格でありながら、落ち着きもあり賢い子も多い犬種です。
しかし、シーズーには、皮膚病などの特有の病気になりやすい傾向があるので注意が必要です。
本記事では、シーズーの寿命や病気、老化のサインについて解説していきます。
飼い主さんは、本記事を読んで、愛犬の健康寿命を伸ばすために大切なことを理解し、日々の生活に取り入れていくようにしましょう。
シーズーの平均寿命は?
犬種にかかわらず、犬全体の平均寿命は14.1歳(*)です。
では、シーズーの平均寿命はどれくらいになるのでしょうか?
詳しく見ていきましょう。
平均寿命
シーズーの平均寿命は、13.9歳(*)です。
その他の代表的な犬種の平均寿命は以下のようになります。
犬種 | 平均寿命(2019年) |
シーズー | 13.9歳 |
トイプードル | 15.3歳 |
チワワ | 13.8歳 |
ミニチュアダックスフンド | 14.9歳 |
柴犬 | 14.8歳 |
ポメラニアン | 13.7歳 |
フレンチ・ブルドック | 11.2歳 |
キャバリア・キング・チャールズスパエル | 12.2歳 |
ウェルシュ・コーギー・ペンブローク | 12.3歳 |
ボーダー・コリー | 13.1歳 |
ラブラドール・レトリーバー | 12.9歳 |
ゴールデン・レトリーバー | 10.9歳 |
シーズの平均寿命は13.9歳であり、犬の平均寿命が14.1歳であることを考えると平均よりは少し短命かもしれません。
しかし、食事や飼育環境、ストレスの有無などによっても寿命は変わってきます。
飼い主さんは、愛犬を思いやる暮らしを心がけてあげるようにしましょう。
シーズーの年齢を人間に換算すると
シーズーの年齢を人間の年齢に換算すると以下の表のようになります。
シーズーの年齢 | 人間に換算した年齢 |
生後3ヶ月 | 4~5歳 |
生後6ヶ月 | 11~13歳 |
生後9ヶ月 | 14~16歳 |
1歳 | 15~16歳 |
2歳 | 23歳 |
3歳 | 28歳 |
4歳 | 32歳 |
5歳 | 36歳 |
6歳 | 40歳 |
7歳 | 44歳 |
8歳 | 48歳 |
9歳 | 52歳 |
10歳 | 56歳 |
11歳 | 60歳 |
12歳 | 64歳 |
13歳 | 68歳 |
14歳 | 72歳 |
15歳 | 76歳 |
16歳 | 80歳 |
17歳 | 84歳 |
18歳 | 88歳 |
19歳 | 92歳 |
20歳 | 96歳 |
シーズーは1歳の時点で人間の年齢に換算すると15歳、3歳では28歳になります。
その後は、1年ごとに人間に換算すると4歳ずつ歳をとっていきます。
平均寿命を迎えた14歳ごろは約72歳となり、愛犬が歳をとっていくのはあっという間に思えてしまいますよね。
ギネスの長寿のシーズー
シーズーの寿命に関して正式なギネス記録はないのです。
しかし、アメリカフロリダ州に暮らしていたシーズーの「Smokey」ちゃんは、23歳まで生きたと言われています。
また、日本において飼育されているシーズーの最高齢も23歳です。
23歳になると、人間の年齢に換算するとおよそ108歳です。
愛犬には、ぜひこの記録を塗り替えて長生きしてもらいたいですね。
シーズーが落ち着く年齢は?
シーズーの中には、活発でやんちゃな性格をしている子もいるでしょう。
しかし、幼い時にやんちゃでも、2〜3歳になってくると環境に慣れて落ち着きが出てくることもあります。
また、6歳を超えたあたりから、シニア期に入りますので、寝ている時間が多くなったり、活動性が低下したりします。
飼い主さんは、愛犬が6歳を超えて落ち着いてきた場合には、老化に対して何かしらの対策をしてあげることが必要です。
シーズーを長生きさせるために
飼い主さんが愛犬であるシーズーを長生きさせるためには以下の8つの項目に気をつけてあげるようにしましょう。
- 食事
- 運動
- ストレス解消
- 健康診断
- 体を清潔に保つ
- 室内の温度を調節してあげる
- 必要に応じて避妊、去勢手術を受ける
- 耳掃除
それぞれについて詳しく解説していきます。
食事
食事内容では、以下の3つの点に気をつけてあげるようにしてください。
- 良質なタンパク質を摂取する
- ω3脂肪酸を摂取する
- 低脂肪、低カロリーの食事を心がける
愛犬には、良質なタンパク質を食べさせてあげるようにしましょう。
良質なタンパク質とは、「チキン」、「サーモン」、「ラム」などの肉・魚類のことです。
飼い主さんは、パッケージにこれらの原材料が明記されているドッグフードを選んで与えてあげるようにしましょう。
愛犬が長生きしてくれるためには、体の筋肉や皮膚、被毛を作るタンパク質を積極的に摂取していくことが大切です。
また、体内の炎症を抑えてくれるω3脂肪酸を積極的に摂取するようにしましょう。
ω3脂肪酸は、主に魚の脂肪などに含まれており、皮膚や関節、認知機能などの老化に伴う症状を軽減してくれる働きがあります。
さらに、肥満は犬にとっては、肝臓病や心臓病、呼吸器疾患の原因となります。
犬は高齢になってくると代謝が低下し、太りやすくなってしまうことが多いので、なるべく低脂肪、低カロリーのものを与えるようにして肥満を予防しましょう。
ドッグフードは、「シニア犬用」、「高齢犬用」などと記載されたものを使ってあげるのがおすすめです。
シーズーの食事にはココグルメもおすすめ
ココグルメは、新鮮な食材を使った獣医師監修の国産手作りドッグフードです。
総合栄養食であり、美味しく食いつきも良いので、普段の食事としても使用することができます。
シーズーの食事にココグルメがおすすめな理由としては、良質なタンパク質とω3脂肪酸が含まれている点です。
ココグルメには、
- チキン&ベジタブル
- ポーク&ブロッコリー
- フィッシュ&パンプキン
の3つのメニューがあります。
特に、フィッシュ&パンプキンのメニューでは、魚をタンパク源として用いており、皮膚や関節に良い効果をもたらすω3脂肪酸が多量に含まれています。
シーズーは、皮膚病がとても多い犬種です。
しかしココグルメを食べることによって、ω3脂肪酸を摂取でき、しっかりと皮膚の健康を保つことができるでしょう。
愛犬のご褒美にも使えるほどの美味しさなので、ぜひ飼い主さんは、一度ココグルメをお試しください。
運動
老化すると散歩にもいきたくなくなる子もいますが、筋力維持やストレス解消のためになるべく散歩に連れて行くようにしましょう。
散歩で心肺機能の維持をしてあげるのにも必要です。
健康な子の場合、1日20分を朝と夕方の2回行ってあげるようにしましょう。
シニア期になると関節炎や手足の痛みなども出てくるかもしれません。
怪我しないように、急な段差や足元が悪い道には連れて行かないようにしてあげてください。
また肥満は、関節疾患、心臓病、呼吸器疾患、体内の慢性炎症を引き起こすので、寿命が短くなることも考えられます。
適度な運動をさせて肥満を予防してあげるようにしましょう。
ストレス解消
ストレスを解消させるために、散歩はもちろんスキンシップや遊びを日常に取り入れてあげましょう。
ストレスを解消できないと噛み癖、吠え癖、脱毛などのさまざまな問題を抱えてしまうようになります。
日々、体を撫で、ブラッシングしたり、ボール遊びをしたりなどしてストレスをうまく解消させてあげるようにしてください
健康診断
愛犬には、定期的に健康診断を受けてもらうようにしましょう。
犬が歳を重ねていくスピードはとても早く、病気の進行も早い傾向があります。
飼い主さんは、愛犬が3歳までは1年に1回、シニア期に入ったら半年に1回、高齢期では3ヶ月に1回の頻度で健康診断に連れていくことが理想的です。
しっかりと健康診断を受けて、病気の早期発見・早期治療を行うようにしてあげてください。
体を清潔に保つ
シーズーを飼っている飼い主さんは、毎日のブラッシングをかかさずに行ってあげてください。
シーズは、皮膚病が多い犬種です。
また毛量も多いため、細菌性の皮膚炎や、マラセチアと呼ばれるカビの感染による皮膚炎が起こります。
通気性を良好に保ってあげるという面でも、毎日ブラッシングしてあげるようにしましょう。
また、シャンプーも愛犬が嫌がらないのであれば、週に1回の頻度で行ってあげてあげましょう。
さらに、長い毛が目に入ってしまうこともあります。
そうした場合には、定期的にトリミングでカットしてもらうと良いでしょう。
室内の温度を調節してあげる
シーズーは寒冷地出身の犬であり、高温多湿な環境は苦手です。
部屋の温度は夏場は25度前後にして暑さ対策を行ってあげるようにしましょう。
また皮膚トラブルの原因にもなるので、湿度は60%以下にしてあげると良いです。
シーズーの毛は長くボリュームも多いので、なかなか熱を逃しにくく、熱中症になりやすいです。
しっかり水分補給をさせて暑い夏を健康に乗り切ってあげてください。
必要に応じて避妊、去勢手術を受ける
子供を生ませるつもりがないのであれば、避妊手術や去勢手術を行うことをおすすめします。
飼い主さんの中には、「かわいそう」と思われる方もいるでしょう。
避妊去勢によって寿命が伸びるわけではないのですが、発情期のストレスを軽減することができます。
また未避妊・未去勢であると以下のようなさまざまな病気にかかりやすくなります。
- 子宮蓄膿症
- 乳腺腫瘍
- 前立腺肥大
- 会陰ヘルニア
- 肛門のうせんがん
子宮蓄膿症や乳腺腫瘍は、命に関わる病気ですので、対策しておくことは重要です。
飼い主さんは、獣医師さんと相談してみて、必要があれば避妊・去勢手術を行うようにしてあげてください。
耳掃除
シーズーは垂れ耳であり、耳の中が蒸れやすく細菌も繁殖しやすいです。
そのため、外耳炎になりやすい犬種といえます。
外耳炎は放っておくと、ひどい痒みを伴い、耳に炎症を引き起こします。
炎症が進行すると、耳の穴が塞がるまで腫れてしまうこともありますので注意が必要です。
飼い主さんは、週に1回は耳掃除をしてあげるようにしましょう。
なかなか自宅で耳掃除をすることが難しい場合には、動物病院を受診して耳掃除を行ってもらうのも良い手段です。
シーズーがかかりやすい病気
ここからは、シーズーがかかりやすい病気について解説していきます。
シーズーがなりやすい病気は以下の通りです。
- 気管虚脱
- 弁膜症(心臓病)
- 緑内障
- 外耳炎
- 脂漏症
それぞれについて詳しく解説していきます。
気管虚脱
気管虚脱とは、加齢により気管を支える軟骨が弱くなる病気です。
軟骨がうまく気管が支えられず気管がつぶれている状態になります。
症状としては、ガチョウのようなガーガーという咳が認められ、ひどくなると呼吸困難になってしまいます。
飼い主さんは、首輪の締め付けにより、気管が弱くなっている可能性も考えられますので、散歩の時には、ハーネスで散歩するようにしてあげてください。
また、肥満の子は特になりやすい傾向にありますので、飼い主さんは肥満には注意しておくようにしてください。
弁膜症(心臓病)
心臓の部屋を区切っている三尖弁や僧帽弁と呼ばれる弁の機能が衰え、心臓の血液が逆流してしまう病気です。
初期症状は、咳や運動してもすぐに息切れするといった症状が認められます。
末期になると、肺に水が溜まってしまう肺水腫により呼吸困難、チアノーゼになり命を落とすことが多いです。
肥満は心臓病のリスク因子なので、心臓病になってほしくない方は肥満には十分注意するようにしましょう。
治療としては、内科的治療によりコントロールしていくことがほとんどです。
ただし、近年では、外科手術も行うことができるようになりました
緑内障
眼球の中の水がうまく排出されずに、どんどん眼球内に水が溜まってしまう病気です。
目の充血や痛みなどが症状としてみられ、痛くて目を開けられない場合もあり、最悪の場合は失明することもあります。
また外観的には、目の大きさが大きくなる(眼球が突出している)ように見えることもあります。
緑内障は早めに処置する必要がある病気です。
飼い主さんは、愛犬の目に異常を感じた場合には、動物病院に連れていき、点眼薬の処方や適切な処置をしてもらうようにして下さい。
外耳炎
シーズーは、耳が垂れている犬種であり、体質的にも皮膚炎やアトピーも多い犬種ですので、外耳炎になりやすいです。
外耳炎になると、耳の汚れや痒みや悪臭が症状として認められます。
また重症化すると耳の皮膚が腫れて、穴が塞がってしまうこともありますので注意が必要です。
早めに動物病院に連れていき、獣医師に見てもらうようにしましょう。
細菌やカビが増殖している場合には、抗生剤や抗真菌薬を使う必要もあり、腫れがひどければステロイド剤で腫れを鎮めていく治療を行う必要があります。
脂漏症
シーズーは、脂質代謝異常によって皮膚が油っぽくなってしまうことがあり、これを脂漏症と呼びます。
脂漏症の症状としては、以下のようなものが考えられます。
- 触ると脂っぽい
- ベタつき
- 脱毛
- 皮膚が硬い
特に春や夏などの湿気の多い時期に悪化しやすい傾向になります。
脂漏症は進行すると感染を起こし、マラセチア皮膚炎、細菌性皮膚炎などの病気を併発することがあるので注意が必要です。
治療方法としては、脂漏症の子専用のシャンプーを行ってあげることが重要です。
また、感染を起こしている場合には、抗生剤などの内服薬も必要となってくるでしょう。
シーズーが老化すると見られるサイン
シーズの老化のサインとしては、以下の5つが考えられます。
- 毛の量や色の変化
- 鼻の乾き具合
- イボなどができる
- 目が白濁する
- 目やにが増える
それぞれについて詳しく解説していきます。
毛の量や色の変化
シーズーが老化してくると、毛の量や色の変化がみられるようになります。
シーズーは、特に皮膚病が多い犬種であり、加齢と共に皮膚病も併発することがあります。
飼い主さんは、愛犬の皮膚を日頃から観察し、丁寧なブラッシングを行うようにしてあげてください。
また、加齢により毛まで栄養が行き渡っていない可能性もありますので、食事を消化吸収しやすい良質なものに変更したりサプリメントを使ったりして栄養補給を行うと良いでしょう。
鼻の乾き具合
シーズーが老化してくると、鼻からの分泌物が少なくなり鼻がカピカピに乾いてしまうことが多いです。
これは、加齢により体内の代謝が落ち、体の中が脱水傾向になっている可能性が考えられます。
食事をウェットフードやフレッシュフードに変更して水分が取れるようにしたり、飲み水の設置場所を増やして水を頻繁に飲めるような環境にしたりすることがおすすめです。
もし、嘔吐や下痢、元気の低下などの症状も同時にみられる場合には、何か病気が隠れている可能性もありますので一度動物病院に連れていくようにしてあげてください。
イボなどができる
高齢になると、体にイボができることが多いです。
特にシーズーの場合は毛が長いこともあり、皮膚を注意深く観察しないとなかなかイボを発見できない可能性があります。
また、シーズーは皮膚病も多いので、普段の生活からブラッシングを丁寧に行うことが重要です。
何か気になるイボを発見した場合には、動物病院で一度みてもらうようにしてください。
目が白濁する
シーズーは加齢により目が白く濁ることがあります。
目が白くなる病気は、核硬化症や白内障、ぶどう膜炎などが考えられます。
核硬化症ならば、特に視力に影響することはないので経過観察で大丈夫なのですが、白内障やぶどう膜炎は、場合によっては治療が必要な病気です。
飼い主さんが自分で判断するのは、非常に難しいので、一度愛犬の目が白く濁っていることを確認した場合には、動物病院を受診するようにしてください。
目やにが増える
犬が老化すると、体内の老廃物が増加し、目やにの量が増えることがあります。
目やにが固まると感染を起こす原因となりますので、こまめに目やにを取るようにしてあげましょう。
また、角膜炎、結膜炎、ぶどう膜炎、ドライアイといった病気でも目やにが増えることがあります。
こうした病気の場合は、目が充血することがほとんどです。 飼い主さんは、愛犬の目の状態も日頃からチェックしてあげるようにしてください。
手厚いケアでシーズーと長く一緒に過ごそう!
本記事では、シーズーの寿命や、病気、老化のサインについて解説してきました。
シーズーは、美しい毛並みや人懐っこい性格から人気の高い犬種ですが、目の病気、皮膚の病気などさまざまな病気が起こりやすい犬種です。
愛犬の健康寿命を伸ばすために飼い主さんができることは多々あります。
日々の生活からしっかりとケアして愛犬と一緒に楽しい生活を続けていけるよう努力しましょう。