ヨークシャーテリアは小柄で愛嬌もあり、非常に人気の高い犬種です。
飼い主さんは、「ヨークシャーテリアはどのくらい生きる?」 「長生きさせたい!」
と思うこともあると思います。
本記事では、そんなヨークシャーテリアの平均寿命、かかりやすい病気、老化のサインを解説します。
飼い主さんは、ぜひ参考にして愛犬の健康寿命を伸ばす対策をとっていきましょう。
ヨークシャテリアの平均寿命は?
犬全体の平均寿命は、14.1歳(*1)と言われています。
では、ヨークシャーテリは何歳まで生きるのでしょうか?
ここからは、ヨークシャーテリアの平均寿命や長寿のギネス記録、オスとメスの性別が寿命に与える影響などについて解説していきます。
平均寿命
ヨークシャーテリアの平均寿命は、13.7歳(*1)です。
犬全体の平均寿命が14.1歳であることを考えると、平均よりは少し短命な犬種であると言えるでしょう。
ヨークシャーテリアが短命な理由としては、明確ではないですが、かかりやすい病気の多さが原因であるとも考えられます。
かかりやすい病気については、以下の「ヨークシャーテリアがかかりやすい病気」の章で解説していますのでぜひ参考にしてみてください。
ヨークシャテリアの年齢を人間に換算すると
ヨークシャーテリアの年齢を人間に換算すると以下の通りです。
ヨークシャーテリアの年齢 | 人間に換算した年齢 |
生後3ヶ月 | 4~5歳 |
生後6ヶ月 | 11~13歳 |
生後9ヶ月 | 14~16歳 |
1歳 | 15~16歳 |
2歳 | 24歳 |
3歳 | 28歳 |
4歳 | 32歳 |
5歳 | 36歳 |
6歳 | 40歳 |
7歳 | 48歳 |
8歳 | 52歳 |
9歳 | 56歳 |
10歳 | 56歳 |
11歳 | 60歳 |
12歳 | 64歳 |
13歳 | 68歳 |
14歳 | 72歳 |
15歳 | 76歳 |
16歳 | 80歳 |
17歳 | 84歳 |
18歳 | 88歳 |
19歳 | 92歳 |
20歳 | 96歳 |
1歳の時点で、人間の15〜16歳に該当し、2歳で人間の年齢に換算すると24歳になります。
それ以降では、一年経過するごとに4歳ずつ歳を重ねていきます。
人間からすると犬の成長スピードはあっという間です。
愛犬との日々を1日1日大切に過ごしてあげましょう。
ギネスの長寿のヨークシャテリア
ギネス記録として記録されている長寿のヨークシャーテリアはいませんが、海外では、26歳まで生きたヨークシャーテリアが報告されています。
日本での最高齢は、20歳です。
人間の年齢に換算すると96歳なのでかなりの高齢になりますね。
飼い主さんも、愛犬がこの記録を塗り替えれるぐらいに長生きできるようしっかりとサポートしてあげましょう。
ヨークシャテリアが落ち着く年齢は?
ヨークシャーテリアは、まだ子犬のうちはやんちゃであり、手を焼く飼い主さんも多いです。
大体1歳くらいまでは活発でやんちゃなことが多いですが、3〜4歳あたりから落ち着いてきます。
その後シニア期を迎えるとさらに、活動性は低下していきます。
しかし、いずれ落ち着くだろうと放っておくと、大きくなっても本気で噛むようになったり、問題行動を起こしたりすることもあります。
飼い主さんは、小さい頃からしっかりとしつけを行うようにして下さい。
ヨークシャテリアのオスとメスで寿命に差はある?
ヨークシャーテリアのオスとメスで寿命に差があるという報告はありません。
しかしオスは、精巣腫瘍や肛門周囲の腫瘍、メスは子宮蓄膿症や卵巣腫瘍などそれぞれ性別により特徴的な病気になりやすいです。
もし、将来的に子供を作ることを考えていないのであれば、去勢や避妊手術を行い病気を予防してあげることをおすすめします。
ヨークシャーテリアの毛の色は寿命に差はある?
ヨークシャーテリアの毛の色が寿命に及ぼす影響についても明確には報告されていません。
しかし、ヨークシャーテリアには、
- ブラック&タン
- シルバー
- ゴールド
- 黄褐色
などさまざまな毛色がありますが、チョコレートと言われる毛色同士を掛け合わせて繁殖させると、劣勢遺伝子を持った虚弱体質の子が生まれる可能性があると言われています。
飼い主さんは、ヨークシャーテリアを購入の際には覚えておくようにしましょう。
ヨークシャテリアを長生きさせるために
ヨークシャーテリアを長生きさせるためには、普段の生活でも気をつけるべきポイントが8つあります。
それぞれについて詳しく解説していきます。
食事
犬の健康のためには、食事にこだわるようにしましょう。
良質で体にあう食事は、愛犬の生活の質をあげてくれます。
ヨークシャーテリアにおすすめの成分としては以下のようなものが考えられます。
- 良質なタンパク質
- 関節や軟骨をサポートする成分
- 低脂肪
良質なタンパク質は、犬の体を構成する要素として非常に重要です。
愛犬には、「チキン」「サーモン」「ラム」「ポーク」といった良質なタンパク質を与えてあげるようにしましょう。
パッケージに〇〇副産物や〇〇ミールなどといった成分が表示されているものは、良質なタンパク質とは、言い難いでしょう。
また、関節・骨疾患が多いヨークシャーテリアには、関節や軟骨の働きをサポートしてくれる成分を食事から与えてあげるようにしましょう。
魚の油に含まれるω3脂肪酸やグルコサミンなどが成分として考えられます。
膵炎や腸の疾患が多いヨークシャーテリアに高脂肪の食事は厳禁です。
膵炎や糖尿病、肥満を予防するために低脂肪の食事を心がけてください。
低脂質のドッグフードは手作りご飯のココグルメがおすすめです。
ココグルメは、食材はすべて人間の食品に使用される食材(ヒューマングレード)を使用しており、学校給食を手がける給食工場で1つ1つ人の手で作っています。
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運動
運動は、愛犬の心身の健康を保つために非常に重要です。
定期的に散歩に連れていくことで、筋力の維持やストレス解消になります。
シニア期になると関節疾患も増えてきます。
歳をとってもしっかりと歩けるように若い頃から運動を行い筋力を維持してあげるようにしましょう。
ストレスを解消する
犬が長生きするためにストレス解消を行うことは非常に重要です。
ストレスは、体の血流を阻害し、自律神経を乱します。
そのほかにもホルモンや免疫系にも悪影響を与えるため犬のストレスは解消してあげなければいけません。
飼い主さんは、普段から愛犬とスキンシップをとったり、散歩やドッグランなど運動を日常に取り入れたりして愛犬のストレス解消を心がけましょう。
健康診断
ヨークシャーテリアを長生きさせたいと考えた場合には、定期的な健康診断は欠かせません。
ヨークシャーテリアは、病気の多い犬種ですので病気の早期発見・早期治療を行って健康寿命を伸ばしていきましょう。
3歳までは1年に1回、3歳以降は半年に1回は健康診断を受けることをおすすめします。
体を清潔に保つ
ヨークシャーテリアは、長毛であるため毛に汚れが絡まりやすいです。
また、長毛の犬種は皮膚病や皮膚腫瘍・体型の変化に気づきづらい傾向があります。
毎日の習慣にブラッシングを取り入れてしっかり皮膚の状態を観察するようにしてください。
室内の温度を調節してあげる
ヨークシャーテリアは、暑さや寒さなど気温に敏感な犬種です。
被毛には、体温調節の役割を果たすアンダーコートがない犬種であるため、飼い主さんが過ごす生活環境の温度を調節してあげる必要があります。
夏場は25度程度にエアコンを設定して熱中症を防いであげましょう。
冬場も、室温が20度前後になるようにエアコンを設定して、寒がるようなら服などの防寒グッズをつけてあげて対策することが必要です。
必要に応じて避妊、去勢手術を受ける
愛犬に子供を生ませることを考えていない場合には、避妊・去勢手術を行ってあげることをおすすめします。
避妊・去勢手術を行うメリットとしては、病気を予防できる、発情のストレスから解消されるなどが挙げられます。
特に予防できる病気は非常に多く、子宮蓄膿症や乳腺腫瘍、精巣腫瘍などの命に関わる病気になる可能性もゼロにできます。
一度、避妊・去勢の必要性を家族で話し合って行うかどうか決めてあげてください
定期的なシャンプーカット
ヨークシャーテリアは長毛の犬種のため、定期的にトリミングに連れていきシャンプーとカットを行うことをおすすめします。
よく口周りなどに汚れがついている子もいますので、こまめに綺麗にしてあげましょう。
月に1回のペースでトリミングに連れていくことをおすすめします。
ヨークシャーテリアがかかりやすい病気
ヨークシャーテリアは、病気にかかりやすい犬種です。
気をつけるべき病気や生活を送る上での注意点も多々ありますので、飼い主さんはしっかり理解しておくようにしましょう。
環軸不安定症
環軸不安定症は、首の骨の繋がりが弱く、脱臼しかけている状態です。
症状としては、首の痛みがみられ、体を触っただけで痛がることもあります。
この病気は先天的にあることが多いので、子犬の時から注意してみておくようにしましょう。
膝蓋骨脱臼(パテラ)
膝蓋骨脱臼は、膝のお皿である膝蓋骨が本来の場所から外れてしまった状態のことです。
以下のような症状がみられます。
- 足を痛がる
- 足をひきづって歩く
- 地面に足がついていない
膝蓋骨脱臼は、進行すると手術が必要であったり、前十字靭帯断裂などの靭帯の疾患が引き起こされたりします。
飼い主さんは、上記のような症状が認められた場合には、動物病院を受診するようにしましょう。
また、毎日無理のないような散歩を行い、関節をサポートできるような筋力をつけさせるようにしてください。
尿石症
尿石症は、尿の中に含まれるミネラルにより、結石が形成され尿管、尿道、膀胱などの泌尿器に結石が閉塞したり膀胱炎を引き起こしたりする病気です。
症状としては
- 頻尿や血尿
- 排尿困難
などが認められます。
食事を変更することで、改善することもありますので、飼い主さんは一度かかりつけの獣医師に確認するようにしましょう。
リンパ管拡張症
腸のリンパ管が拡張してしまい、そこから栄養素が漏れ出たり下痢をする原因になったりする病気です。
症状としては、下痢のほかにも嘔吐、食欲不振、体重減少などもみられる場合があります。
低脂肪の食事が有効である場合がありますので、愛犬がリンパ管拡張と診断された場合には、食事を変更してあげましょう。
気管虚脱
気管の構造を維持する軟骨が加齢と共に弱くなり、気管を支えられなくなる病気です。 症状としては以下の通りです。
- 咳(ガーガーとガチョウの鳴き声のような)
- 呼吸困難
気管虚脱の犬では、気管を圧迫すると咳をすることが多いです。
飼い主さんが自宅でも、チェックできるので喉のあたりを触って咳き込まないかどうかチェックしてあげてください。
門脈体循環シャント
門脈体循環シャントは、門脈から大静脈にかけて逃げ道となる小さな血管(シャント血管)ができている病気です。
先天的にシャント血管ができている場合と肝臓の疾患によりシャント血管ができている場合があります。
症状としては、以下の通りです。
- 発育不良
- けいれん発作
- 嘔吐
先天的なものの場合は、食後に症状が出ることがあります。
迎え入れたばかりの子犬でもみられる可能性がありますので、こういった症状がみられた場合には、すぐに動物病院に連れていきましょう。
心臓病(僧帽弁閉鎖不全症)
心臓病(僧帽弁閉鎖不全症)は、中高齢になるとみられることが多い心臓病です。
心臓の左心房と左心室を隔てる弁に構造的な異常があることにより、起こります。
症状としては以下の通りです。
- 咳
- 息切れ
- 運動したがらない
進行すると肺水腫になり、呼吸困難で死亡することもあるので定期的に聴診してもらうようにしてください。
水頭症
水頭症は、脳脊髄液と呼ばれる液体が頭に過剰に溜まり、脳が圧迫される病気です。
以下のような症状がみられます。
- けいれん発作
- 意識障害
- 斜視、瞳孔不対称
- 運動障害
先天的疾患であることが多いので、子犬でも上記のような症状がみられた場合には、注意が必要です。
低血糖
低血糖は、血液の血糖値が低くなっている状態です。
症状は以下の通りです。
- けいれん発作
- 意識の低下
低血糖の原因は、上記の門脈シャントやご飯を食べれていないことなどが考えられます。
特に迎え入れたばかりの子犬は、環境の変化によりご飯を食べないことがありますので、注意しましょう。
2ヶ月齢の子犬の食事回数は一日3~4回は必要です。
しっかり与えてあげるようにして、ご飯を食べない場合は獣医師に早めに相談しましょう。
急性膵炎
急性膵炎は、中高齢のヨークシャーテリアに多い病気です。
脂肪を分解する酵素を出したり、血糖値を下げるインスリンを出したりする臓器である膵臓に炎症が起こります。
症状としては、以下の通りです。
- 嘔吐
- 食欲不振
- 下痢
- 発熱
重症化すると命を落とすこともある疾患です。
膵炎を予防するためには、低脂肪の食事が有効です。
飼い主さんは、獣医師に相談して食事療法や膵炎に対する治療を日常に取り入れていくようにしてください。
ヨークシャーテリアが老化すると見られるサイン
ヨークシャーテリアが老化するとみられるサインとして、みておくべきポイントは7つあります。
愛犬の老化に早く気づき対策するためにもしっかりと理解しておきましょう。
毛の量や色の変化
愛犬が老化すると毛の量や色に変化がみられるようになります。
具体的には以下のような変化をチェックしてあげましょう。
- 毛が薄くなった
- 毛のパサつきが増えた
- 脱毛している部分がある
- 毛の色が薄くなった
特に毛が薄くなっている場合には、ホルモンの病気である可能性もあります。
飼い主さんは、一度動物病院を受診してみてもらうようにしましょう。
鼻の乾き具合
愛犬が老化すると鼻の分泌液が減少しカピカピに乾燥することがあります。
愛犬の鼻の湿り具合は、こまめにチェックしてあげるようにしてください。
また、逆に湿りすぎている場合や鼻水が認められる場合にはかぜを引いている可能性もあります。
普段の健康な状態を把握してあげるようにしましょう。
イボなどができる
犬は老化してくると皮膚の腫瘍や皮膚炎が出てきます。
しかしヨークシャーテリアは、長毛の犬種のため皮膚の状態を観察することは難しいです。
飼い主さんは、毎日のブラッシングと一緒に皮膚の健康状態もしっかりとチェックしてあげるようにしましょう。
目が白濁する
犬は老化すると白内障や核硬化症といった目が白濁する病気になることがあります。
糖尿病のサインである場合や治療が必要なこともありますので、早めに動物病院に連れていくようにしてください。
目やにが増える
老化すると体内の老廃物が増えてくるため、目やにが増えることがあります。
飼い主さんは、こまめに拭き取ってあげることが大切です。
長毛の犬種のため、毛に絡みつき取れなくなることもあるので、目やにに気づいたらすぐ取り除いてあげるようにしましょう。
食欲が落ちる
老化すると、犬も人間と同じように食が細くなってきます。
しかし、食べないと体力が落ちていきますので、なるべく少ない量でもカロリーを摂取するできるような高カロリーなフードを与えてあげましょう。
膵炎のリスクになりますので、脂肪の含有量には気をつけてください。
子犬用のフードをふやかして与えてあげるのも良いでしょう。
睡眠時間が増える
犬は老化すると睡眠時間が増え、日中も寝ていることが多くなります。
しかし、日中に寝ていると夜泣きや昼夜逆転の原因になりますので、飼い主さんは昼間に一緒に遊んであげたりして生活リズムを整えてあげるようにしましょう。
また、睡眠時間が増えると基礎代謝や運動量も落ちますので太りやすくなります。
肥満には注意してください。
動きがゆっくりになる
老化すると、関節の痛みや筋肉量の減少により、動きがゆっくりになることがあります。
普段の生活でも床材を滑りづらいものに変更してあげたり、段差を無くした居住空間を提供したりするようにしましょう。
ヨークシャテリアに多い死因TOP5
ヨークシャーテリアに多い死因5つは以下の通りです(*2)。
- 泌尿器系の疾患(尿石症、腎不全など)
- 循環器系の疾患(心臓病)
- 腫瘍
- 呼吸器系の疾患(肺炎、肺水腫など)
- 消化器毛の疾患(膵炎)
尿石症や腎不全などの泌尿器系の疾患がヨークシャーテリアの死因の1位です。
そのほかにも心臓や肺、膵臓など気をつけておくべき病気は多々あります。
またヨークシャーテリアの飼い主さんは、腫瘍にも気をつけなければなりません。
腫瘍は、血液検査ではわかりづらい場合もありますので、定期検診を受ける際には、レントゲンやエコーなどの画像健診も行うようにしてください。
手厚いケアでヨークシャテリアと長く一緒に過ごそう!
今回は、ヨークシャーテリアについて平均寿命や長生きするためのポイント、かかりやすい病気について解説してきました。
ヨークシャーテリアはかかりやすい病気が多い傾向にありますが、飼い主さんが普段の生活からこまめに健康状態をチェックし、気をつけるべきポイントを守ることで愛犬の健康寿命を伸ばすことができます。
飼い主さんは、ぜひ本記事をよく読んで愛犬との幸せな生活を続けていけるようにしましょう。
参考文献