夜、愛犬の様子が急変したら、誰もが不安でパニックになってしまうものです。
しかし、夜間救急病院は一般の病院とは役割が異なり、受診には「事前の電話連絡」などの重要なルールがあります。
この記事では、迷わず受診すべき緊急性の高い症状や、電話で伝えるべき正確な情報、忘れがちな持ち物や費用の目安を徹底解説します。
また、東京・神奈川・千葉の主要な夜間病院リストも掲載。いざという時に冷静に行動し、大切な愛犬の命を守るための備えとして、ぜひ一読しておいてください。
夜間緊急病院とは

愛犬が夜中に急に具合が悪くなってしまったら、本当に不安で胸が押しつぶされそうになりますよね。
そんな時の頼みの綱が夜間救急の動物病院ですが、利用する前に知っておいてほしい大切なルールと役割があります。
まず一番にお伝えしたいのは、受診前には必ず電話連絡が必要だということです。
緊急手術中やスタッフが手一杯の時に飛び込んでしまうと、受け入れができずに大切な時間をロスしてしまうリスクがあるからです。
そして、普段通っているかかりつけ医と夜間救急には大きな違いがあることも理解しておきましょう。
かかりつけ医のような一次診療は、ワクチン接種や健康診断など幅広いケアをしてくれますが、夜間救急はあくまで命を救う場所。
つまり救命処置や緊急手術に特化した救命救急のような存在なんです。そのため、受付順ではなく症状が重い子から先に診察するトリアージというシステムが採用されています。
もし待合室で順番が前後しても、それは誰かの小さな命が戦っている証拠だと思って温かく見守ってあげてください。
また、ここでの治療は病気を完全に治すことよりも、翌朝かかりつけ医に引き継ぐまでの命をつなぐ処置がメインになります。
完治を目指すのではなく、まずは危機を脱することを最優先にする場所だと覚えておけば、いざという時も少しだけ落ち着いて行動できるはずです。
今すぐ病院へ!緊急性の高い症状

夜、愛犬の様子がいつもと違うと本当に怖いですよね。朝まで様子を見ていいのか、すぐに病院へ行くべきか迷うその時間が、実は命取りになることもあります。
だからこそ、これからお話しする緊急度の高いサインが見られたら、迷わず夜間救急へ電話してください。
自己判断で我慢させるのは危険です。まずは呼吸と口の中の色をよく見てあげてください。
もし舌の色がいつもより青紫色っぽくなっていたら、それはチアノーゼといって酸素が足りていない危険なサインです。
また、ハァハァと苦しそうな開口呼吸をしていたり、横になれずに座ったまま肩で息をするような呼吸困難の状態であれば、一刻を争います。
すぐに動ける準備をしましょう。次に意識の状態です。名前を呼んでも反応がないほどぐったりしていたり、体がガクガクと震える痙攣が止まらなかったりする場合も、脳や神経に異常が起きている可能性があります。
立てない、歩けないといった症状も楽観視はできません。それから、おしっこが全く出ていない状態も非常に危険です。
特に男の子の猫ちゃんに多い尿道閉塞や、大型犬が食後に急にお腹を膨らませて苦しむ胃捻転などは、数時間で命に関わることもあります。
その他にも、中毒性のあるチョコレートや異物の誤飲、止まらない大量の出血があるときも、すぐにプロの処置が必要です。
これらはあくまで一部の例ですが、少しでもおかしいなと感じたら、その直感を信じて病院へ連絡しましょう。
多くの場合は電話口で獣医師や看護師が状況を聞いて指示をくれるので、まずは受話器を取る勇気を持ってくださいね。
焦らず確実に!電話で伝えること

愛犬の緊急事態に直面したとき、冷静でいられる飼い主さんなんていませんよね。でも、夜間救急への電話はただの予約確認ではありません。
病院側はその一本の電話の内容から、必要な機材やスタッフを揃えて緊急手術や処置の準備を始めています。
だからこそ、焦る気持ちをグッと抑えて正確な情報を伝えることが、小さな命を救うための最初の一歩になります。
いざ受話器を取る前に、一呼吸置いて手元にメモを用意しましょう。
まず伝えたいのは、わんちゃんのプロフィールです。犬種や年齢、性別はもちろんですが、麻酔や薬の量を決めるために体重はとても重要な情報になります。
もし余裕があれば、現在の体温や呼吸の様子も伝えられるとよりスムーズです。次に大切なのが、症状が起きた流れです。
「いつから具合が悪いのか」「直前に何か食べてしまったのか」「どんなふうに痛がっているか」など、時系列に沿って説明しましょう。
具体的な状況の伝え方が先生たちの的確な判断を助けます。また、持病やアレルギーといった既往歴、今飲んでいるお薬、もしその病院の診察券番号があればそれも必ず伝えましょう。
そして最後に、病院への到着時間を伝えます。自家用車で向かうのか、タクシーを呼んでいるのか、あと何分くらいで着くのかが分かれば、病院側も到着と同時に処置をスタートできる体制を整えて待っていてくれます。
電話対応ひとつで救える可能性が変わることを忘れずに、落ち着いて話してくださいね。
慌てないために!夜間救急への持ち物リスト

夜中に急いで病院へ行かなければならない時、パニックになってお財布や携帯を忘れて家を飛び出してしまった、なんて話は決して珍しくありません。
いざという時に慌てず行動できるように、必要な持ち物を今のうちに確認しておきましょう!
まず、初めてかかる夜間病院の先生は、わんちゃんの普段の健康状態を知りません。そこで診断の助けになるのが、ワクチン証明書や過去の検査データ、そして今飲んでいるお薬があればその現物です。
これらはわんちゃんの病状を正確に伝えるための命綱になるので、飼い主さんの身分証明書と一緒に必ず持参してください。
次にお金のことですが、夜間の診療費は日中よりも高額になる傾向があります。
多くの病院でクレジットカードが使えますが、端末のトラブルや、入院の際に預かり金としてまとまったお金が必要になるケースも考えられます。
ですので、カードだけでなく現金も必ず多めに用意しておくことが重要です。移動中のケアには、キャリーバッグの中にペットシーツを多めに敷いておきましょう。
また、大きめのバスタオルは一枚あるととても便利です。痛がって暴れてしまう子を優しく包んで落ち着かせたり、体温が下がってしまった時の保温に使えたりと、いろいろな場面で役立ちます。
最後に、病院への連絡や地図アプリで使うスマートフォンと充電器も忘れずに。これらを防災セットのようにまとめておけば、もしもの時も少しだけ心に余裕が持てると思います。
知っておきたい!夜間診療費の目安

愛犬の命が最優先とはいえ、やっぱり夜間診療費は気になりますよね。夜間の動物病院は日中のかかりつけ医に比べてどうしても料金が高額になってしまいます。
その理由は、深夜でも高度な医療を提供できるように専門のスタッフを配置し、検査機器を常に稼働させているからです。
具体的な費用の仕組みとしては、通常の診療費に加えて、時間外料金や深夜加算といった特別料金がプラスされます。
病院や地域によって差はありますが、診察と簡単な検査だけでも1万円から2万円ほどかかると考えておいたほうがいいでしょう。
さらに、もし緊急手術やそのままICUへの入院が必要になった場合は、10万円を超えることも決して珍しくありません。
この金額を聞くとドキッとしてしまいますが、それだけ手厚い救命処置を行っている証でもあるのです。
ここで頼りになるのがペット保険ですが、夜間救急でも適用されるケースがほとんどです。
ただ、その場で保険証を使って窓口精算ができる病院と、一旦全額を支払って後から請求する病院がありますので、事前に確認しておくと安心ですね。
治療費のことでトラブルになって治療が止まってしまっては本末転倒ですので、電話をする段階で概算を聞くことは決して失礼なことではありません。
心の準備とお金の準備、どちらもしっかり整えて愛犬を守ってあげましょう。
ペットの保険に関する記事は、こちらからご覧ください↓
【ペット保険徹底解説】愛犬に保険は本当に必要?入るべき人の特徴・メリット・失敗しない選び方!
東京近郊の夜間救急動物病院
いざという時に頼れる病院を、エリアごとにいくつかご紹介します。
ここで紹介するのはほんの一部であり、診療時間や休診日は変更される場合があるため、必ず事前に確認してから向かってくださいね。
また、多くの病院が事前連絡なしの来院を受け付けていません。まずは落ち着いて電話をかけましょう。
東京都の夜間対応動物病院
TRVA動物医療センター
住所:東京都世田谷区深沢8-19-12泉美ビル2F (玉川通り、ロイヤルホスト向かい)
TEL:03-5760-1212
※電話受付はAM5:00まで
※重症例に限り、24時間体制での入院管理可能
日本動物医療センターグループ本院 日本動物医療センター
住所:東京都渋谷区本町6-22-3 (東洋公衆衛生学院さんの隣。幡ヶ谷駅から徒歩7分)
TEL:03-3378-3366
※受付:9:00〜20:00 救急は24時間対応
夜間救急動物病院目黒
住所:東京都目黒区碑文谷4-15-15
TEL:03-5720-1299
※受付:20:00~5:00
神奈川県の夜間対応動物病院
横浜動物救急診療センター VECCS YOKOHAMA
住所:神奈川県横浜市南区前里町1丁目25 2階 (京急黄金町駅の目の前 平戸桜木道路に面した3階建ての建物)
TEL:045-341-0856
京浜夜間動物病院
住所:神奈川県川崎市川崎区宮前町2-4 ホーユウパレス宮前 (川崎駅から車で5分)
TEL:044-589-8909
※受付:19:00-25:00
相模原どうぶつ医療センター/町田・相模原どうぶつ夜間救急センター
住所:神奈川県 相模原市南区古淵2-17-10 (JR横浜線「古淵」駅徒歩5分)
TEL:042-757-3166(夜間診療)
※毎月最終金曜日 午後(16:00~19:00)休診
※午前最終受付 12:30、午後最終受付 18:30
※21:00-翌朝8:00は夜間救急病院として稼働
千葉県の夜間対応動物病院
西千葉外山動物病院
住所:千葉県 千葉市中央区 春日2-25-6 (JR総武線西千葉駅から徒歩約2分)
TEL:0066-9809-297816
※短縮診療 日/祝
※午前9:00~11:45. 午後16:00~19:00
ペテモどうぶつ医療センター幕張新都心
住所:千葉県 千葉市美浜区 豊砂1-8イオンモール幕張新都心1F (JR京葉線海浜幕張駅からバス約13分)
TEL:043-298-1124
※年中無休・24時間対応
※最終受付時間 午前は12:30まで/午後は18:30まで
※【夜間救急センター】20:00-翌朝8:00
千葉どうぶつ総合病院
住所:千葉県流山市南流山1-21-8 (JR武蔵野線・つくばエクスプレス南流山駅から徒歩約8分)
TEL:0066-9803-030148
※休診日、休診時間なし
※平日の17:00~19:00は夜間診療時間帯です。
※救急診療は24時間対応しています