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犬がチョコを舐めたらすぐ病院!致死量じゃなくても中毒の危険があるって本当?

最終更新: 2024.10.08
犬がチョコを舐めたらすぐ病院!致死量じゃなくても中毒の危険があるって本当?
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チョコレートは犬が少量舐めただけでも中毒を起こす可能性があります。

チョコレートに含まれるテオブロミンという成分は犬の心臓や神経系に悪影響を及ぼし、重症化すると死亡することもあります。ちょっと舐めただけでも動物病院につれていくことを推奨します。

本記事では、犬の大きさごとのチョコレートの致死量や、チョコレートを食べてしまったときの対処法、そして愛犬を危険な食べ物から守る対策について詳しく解説します。

愛犬にチョコレートを食べさせてはいけない

愛犬にチョコレートを食べさせてはいけない理由は、テオブロミンやカフェインなどの中毒症状を起こす可能性のあるものが含まれていることと、脂質や糖質が多く含まれているため、犬の身体に負担になるからです。

テオブロミン

チョコレートやココアの原料の一部であるカカオには、テオブロミンというアルカロイドの一種が含まれています。

犬も人間と同じようにテオブロミンを代謝することができます。

しかし、テオブロミンを分解する代謝酵素が弱く、人間に比べると代謝速度が遅いために体内に長い時間テオブロミンがとどまっていまうことが原因だと言われています。

カフェイン

カフェインは直接的に心筋と中枢神経系を刺激します。

犬だけでなく、人間にもカフェインの過剰摂取により中毒症状を起こしたりや死亡例があるので注意が必要です。

脂質

チョコレートには脂肪分が多く含まれています。

高脂肪食、そして普段と違うものを食べることは、急性膵炎のリスクを高めます。

また、高脂血症を誘発し、糖尿病をはじめ内分泌疾患の原因にもなります。

糖質

チョコレートに多く含まれる糖質は、人間より身体の小さい犬にとっては相当な量になります。

犬は甘いものを好む傾向がありますが、糖質の摂りすぎは肥満の原因になります。

肥満は、ガンや呼吸器疾患、整形外科疾患や膵炎などのリスクを高める原因になることが知られています。

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愛犬のチョコレート中毒の症状

チョコレート中毒を起こすのは、チョコレートに含まれているテオブロミンの量が影響すると言われています。

ホワイトチョコレートやミルクチョコレートよりも、ダークチョコレートの方がテオブロミンの量が多い傾向があり、ココアなどカカオが使われている食材の扱いには注意が必要です。

初期症状

初期症状は、嘔吐や下痢、落ち着きのなさ、パンティング(ハアハアと息づかいが荒くなること)、失禁などです。

誤飲直後は症状が全く無い場合がありますが、誤飲に気づいたらすぐに動物病院に連れていきましょう。

中程度の症状

頻脈、徐脈をはじめ不整脈や精神不安定状態、震え、痙攣発作などの神経症状などが見られます。

重症

昏睡状態になって死に至ります。

食べた量によりますが、誤食後6時間〜24時間以内に死亡します。

また、数日以上の慢性的な摂食では心不全で死亡することが多いと言われています。

犬のチョコレートの致死量

犬の大きさ(体重) テオブロミンの致死量(参考値)
超小型犬(~4kg) ~360mg:チョコレート200g
小型犬(~10kg) ~900mg:チョコレート500g
中型犬(11~25kg) 990mg~2.25g:チョコレート550g~1250g
大型犬(26~44kg) 2.34g~3.96g:チョコレート1300g~2200g
超大型犬(45kg~) 4.05g~:チョコレート2250g~

テオブロミンの中毒症状は、90〜100mg/kgで発症すると言われています。

これをチョコレートに換算すると平均的なチョコレートで50g/kg、テオブロミンの量が多いとされているビターチョコレートでは30g/kgです。

しかし、これより少ない量でも中毒症状が発症するケースもあるので注意が必要です。

愛犬がチョコレートを食べてしまった時の対処方法

チョコレート中毒は、最悪の場合死に至ることがあるので、誤食に気づいたらすぐに動物病院の受診をお勧めします。

なるべく早く動物病院に連れて行く必要がありますが、すぐに自宅でできることをまとめました。

口の中のチョコレートを取り除く

愛犬の口の中にチョコレートが残って要る場合は、噛まれない様に注意しながら濡れタオルなどを使って口の中のチョコレートをふき取りましょう。

いつ、どのくらい食べたのか記録する

動物病院での処置を行う際の参考になるので、いつ、どのようなチョコレートを誤食したかをメモに書く、もしくは誤食したチョコレートの外箱や包装紙などを持参しましょう。

テオブロミンやカフェインの量を知る手掛かりになります。

最低24時間よく観察する

チョコレート中毒の重篤な症状は24時間以内に起こります。

動物病院で処置を行った後も、最低でも24時間はしっかり愛犬を観察する必要があります。

無理に吐かせるのはNG

危険な食べ物を食べた場合、チョコレートに限らず自己流で吐かせるのは食道炎の発症や中毒症状で死亡する場合があるので絶対にやめましょう。

催吐処置で確実に吐かせられるのは誤食後およそ2時間くらいなので、誤食に気づいたらすぐに動物病院を受診することをお勧めします。

チョコレートによる犬の後遺症

 

テオブロミンが完全に代謝されれば、中毒症状による後遺症が残る可能性はありませんが、 急性膵炎を起こした場合は、慢性膵炎になるリスクが高くなります。

チョコレートによる犬の死亡例

国内で契約数が最も多いペット保険会社による調査では、2009年4月〜2010年3月までの一年間でチョコレート中毒による死亡例は9件でした。

この調査では、「誤飲」という診断名で報告があったのは5,708頭でした。

チョコレート中毒による死亡例の割合としては少ないものの、死亡例は確実に存在します。 愛犬を守るために、チョコレートの誤食には注意しましょう。

チョコレートを舐めたり、少量食べた場合は?

チョコレート中毒の症状は、チョコレートの中に含まれているテオブロミンの量がある程度の目安になります。

ただし、感受性が犬によって異なるので自己判断は禁物です。

舐める

舐める程度であれば中毒症状を発症しない可能性がありますが、ご自宅で様子を見るのはお勧めできません。

動物病院を受診しましょう。

少量食べる

食べたチョコレートの量と犬の大きさ、そしてテオブロミンの量によっては重篤な中毒症状を起こす可能性があります。 すぐに動物病院で処置をしてもらいましょう。

愛犬がチョコレートを食べてしまった時の病院での対処方法

チョコレート中毒の原因のテオブロミンに対しての解毒剤は、存在しません。

催吐処置や胃洗浄などで、なるべく身体の外にテオブロミンを排除し、自然に代謝するのを待つという治療がメインです。

また、頻脈や徐脈、けいれんなどの症状に応じて薬剤を使用します。

催吐処置

チョコレート誤食後すぐであれば催吐処置は非常に有効です。

また、数時間が経過しても催吐処置を行うケースがあります。

嘔吐を促す薬剤を静脈注射して吐かせる方法や、催吐剤を飲ませる方法が一般的です。

胃洗浄

催吐処置が不十分な場合やチョコレートを食べた量が多い場合は、胃洗浄をおこないます。

溶けたチョコレートを胃から除去するには、温水を用いて胃洗浄を行うことが有効です。

吸着剤の内服

活性炭など吸着剤の内服も有効です。カプセル、粉、錠剤があり、症状に応じて4時間〜6時間ごとに服用します。

点滴治療

点滴を行い、利尿を促進します。

症状によっては入院して24時間の静脈による点滴が必要です。

その他対症療法

症状が重篤な場合は入院が必要です。

頻脈や徐脈、けいれんのコントロールの他、酸素吸入が必要な場合もあります。

<参考> チョコレート中毒の治療内容と治療費

治療内容 治療費(参考)
活性炭の内服薬 1日100円~200円
血液検査 15000円前後
催吐処置 5000円~10000円
胃洗浄 30000円前後
入院治療 1日5000円~10000円
酸素吸入 1日5000円前後

危険な食べ物を避ける方法

犬が食べると危険な食べ物はわたしたちの身近にあるものが多く、気づいた時には愛犬が飲み込んでしまった、というケースは少なくありません。

この様な誤飲や誤食の事故を避けるためには、ちょっとした工夫や生活環境を整えることが必要です。

生活環境を整える

犬は何でも口にする習慣があります。

食材は、冷蔵庫や棚の中にしまう習慣にして、ゴミ箱は蓋つきのものを使う様にしましょう。

このたった二つの習慣が、

  • 「帰宅したらゴミ箱の中身が散らばっていて、捨ててあったものを愛犬が食べていた」
  • 「おみやげにもらったチョコレートをテーブルの上に置いたら、知らない間に椅子に登って全部食べてしまった」


などの愛犬のいたずらによる誤食を防ぐのに非常に有効な手段となります。

しつけを行う

普段から、「マテ」や「放せ」などのコマンドで愛犬を制御するしつけをしましょう。

さらに、愛犬の口の中に手を入れても噛まない様に子犬の頃から訓練しておくと、万が一の際に口の中の物を取り除くことができる上に、歯磨きなど歯周病を防ぐためのケアができるのでお勧めです。

ストレスをためない

犬は、基本的に動きたいという衝動が強い動物です。

長時間のお留守番や運動不足が続くとストレスから問題行動を起こす傾向があります。

毎日のお散歩や遊びなど、愛犬の心身の健康に心配りをすることはとても大切です。

飼い主さんが危険な食べ物を見直す

チョコレート以外にも、犬にとって危険な食べ物はあります。

玉ねぎやネギ類は比較的知られていますが、ブドウやトマトのヘタなどは知らない方もいらっしゃるかもしれません。

かかりつけの動物病院で獣医師に確認し、常に気をつけることを心がけましょう。

チョコレート以外に食べてはいけないもの

犬にとって危険な食べ物は多く存在しますが、特に身近な食べ物や飲み物についてまとめました。

ぶどう

ぶどうは、生よりもドライフルーツを摂取した場合の方が重篤な症状が表れる場合が多いと言われています。

症状は、嘔吐や下痢、吐血、血便血便などの消化器症状の他、摂取量が多いと腎不全を起こして死亡する場合があるので注意が必要です。

https://coco-gourmet.com/archives/304

玉ねぎ、ねぎ

玉ねぎやねぎ以外でも、ニラ、ニンニク、アサツキなどで同様の中毒症状を起こします。

ねぎ属(アリウム属)に含まれている中毒成分が犬の赤血球を破壊して、貧血や血尿、黄疸の他、消化器症状や食欲不振などの症状が見られます。

犬によって個体差がありますが、数日経過してから症状が悪化する例もあるので誤飲したら動物病院を受診しましょう。

https://coco-gourmet.com/archives/180

レモン

大量に与えない限りは中毒症状はありませんが、犬は、体内でビタミンCを合成できるので、敢えて酸っぱいレモンを与える必要はありません。

強い酸味と刺激臭は犬にとって負担になる上に、皮の部分は消化しづらいので与えないようにしましょう。

トマトのヘタ、葉、茎、花、未熟な実

完熟したトマトの実にも微量に含まれていますが、それ以外のヘタや葉、花、未熟な実には トマチンという中毒症状を起こす可能性のあるアルカロイドが多く含まれてます。

トマチンを多く摂取することによる中毒症状は、嘔吐や下痢などの消化器症状ですが、量によっては昏睡状態に陥ることもあります。

https://coco-gourmet.com/archives/128

コーヒー

一般的なコーヒーにはカフェインが含まれています。 カフェインの中毒症状は頻脈、呼吸促迫、けいれん、興奮などです。

犬以外にも猫や人間も過剰摂取により死亡することがあり、カフェインの致死量は、犬と猫、そして人間で150mg/kgと言われています。

コーヒー以外ではエナジードリンクなどにもカフェインがより多く含まれているので注意が必要です。

愛犬がチョコレートを誤飲してしまったら動物病院へ

チョコレート誤飲によるテオブロミン中毒を起こした場合、その中毒症状をたちどころに解決してくれる治療は存在せず、テオブロミンが代謝されて自然に中毒域から出てくれることを待つしかありません。

愛犬の身を危険に晒さないためには、チョコレートやココアパウダーを与えない、愛犬の届くところにチョコレートを置いておかない様に飼い主様ご自身が注意することが大切です。

万一飲み込んでしまった場合は、動物病院に連絡して診察を受けましょう。

チョコレートに限らず、誤飲の場合はすぐに対処することがとても大切です。

<参考文献>

  • 犬と猫の中毒ハンドブック(学窓社)
  • 臨床のための小動物栄養学(株式会社 ファームプレス)
  • CAP 2018年1月号 誤飲・誤食に対する催吐剤の使い方 Jstage文献:禁忌食(その2)
  • チョコレートとイヌ・ネコの健康 Jstage文献:家庭飼育犬における誤飲発生の実態に関する分析

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