犬はぶどう(葡萄)を少量でも食べてはいけません。
体重1kgあたり、生のぶどう3g、レーズン1gで中毒症状を起こす可能性があり、巨峰一粒でも危険です。皮やジュースもNG。致死量以下でも、腎不全などの後遺症が残ることも。
無症状でも、舐めただけでもすぐ獣医師に相談を。
この記事では、犬がぶどうを食べてはいけない理由、症状、対処法を解説します。愛犬を守るために、ぜひ最後までお読みください。
愛犬にぶどうを食べさせてはいけない
愛犬にぶどうを食べさせてはいけない理由は、急性腎不全や中毒症状を起こす可能性があるからです。
犬によって感受性が異なりますので、1粒食べてしまっても体調が急変する可能性はあります。
間違って口に入ることがないように注意が必要です。
人間が残したぶどうの皮を食べてしまっただけで中毒症状を起こし亡くなる子もいます。
生のぶどうだけでなく、レーズンやジュースなどの加工食品でも中毒症状を起こした報告があります。
ぶどうを使用した製品はなるべく犬猫の届かない場所に置き、人間が食べる際にも落としたり与えたりしないように注意しましょう。
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愛犬がぶどうを食べるとおこる症状
愛犬がぶどうを食べてしまい起こる症状は様々です。
一見大丈夫そうに見えても数時間後、数日後に症状を出す場合もありますので注意しましょう。
ぶどう中毒
ぶどうによる中毒症状は以下のような症状が現れることがあります。
- 嘔吐
- 下痢
- 食欲不振
- 震え
- 呼吸促迫
- 腹痛
急性の症状として、摂取後数時間以内に嘔吐をするケースが多いです。
その後、下痢、食欲低下、震え、呼吸促迫、腹痛等を起こす事もあります。
腎臓の病気
ぶどう中毒の一番怖いところは、急性腎不全を起こしてしまうことです。
ぶどうの成分により腎臓が破壊され、命を取り留めたとしても腎臓に障害が残ってしまう子もいます。
ぶどうにより腎臓障害が認められた場合、以下のような症状が現れることがあります。
- 水をよく飲む
- 尿が少ない、出ない
- ぐったりする
- 嘔吐
- 口臭がする
- 血便、黒い便が出る
- 痙攣を起こす
犬のぶどうの致死量
ぶどうをどれくらい食べると致死量になってしまうのでしょうか?
生のぶどうだと、大体体重1kgあたり20〜30g程と言われています。
中毒が起こる可能性のある量はもっと少なく、体重1㎏あたり生ぶどうであれば3gでも危険です。
1.5kg〜2kgの犬であると、巨峰1粒が約5gなので1粒で中毒症状を起こし、ぶどう2〜3粒で亡くなる可能性があるということです。
またレーズンなどの乾燥食品であると1kgあたり10gとさらに危険性は増します。
致死量に満たない量でも、個体によっては亡くなったり、腎臓に重い障害を負ってしまう可能性がありますので注意しましょう。
生のぶどう | 1kgあたり20〜30g ※中毒は1kgあたり3g |
乾燥したレーズン | 1kgあたり10g |
愛犬がぶどうを食べてしまった時の対処方法
気をつけていても、愛犬がもしぶどうを食べてしまった場合、どうしたら良いのかパニックになってしまいますよね。
そんな時には一度落ち着いて、以下の手順を確認してください。
口の中のぶどうを取り除く
パクッとぶどうをくわえた場合、まだ口の中にぶどうが残っていることがあります。
少しのかけらでも飲み込んでしまうことを防ぎたいので、できる限り口腔内に残っているものは取り除きましょう。
いつ、どのくらい食べたのか記録する
何時頃にどれくらいの量のぶどうを食べてしまったのかを正確に記録しておきましょう。
同じぶどうや食べ物があれば受診時に量の参考になりますので、現物をとっておくことも有用です。
無症状でもすぐに病院へ連れて行く
食べてすぐ、無症状である場合も一刻も早く病院へ連れて行きましょう。
ぶどうが胃に入って、早い子であれば30分も経つと消化されて腸管に流れ、毒素が体に吸収されてしまいます。
吸収されてしまうと明確な治療法はなく、対症療法しか行えなくなってしまいます。
1秒でも早く吐かせる処置が重要です。
ぶどうを舐めたり、少量食べた場合は?
ぶどうを気にして犬が舐めた場合、少しかじっただけで中毒になるのか心配な方もいるでしょう。
舐めたりかじったりした場合も中毒の危険性はありますし、その後口に入れてしまう可能性が高いので一刻も早くやめさせましょう。
舐める
ぶどうの中毒成分は、今の医学でも明確に解明されていません。
ぶどうジュースでの中毒症状報告もあるので、舐めるさせるのもおすすめできません。
少量食べる
ほんの少量でも中毒症状が出てしまう子もいます。
ぶどうの場合は、量ではなくて食べさせないことが最重要です。
愛犬がぶどうを食べてしまった時の病院での対処方法
では、動物病院ではどのような処置を行うのでしょうか?
血液検査
ぶどうを食べたことが分かっている場合、必ず確認しなければいけない検査項目は「腎臓」と「炎症マーカー」です。
- 腎臓:Cre(クレアチニン)
- BUN(血中尿素窒素) 炎症マーカー:CRP(急性相タンパク)
これらの検査数値が高いほどダメージが強いことがわかります。
催吐処置
ぶどうを食べてから30〜40分未満など、まだ胃に残っている可能性がある場合は催吐処置(吐かせる処置)を行います。
静脈から吐き気を催す薬を入れたり、吐き気を催す点眼薬を使用することもあります。
「すぐに家でオキシドールや食塩水を飲ませる」等の記載があるHPもありますが、オキシドールは胃や食道を傷つけることがありますし、食塩水は食塩中毒になる可能性があるので絶対にやめましょう。
胃洗浄
吐かせる処置をしても出てこない場合、全て吐き切らない場合は胃に内視鏡やカテーテルを入れてぶどうの成分を洗い流す「胃洗浄」を行う事もあります。
入院
ぶどうを食べてしまった場合、急性の症状が出ることがありますので入院で様子を見る場合もあります。
病院によって費用は異なりますが、入院費だけで5千円〜1万5千円、その他に点滴や夜間看護などの料金が加算される可能性があります。
危険な食べ物を避ける方法
犬にとって危険な食べ物を避ける方法は、誤食を防ぐにはとても重要です。
以下の事に注意をしましょう。
生活環境を整える
犬の行動範囲に危険な食べ物を置かない、犬が開けたり登ったりできるような棚に危険な食物を置かないことはとても重要です。
飼い主さんが大丈夫・・・と思っても、一瞬の隙に誤食は起こる可能性があります。
しつけを行う
人が食べているものを欲しがらないように、人の食べ物を与えることはやめましょう。
また人が落としたものを食べないようにしつけましょう。
ストレスをためない
ストレスが溜まると物を破壊する子がいますので、ストレスも要注意です。
箱に入っているから大丈夫・・・と思ったお菓子を、犬がストレスで破壊し、偶然見つけた中の食べ物を食べてしまったという例もあります。
飼い主さんが危険な食べ物を見直す
犬が食べたがりそうな危険な物は飼い主が避け、家に置かない事も重要です。
そのためにどんな物が危険なのか、飼い主もしっかりと学ぶ必要があります。
ぶどう以外に食べてはいけないもの
ぶどう以外にも犬に中毒症状を起こす食べ物はたくさんあります。
誤食の多い食べ物を見てみましょう。
チョコレート
バレンタインシーズンに時に誤食が多いのがチョコレート。
テオブロミンという成分が中毒症状を起こしますので、決して与えないようにしてください。
https://coco-gourmet.com/archives/122
玉ねぎ
ご存知の方が多い玉ねぎは、チオ硫酸化合物という成分が中毒症状を起こします。
玉ねぎ中毒は摂取後一週間後に突然症状が出ることもあります。
https://coco-gourmet.com/archives/180
ニンニク
様々な料理に使用されるニンニクも、実は玉ねぎと同じく「ネギ科」なので与えてはいけない食物です。
アボカド
サラダ等に使われるアボカド。
人にとっては栄養豊富で健康食材と言われていますが、犬にとっては中毒食物なのです。
ペルシンという成分が中毒を引き起こしますし、アボカドの種が腸管に詰まり摘出手術を行わなくてはならない例もいました。
カフェインの含まれる食べ物、飲料
カフェインは犬に中毒を起こし、亡くなる危険性のある食べ物です。
コーヒーやエナジードリンク、栄養ドリンクやお菓子など注意が必要です。
愛犬にぶどうは絶対ダメ!食べたらすぐ病院へ!
犬にぶどうを食べさせることは絶対にやめましょう!
そして万が一口に入れてしまった場合は一刻も早く病院へ連れて行く必要があります。
昼間の時間帯であればかかりつけへ、夜間の時間帯であれば夜間病院をすぐに受診してください。
今回は犬にぶどうを食べさせてはいけない理由、もし食べてしまった場合の対処についてお話しました。
犬が口に入れてはいけない食べ物は飼い主がしっかりと把握し、目に入るところ、口に入るところへ置かないよう気をつけなくてはいけません。
万が一が起こってしまった場合は、すぐに動物病院へ連絡して受診しましょう!