犬は肉食動物に近い雑食なので、肉などのタンパク質をメインに穀物や野菜、果物などを与えることができます。
しかし、健康維持のためには犬の体に必要な栄養素や体に良い食材、犬が食べてはいけない食材をしっかり理解しておく必要があります。
トマトはわたしたち人間にとっては、美容や健康にも良い食材です。
また、スーパーマーケットなどで簡単に手に入る非常に身近な存在ですが、犬にトマトを与えても問題がないのか、どんな栄養があるのかなどを含め、犬にトマトを与える際の注意点も合わせて紹介していきます。
犬はトマトを食べても大丈夫!でもヘタや芯に注意!
トマトの実、種
トマトの実と種は犬に与えても問題はありません。
ただし、犬は雑食動物とは言え肉食動物に近いため、繊維質の多い野菜や果物の消化吸収はあまり得意ではありません。
与えすぎに注意すると共に、細かく切ったり、スムージーの様にペースト状にするなど消化吸収しやすい形状にして与えることをお勧めします。
トマトの葉、茎、ヘタ、花
トマトの葉、茎、ヘタ、花には「トマチン」という有機化合物が多く含まれています。
トマチンは犬にとっては有毒で、下痢や嘔吐などの症状がでる可能性があるので与えないようにしましょう。
また、熟していない緑色のトマトの実も同様です。
完熟トマトの実にもトマチンが含まれていますが、未熟のトマトの1000分の一ほどのほんのわずかな量です。
ミニトマト
普通の大きさのトマトより、ミニトマトの方がカロリーや栄養価が高く、食物繊維の量も多いと言われています。
トマトの加工品
- ジュース
- 缶詰
- トマトケチャップ
などの加工品は、砂糖や食塩、特にケチャップには玉ねぎが含まれていることが多く、犬に与えるのはお勧めできません。
また、塩などの調味料が全く含まれていないジュースやトマトの水煮などは与えてもよいかどうかについては賛否両論ありますが、加工品は保存料が含まれている場合も少なくないので、与えないほうが安心です。
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トマトの栄養素とトマトを食べるメリット
トマトはβカロチンやビタミンCが多く、またトマトの赤い色素リコピンには抗酸化作用があります。
その他、トマトに多く含まれる栄養素は、利尿作用があるカリウムです。
水分
普段からあまり水を飲まない傾向がある犬に水分を摂らせるのは 飼い主にとってはなかなか大変なことが多いです。
トマトの約90%は水分でできているので、暑い時期の水分補給としても役立ちます。
東洋医学によると、トマトの食材としての性能は、身体を冷やしたり体内の余分な熱をとる働きがあると言われているので、暑い時の口の渇きや夏バテにはお勧めの食材と言えます。
ただし、愛犬にしっかり水分を摂らせるためには、
- 食事をウエットフードにする
- ドライフードをふやかして与える
- 手作り食を与える
などのメインの食事でコントロールして、トマトはあくまでも水分補給の補助的な食材として利用するようにしましょう。
リコピン
トマトの赤い色素にはリコピンという抗酸化作用のある物質が含まれています。
リコピンはβカロチンと同じようにカロテノイドの一種ですが、抗酸化作用はβカロチンの2倍以上と言われています。
熱に強いという特徴があります。
カリウム
カリウムは主に体液のPHのバランスを調整したり、細胞内液の浸透圧を一定に保つ役割をしています。
また、体内の余分な塩分を尿と一緒に排出し高血圧を防ぐ働きや、神経の伝達や筋肉の収縮などに関わる大切な働きをしています。
βカロテン
ビタミンAが不足すると体内でビタミンAに変換されます。
加熱した方が吸収が良くなると言われています。
目や皮膚、粘膜を健康に保つ役割や、抗酸化作用、免疫を活性化する作用があります。
ビタミンC
ビタミンCは、骨や関節、皮膚に必要なコラーゲンの生成を補助する役割を持っています。
基本的に犬はビタミンCを体内で合成することができますが、ストレスや病気などでビタミンCの消費が加速するため、おやつや手作り食の食材のひとつとして与えるのも有効です。
愛犬にトマトを食べさせる時の注意点
トマトは、抗酸化作用が高い栄養素が豊富に含まれている食材ですが、愛犬に与えるにあたって、以下のことを注意して与える必要があります。
アレルギーを持っているか確認
トマトは、スギ花粉との間に交差反応(異なるアレルゲンでも似た形をした部位があると抗体が反応し、アレルギー反応がでることを言います)があるという話をご存じでしょうか?
以前、スギ花粉症の犬が新鮮なトマトを食べたら、口腔粘膜が腫れる口腔アレルギー症候群を発症したという報告があります。
トマト以外でも新鮮な果物にはこの様な症状がでる可能性があるので、アレルギーの症状がある犬にはトマトや果物を与えるのはお勧めしません。
https://coco-gourmet.com/archives/6
トマトのへた・葉・茎・花を与えない
トマトの葉、茎、ヘタ、花には、下痢や嘔吐などの中毒症状を起こすアルカロイドの一種「トマチン」が多く含まれているためです。
加工食品を与えない
トマトの加工食品(ジュース、缶詰、ケチャップなど)は食塩や砂糖、玉ねぎなどが含まれている可能性があります。
未熟な実を与えない
トマトの未熟な実には、中毒症状を起こす可能性のある「トマチン」が非常に多く含まれています。
与えるのは完熟した赤い実だけにしましょう。
最初は少しずつ与える
どんな食材もそうですが、身体に合うものと合わないものがあります。
最初は少量ずつ与えて、愛犬の身体に合うかどうか様子をみながら与えるのが鉄則です。
細かく刻んであげる
犬は肉食動物に近いので、繊維質の多いものは消化吸収が苦手です。
細かく刻んで、犬が食べやすく、消化吸収しやすい形状にして与えましょう。
与え過ぎない
完熟した赤い実にも微量ですが、中毒症状を起こす可能性がある「トマチン」が含まれています。
また、水分も多いので与えすぎると下痢になる可能性があります。 与えすぎには注意しましょう。
愛犬に適切なトマトの量
おやつとして与える場合は、トマト以外の物も含めた一日の食事量の10%以内の量に抑えるというのが基本的な考え方です。
超小型犬(~4kg) | ~9gまで (ミニトマト半分弱) |
小型犬(~10kg) | 9g~18g (ミニトマト半分~1個) |
中型犬(11kg~25kg) | 19g~36g (ミニトマト1個~2個弱) |
大型犬(26~44kg) | 37g~55g (ミニトマト弱~3個弱) |
超大型犬(45kg~) | 56g~ (ミニトマト3個、又はトマト半分弱) |
*避妊去勢済みの成犬の一般的なドッグフードのカロリー(100g中350kcal)で 1日量の量の10%で算出
愛犬がトマトのへた・葉・茎・花を食べた時の応急処置
誤飲したのに気づいたら、なるべく早く動物病院に連れて行きましょう。
食べて2時間以内であれば、ほとんどの場合催吐処置で吐かせることができます。
自宅でできる処置としては、口の中に残っているものを取り除くことだけです。
自己流で無理に吐かせる処置は危険なのでお勧めできません。
できるだけ早く動物病院に行き、処置をしてもらいましょう。
家庭菜園などでトマトを育てている方は、特に注意が必要です。
子犬や老犬にトマトを与えるときの注意点
消化機能が未熟な子犬や消化機能が衰えているシニア犬は、繊維質の多いトマトは負担になり、嘔吐や下痢などの症状が起きる可能性があります。
なるべく与えないほうが安心です。
皮や種は取り除いて加熱する
トマトに含まれるリコピンは、熱に強いので加熱しても抗酸化作用は変わりません。
皮や種は取り除いた方が食べやすく、吸収しやすいので加熱する際は取り除いても良いと思います。
食べた後の体調変化に気を配る
トマトは栄養価が高い半面、口腔アレルギー症候群を引き起こす可能性や、炎症反応を促進する一面もあります。
アレルギーや関節炎などの持病がある犬には与えないようにすると共に、元気で健康上に特に問題がない場合でも、初めて与える際は少量ずつ与えることをお勧めします。
また、食べた後に下痢や嘔吐などの消化器症状が出ないかどうか良く観察しましょう。
また、栄養素が豊富な食材であっても、そればかり食べてしまうと栄養バランスが崩れてしまうので要注意です。
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こんな症状が出たら愛犬がトマトのへた・葉・茎・花を食べた可能性あり
トマトのヘタや葉、茎、花そして未熟な実に多く含まれているトマチンの中毒症状は、嘔吐や下痢です。
量によっては昏睡状態に陥る場合もあります。
特に家庭菜園でトマトを育てている方は要注意です。
- 下痢
- 嘔吐
- 歯ぐきの色が白っぽい
- ぐったりする
などの症状が見られたら、愛犬が誤食した可能性があります。
トマトを愛犬に美味しく食べてもらう方法
このようにトマトは適量で与え方を工夫すれば、犬にとってたくさんのメリットがある食材です。
次にトマトを愛犬に美味しく食べてもらう方法を紹介します。
トマトをドッグフードにトッピングしてみよう
トマトを適量小さくカットしてドックフードにトッピングする方法です。です。
トマトをトッピングすることで水分も摂れて違った食感を楽しむことができます。
トッピングする際の注意点としては、完熟したトマトを使用し、ヘタや葉は取り外すことと です。
皮や種は食べても問題はありませんが、消化吸収をよくするためと食べやすくする目的で、 なるべく細かく切ってからトッピングするようにしましょう。
愛犬にトマトを使ったアレンジレシピを作ろう
トマトに含まれる抗酸化成分のリコピンは加熱により吸収しやすくなるのでトマトスープにするのもおすすめです。
また、簡単にできるトマトのレシピは、フリーズドライのささ身や牛レバーと刻んだトマトを混ぜて電子レンジで1~2分加熱するドッグフード用のトッピングです。
このレシピは簡単にできる上に、鳥や牛だけでなくいろいろな種類のフリーズドライが多く販売されているので犬も飽きずに食べることができます。
その他ちょっと手を加えて犬が好みそうなレシピは、鶏肉とトマト、キャベツ、にんじんを消化しやすく食べやすい様になるべく細かく切って、ご飯といっしょに水で15分くらい煮るだけの簡単リゾットです。
同じ材料でも鳥むね肉やササミをトマトやにんじん、キャベツと一緒に水でじっくり30分くらい煮こむとミネストローネの完成です。
この様に使用するお肉や野菜の種類を変えるだけで、いろいろなバリエーションが作れます。
お肉と野菜だけで作ればおやつやドッグフードのトッピングに、ドッグフードを中々食べてくれない犬には手作り食の一環として主食として与えることができます。
ただし、自己流の手作り食のレシピ100%の食事で、必要な栄養素を十分にとれる食事を作るのはなかなか大変なので、動物栄養学を学んだ上で手作り食にチャレンジすることをお勧めします。
トマトは愛犬の栄養摂取・水分補給におすすめ!
リコピンを始め、βカロチンやビタミンCなどの抗酸化作用をもつ成分が豊富なトマトは、 がんや病気の原因となる活性酸素を取り除く役割や免疫機能を高める働きがある食材です。
また、水分が豊富で体内の余分な熱をとる働きや血圧を下げる働きもあります。
ただし、腎機能が低下している場合や消化機能が低下している場合は、病状が悪化してしまう場合があるので、かかりつけの動物病院で相談してから与えましょう。
また、トマトだけでなく、どんな食材も与え過ぎや食べ過ぎは、下痢や嘔吐などの体調不良の原因になるので、総合栄養食のドッグフードを活用しながらいろいろな食材を少しずつ使って健康維持に必要な栄養を与えることが、継続しやすく栄養のバランスも取りやすいのでお勧めです。
<参考文献>
・荒木幸子先生による統合医療栄養学セミナー資料
・愛犬のためのホリスティック食材事典
・スギ(クリプトメリア・ジャポニカ)花粉症の犬のトマトによって誘発される口腔アレルギー症候群 - PubMed (nih.gov)
トマト以外の野菜が気になる方は以下をご覧ください。
https://coco-gourmet.com/archives/149
https://coco-gourmet.com/archives/155
https://coco-gourmet.com/archives/156