ペットとヒトに関係性を「食」の観点から見つめ直すインタビュー企画「ココめぐり」
第一弾は「hanamoco」を運営している愛原日都美さんにお話を伺いました。
福島県南相馬市にあるhanamocoは「犬猫の健康としあわせ」をコンセプトに飼い主さんへのペット食育のアドバイスや、愛原さんご自身が厳選したフードや手作りサポート食、おやつなどをを販売しています。
運営している愛原さんはペットフーディスト資格や犬の管理栄養士マスターの資格をもつ犬猫のペット食育のプロフェッショナル。
そんな愛原さんにペットの「食」をテーマにお話を伺いました。
まずはhanamocoについて簡単に教えてください!
「犬猫の健康としあわせ」をコンセプトに、福島県南相馬市で犬猫の健康しあわせごはんを考えるお手伝いをしています。
ペットと共に暮らしていく上では、「食」だけにフォーカスすると改善できないお悩みが多々あるため、取り巻く環境や飼い主さんの考え方にも着目しながら、その子に合った食事や食事への考え方などについてアドバイスさせていただいております。
これからオープンする4坪ほどのちいさな店舗では、手作り食をサポートする商品を中心に取り扱っていく予定です。
どんな想いでhanamocoを起業するに至ったのでしょうか?
hanamocoをはじめようと思った一番のきっかけは、愛犬モコに繰り返しできる肥満細胞腫やイボでした。
どれだけ評判のいいフードを使っても、どれだけ原材料にこだわったフードを使っても、何も変わらないどころかイボが肥大化する一方で…。
それらを食べている間のうんちや毛並みは確かに良好でしたが、肝心なイボは消えなかったのです。
そこから手作り食や薬膳などを学び実践していったら、イボが大きくなることはなくなりました。
同時に、同じようなお悩みを持つ飼い主さんから相談を受けることが増えたんですね。
そうこうしているうちに「もっと寄り添ったカタチで犬猫の健康ごはんを考えるお手伝いができれば」と思うようになり、hanamocoを立ち上げました。
「ペット食育」に対してはどのような取り組みをされていますか?
hanamocoでは、ドライフードだけに頼らない食事を積極的に推薦しています。
「決してドライフードがダメなのではなく、犬猫にもいろんなスタイルの食事を楽しんでほしい。」
そんな想いがあります。
いきなり手作り食はみなさんハードルが高いと思います。
まずはドライフードに何かを加えるトッピングごはんやベースフードを使った手作りごはん、また1週間のうち1~2回だけ手作りごはんにしてみてください。
飼い主さんが楽しいと思える方法でパートナーのごはんについて考え、実践していただきたいと思っています。
でないと、どこか義務っぽくなってしまい長く続きません。
「食」だけにフォーカスすると改善できないお悩みはすごく多いですから、食事についてはできるだけラフに楽しく考え、日々心に余裕を持たせることはすごく大事なことだと私は思っております。
そのため当店では、白黒はっきりさせるような考えで食事の提案・販売を行っておりません。
「パートナーにとっての良い食事」を飼い主さんご自身で見出していくためにも、食事についていろんな角度から考えられる環境づくりを大切にしています。
ペット食育のプロから見て、手作りごはんについてどのようにお考えですか?
犬の手作り食については賛否両論ありますよね。
こんな私も、実は最初のころは手作り食反対派でした。
やはり栄養バランスの面を考えると、積極的に毎日とり入れるものではないなと考えていたのです。
でも、モコのイボをきっかけに自分が手作り食を実際に毎日作るようになったら、その考えがガラッと変わって。
なぜなら、モコの表情や雰囲気がドライフードを食べている時とは全然違うんですよ。
食事を心から楽しんでいるのが目で見て分かるほどでした。
さらにイボも大きくならずに済んでいるので、もっと早く手作り食を受け入れれば良かったなと思ったくらいでした。
もちろん完全手作り食にするなら、栄養のバランスや食材の組み合わせもきちんと考えなければなりません。
でも必ずしも完全手作り食にする必要はなくて、不安なら1日1食だけ手作り食に置き換えてみたり、週1~2回だけ手作り食の日にしてみるなど、もっと柔軟に手作り食への取り組みについて考えてみてもいいと思います。
その子の体質に合ったごはんは手作り食じゃないとなかなか実現できませんから、そういった意味でも、より多くの飼い主さんに手作り食の良さも知っていただきたいですね。
「ペット食育」において飼い主さんに知ってもらいたいことはありますか?
今はインターネットやSNSでいろんな情報を収集できるからこそ、飼い主さんには情報に振り回されない自分軸をしっかり持っていただきたいなと思っています。
ごはんのお悩み相談を受けていると、派手に迷走してしまっている飼い主さんとよく出会うんですね。
「〇〇にこの商品を使うといいと書いてあった」「〇〇におすすめされたけどうちの子には合わなかった」など、どこか他人任せになっているところがあり、自分で選択・判断できなくなっている飼い主さんがとても多い印象を受けます。
何が正しくて何が間違っていると白黒はっきりつける必要はありませんが、パートナーにどんな食事が良いのかをご自身で選択・判断できる力はぜひ身に着けていただきたいですね。
そのためには、日頃からパートナーとしっかりコミュニケーションをとっていただくこと。
あと、食べさせたものを毎日記録したり、余裕があれば日記をつけることも私はおすすめしています。
パートナーのことをよく知らなければ、パートナーに合ったごはんを選択することはできません。
口コミや評判に振り回されないためにも、パートナーの体質や健康状態、合う合わないものなどをきちんと把握しておくことはとても大切だと私は思っております。
"飼い主自身が選択・判断する"
いかがでしたでしょうか?
「飼い主さんが自分自身で選択・判断する」という言葉が非常に印象的でした。
確かにペットフードを選ぶ際には、どうしてもWEBサイトのまとめやランキングから選んでしまいがちなため、「自分で選んでいる」という感覚を覚えることは難しいかもしれません。
しかし、愛原さんのおっしゃる通り、愛犬の食事は飼い主から与えられるもののみのため、飼い主が責任を持って選んでいかなくてはならないと感じています。
何が良くて何が良くないのか、それを知るためにも私たち飼い主も勉強していかなくてはならないなと感じました。
【hanamocoのご紹介】
hanamoco
代表:愛原 日都美 (犬の管理栄養士マスター/ペットフーディスト資格保持)
TEL:070-1489-3610 (9:00-16:00)
MAIL:info@hanamoco.com
WEBサイト:https://hanamoco.com
オンラインショップ:https://hanamoco.base.shop
Instagram:https://www.instagram.com/hanamoco_official/?hl=ja福島県南相馬市にてペットショップを開業予定(2021年夏頃)