犬の涙やけ対策にはホウ酸水が効果的です。
目頭から鼻の横の毛が赤茶色に変色する涙やけは、多くの犬種で見られる悩みの種。
主な原因は涙の分泌過多や排出異常、目の周りの細菌増殖で、特にトイ・プードルやマルチーズなどの小型犬、ペキニーズやシーズーなどの短頭種に多く見られます。
ホウ酸水は消毒・殺菌作用があり、家庭で簡単に作れるため人気があります。ただし、正しい濃度(2%以下)や使用方法に注意が必要です。
本記事では、ホウ酸水の作り方、効果的な使い方、安全なケア方法について詳しく解説します。愛犬の目元を清潔に保ち、涙やけの悩みを解消する方法をご紹介します。
犬の涙やけってなんでできるの?ホウ酸で取れる?
犬の涙が溢れる仕組み
愛犬の涙やけとは涙が原因で目頭から鼻の横にかけた毛が赤茶色に変色することを指します。
涙は98%が水分なので、本来は無色透明ですが、毛が涙で濡れている状態が続くと雑菌が繁殖し炎症が生じたり、涙の成分が参加することで毛が赤茶色に変色してしまいます。
涙やけが起こる原因は主に涙の分泌量が多いか、涙の排出に異常が生じているかの2パターンです。
涙は元々、目の表面(角膜)を保護する役割があります。目の乾燥を防ぐために涙腺から適量が分泌され、涙点から吸収されます。
涙点は目頭にあり、涙点から吸収された涙は涙小管、涙嚢、鼻涙管を通り、最終的には鼻涙管から喉へ流れます。
犬の涙やけの原因とは?
愛犬の涙やけの原因には主に以下の二つがあります。
目の中にゴミが入る
目の中にゴミが入っていたり・まつ毛が目を刺激している場合などは、目を守るために涙の分泌量が多くなります。
排出に問題がなかったとしても分泌が多くなると、排出が追い付かず涙が溢れることがあります。
これが涙やけが起こる理由の1つです。
愛犬は目元に違和感があると手足で目をこすってしまうこともあります。
目元をこすることで目に傷が付き、更に涙が分泌されるという悪循環が生じることもあるので注意が必要です。
鼻涙管が詰まる
鼻涙管が詰まっていたりすることが原因で涙を排出できず、涙があふれることもあります。
これが2つ目の理由です。
特にトイ・プードルやマルチーズなど小型愛犬は鼻涙管が生まれつき狭いことが多く、ペキニーズやシーズーなどの短頭種は鼻涙管が曲がっていることもあるため、鼻涙管が詰まりやすく涙やけになりやすい愛犬種といえます。
また花粉やノミ、食べ物に反応してしまうアレルギーを持っているワンちゃんの場合は、アレルゲンに反応して涙が多く分泌されることもあります。
涙やけが気になっている飼い主さんは一度食事選びを見直して、より健康的で新鮮なご飯を選んでみてもよいでしょう。
犬の涙やけにホウ酸水が効果的な理由
愛犬の涙やけの原因は個体によって様々ですが、涙を上手く排出するかこまめに拭き取ってあげましょう。
目頭の毛が涙で濡れ続けている状態を防げるため、コットンでこまめに涙を拭くことで涙やけを防止する人もいます。
一般的にはこまめにコットンで涙を拭き取れば十分ですが、すでに細菌が繁殖している場合は涙を拭き取るのと同時に殺菌する必要があります。
愛犬の体温は雑菌が繁殖しやすい温度なので、放置していると細菌が繁殖することがあるため、殺菌目的でホウ酸水が使われることがあります。
ホウ酸は白色の粉末状で、水に溶かして使用します。
ホウ酸を使えば目元の殺菌ができるので、雑菌の繁殖による変色を防げることができます。
ホウ酸はドラッグストアや通販で販売されているため、購入しやすいこともメリットの一つです。
しかし、一方で作る手間がかかり、目に入った場合はよく水で洗い流す必要があるなど、ホウ酸自体を食べてしまうと中毒に陥る場合があるので注意が必要です。
ホウ酸って何に使うもの?涙やけを拭く以外の使い道はある?
ホウ酸は薬局などで簡単に手に入るものですが、「ゴキブリ対策のホウ酸団子」として使うという用途があるようです。
ホウ酸団子を食べたゴキブリは、体外に排出する機構を持たないため、徐々に代謝が悪くなり死に至るという仕組みです。
万が一、ワンちゃんがホウ酸団子を食べてしまった時には、ホウ酸中毒に陥る可能性があるため注意が必要です。
嘔吐や下痢、痙攣、昏睡などの症状が見られる場合はすぐに動物病院を受診するようにしましょう。
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犬の涙やけを拭き取るホウ酸水の作り方
ホウ酸水をつくるのに必要なもの
ホウ酸水に必要な材料は
- ホウ酸
- 精製水
- コットン
- 容器
の4点です。
ホウ酸・精製水はドラッグストアで簡単に購入できます。
ホウ酸は一般的に消毒に使うものなので、消毒用品コーナーなどに配置されていることが多いです。 ちなみに、500gで200~300円くらいで販売されています。 精製水は不純物が少なく、安全性の高いホウ酸水を作ることが可能です。
水道水で代用することも可能ですが、塩素などを含んでいるためできれば精製水を購入してください。
値段は100~200円程度です。
ティッシュは目を傷つける可能性があるので、可能であれば女性が使っている化粧用のコットンを使用するようにしましょう。
完成したホウ酸水を入れる容器は煮沸消毒するので、耐熱温度100度以上のものを使用しましょう。
安全に保管できるように、蓋付きであれば非常に便利です。
ホウ酸水の濃度は安全性を考慮して、2%以下にする必要があるため、濃度2%以下にしたい場合、ホウ酸3gに対して精製水を150ml以上混ぜるようにしましょう。
そのため容量は150~200mlの容器が向いています。
条件を満たしていれば100円ショップで販売しているものでも大丈夫です。
ホウ酸水を入れやすいように、口元が多少大きいものを選ぶのがよいでしょう。
犬の涙やけを拭くためのホウ酸水を作る手順
実際にホウ酸水を作る時のレシピは以下の通りです。
- 容器を煮沸消毒する
- 精製水を60度まで温める
- 温まった精製水にホウ酸を混ぜる
- 冷ましてから密閉して冷蔵庫保管する
容器を煮沸消毒する
容器を購入したら、容器が浸かるくらいの鍋に水を注ぎ、容器とフタを入れて水を沸騰させましょう。
沸騰したお湯に容器を入れると急激な温度変化で破損することがあるので、水の状態から容器を入れておくことがポイントです。
100度では死滅しない細菌もいることを考慮して、沸騰してから5分くらい煮沸します。
フタなど温度変化に弱いものがあれば、少し早めに取り出すとよいでしょう。
取り出す時は菜箸やトングを使って、火傷に十分注意してください。
煮沸消毒した容器はひっくり返して、乾燥させておきます。
精製水を60度まで温める
容器の準備ができたら、精製水を作っていきます。
精製水150mlを泡が少し出始めるくらいの60度まで温めます。
温まった精製水にホウ酸を混ぜる
温まった精製水を火傷に注意しながら容器に注ぎ、そこへホウ酸3gを入れましょう。
菜箸などでよく混ぜれば、ホウ酸水の完成です。
冷ましてから密閉して冷蔵庫保管する
しっかり冷ました後は密閉して、使用するまで冷蔵庫で保管するようにしましょう。
冷ましている間に愛犬が舐めないように注意してください。
犬の涙やけをホウ酸水で拭き取る方法
ホウ酸水で涙やけを拭き取るは、ゴシゴシ擦り過ぎないように優しく拭き取るようにしましょう。
一気に拭き取るというよりは、毎日少しずつケアするイメージです。
ホウ酸をしっかり染み込ませたコットンを目元に優しく押し付けます。
この時、涙で固まっている毛があれば、ペット用のハサミで目元の毛をカットする方法もありますが、怪我をさせないように気を付けてください。
ホウ酸で殺菌を行ったら、新しいコットンで残った水分を拭き取ることも大切です。
2回に分けて拭き取ることで、殺菌と水分除去の両方を実施できます。
このケアを涙やけがある場合は毎日行い、改善されれば頻度を2~3日に1回に減らしても大丈夫です。
殺菌・安全・簡単の3拍子!ホウ酸水で涙やけをケア!
ホウ酸水を使った涙やけケアは殺菌効果があり、濃度2%以下などルールを守れば安全面も問題ありません。
病気の治療を行う必要がある可能性もあるため、まずは一度動物病院を受診すると安心です。
動物病院ならホウ酸水を使った正しいケアも詳しく教えてくれます。
日常的にケアすれば雑菌の繁殖を防ぎ、愛犬の目元を健康的に保てます。
涙やけは愛犬にとって非常に身近なトラブルなので、涙やけが起こった場合は是非ホウ酸水を試してみてください。