犬を飼うにあたって、必ず考えなくてはならないのが、トリミングです。
特に毛が長い犬種には定期的なトリミングが欠かせません。
トリミングは愛犬とともに健やかに生活するために欠かせない事柄のひとつですが、初めて犬を飼う方は、トリミングに疑問や不安を感じてしまうことがあります。
トリミングは単なる犬のおしゃれだけでなく、ほかにも重要な理由があります。
愛犬に健康で長生きしてもらうために、トリミングの基本知識や重要性を知っておきましょう。
犬のトリミングは切るだけじゃない!トリミングの内容を紹介
犬のトリミングの内容はサロンによって多少異なりますが、多くはカットが中心です。
お店によってはカットだけでなく、シャンプーやブロー、ドライヤーといった美容的な行為のほか、爪切りや耳掃除、あるいは歯磨きを行っています。こうした行為を通して犬の健康チェックもしてくれます。
また、飼い主の希望に応じてカラーリングや飾りをつけるなどの対応をしてくれるところもあります。
犬のトリミングをすべき理由とは?
犬のトリミングには重要な意味があります。定期的にトリミングをすることで、愛犬にとって様々なメリットがあります。
体を衛生的に保つため
犬は毛が全身を覆っているため、雑菌が繁殖しやすいという特徴があります。
特に毛の長い犬ほど雑菌が繁殖しやすい傾向にあり、放置しておくと悪臭の原因になることが考えられます。
特に注意したいのが肛門や尿道の近辺です。
こうした場所は臭いが付きやすく、そのままでいると感染症を起こす危険性があります。
また体に傷があったりした場合も感染症に注意が必要です。
目の周りに毛が刺さると、目やにが増えたり涙目になることもあるので定期的なトリミングが欠かせません。
またノミやダニの予防にも効果的です。
転倒防止のため
犬の肉球にはクッションや滑り止めなどの重要な役割があります。
また汗をかいて体温調節をするなど、健康上にも大切な役目があります。
肉球を毛が覆ってしまうと、滑り止めの役割を果たすことができなくなり、愛犬が転倒する危険性が高くなります。
特にフローリングで飼育している場合、犬が滑って転んでしまうケースもあるので注意が必要です。
熱中症予防のため
犬は体温調節が苦手な生き物です。
毛が全身を覆っているので、特に暑い夏には熱中症の危険性があります。
近年は人間でも室内で熱中症になるケースがありますが、犬も同様です。
毛を短くカットすることで、体温の上昇を抑えて熱中症を予防する効果が期待できます。
健康チェックのため
毛が長い犬種の場合、皮膚病になりやすく、なっても気が付かないこともあります。
同様に、目も毛でおおわれていると疾患に気が付かずそのままにしてしまうことも考えられます。
トリミングを定期的に受けることで全身の健康チェックをしてもらえるので、病気の早期発見に役立ちます。
歯磨きをしてもらうことで、口の中の様子も観察できます。
愛犬の長生きのためには、トリミングは欠かせない事柄です。
しつけのため
飼い主以外に触られるのを嫌がる犬もいますが、それでは外出する場合に他人に預けるのが難しくなります。
定期的に飼い主以外の人にケアされることで、噛み癖や無駄吠えなどを防ぐ効果も期待できます。
犬のトリミングにかかる費用や時間は?
トリミングにかかる費用
犬のトリミングにかかる費用は、犬の大きさや種類によって差があります。
お店によってトリミングの内容に違いがあるため一概には言えませんが、
サイズ別だと小型犬だと3000円ぐらい、中型犬だと5000円ぐらいが一般的です。
大型犬だと10000円以上する場合もあります。
また毛が長い犬ほどトリミングの費用が高くなり、トイプードルやチワワなどの場合は6000円ぐらいかかることがあります。
一方フレンチブルドッグや柴犬、コーギーなどは毛が短いので、カットは不要な場合がほとんどです。
トリミングの内容はブラッシングが中心になるため、1回あたり5000円前後が相場となっています。
毛の短い犬は頻繁にサロンに来る必要がないため、毛の長い犬に比べてコストがかからないといえます。
かかる時間
シャンプー中心の場合、小型犬で1時間半程度が目安です。
犬の性格や健康状態によっては、もっと時間がかかることもあります。
中型犬で2時間程度、大型犬で2時間半ぐらいかかるのが一般的です。
また毛が長い犬の場合は2時間から2時間半ぐらいかかることがほとんどで、長くても3時間ぐらいあれば終了します。
犬のトリミングを自宅でする方法は?
犬によっては、サロンでトリミングをされることをストレスと感じることもあります。
また高齢の犬を外出させるのは大変だから、自宅でトリミングしたいと思う人もいます。
愛犬にとって自宅とサロン、どっちがベストか考えて一番良い方を選んであげたいものです。
自宅でトリミングすると決めたらまずは準備が必要です。
道具
トリミングに最低限必要なものは、ブラシ、コーム、はさみ、電動バリカンなどです。
プロフェッショナル用のものは値段が高く、性能もよいのですが必ずしも使いやすいとは限りません。
初心者ならリーズナブルなものから用意する方が無難です。
健康チェック
トリミングを始める前に、全身の健康チェックを行うことが大切です。
皮膚の状態は正常か、傷や腫れた個所はないか詳しく観察をしましょう。
また食後すぐや機嫌の悪いときは避けた方が良いです。
トリミングを始めても、過度に興奮してなかなか収まらない時には中止することも必要です。
環境を整える
後で掃除がしやすいように、お風呂場や洗面所などを選ぶとよいです。
また小さい子供や赤ちゃん、ほかの動物が近寄ってくることがないように環境に配慮しましょう。
長時間やらない
長時間トリミングをすることは犬にとっては負担になります。
一度に全部できなくてもよいので、残りは後日に仕上げをするようにします。
トリミングは愛犬にとって欠かせない大事なイベント
トリミングは単なるカットやおしゃれのためだけと思いがちですが、
ほかにもトリミングに行くことで皮膚や全身の状態をチェックしてもらえるという大きなメリットがあります。
毛でおおわれていると気が付かないうちに病気になっていることもあるため、定期的な観察が欠かせません。
飼い主とトリミングサロンの相性、あるいは愛犬とサロンの相性もありますが、
性格をよくわかってくれるサロンを利用するのが一番です。愛犬の健康を保って楽しく暮らしましょう。