愛犬の寝顔は最高の癒やしですが、あまりに長く寝ていたり、寝ながらピクピク動いたりして「大丈夫かな?」と不安になることはありませんか?
この記事では、子犬からシニアまでの年齢別平均睡眠時間や、犬特有の浅い眠りの仕組みについて詳しく解説します。
また、可愛いへそ天や丸まりなどの寝相から読み解く愛犬の心理状態、健康と心の安定を守るための環境づくりのポイントもご紹介!
犬にとって睡眠は、一生の半分以上を占める大切な時間です。愛犬の眠りを正しく理解して、より快適な休息時間をプレゼントしてあげましょう♪
年齢別・犬の平均睡眠時間

愛犬の寝顔を見ていると、本当に心が和みますよね。
でも、あまりにも長時間ぐっすり眠っている姿を見て、寝すぎじゃないかな、どこか具合が悪いのかなと不安になったことはありませんか?
実は、犬にとって睡眠は1日の半分以上を占めるのが当たり前なんです。人間が大体7時間から8時間寝るとしたら、わんちゃんはその約2倍の睡眠時間を必要としています。
ライフステージによってもこの時間は変わってきます。まず子犬の時期ですが、この頃は「寝る子は育つ」という言葉通り、心と体の急激な成長のためにたくさんのエネルギーを使います。
そのため、パピー期には1日におよそ18時間から19時間もの睡眠が必要です。そして成犬になると少し落ち着き、平均睡眠時間は12時間から15時間ほどになります。
さらに年齢を重ねてシニア犬になると、今度は体力を温存し回復させるために休息が必要となり、再び睡眠時間が長くなって、子犬と同じように18時間以上眠ることも珍しくありません。
もちろん、これらはあくまで平均睡眠時間の目安です。犬種や体の大きさ、その日の運動量や活動量によっても変動します。
たとえば大型犬は小型犬よりも長く寝る傾向があったり、ドッグランでたくさん遊んだ日は泥のように眠ることもありますよね。
ですので、愛犬が長く寝ていても、起きた時に元気で食欲があれば心配しすぎる必要はありません。
それぞれの年齢や体調に合わせて、ゆっくり休める環境を作ってあげることが大切ですね!
犬の「レム睡眠」と「ノンレム睡眠」

愛犬が寝ている時に、急に足をバタバタと走らせるように動かしたり、小さく「ワンッ」と寝言を言ったりする姿を見たことはありませんか?
まるで誰かと遊んでいるようなその姿はとても愛らしいものですが、「どこか痛いのかな」と少し心配になってしまうこともあるかもしれません。
実はこれ、脳が活発に動いている証拠であり、正常な睡眠の状態なんです!
人間と同じように、犬の睡眠にも脳が休んでいる深い眠りの「ノンレム睡眠」と、体は休んでいても脳が起きている浅い眠りの「レム睡眠」という2つの状態があります。
ただ、私たち人間とはそのリズムが少し違っていて、犬の睡眠サイクルは20分程度と、とても短いのが特徴です。
さらに、睡眠時間全体の約8割は浅い眠りであるレム睡眠が占めていると言われています。これは、かつて野生で暮らしていた頃の名残だと言われています。
いつ敵に襲われるかわからない自然界では、少しの物音や気配ですぐに目を覚まして逃げたり戦ったりできるように、常に待機状態で眠る必要があったんですね。
その習性が今も残っているため、わんちゃんはぐっすり寝ているように見えても、実はすぐに起きられる浅い眠りの状態にあることが多いのです。
寝ている間に手足がピクピクと痙攣のように動いたり、眼球が動いたりするのは、このレム睡眠の最中によく起こります。
脳が記憶の整理をしている時間なので、もしかしたら今日ドッグランで遊んだ楽しかった夢を見ているのかもしれませんね。
病気の発作などではないかと焦ってしまうこともあるかもしれませんが、呼びかけた時に反応があるようなら、それはレム睡眠による正常な現象ですのでまずは、落ち着いて様子を見てあげましょう!
このように、わんちゃんは短いサイクルで浅い眠りを何度も繰り返しながら体を休めています。
私たちよりも眠りが浅い分、ちょっとした刺激で目が覚めてしまい、睡眠不足になりやすいとも言えます。
愛犬が気持ちよさそうに寝ている時は、たとえピクピクしていても無理に起こしたり触ったりせず、静かに見守ってあげることが、わんちゃんにとって一番の休息になるんですね。
病気の可能性をはらむ、危険ないびきのサインについてはこちらの記事をご覧ください↓
犬のいびきは病気のサインかも!?いびきの原因と、危険ないびきのチェックリスト
寝相でわかる愛犬の心理状態

愛犬が寝ている姿を見ると、ついつい写真を撮りたくなってしまいますよね。
実はそのユニークな寝相には、わんちゃんの今の心理状態や体調が隠されているんです。では代表的な寝相から、愛犬の気持ちを読み解いてみましょう!
まず、多くの飼い主さんが癒やされている「へそ天」と呼ばれる仰向けの姿勢。
これは急所であるお腹を完全にさらけ出している状態なので、警戒心がゼロで、心の底からリラックスしている証拠です。
飼い主さんやその場所に絶対的な安心感を抱いているサインと言えますね!
また、足を横に投げ出して寝る「横向き」も同様に、とても落ち着いて休息できている状態ですので、そっとしておいてあげましょう。
一方で、ドーナツのように小さく丸まる姿勢はどうでしょうか。これはアンモナイトのような愛らしさがありますが、実は自分のお腹を守ろうとする野生の本能が働いている場合があります。
少し緊張していたり、周りを警戒していたりするのかもしれません。ただ、寒い時期には体温を逃さないために丸まっていることも多いので、部屋の温度を確認してあげるのもいいですね。
そして、手足を前後に伸ばして寝る「うつ伏せ」、通称スーパーマンスタイル。
これは何かあった時にすぐに立ち上がれる体勢なので、まだ遊び足りない時や、ちょっとうとうとしている時によく見られます。
また、夏場などはお腹を冷たい床にくっつけて涼みたい時にもこの寝相になることがあります。
このように、寝相ひとつとってもわんちゃんの気持ちは様々です。毎日どんな姿で寝ているか観察することで、愛犬との絆がもっと深まるかもしれません。
質の良い睡眠環境の重要性

ここまで、わんちゃんの睡眠の特徴や寝相についてお話ししてきましたが、最後に一番大切なことをお伝えします。
それは、飼い主さんが作ってあげる質の良い睡眠環境です。
私たち人間も枕が変わったり部屋が暑すぎたりすると眠れないことがあるように、犬も環境が整っていないとぐっすり休むことができません。
もし睡眠の質が低下して十分な休息がとれないと、慢性的にストレスが溜まってイライラしやすくなり、無駄吠えや攻撃的になるといった問題行動につながってしまうことがあります。
また、疲れが取れないことで免疫力の低下を招き、体調を崩すきっかけにもなりかねません。では、愛犬が心から安心して眠るためには、具体的にどうすれば良いのでしょうか。
まずは、季節に合わせた適切な温度管理が欠かせません。犬は人間よりも体温調節が苦手なので、エアコンなどを活用して常に快適な室温を保ってあげてください。
そして、体の大きさに合ったベッドを用意し、夜寝る時は照明を落として、できるだけ静かな空間を作ることが大切です。
さらに意識したいのが、愛犬だけの安全なテリトリーを作ってあげることです!
ハウスやクレートを部屋の隅などの落ち着く場所に設置し、そこにいる時は絶対に誰も邪魔をしないというルールを家族で徹底しましょう。
囲まれた狭い空間は、本能的に犬が最も落ち着ける場所でもあります。「ここは自分だけの安全地帯だ」と思える場所があるだけで、わんちゃんの心の安定感は大きく変わります。
こうした環境を整えてあげることは、愛犬の健康を守るだけでなく、飼い主さんとの穏やかで幸せな暮らしを長く続けることにもつながります。
ぜひ今日から、愛犬の寝床を一度見直してみてくださいね♪