愛犬のグーグーといういびき。熟睡している姿に癒やされる反面、「苦しくないかな?」「病気じゃないかな?」と不安になることはありませんか?
実は、犬のいびきには、寝相や疲れによる心配のないものと、病気のサインが隠れている危険なものの2種類があります。
この記事では、見守っても良いいびきの特徴から、肥満や加齢、病気が原因となる注意すべきケースまでを詳しく解説します!
さらに、無呼吸や異音など、すぐに病院へ行くべき危険なサインをまとめたチェックリストもご紹介。
愛犬のいびきの原因を正しく理解し、適切なケアや受診のタイミングを見極めるために、ぜひお役立てください。
心配いらない生理的ないびき

愛犬が気持ちよさそうに寝ているとき、グーグーといびきをかいていると、どこか具合が悪いんじゃないかって少し心配になっちゃいますよね。
でも、まずは安心してください。人間と同じで、わんちゃんのいびきにも病気ではない生理現象としてのいびきがあるんです。
すべてのいびきが危険なサインというわけではないので、まずは落ち着いてその時の様子を観察してみましょう!
チェックしてほしいポイントのひとつめは、わんちゃんの寝相や姿勢です。
たとえば、仰向けでお腹を出すへそ天で寝ていたり、丸まっている拍子に首が少し曲がった状態になっていたりしませんか?
こういう姿勢のときは、喉の気道が一時的に圧迫されて狭くなることで、空気の通りが悪くなっていびきが出やすくなります。
試しに優しく体勢を変えてあげて、スッといびきが止まるようであれば、それはたまたま寝苦しい姿勢だっただけなので緊急性は低く、落ち着いて様子を見てあげるのが良いでしょう。
また、ドッグランで思いっきり走り回った日や、久しぶりのお出かけでたくさん遊んだ日なんかも、いびきをかきやすくなります。
これは体がしっかり休息を求めて熟睡している証拠です。深い眠りについていて、全身の力が抜けているリラックス状態なので、喉の奥の筋肉も緩んでいびきの音が鳴ってしまうんですね。
それから、パグやフレンチブルドッグ、シーズーといった短頭種の子たちは、生まれつき鼻の通り道が短く狭い構造をしています。
そのため、元気なときでも寝ている間にいびきをかくことが多く、これも犬種特有の生理的なものと言えます。
名前を呼んだらパッと起きたり、起きている時は普段と変わらず元気なら、その子ならではの愛らしい個性として見守ってあげてください。
犬がいびきをかく主な原因

生理的なもの以外で、いびきの原因としてまず見直したいのが肥満です。最近、愛犬の抱き心地が良くなった、少し体重が増えてきたなと感じることはありませんか。
人間と同じように、わんちゃんも太ると体の表面だけでなく首の周りにも脂肪がつきます。
実はこの首の脂肪が、喉の奥にある気管を外側からギュッと圧迫してしまい、空気の通り道が狭くなることで、寝ている間に「グゴー」といった音が鳴る原因になります。
ぽっちゃりした姿も愛らしいですが、スムーズな呼吸の妨げになっていないか注意深く見てあげましょう!
次に挙げられるのが、加齢による体の変化です。シニア期に入ると、足腰の筋肉と同じように、喉や首周りの筋肉も少しずつ衰えてハリがなくなってきます。
若い頃は筋肉でしっかり支えられていた気道が、筋肉の緩みによって重力に負けて狭くなりやすくなるため、歳をとってからいびきが増えるのは珍しいことではありません。
また、意外と見落としがちなのがお部屋の環境要因です。特に冬場の乾燥した空気は、人間だけでなくわんちゃんの喉の粘膜にも大敵です。
部屋が乾燥していると鼻や喉が炎症を起こしやすくなり、粘膜が腫れていびきにつながることがあります。
他にも、カーペットのハウスダストやタバコの煙などがアレルゲンとなり、アレルギー反応として鼻詰まりを起こしている可能性も考えられます。
愛犬が寝ている部屋の湿度は適切か、空気はきれいに保たれているか、この機会に一度生活環境を振り返ってみると良いかもしれません。
すぐ病院へ!危険ないびきのチェックリスト

「ただ寝ているだけだから大丈夫」と思っていても、そのいびきの中には怖い病気が隠れていることがあります。
「いつもと様子が違うな?」と感じたときに確認してほしい、危険なサインをリストにまとめました。
もしひとつでも当てはまる場合は、わんちゃんからのSOSかもしれません。早めに動物病院で相談してあげてくださいね。
いびきが途中で止まり、「カッ」と息を吹き返す
寝ている間に急にいびきが止まって静かになり、しばらくして「カッ!」や「プハッ」と苦しそうに息を吹き返す動作が見られる場合は要注意です。
これは人間でもよく耳にする「無呼吸症候群」の状態である可能性が高く、呼吸ができていない時間が続くことで心臓や脳に大きな負担がかかる、命に関わる危険なサインです。
「ガーガー」や「ヒーヒー」といった異音が混じる
いつもの「グーグー」という音ではなく、喉の奥が詰まったような低い「ガーガー」という音や、空気の通り道が狭くなって笛が鳴るような高い「ヒーヒー」という音が聞こえる場合、気道になんらかの異常が起きている可能性があります。
起きている時も呼吸が荒く、苦しそう
寝ている時だけでなく、起きている時でもゼーゼーしていたり、お散歩や興奮した時に「ガーガー」とガチョウが鳴くような咳が出たりしませんか。
こういった症状は、喉の弁が長すぎて気道を塞いでしまう「軟口蓋過長症」や、気管が押しつぶされてしまう「気管虚脱」といった病気の疑いがあります。
鼻水・鼻血やくしゃみなどの症状がある
いびきに加えて、ドロッとした鼻水や鼻血が出ている、くしゃみが多いといった症状がある場合は、鼻の奥に炎症が起きていたり、「鼻腔内腫瘍」などの病気が隠れていたりするケースも考えられます。
いびきは、言葉を話せない愛犬の体の不調を知らせるバロメーターです。「最近、急にいびきをかくようになった」「音が変わってきた」という変化はとても大切な気づきです。
受診の際は、いびきをかいている時の動画をスマホで撮って獣医さんに見せると、より正確な診断につながります。
飼い主ができる対策とケア

愛犬のいびきが少し気になったら、おうちでできるケアから始めてみましょう。まず一番に見直してあげたいのが、体重の管理です。
もしわんちゃんが少しぽっちゃり気味なら、首周りの脂肪を減らすダイエットが、いびき解消への近道になることが多いです。
私たち人間と同じで、適正体重に戻すことで気道の圧迫が取れ、呼吸がスッと楽になります。
おやつの量を少し見直したり、お散歩の時間を増やしたりして、無理のない範囲で健康的な体型を目指していきましょう!
次に、寝室の環境を整えてあげることも大切です。寝ている時の姿勢をサポートするために、顎を少し高く乗せられる枕やベッドを用意してあげるのも良いサポートです。
顎を乗せて首が少し伸びるような姿勢になると、気道が確保されやすくなって呼吸がスムーズになることがあります。
また、乾燥やハウスダストも呼吸器には負担になるので、乾燥する季節には湿度管理として加湿器を活用したり、空気清浄機を使って空気をきれいに保ったりするのもおすすめです。
そして、もし病院へ相談に行くことになったら、ぜひ実践してほしいのがいびきの動画、録音です。
病院の診察台の上では実際の様子を見せることはほとんどできないので、お家でのリラックスした状態のいびき音や、寝ている時の様子をスマートフォンで撮っておくと、獣医さんにとっても大きな診断の助けになります。
日々の観察とちょっとした工夫で、わんちゃんの快適な睡眠を守ってあげてください。
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