犬も人間と同じように、年齢を重ねるうちに身体に様々な症状が現れるようになるのですが、数ある症状のなかでも、注意が必要なものの一つに痙攣があります。
その原因は必ずしも一つだけではないため、しっかりと症状を見極めて、適切な対処を施す必要があります。
以下では、老犬の痙攣について考えられる原因と、それに応じた対処法を見ていきます。
痙攣の症状とは
痙攣とは、犬自身の意志とは無関係に体の一部や全身の筋肉が収縮することを指します。
症状としては、
- 意識が朦朧とし突然倒れる
- 体を反らして激しく震える
- 手足をバタバタする
などが挙げられます。
痙攣は予兆もなく急に生じて、1分から3分続くことがあります。
なんの予兆もなく起ります。
老犬が痙攣しているときの対処法
老犬が痙攣を起こすと、パニックに陥ってしまってどのように対処すれば分からなくなる飼い主が多いようです。 万が一、老犬が痙攣を起こしたときにどのような対応をとるのが良いのでしょうか。
老犬が痙攣していたらの安全確保を
痙攣が起こった場合に、まず行うべきなのは、犬の安全の確保です。
痙攣が激しい場合には、周りの家具や壁に身体をぶつけてしまう可能性があるため、それによる怪我を避けるために、周囲を柔らかい毛布などで覆ってやるなどするとよいでしょう。
なお、安全な場所に移動させようとして犬の身体を持ち上げるのは厳禁です。
身体を動かしてしまうと、さらに痙攣を悪化させてしまいかねないからです。
老犬が痙攣していたら状態をしっかり見極める
老犬の痙攣の中には、事前に予兆が感じられるものがあります。
いきなり落ち着きがなくなったり、普段あまりしないような動きを始めることが痙攣の原因になっていることがあります。
そのため、何かいつもと違う様子をしていると気がついた場合には動画を取るなどして、病院を受診したときに獣医師に相談できるようにしておきましょう。
また、同じ痙攣でも、原因によってその症状は様々です。
痙攣している部位はもちろんのこと、痙攣の大きさやどのような筋肉の動き方をしているかについても、しっかりと観察して記録しておくことが重要です。
痙攣の際に、口からよだれを流したり、失禁してしまっているようであれば、そのような症状も覚えておくと原因の特定に役立ちます。
老犬が痙攣していたら落ち着いたらすみやかに獣医に連絡を
ある程度、痙攣が収まってきたら、すみやかにかかりつけの獣医に連絡し、記録していた症状を伝えて指示を仰ぐようにします。
その際、収まったからといって、犬をいきなり獣医の元に連れて行くのはリスクを伴うため、連れて行く場合は、事前に獣医に問題ないか確認してからにしましょう。
老犬が痙攣する4つの原因
老犬の痙攣の原因としては様々なものがあります。
もっとも、一言で痙攣といっても、運動後に筋肉が小刻みに震えていたり、睡眠時に足がぴくぴく動いているようなものであれば、単なる筋肉の疲労が原因である場合がほとんどなので、それほど心配する必要はありません。
一方、それ以外の要因で発生する痙攣のなかには、命に関わるものもありますので、早めに対処する必要があります。
1. てんかん
筋肉疲労以外で起きる老犬の痙攣の原因として多いのが、てんかんです。
人間の場合も同じですが、てんかんは何の予兆もなく突然起こります。
それまで元気に見えていた愛犬が突然激しく痙攣するケースが少なくありません。
もっとも、てんかんによる痙攣の大きさは場合によってまちまちです。
症状が軽そうだからといって侮ってはいけません。
2. 腎不全
腎不全もまた痙攣を引き起こす原因となり得ます。
腎臓は、体内の毒素を抽出して尿として排出する大事な機能を司っている臓器です。
老化によりその機能が衰えると毒素が十分に排出されずに体内に蓄積されていくことになります。
多少であれば大きな問題はないのですが、体内の毒素が許容量を超えることで痙攣が起きます。
なお、腎不全による痙攣のなかでも、特に急性のものは急激に症状が悪化するケースがあり、速やかな治療が必要なためすぐに病院へ受診するようにしましょう。
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3. 中毒症状
年を重ねた犬は判断能力が鈍ってくるため、元気な時であれば避けていたような食べ物を誤って口にしてしまうケースがあります。
殺虫剤や除草剤を誤って食べてしまった時に生じる中毒症状として痙攣があります。痙攣が起きたときに、何か食べてしまった疑いがあるようならすぐに病院を受診して治療を受けるようにしましょう。
犬を室内で飼っている場合には、そういったものが犬の口に入らないようにしっかりと管理する必要があります。
4. 脳腫瘍
痙攣の原因として重篤な症状が現れる可能性が高いのが、脳腫瘍です。
脳内にできた腫瘍が神経を圧迫することによって、筋肉が予期せぬ痙攣を起こすというものなのです。
脳という生命を司るところに関わる症状だけに放置しておくと取り返しのつかない事態に陥る可能性があります。
老犬が痙攣しているときは、動画に収めて病院で見てもらおう
痙攣時の症状をしっかり記録することが重要だとは分かっていても、動物病院を受診したときに痙攣時の様子を正確に伝えるのは非常に困難です。
そのため、できれば痙攣中の状況を動画で撮影して保存しておき、それを獣医に見せるというのがおすすめです。
動画にしておけば、どのような症状を起こしているかが一目瞭然に分かります。
痙攣している時間も正確に測ることができるため、診断に役立ちます。
技術の進歩によって、今ではスマートフォンを使って簡単に動画が撮影できるようになっています。
愛犬が痙攣を起こしたら、まずは冷静にその様子を動画に撮るということを普段から家族の間で共有しておくとよいでしょう。
なお、動画は、痙攣が発生している部位だけを映すのではなく、なるべく犬の身体全体が確認できるように撮影するようにしましょう。
健康的な食生活で老犬の免疫力を高めよう
歳をとって体が衰弱していくと、病原菌やさまざまな外的ストレスと戦う免疫力が低下していきます。
これは動物にとって仕方がないことです。
動物医療では実際に何かしらの病気や症状が起きたことに対する対処までしかできず、免疫力がおちて病気にかかりやすくなった体を強くしていくためには特定の栄養素をサプリメントなどで摂取する必要があります。
老犬の長期的な健康や充実した生活のためには、病気の治療だけではなく、十分な運動・愛情・そして充実した食生活が欠かせません。
通常与えられるドライフードは必要な栄養素を摂取することを目的に製造されていますが、栄養の量と同時に重要になってくるのが、栄養の「質」です。
どんな栄養を食べるのか?だけではなく、それはキチンと消化吸収できるのかどうかや、同じ栄養素でも犬という動物が活用しやすい形状なのかが重要です。
動物はもともと野生動物の肉を食べて暮らしてきました。より生に近い形で野菜や肉をそのまま食べることに適して進化してきているのです。
だから食材を粉末にして固めた肉中心のドライフードが最適というわけではないんです。
私たちココグルメは「犬」という動物の種に適した食事を作ることを目指した、手作りご飯です。
- 老犬のご飯に苦労している方
- 食べてくれなくて困っている方
是非一度試してみてください。
老犬の痙攣の原因を知って冷静に対応しよう
以上で見てきたように、老犬が痙攣を起こす原因は、それほど心配する必要のないものから、放置しておくと生命にかかわるようなものまで実に多種多様です。
もっとも、飼い主がその原因を特定するのは困難ですので、痙攣が発生したら、その様子をしっかりと記録して、事実を正しく獣医に伝えて指示を仰ぐようにすることが大切です。
痙攣の様子を記録するのが難しそうであれば、動画で撮影するという方法もありますので、慌てずに冷静に対応するようにしましょう。