1年中スーパーで手に入る大根は、水分が豊富で愛犬の健康維持にも役立つ食材です。
大根おろしやスティック、葉っぱの部分や皮など、おすすめの与え方をご紹介します。
一方、腎臓病や甲状腺疾患の犬の場合、与え方や量によっては体調を悪化させてしまうことも。
この記事では、大根の栄養価や、病気の犬への安全な与え方について獣医師の声を踏まえてご紹介します。
愛犬に大根を食べさせても良い
大根は犬にとって有毒な成分は含まれておらず、与えても大丈夫な食材です。
90%以上が水分なのでその水分量を生かした与え方がおすすめです。
大根の与え方
大根は白い根の部分、緑の茎の部分、葉の部分に分けられます。
葉に近い部分は柔らかく甘みがあり、細くなっていく先の部分は辛味があるのが一般的です。
そのため、犬に与える場合は真ん中〜茎の部分がおすすめです。
皮の部分にも栄養素が含まれていますので、皮ごと与える方が良いでしょう。
生の大根
生の大根を与える際は薄く切って与えるのが良いでしょう。
犬は私たち人間のように奥歯ですり潰して食べるような咀嚼はできませんので、かじって食べる形になります。
大根が分厚いと、犬がかじった際に大きな破片となり、喉に詰まる可能性もあります。
大根スティック
スティック状に切っておやつ代わりに与えるのも良いでしょう。
その際も、太すぎるものはNGです。
大根おろし
大根おろしにしてフードに混ぜると、水分がよく摂取できます。
しかしすりおろすと辛味が出る可能性があるので、好まない子も多いです。
茹でた大根
柔らかく茹でた大根をご飯に混ぜてあげるのも、水分が取れておすすめです。
柔らかくなることで喉に詰まらせる危険性も低くなりますし、火を通すことで消化によくなります。
若齢の犬や高齢犬は、火を通してから与える方が誤嚥等の危険性が少ないでしょう。
つま
お刺身等についてくる”つま”も犬に与えることができます。
しかし犬に与える際は、生物に接触していた部分、時間が経ったものは避けましょう。
さっと火を通して与える方が安心ではあります。
葉や茎の与え方
葉や茎を与えることも可能です。
特に葉には栄養成分が豊富に含まれていますので、生のまま食べる犬であればそのまま与えるのが良いでしょう。
炒めたり火を通してから与えても大丈夫です。
その際味付けはしないようにしましょう。
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大根の栄養素と愛犬への影響
大根は水分豊富な野菜ですが、良い栄養素も含まれています。
100gあたり約15kcalと低カロリーな食材ですので、ダイエット中の犬にもおすすめな食材です。
カリウム
カリウムは過剰な塩分を排出させ、体内のナトリウムのバランスを保って血圧を安定させる効果があります。
しかし腎臓病を患っている犬はカリウムの排泄がしにくくなり、体内に貯留してしまうことがありますので摂取は慎重にならなくてはいけません。
100gあたり根の部分は230mg、葉の部分は400mgあります。
葉の部分は茹でると約180mgまでカリウム量が減少しますので、カリウム量が気になる子へ与える際には工夫してみても良いでしょう。
カルシウム
カルシウムは骨や歯の材料になります。
根の部分は100gあたり24mg、葉の部分は260mgもカルシウムが含まれています。
特に成長期の犬や老齢の犬には葉の部分を与えると良い栄養補給になるでしょう。
βカロテン
犬は体内でβカロテンからビタミンAへ、ビタミンを合成することができます。
ビタミンAは夜間の視力を助けたり、皮膚や粘膜の健康に役立ちます。
また抗酸化作用があるので免疫を活性化させる効果がありますので、積極的に摂取したい栄養成分です。
大根の根や茎には含まれていませんが、葉には100gあたり3900μg含まれています。
αトコフェロール(ビタミンE)
ビタミンEは抗酸化作用があり、酸化ダメージから細胞を保護する効果があります。
大根では根や茎には含まれていませんが、葉には100gあたり3.8mg含まれています。
葉酸
葉酸は神経組織の発達に関係しているビタミンです。
大根の根や茎の部分には34μg/100g、葉の部分には140μg/100g含まれています。
ビタミンC
ビタミンCは、抗酸化成分としての効果があります。
加齢や運動による酸化ストレスや、関節炎などの病気の予防や治療に役立ちます。
大根の根や茎の部分には12mg/100g、葉の部分には53mg/100g含まれています。
茹でると成分が流出してしまうので、生で与えるのがおすすめです。
食物繊維
食物繊維は便秘の改善や、腸内環境の改善に役立ちます。
大根の根や茎の部分には1.4g/100g、葉の部分には4.0g/100g含まれています。
愛犬に大根を与えると水分補給になる!
大根は100gあたり94gが水分と、とても水分豊富な食材です。
あまり水を飲まない犬や、水分を積極的に摂取して欲しい犬は大根をトッピングやおやつとして与えるのが良いでしょう。
愛犬に大根を与えて良い量
犬の大きさ | 大根の量 |
超小型犬(〜5kg) | 約10〜25g |
小型犬(5〜10kg) | 約25〜50g |
中型犬(10〜20kg) | 約50g〜100g |
大型犬(20kg〜) | 約100g |
愛犬に大根を与えて良い量は以上の通りです。
しかし食べても大丈夫な量には個体差があり、少量でも下痢をしてしまう子や、多く食べても問題ない子もいます。
ご自身の愛犬にあった量を少しずつ見極めて与えてくださいね。
愛犬に大根を与える時の注意点
大根は犬に与えても大丈夫な食材ですが、実際に大根を与える際には何点か注意が必要です。
以下のポイントに注意して与えましょう。
細かく刻んであげる
大根は薄く切ったり細かく刻んであげましょう。
噛んだ時に大きな破片になると喉に詰まる可能性があります。
特に若齢の犬や高齢の犬は、固くて大きな大根は与えないようにしましょう。
少し火を通して柔らかくしてから与えるのもおすすめです。
アレルギー
稀に大根にアレルギー症状が出る犬もいます。
初めて与える場合はごく少量から試して、顔・手足・肛門など身体の痒みや下痢嘔吐などの症状が出ないか確認してから与えましょう。
特に大根と同じアブラナ科の野菜(白菜、カブ、キャベツ、ブロッコリーなど)で体調が悪くなる子は、同じ科の大根でも同様の症状がでる場合がありますので注意が必要です。
https://coco-gourmet.com/archives/6
与え過ぎない
大根は水分豊富な食材なので、与えすぎると便がゆるくなる可能性があります。
大根を与えても大丈夫な量には個体差があるので、最初は少量から試しましょう。
便がゆるくなる場合は大根の量が多すぎる例が多く、大根の量を減らすと改善されることもあります。
便の状態を見ながら適切な量を与えましょうね。
大根の加工食品
大根はさまざまな加工食品がありますが、味付けがされているものは犬に与えないようにしましょう。
また切り干し大根など乾燥しているものは、食べて胃に入った後に水分を含んで膨らみ、胃拡張などの病気の原因になります。
乾燥した大根を与える場合は必ず水に戻してから与えるようにしましょう。
病気の子は注意
持病をもっている犬は大根を与える際に注意が必要です。
どんな病気の子が注意が必要なのでしょう?
甲状腺疾患
大根はアブラナ科に属している植物です。
アブラナ科の植物には甲状腺ホルモンの分泌を阻害する成分が含まれているので、甲状腺機能低下症を患っている犬に与える際は注意が必要です。
腎臓病
大根にはカリウムが多く含まれていますので、腎臓病を患っている子に与える際には注意が必要です。
腎臓が悪いとカリウムの排泄がうまくいかなくなる子がおり、カリウム過剰になることがあります。
そのためカリウムを多く含む食材を与える際は注意が必要です。
https://coco-gourmet.com/archives/280
愛犬の大根アレルギーの症状
万が一愛犬が大根にアレルギーを起こした場合には、以下のような症状を表すことがありますのでチェックしましょう。
かゆみ
大根による食物アレルギーの場合、口周りや手足、肛門周りに赤みやかゆみを引き起こすことがあります。
また目周りが赤みを帯びて腫れることもあります。
下痢・嘔吐
大根によるアレルギーでは下痢や嘔吐を起こすこともあります。
大根を与えた後に下痢・嘔吐をした場合は病院で相談しましょう。
大根に似た野菜は愛犬に与えて良い?
大根に似た食材は犬に与えても大丈夫なのでしょうか?
家庭によくある野菜を見てみましょう。
にんじん
にんじんは犬に与えても大丈夫な野菜です。
しかし固く消化に悪いため、生で与える場合は要注意。
小さくカットして与える、火を通して柔らかくして与える等の工夫が必要です。
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白菜
白菜も犬に与えても大丈夫な野菜です。
しかし大根と同じアブラナ科に属しているため、甲状腺に問題のある犬は注意が必要です。
また大根を与えた際に体調が悪くなったことのある子は、白菜でも同じく症状が出る場合もありますのでやめておきましょう。
愛犬に大根を食べさせると健康になる!
大根は水分豊富な野菜で、ビタミンなどの栄養素も多く含まれています。
カロリーが少なくお腹に溜まりやすい食材なので、愛犬のダイエットにも最適です。
適量はそれぞれ犬によって異なりますので、少しずつ愛犬に合った適量を見ながら与えてみましょう!