愛犬には色々な食べ物を食べさせてあげて、嬉しい経験をして欲しいと思うものですが、安易に何でもあげてしまうのはかえって犬を不幸にしてしまうかもしれません。
動物は種類が違えば必要とする栄養素も変わってきますし、犬と人間では食性にも違いがあります。
そのため人間には無害な食べ物でも犬には危険な成分が含まれているかもしれません。
今回は人間が比較的食べる機会があり、犬も欲しがりやすいいちごについて、食べさせても大丈夫なのか?いちごの成分は犬にどのように作用するか?などについて解説します。
犬はいちごを食べても大丈夫なのか
いちごはバラ科の多年草で、収穫の盛りは11月から翌年4月頃と言われています。
犬も甘いいちごを好むことが多いのですが、少量であればあげても大丈夫です。
うれしそうに食べているからと言って、たくさんあげるのは禁物です。
特に初めて食べる場合には少しずつあげて、下痢や嘔吐、痒みが出ないか確認してください。
愛犬に与えて良いいちごの量
ではどのくらいの量をあげても大丈夫なのか体格別に見ていきます。
いちごをおやつであげると考えたときに、1日に必要なカロリーの中でおやつに置き換えてもよいカロリーは約10%です。
いちごのカロリーは100gで約34kcalですので、この情報をもとに計算していきます。
超小型犬(体重4kg未満) | 1/4~2/3個 |
小型犬(体重10kg以下) | 1~2個 |
中型犬(体重25kg未満) | 2~3個 |
大型犬(体重25kg以上) | 3~5個 |
超小型犬(体重4kg未満)
体重が3㎏の犬に必要な一日のカロリーは約256kcalです。
この10%がおやつとして摂取してよいカロリーになりますので、25kcalになります。
超小型犬の場合は1/4~2/3個ぐらいは食べることができます。
小型犬(体重10kg以下)
体重が10㎏の犬に必要な一日のカロリーは630kcalです。
また、体重が5kgの犬の場合は374kcalが一日に必要なカロリーです。
そのため、10㎏以下の小型犬の場合1~2個ぐらいは食べることができます。
中型犬(体重25kg未満)
体重が25㎏の中型犬に必要な一日のカロリーは1250kcalです。
また、体重11㎏の犬の場合は677kcalが一日に必要なカロリーです。
中型犬の場合2~3個ぐらいは食べることができます。
大型犬(体重25kg以上)
体重が25㎏以上の犬の場合、大きな犬種では65㎏もの体重があり体重に合わせて計算するとかなりの量を食べることができます。
しかし、いちごは水分を多く含むので食べ過ぎると下痢の原因になることもあります。
体重に合わせて3~5個程度にとどめるほうがよいでしょう。
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いちごに含まれる成分と愛犬の健康
いちごは栄養豊富な果物です。
具体的にどのような栄養成分が含まれていて、犬の健康のどのように役立つのか確認していきましょう。
ビタミンC
ビタミンCはコラーゲンの生成に役立ち、ストレスへの抵抗力を高めたりします。
いちごには100gあたり60㎎のビタミンCが含まれています。
実は100gあたりのビタミンC含有量はみかんより多いのです。
いちごはそれほど酸っぱくないのでビタミンCの含有量はあまり多くない印象がありますので驚きです。
食物繊維
いちごには100gあたり1.4gの食物繊維が含まれ、水溶性食物繊維であるペクチンと不溶性食物繊維があります。
ペクチンは血圧の上昇を抑える働きがありますし、不溶性食物繊維は便秘の解消に役立ちます。
アントシアニン
いちごの赤い色はポリフェノールの1種の「アントシアニン」という色素によるものです。
アントシアニンは植物に含まれることが多い色素で、活性酸素を取り除く抗酸化作用のほか、目の疲労を取り除くなどの良い影響を与えます。
ペクチン
食物繊維のところでも軽く紹介した水溶性食物繊維です。
ペクチンは植物細胞の細胞壁に含まれていて、細胞と細胞をつなぎ合わせる働きがあります。
いちごに火を通すとゼリー状になってくるのはこのペクチンが溶けだしてくるからです。
整腸作用やコレステロールを下げる働きがあり、動脈硬化の予防や血圧が高くなることを防ぐ作用もあります。
愛犬にいちごを与えるときの注意点
様々な効果を持ついちごですがあげるときに注意しないといけない点があります。
いちごが大好物の愛犬はいちごを見ただけで大喜びすると思いますが、注意点に気を付けてあげましょう。
処理の仕方
いちごは傷みやすい果物ですので、購入するときにへこみや色の変わっているところがないかなどよく確認しましょう。
水で洗う時にはヘタを取らずに洗うのがコツです。
ビタミンCが多く含まれているので、ヘタを取って洗うとビタミンCが水に溶け出てしまいます。
また、レモン水で洗うと甘みが増します。
へたは食べさせない
いちごをあげる前にいちごのヘタは取ってください。
食べたとしても中毒などの恐れはありませんが、消化が悪く下痢の原因になる可能性があります。
アレルギー
いちごはアレルギーが出る可能性のある果物です。嘔吐や下痢、体をかゆがるなどの症状が起こった場合は動物病院で相談しましょう。
いつ、どのくらい食べたのかを説明できるようにしておくと診察がスムーズに進みます。
初めてあげるときにはほんの少しにして、何か異変が起こらないかを確認しましょう。
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いちごの加工食品
いちごの果汁や果肉が含まれるおやつ、フリーズドライ、ジャムやゼリーなど様々ないちご加工品があります。
人用に加工されたものは甘みが強いものが多いため、愛犬にはあげないようにしましょう。
犬用に加工されているものであれば量を守ってあげたら問題ありません。
与えすぎない
先にいちごをあげてもよい量を体格別に紹介しました。
アレルギーの有無、個人差もあると思いますが、紹介した量+2個は下痢などを引き起こす恐れがあります。
また、キシリトール中毒を起こす可能性もありますので与えすぎは危険です。
また、いちごアレルギーの犬はほんの少しでもあげてはいけません。
アレルギーは量の多少ではなくて、ほんのわずかでもアレルギー反応が起こってしまいます。
いちごに対してアレルギーを持っていない犬でも、ほかの食材や花粉、ハウスダストなどに対してアレルギーを持っている犬や初めていちごを食べる犬に対してはほんの僅かの量にとどめましょう。
犬にいちごを与えるリスク
犬にいちごを与えるのはできるだけ控えたほうが良いのにはいくつかの理由があり、それは主に以下の物が挙げられるでしょう。
犬にいちごなどの贅沢品を与えすぎるとわがままになる
例えば人間が食べているいちごを欲しがったので与えてしまう、というケースが比較的多いです。
明確な上下関係を築く必要のある犬からすると、これは「テーブルの上の物も自分のものなんだ」と勘違いさせてしまい、よくありません。
いちごという本来人が食べるものを犬に分けることにはこういった弊害もあります。
落ち着きのない犬はいちごを丸呑みしてしまうこともある
やんちゃな子だと、いちごを丸呑みにして喉に詰まってしまったという事例もあります。
中型犬であれば吐き出しやすくもありますが、小型犬の場合吐き出させるのに苦労しますし、場合によっては深刻な事態になりかねません。
シュウ酸が、愛犬の尿路結石の原因になるケースも
いちごにはシュウ酸と呼ばれる成分が含まれており、これによって愛犬が尿路結石になる危険性があります。
もちろん定期的に食べたり大量に摂取した場合であり、たった1度だけであればその危険も少ないですが、いちごを与えないに越したことはないでしょう。
特に尿路結石の病歴のある犬の場合は要注意です。
いちごを食べると愛犬の寿命が伸びる理由
インターフェロンを摂取すると愛犬が長生きする
いちごに含まれるインターフェロンというたんぱく質がウイルスの増加を抑制し、愛犬が長生きすることがわかっています。
また、歯肉炎の治療薬として使われることもあり、冷凍乾燥させてわんちゃんの歯に塗布することもあります。
インターフェロンは熱に弱いため、そのまま適量を与えましょう。
キシリトールは虫歯予防に
いちごにはキシリトールが100g中350㎎含まれています。
キシリトールは甘みがありますが、一般的な糖分とは異なり糖アルコールに分類されます。
キシリトールは虫歯の原因になる酸を作らないので虫歯の原因にならず、デンタル商品に含まれるようになりました。
一方でキシリトールは犬に中毒を引き起こすという情報もあります。
キシリトールを含むいちごを食べても大丈夫なのでしょうか。
犬の体重1㎏あたり100㎎のキシリトールを摂取すると中毒症状がおこる可能性があるといわれています。
キシリトール中毒を起こすと低血糖や急性肝不全といった症状がおこり命にかかわります。
体重が3㎏の犬の場合300㎎のキシリトールを摂取すると中毒症状が起こる可能性があります。
いちごには100gあたり350㎎のキシリトールが含まれますが、平均的ないちご1個の重さは35g程度です。
つまり、いちご1個には約120㎎のキシリトールが含まれている計算になります。
「犬はいちごを食べても大丈夫なのか」のところで、超小型犬の場合、1/4~2/3個ぐらいは食べても問題ないとしましたが、計算上この量であればカロリー的にもキシリトールの量を考慮しても問題ないでしょう。
くれぐれも、あげすぎないようにすることが大切です。
愛犬にいちごを与える時は量に気をつけよう!
愛犬がいちごを欲しがるのは好奇心であることが多いですし、その欲望を必ずしも満たしてあげないと犬が不幸になるわけでもありません。
むしろいちごを食べることで体調が悪くなってつらい思いをする場合のほうがずっと多いのです。
犬の好奇心を満たしてあげられなくて申し訳ない気持ちが出てくる時は、たくさん一緒に遊んであげたり、スキンシップをして喜ばせてあげると良いでしょう。
犬の飼い主としての責任があることを今一度しっかり自覚し、時には厳しいと思うようなことも愛情を持って行ってあげることが大切です。
他の果物を愛犬が食べても良いのか気になる方はこちらをご覧ください。