犬の飼い主であれば、一度は手作りご飯にチャレンジしたい!と考えたことはあるのではないでしょうか?
手作りご飯はかつては「栄養バランスが崩れるから危険」と言われ警戒されてきました。
しかし、現代では犬の手作りご飯に関するレシピや栄養情報が充実したので、きちんとルールを守れば、手軽に健康で美味しい手作りご飯を作ってあげることができるようになりました。
また犬の手作りご飯に関する研究によると、「手作りご飯を食べ続けていた犬の寿命が32ヶ月も長かった」というレポートも執筆されています。
この記事では犬の手作りご飯と、長生きや健康との関係についてまとめました。
現代における犬の長生きと食生活との関係
全ての飼い主にとって、愛犬が健康に長生きしてくれることが一番の願いだと思います。
犬はもともと人間の5~8倍ほどのペースで歳をとると言われている動物ですので、飼い主と一緒に過ごしていられる時間は限られています。
しかし、2011年の日本獣医師会の発表によると、犬猫の寿命は1980年からの30年間で、3~4倍近くの平均15年程度まで伸びていることが分かっています。
1980年ごろには3~5年ほどで亡くなってしまったわんちゃん・猫ちゃんも(これには事故や不安定な飼育環境など多くの要因が含まれていると考えられます)、2010年ごろには10年以上長生きするようになりました。
日本獣医師会のレポートによると1980年~2010年にかけて、細菌・ウイルス感染や寄生虫感染などの病気により無くなってしまう犬猫の数が大きく減ったことが述べられています。
人間にとってもそうであるように、「医療」という要素は長生きと切っても切れない関係ですが、それと同時に「食生活」も健康にとって非常に大きな要因なのです。
手作りご飯を食べ続けた犬は平均32ヶ月長生きしていた
The difference between two extremes amounts to more than 32 months.
(手作り食を続けた場合と市販されたドッグフードを続けた場合の)2つをくらべると、
(寿命は)32ヶ月以上差が生まれている。Relation between the domestic dogs' well-being and life expectancy statistical essay (2003)
愛犬の健康や長生きを願う全ての飼い主にとって、一つの指針なる調査結果が2003年欧州(ベルギー)で発表されているのをご存知でしょうか?
犬種・性別・大きさ・体重など様々な537頭の犬の情報を集め、その生活習慣や環境と寿命の関係を調べた結果、手作りご飯を与え続けた場合は市販のフードをあげ続けた場合を比較すると、32ヶ月以上も寿命が長かったことがわかりました。
さらに手作りご飯だけを食べ続けただけではなく、市販のフードとセットで一部に手作りご飯を食べていた犬も平均15ヶ月ほど長生きだったことがわかっています。
当時のドッグフードは今のフードと比べても確かに栄養面や衛生面で大きく劣っていたことは容易に想像がつきます。
(4Dミートや発癌性リスクのある添加物がまだ当たり前のように使われていた時代です)
しかし、日本におけるドッグフードの総合栄養食基準は、この研究レポートが作られたより以前の1997年に作られたAAFCO(米国飼料学会)の基準がいまだに使われているのをご存知でしょうか?
人間が食べてはいけない添加物がいまだに使えているように、ドッグフード業界はなかなか前に進んでこなかった経緯もあります。
20年近く前の研究結果だと言っても、飼い主としては知っておくべきことだと考えています。
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手作りご飯を食べ続けた犬が長生きだった理由は?
このように手作りご飯を食べ続けた犬は、市販のドッグフードだけの犬と比べて長生きしていたことは、統計的にわかっています。
しかし、具体的に「手作りご飯の何が長生きに繋がったのか?」という因果についてはまだ判明していません。
AAFCO(米国飼料学会)が定義している「この栄養素をとっておけば犬は健康に過ごすことができる」という基準は存在していますが、ドライフードももちろん総合栄養食であれば必要な栄養素を含んだ商品になっているはずです。
では手作りご飯が長生きにつながった可能性をいくつか紹介します。
手作りご飯は栄養吸収率が高く、犬の健康や長生きにつながった
手作りご飯が犬の長生きにつながった有力な理由が、「栄養の吸収率」という考え方です。
ドライフードであっても手作りご飯であっても、同じ食材を同量食べれば栄養学上は健康が保たれるはずですが、実はこの考え方の中には、犬が食材を消化し栄養を吸収できるか?という発想は含まれていません。
人間の栄養学では同様に昔は栄養の吸収を考えず、数字上の栄養素を摂取すれば問題ないとされていましたが、最近では「吸収しやすさ」「必須栄養素以外の微細栄養素の量」「摂取する順番」など、栄養学にさまざまな観点が取り入れられてきました。
これは種族の差があれど概ね同じ動物である犬にも言えるはずのことです。
ドライフードは、「吸収率」「必須栄養素以外の微細栄養素」などに関しては一切考慮されておらず、AAFCOが定義した栄養素を大量の添加物によって非常に不自然な形で摂取できるだけの商品です。
手作りご飯は、ドライフードとはことなり、野菜やお肉に含まれる栄養素を消化しやすい形で摂取することができるのです。
手作りご飯は添加物が少ないから、犬の長生きにつながった
手作りご飯は添加物が少ないから犬の健康や長生きにつながったのでは?という考え方も存在します。
ドライフードは一般的に保存性を高め(常温で長期間も放置できる食品というのは人間だとほとんど考えられないですよね?)、最低限の肉類のみでも必要なビタミン・ミネラル類をすべて摂取するために大量の添加物が使われています。
新鮮じゃない食材ばかりを使っているため、大量の油や香料で味を誤魔化している商品も多く存在します。
ドライフードと添加物は切っても切れない存在ですが、実はその添加物は発癌性リスクがあるとして「人間の食品には使ってはいけないとされた危険な添加物」がいまだに利用されているのです。
このような危険な添加物を取らないというだけで、犬の健康や長生きへつながったとも考えられます。
手作りご飯を食べる犬は膀胱癌リスクが90%も低かった
欧米で飼われている175頭のスコティッシュテリアの生態を調査した。
年齢や体重、毛の色などの指標を調整して集計した結果、週に3回以上ドッグフードとは別に野菜を摂取していた犬はTCC(膀胱癌)の発生リスクと逆相関していた。
緑黄色野菜の場合は逆相関が見られたが、アブラナ科の野菜やビタミン類での補給には逆相関が見られなかった。Evaluation of the Effect of Dietary Vegetable Consumption on Reducing Risk of Transitional Cell Carcinoma of the Urinary Bladder in Scottish Terriers(2005)
手作りご飯と長生きの関係には、上記の研究以外にも膀胱癌リスクに関する調査結果も発表されています。
2005年欧米で行われた調査研究によると、緑黄色野菜を定期的に摂取していたことと、膀胱癌の発生リスクに相関があったことが明らかにされています。
緑黄色野菜を週3回以上摂取していた犬は、ドッグフードのみの場合と比べて膀胱癌のリスクが90%以上低減されていたということに加え、その緑黄色野菜に相当しているサプリメントを摂取していた場合は、全くリスク低減効果が現れなかったことが判明しています。
野菜の摂取のみを取り上げた研究であるため手作りご飯そのものではありません。
サプリメントでは満たせないリスク低減があったことを考えると、野菜をなるべくそのまま摂取できる手作りご飯が犬の健康や長生きに良い影響を与えることも想像に難くありません。
長生きのために。犬の手作りご飯は栄養バランスに注意しよう
このように手作りご飯には犬の長生きにつながる様々な研究結果がわかってきています。
しかしながら大前提として「必要な栄養バランスを満たしている」ということも併せて重要になります。
お肉だけや野菜だけなど栄養や食材の偏りが生じてしまう場合、健康や長生きという以前に栄養不足で体調を崩してしまうということも考えられます。
また犬は玉ねぎ類やチョコレート類など、人間が食べられるけど犬は食べてはいけない食材も多く存在します。
愛犬の長生きのためには、単に手作りご飯をすれば良いというのではなく、キチンと食材選びや栄養バランスから考えてあげましょう。