愛犬の健康を守る上で、毎日与える食事はとても重要です。
中でも人気のある食材がささみで、ささみが大好物という犬も少なくありません。
この記事では犬がささみを好きな理由やささみからとれる栄養素、愛犬にささみを与える時の注意点、そしてささみを美味しく食べるためのアレンジ方法などについて紹介していきます。
ささみが重宝される理由を知る事で、さらに上手に活用できるようになり、大切な愛犬の健康をしっかりと守れるようになるのではないでしょうか。
犬がささみを好きな理由は?
飼い主さんにとっては、栄養バランスの整ったドッグフードが一番安心でき、愛犬への食事には最優先で与えたいと思うかもしれません。
しかしドッグフードをあまり好んで食べてくれない、でもささみを与えた時は美味しそうに食べてくれるというケースはよくあります。
犬がささみを好むのは、そもそも犬は肉食に近い動物に分類されるからです。
実際、ドッグフードも主成分は肉となっており、犬が好む味に仕上げています。
本来なら肉の味がするドッグフードが大好物となるところですが、犬は肉の味より肉のにおいが好きという特徴もあります。
ドッグフードより肉のにおいが感じられるささみが美味しく感じられるのかもしれません。
犬がささみからとれる栄養素
ささみからとれる栄養素として、まず良質なタンパク質が挙げられます。
タンパク質は丈夫な体を作るために必須の栄養素で、血液や骨、内臓機能を丈夫にしたり、皮膚や被毛などを綺麗に保つために欠かせません。
もしタンパク質が不足してしまうと、免疫力の低下や成長不良、体重の減少、皮膚の調子が悪くなるなど、体のいたる所に様々な症状が見られるようになるため、毎日の食事に欠かせないのです。
タンパク質以外には、ビタミンB群やミネラルも豊富に含まれています。
ビタミンB群の中でも特に含有率が高いのがナイアシンで、糖質や脂質、タンパク質の代謝を助けたり、皮膚や粘膜を強くしてくれます。
またミネラルの中ではセレンの成分がとても高いのですが、セレンには抗酸化作用があり、ガンの発症率を下げたり老化を抑える事に期待出来ます。
逆にセレンが不足すると、筋力低下や動脈硬化、乾燥肌など体に様々な悪影響を及ぼすことから、健康維持のためにいかに必要な栄養素であるかがわかります。
その他、脂質やリン、カリウムなどもささみから摂取できる栄養素です。
脂質の中には体内で合成できない必須脂肪酸が含まれており、皮膚や被毛の健康維持、体の細胞膜やホルモンを作る上で欠かせません。
またリンには歯や骨を丈夫に保つ、カリウムには血圧を調整する、細胞を正常に保つなどの効果があります。
愛犬にささみを与える時の注意点
与えすぎに注意
ささみと言えば鶏肉の胸肉に隣接した部位で、脂肪が少なく低カロリーな食材として有名です。
茹でたささみであれば、1本55kcalとカロリーが低いので、減量中の愛犬の食事やおやつにも適しています。
ただし食べ過ぎには注意が必要です。どれだけ万能食材であっても、与えすぎると肥満の元になり、ダイエットの意味も無くなります。
またリンの過剰摂取も懸念されます。リンは健康な歯や骨を保つために欠かせない栄養素ではありますが、過剰摂取すると、尿毒症や脱水症など腎不全となる恐れもあるのです。
美味しそうに食べていても、愛犬の体の事を思うと飼い主がしっかり適量を見極めていかなければいけません。
仮に普段の食事にドッグフードを与えている場合は、必要な栄養素は全てドッグフードで摂取できるようになっています。
ここにささみを加えると食べ過ぎになってしまうため、ドッグフードを主食にしているなら、ささみは風味付け程度かおやつにしておいた方が安心です。
例えばおやつとして与える場合は、1日の摂取カロリーのうち、1割程度に抑えておくのがポイントです。
愛犬のサイズによって必然的に適量も異なり、体重が4キロ未満の超小型犬には25~30カロリー相当、体重が25キロ以上に及ぶ大型犬には2~3本程度のささみを与えても問題無しとなります。
茹でてから与える
そしてささみは必ず茹でてから与えるのが鉄則です。
犬の祖先はオオカミであり、基本的には生肉を食べられる消化器官をしています。
それでも生のまま与えてしまうと、生肉に付着しているサルモネラ菌によって下痢など消化不良を引き起こす可能性があるのです。
犬が食べやすいよう仕上げるコツは長く茹で過ぎない事で、沸騰した後に余熱を利用して中まで火を通すと、固くなりすぎず美味しく食べられます。
また人はささみを茹でる時に塩なり香辛料をいれますが、犬には塩分過多となるため、塩分無しで茹でておきます。
茹で上がったささみは犬が消化しやすいよう細かくしておきますが、ラップで包んでおくと冷凍保存も可能です。
アレルギー反応に注意
安心して食べさせられるささみですが、時にアレルギー反応を示す犬もいます。
下痢や嘔吐、目の充血などが主なアレルギー症状で、ささみを与えた時に何らかの症状が出た場合は、すぐに獣医に診せるようにしましょう。
特に初めて与える時は注意が必要で、ごく少量からスタートし、ゆっくり量を増やしていくのが上手な進め方となります。
愛犬がささみを美味しく食べるためのアレンジ方法
ささみを茹でておくと、色々なアレンジメニューにも挑戦出来ます。
例えば茹でたキャベツと細かくほぐしたささみを混ぜ合わせ、そこに犬用チーズを加えるだけで一品完成です。
キャベツとささみの組み合わせは手作り食の中でも人気で、便秘解消にも効果が期待出来ます。
またささみを丸ごと茹で、一口サイズにカットしてオーブンで焼くと、ささみチップスを作る事が出来ます。
オーブンを170度に予熱した後に、15分程度焼くだけのお手軽メニューで、手作りおやつなら添加物が含まれている心配もなく、安心して愛犬に与えることが出来ます。
大好物のささみを上手に活用していこう
ささみは低カロリー高タンパクな食材です。
愛犬が美味しそうに食べている様子を見ると、飼い主さんも嬉しくなり、もっとあげたいという気持ちになるかもしれません。
ただ与えすぎると肥満やリンの過剰摂取になる可能性がある事も覚えておく必要があります。
使い勝手が良く優秀な食材ではありますが、適量を守ってこそ良い効果を発揮するのです。
食事やおやつに取り入れる際は、アレルギーなどに注意しつつ、愛犬にとっての適量を意識して与えていくことが大切です。