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犬はエビを食べると危険?殻やしっぽ以外も要注意

最終更新: 2024.10.08
犬はエビを食べると危険?殻やしっぽ以外も要注意
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エビは、犬に与える際には十分な注意が必要な食材です。

生のエビに含まれるチアミナーゼという酵素は犬のビタミンB1欠乏症を発症する原因になります。必ず加熱した状態で与えましょう。また、殻や尻尾は消化に悪いだけでなく、口腔内に刺さって怪我をしてしまう可能性があります。

この記事では、犬にエビを与えるときの注意点と、誤って食べてしまった場合の対処法について解説します。

 

愛犬にエビを食べさせても良い?

エビ自体は犬に与えても大丈夫な食材ですが、状態によって与えない方が良い場合があります。

どんなものを与えない方がよいのか、みてみましょう。

生のエビ

生のエビは、犬に与えない方が良い食材です。

加熱していないお刺身のエビなどは与えないようにしましょう。

加熱したエビ

加熱したエビは与えても大丈夫です。

エビはタンパク質豊富なので、タンパク補給のトッピングにも良いですね。

エビの殻、尻尾

エビの殻や尻尾などは与えないようにしましょう。

犬は人間のように奥歯ですりつぶして食べることができません。

殻や尻尾が割れて、鋭利な状態で口腔内に刺さる可能性もあります。

また消化に悪い食材なので与えない方が良いでしょう。

エビの加工食品

エビの加工食品は、塩分やその他の添加物がない犬猫用のものであればOKですが、人間用の加工食品は避けましょう。

エビのみを乾燥させた乾燥エビは、塩味が強くなければOKですが、サイズが大きいものや人が食べて口の中をチクチク刺激するようなものはやめましょう。

エビせんべいなど人間用の食品類は塩分が強い場合が多いので与えないようにしましょう。

乾燥さくらエビや犬用のエビせんべいなどはOKです。

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愛犬に生のエビを食べさせてはいけない理由

なぜ犬に生のエビをあげてはいけないのか、ご存じですか?

知らずに与えると、病院での治療が必要な事態になってしまう場合もあります。

その理由をみてみましょう。

チアミナーゼ

生のエビには「チアミナーゼ」という酵素が含まれており、この酵素は体内でビタミンB1を壊します。

犬がビタミンB1欠乏症を発症する原因になりますので与えないようにしましょう。

甲殻類アレルギー

アレルギーを持っている犬は与えない方がよいかもしれません。

人間と同様、甲殻類アレルギーを持つ犬もいます。

エビを与えて急性のアレルギー症状が出た場合は死んでしまう可能性もありますので、与える際は注意が必要です。

殻、尻尾が危険

食べた際に割れた殻や尻尾が口腔内や消化管に刺さる場合もあります。

私たち人間と違い、犬は食物を十分に噛んですり潰すことができませんので、殻や尻尾は与えないようにしましょう。

愛犬が生のエビを食べた時に起きる症状

それでは、愛犬が生のエビを食べてしまった時に起こりうる症状として、どんなものがあるでしょうか。

生のエビを食べた後に以下の症状が出てしまった場合は早めに動物病院を受診してください。

下痢や嘔吐

食べてすぐ〜数時間後に下痢や嘔吐を起こす場合があります。

エビが体質に合わなかった時やアレルギーの症状としてこれらの症状を起こすこともありますし、生エビのチアミナーゼによるタミンB1欠乏症でもこの症状がでることがあります。

嘔吐や下痢が出た際にはすぐに病院を受診して、エビを食べてしまった旨を伝えましょう。

食欲の低下

体調が悪くなると、食欲の低下がみられることがあります。

いつもの量を食べきれない、一切食事を食べない、おやつをも食べたがらない、等の症状があれば主治医に申告してください。

ビタミン欠乏症

生のエビを食べると、エビのチアミナーゼによりビタミンB1欠乏症になってしまうことがあります。

特にビタミンB1は糖質をエネルギーに変換する際に必要な、重要な栄養素です。

体に必要な栄養素ですので欠乏症になると様々な症状が出てしまい、最悪の場合死に至りますので注意が必要です。

痙攣

生のエビを食べてビタミンB1欠乏症になると、痙攣の症状がでる場合もあります。

頻回の痙攣や長い時間の痙攣は死に至ることがありますので、すぐに動物病院を受診しましょう。

エビを与えても良い量

エビを与える際は必ず加熱してから与えましょう。

犬によって与えても大丈夫な量は異なりますので、少しづつ様子をみながら与えましょう。

体の大きさ 与えても良いエビの量
超小型犬(〜5kg) 〜20g程度まで(中型エビ1-2尾)
小型犬(5〜10kg) 20〜35g程度まで(中型エビ2-3尾)
中型犬(10〜20kg) 35〜50g程度まで(中型エビ3-5尾)
大型犬(20kg〜) 〜80g程度まで(中型エビ6-7尾)

愛犬が生のエビを舐めてしまったら?

エビを舐めただけでは問題ないことが多いです。

しかしエビ(甲殻類)アレルギーの場合は、舐めただけでもアレルギー症状を起こすことがありますので注意が必要です。

アレルギーの症状としては、

  • そわそわする、動き回る
  • 顔が腫れる(マズルやまぶたが腫れる)
  • 口周りを痒がる
  • 皮膚が赤みを帯びる
  • 呼吸状態が変わる(ヒューヒューと気管が狭くなる音がでたり、激しくパンティングをする)
  • よだれを垂らす
  • 嘔吐する
  • ぐったりする
  • 舌が青紫色になる(チアノーゼを起こす)

といった症状がみられます。

また初めは軽度な症状でも、あっという間に重症化することもあります。

エビを舐めたあとにこれらの症状がみられた場合はすぐに病院を受診してください。

愛犬がエビを食べてしまった時の対処方法

愛犬がエビを食べてしまったら、飼い主はどのように対処すれば良いでしょう。

誤食の現場に遭遇すると飼い主側もパニックになってしまうことが多いですが、以下のことを確認して冷静に対処しましょう。

いつ、どのくらい食べたか記録する

いつ、何時頃、どのくらいのエビを食べてしまったのかを記録しておきましょう。

これはエビを食べてしまった数日後に下痢嘔吐があった場合にも参考になります。

病院を受診する際は記録を持っていきましょう。

口の中のエビを取り除く

口に入れてすぐの場合は、口の中からエビを取り除きましょう。

その際に慌てて犬を掴むと、犬も取られないように・怒られないようにと飲み込んでしまいます。

冷静に行動して、犬歯の横から指を入れ口を開けさせることが大切です。

「待て」や「離せ」等のコマンドのしつけを行っておくとこういったトラブル時に対処しやすくなります。

飲み込んでしまった場合は、すぐに病院へ連れて行く

もしエビを飲み込んでしまった場合、飲み込んでからできるだけ早く病院を受診しましょう。

食べた状態・量によっては病院で吐かせる処置が必要な場合もあります。

飲み込むと食べ物はすぐ胃の中へ到達します。

その後約1時間ほどかけて胃の中で消化され、その後小腸へ運ばれて消化吸収されます。

飲み込んでから時間が経てば経つほどエビの成分は消化吸収されてしまいますので、できるだけ早めに受診することが重要です。

愛犬がエビを食べてしまった時の病院での対処方法

愛犬がエビを食べてしまった場合、動物病院ではどのような処置をする可能性があるのかを見てみましょう。

費用は病院によって異なりますので、受診する病院に確認しましょう。

血液検査

血液検査では、体内でどのような変化が起こっているのか、臓器に負担がかかっているのか等がわかります。

個体によって、検査の正常の数値には少しばらつきが出る場合もあります。

日常的に健康診断を行っていると、こういった突然の受診の際もいつものその子の数値と比較することができますのでとても便利です。

費用:1万円前後(検査項目による)

催吐処置

誤食をしてしまった際には催吐処置を行う場合があります。

点滴の管をいれて吐き気を催す薬剤を入れたり、点眼薬で吐き気を催させるお薬もあります。

いずれの処置にしても動物には負担になる処置ですので、誤食は防ぎましょう。

費用:1万円〜2万円前後

点滴

誤食してすでに消化されてしまっている場合、血中の毒性物資を早く代謝して大概に排泄するように点滴を行うことがあります。

犬猫への点滴方法としては、皮下点滴や静脈点滴があります。

皮下点滴は点滴時間が短く手軽ですが、体への吸収に時間がかかってしまうことがデメリットです。

静脈点滴は確実に血管の中に水分を入れられますが、時間がかかってしまうことと、血管に留置針を入れなくてはいけないことがデメリットと言えます。

費用:数千円〜1万円程度

内視鏡や胃洗浄

催吐の処置を行っても出てこない場合や、重篤なアレルギー等で成分をきちんと洗浄したい場合。

麻酔をかけて内視鏡で誤飲物を取り除いたり、胃洗浄を行う処置があります。

内視鏡や胃洗浄は麻酔をかけて行う処置になりますので、術前検査等も必要になります。

費用:5万円〜10万円程度

入院

症状が変化する可能性がある場合や重篤な場合は、入院による処置を行う事があります。

1日〜数日間の入院になってしまったり、毎日の血液検査や投薬等が必要になる例もあります。

費用:1日1万円〜(入院日数や処置により異なる)

危険な食べ物を避ける方法

病院へかかる必要がないように、飼い主がきちんと危険な食べ物を避けてあげなくてはいけません。

日々どのようなことに気をつけたら良いのでしょうか。

生活環境を整える

生活する環境を整えるのは第一に重要です。

犬が食べてはいけないものを届く範囲に置かない、出しっぱなしにしない、目を離さない等は特に重要です。

しつけを行う

「待て」や「離せ」のしつけは重要です。

また普段から”飼い主さんのコマンド(許可)がないと食べてはいけない”というルール付けを行っておくと、勝手に落ちているものを食べたり、口に入れる危険性が低くなります。

ストレスをためない

犬がストレスをためてしまうと、盗食の危険性が高まります。

ストレスをためないようにするのも、危険な食べ物の誤食を防ぐ対策の一つです。

飼い主さんが危険な食べ物を見直す

飼い主さんがきちんと危険な食べ物を確認することは最も重要といえるでしょう。

何を食べて大丈夫で、何が危険なのか、どんな状態(調理方法など)であれば食べても良い等をしっかりと学ぶことが大切です。

またこれはあげても大丈夫なのか?とわからないものは、与えるのをやめておきましょう。

エビ以外の魚介を愛犬に与えて良い?

エビ以外の海産物で、愛犬に与えても良いものはあるのでしょうか?

いくつかあげてみてみましょう。

タコ

タコはエビと同じくチアミナーゼという酵素を持っています。

チアミナーゼは熱に弱いので、タコは加熱すれば犬に与えても大丈夫です。

しかしタコは噛み切りにくく、大きな塊で食べてしまうと消化に悪いため気をつけてあげましょう。

イカ

イカはエビと同じくチアミナーゼという酵素を持っています。

ですので加熱すれば犬に与えても大丈夫な食材です。

イカもタコと同じく、噛み切りにくく消化にあまりよくない食材なので気をつけて与えましょう。

ウニ

ウニにもチアミナーゼが含まれていますので、生のまま与えてはいけない食材です。

またウニは市販されているものを味付けせずに食べてもすこししょっぱいと感じる食材。

犬に与えるには塩味が強すぎるので、与えない方が良いでしょう。

エビ以外に食べてはいけないもの

エビ以外に犬が食べてはいけない食材は、どんなものがあるでしょうか。

中毒の危険性があり、犬に絶対与えてはいけない食材をいくつかあげてみましょう。

ぶどう

ぶどうは犬が食べてしまうと急性腎不全を起こしてしまう可能性があります。

皮だけや実だけ、レーズンなどの加工食品も与えないようにしましょう。

チョコレート

チョコレートは犬が食べてしまうと嘔吐や下痢等の中毒症状を起こす場合があります。

特にブラックチョコレートやココアパウダーは中毒物質が濃縮されていますので一層の注意が必要です。

玉ねぎ

玉ねぎは犬が食べてしまうと溶血性貧血を起こす危険性があります。

玉ねぎが入っている料理は多くあり、夕食の準備をしていたら食べてしまった!という例も多くみられます。

ネギ科の食物

玉ねぎは犬が食べてはいけない食材として有名ですが、ネギ科の食物全般というと知らない方も多くいらっしゃいます。

ニラやニンニク、らっきょうなども決して犬に与えてはいけません。

コーヒー

コーヒーも犬に与えてはいけない食材です。

人間より体重が軽く、代謝系が発達していない犬は容易にカフェイン中毒になります。

コーヒーだけでなく、カフェインの含まれているもの全般に言えますので、注意が必要です。

愛犬にエビを与えるなら加熱してから!生は絶対ダメ!

愛犬にエビを与える際は、絶対に加熱してから!

アレルギー症状や下痢嘔吐などの消化器症状が出ないか、少しづつ与えましょう。

まとめ 今回は愛犬にエビを与えても大丈夫なのか、エビを与える際の注意点や、食べてしまった際の対処法、その他の犬に与えてはいけない食べ物等についてお話ししました。

誤食は飼い主さんのミスです!

与えてはいけないものをしっかりチェックして、愛犬の健康を守ってあげましょう。

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