「愛犬が下痢をしているけれど、ご飯はいつも通りあげていいの?」「抜いた方がいいの?」と迷う飼い主さんは多いです。結論から言うと、元気と食欲があり、水を飲めている成犬なら、ご飯を完全に抜く必要はありません。消化の良いものを、いつもより少ない量に分けて与えましょう。子犬や老犬、持病のある犬は、絶食で低血糖や脱水を起こすことがあるため、ご飯を抜かずに少量ずつ与えます。
この記事では、犬が下痢の時のご飯の考え方(抜くかどうか・量と回数)、食べていいものの一覧と与え方、控えたいもの、いつものご飯への戻し方、食べない時の対処と、すぐに動物病院に行くべき目安をまとめました。
※血が混じる、何度も吐く、ぐったりしている、水も飲めない、子犬・老犬で半日以上食べない、といった様子があれば、ご飯の工夫より先に動物病院を受診してください。
犬が下痢の時、ご飯は抜く?あげていい?

以前は「下痢をしたら1日絶食」と言われることもありましたが、長く絶食すると腸の粘膜の回復が遅れたり、体力が落ちたりすることがあります。今は、元気があれば早めに消化の良いご飯を少量から再開するのが基本の考え方です。ただし、犬の状態によって対応は変わります。
元気と食欲がある成犬の場合
水をしっかり飲めていて、元気があり、吐いていなければ、ご飯を抜く必要はありません。いつものご飯を1食分だけ控えて様子を見てもよいですが、次の食事からは、消化の良いものを少量ずつ与えて胃腸を休ませながら回復を待ちます。新鮮な水は常に飲めるようにしておきましょう。
子犬・老犬・小型犬・持病のある犬の場合
子犬や超小型犬は体のエネルギーの蓄えが少なく、絶食すると低血糖を起こすことがあります。老犬や、腎臓病・糖尿病などの持病がある犬も、絶食や脱水で体調を崩しやすいため、ご飯を抜かずに、消化の良いものを少量ずつ回数を分けて与えてください。半日以上何も食べない、水も飲まない時は、様子を見ずに動物病院に相談しましょう。
ご飯の工夫より先に受診したいケース
- うんちに血が混じる、黒っぽいうんちが出る
- 何度も吐く、吐いて水も飲めない
- ぐったりしている、呼びかけへの反応が鈍い
- 1日に何度も水のような下痢をする
- おもちゃや人の食べ物、薬など、食べてはいけないものを口にした可能性がある
- 子犬・老犬・持病のある犬の下痢
下痢の時のご飯の量と回数の目安
下痢の時は、1回の量を減らして回数を増やすのが基本です。一度にたくさん食べると腸に負担がかかり、下痢が長引くことがあります。
| 時期 | 量の目安 | 回数 |
|---|---|---|
| 下痢をした当日 | いつもの1日量の半分くらい | 3〜4回に分ける |
| 2〜3日目(うんちが形になってきたら) | いつもの7〜8割 | 3回くらい |
| 4日目以降(うんちが安定したら) | いつもの量に戻す | いつもの回数 |
量を減らしている間も、水分はしっかりとらせます。下痢ではうんちと一緒に水分が失われるため、水を飲みたがらない時は、ご飯をふやかしたり、ささみの茹で汁を少し加えたりして、食事から水分をとれるようにしましょう。
犬が下痢の時に食べていいもの一覧

下痢の時のご飯は、「脂質が少ない」「消化しやすい」「味付けしていない」「人肌くらいの温度」の4つがポイントです。犬に与えやすい食べ物と、100gあたりの脂質・食物繊維の量を一覧にしました。
| 食べ物 | エネルギー | 脂質 | 食物繊維 | 与え方のポイント |
|---|---|---|---|---|
| おかゆ(白米の全がゆ) | 65kcal | 0.1g | 0.1g | やわらかく煮て、ささみや野菜と混ぜる。主食の代わりの定番 |
| 鶏ささみ(茹で) | 98kcal | 0.8g | 0g | 茹でて細かくほぐす。茹で汁も一緒に |
| 鶏むね肉(皮なし・茹で) | 105kcal | 1.9g | 0g | 皮と脂を取り除き、茹でて細かく |
| 白身魚(たら・茹で) | 72kcal | 0.2g | 0g | 骨を取り、茹でてほぐす。鶏肉が合わない子に |
| かぼちゃ(加熱) | 78kcal | 0.3g | 3.5g | 皮と種を取り、やわらかく煮てつぶす。少量をトッピングに |
| さつまいも(蒸し・皮なし) | 131kcal | 0.2g | 2.3g | 加熱してつぶす。量は控えめに |
| りんご(皮なし・すりおろし) | 53kcal | 0.2g | 1.4g | すりおろして小さじ1〜2杯ほどをトッピングに |
| バナナ | 93kcal | 0.2g | 1.1g | つぶして少量。糖分が多いので与えすぎない |
| 無糖のプレーンヨーグルト | 56kcal | 3.0g | 0g | 小さじ1杯程度から。乳製品でお腹をこわす子には与えない |
| ふやかしたドライフード・ウェットフード | 製品による | 製品による | 製品による | いつものフードをぬるま湯でやわらかくする。食べ慣れた味で食べやすい |
| 消化器ケア用の療法食 | 製品による | 製品による | 製品による | 下痢を繰り返す子や、獣医師から指示があった場合に |
※エネルギー・脂質・食物繊維は、文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」の可食部100gあたりの値です(おかゆは水稲全かゆ精白米、ささみ・むね肉・たら・りんご・バナナは生、かぼちゃは西洋かぼちゃ生、さつまいもは皮なし蒸し、ヨーグルトは全脂無糖の値)。
おかゆとささみの作り方
- 米1に対して水5〜7の割合で、米がやわらかく崩れるまで煮る(炊いたご飯に水を足して煮ても可)
- ささみは筋を取り、沸騰したお湯で中まで火が通るまで茹でる
- 茹でたささみを細かくほぐし、おかゆと茹で汁を混ぜる
- 塩や調味料は加えず、人肌くらいまで冷ましてから与える
かぼちゃやさつまいもを加える場合は、やわらかく煮てつぶし、全体の1〜2割ほどにとどめます。食物繊維が多すぎると、かえってうんちがゆるくなることがあります。
ドライフードはふやかして与える
いつものドライフードを続ける場合は、40度くらいのぬるま湯を加えて10〜15分おき、やわらかくしてから与えます。熱湯はフードの栄養を壊すことがあるので避けましょう。ふやかすと水分も一緒にとれ、消化の負担も軽くなります。
下痢の時に控えたいもの
下痢が治まるまでは、次のものは控えましょう。
| 控えたいもの | 理由 |
|---|---|
| 脂身の多い肉、揚げ物、バターや油を使った料理 | 脂質は消化に時間がかかり、下痢を長引かせる。膵炎の引き金になることも |
| 牛乳、チーズ、アイス | 乳糖を消化しにくい犬が多く、下痢を悪化させやすい |
| ジャーキー、ガム、ボーロなどのおやつ | 消化しにくいものや塩分・脂質の多いものがあり、胃腸を休ませる妨げになる |
| ちゅ〜るなどの嗜好品 | 食欲がない時の補助にはなるが、主食の代わりにはならない。与えるならごく少量に |
| 人の食べ物(味付けしたもの) | 塩分や香辛料、玉ねぎ・にんにくなど犬に有害な食材が含まれることがある |
| 生肉、骨 | 細菌感染や消化管を傷つける危険がある |
| 新しいフードへの急な切り替え | フードの変更自体が下痢の原因になる。下痢が治まってから、7〜10日かけて切り替える |
なお、ぶどう・レーズン、玉ねぎ・ねぎ類、チョコレート、キシリトール入りの食品は、下痢の有無に関係なく犬に与えてはいけません。
いつものご飯への戻し方
うんちが形になってきたら、消化の良いご飯からいつものフードへ、3〜5日ほどかけて少しずつ戻します。急に戻すと、また下痢をすることがあります。
| 段階 | 消化の良いご飯 | いつものフード |
|---|---|---|
| 1日目 | 4分の3 | 4分の1 |
| 2日目 | 半分 | 半分 |
| 3日目 | 4分の1 | 4分の3 |
| 4〜5日目 | なし | 全部 |
戻している途中でまたうんちがゆるくなったら、1つ前の段階に戻して1〜2日様子を見ます。それでも繰り返す時は、フードが体に合っていない可能性もあるため、動物病院で相談しましょう。
下痢が落ち着いたら、毎日のごはんを消化にやさしく水分たっぷりに
お腹をこわしやすい子は、普段のごはんを見直すのも一つの方法です。獣医師監修の手作りドッグフード「ココグルメ」は、新鮮な肉と野菜をやわらかく調理した、水分を約70〜75%含むフレッシュフード。着色料・香料・保存料などの添加物を使わない総合栄養食で、ふやかす手間なくそのまま与えられます。今なら送料無料980円で試せます(単品の買い切り・15日間の全額返金保証付き)。
下痢でご飯を食べない時は
下痢をしていてご飯を食べない時は、無理に食べさせる必要はありません。まずは水が飲めているかを確認し、次の工夫を試してみましょう。
- おかゆやふやかしたフードを人肌に温めて、香りを立たせる
- ささみの茹で汁を少し加える
- ごく少量を手のひらにのせて、口元に近づけてみる
- 一度に食べさせようとせず、1〜2時間おきに少しずつ試す
成犬で元気があれば、半日〜1日ほど食べなくても、水が飲めていれば様子を見られることが多いです。ただし、子犬・老犬・持病のある犬が半日以上食べない時や、水も飲まない時、1日以上何も食べない時は、動物病院を受診してください。
下痢が続く・繰り返す時に考えたいこと

消化の良いご飯にしても2日以上下痢が続く、治ってもまた繰り返す、という時は、食事の内容だけでなく、次のような原因が隠れていることがあります。
- フードの脂質が多い、または体に合っていない
- 特定の食材に対する食物アレルギー・不耐性
- 寄生虫や細菌・ウイルスの感染
- 膵炎、炎症性腸疾患、肝臓や腎臓の病気
- 異物の誤食
- 引っ越しや留守番、来客などのストレス
下痢が続く時は、うんちの写真や、いつから・1日何回・どんな便か、食べたもののメモを持って動物病院を受診すると、原因の特定に役立ちます。お腹が弱い子には、消化しやすく脂質を調整した食事を日常的に取り入れることも検討しましょう。
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すぐに動物病院に行く目安
次のような時は、ご飯の工夫で様子を見ずに、できるだけ早く動物病院を受診してください。
- うんちに血が混じる、黒いタール状のうんちが出る
- 嘔吐を繰り返す、吐いて水も飲めない
- 元気がなくぐったりしている、歯ぐきの色が白っぽい
- 水のような下痢を1日に何度もする
- 下痢が2日以上続く、治っても何度も繰り返す
- 子犬・老犬・持病のある犬が下痢をしている、または半日以上食べない
- 異物や人の薬、犬に有害な食べ物を口にした可能性がある
- お腹を触ると痛がる、お腹が張っている、熱がある
犬の下痢とご飯でよくある質問
犬が下痢の時、ご飯は抜いた方がいい?
元気と食欲があり、水を飲めている成犬なら、抜く必要はありません。1食分控えて様子を見てもよいですが、その後は消化の良いご飯を少量ずつ与えて回復を待ちます。子犬・老犬・持病のある犬は、低血糖や脱水を防ぐために、ご飯を抜かずに少量ずつ与えてください。
犬が下痢の時に食べさせるものは?
やわらかく煮たおかゆ、茹でてほぐした鶏ささみや白身魚、加熱してつぶしたかぼちゃやさつまいも、ふやかしたドライフードなど、脂質が少なく消化の良いものを、味付けせずに人肌の温度で与えます。一度にたくさん与えず、1日3〜4回に分けましょう。
下痢の時にささみだけあげてもいい?
1〜2日ほどなら、おかゆとささみだけでも問題ありません。ただし、ささみだけでは栄養が偏るため、うんちが安定したら、3〜5日かけて総合栄養食のフードに戻してください。何日も続ける場合は獣医師に相談しましょう。
下痢の時にりんごやバナナ、ヨーグルトはあげていい?
りんごは皮をむいてすりおろし、バナナはつぶして、小さじ1〜2杯ほどの少量なら与えられます。ヨーグルトは無糖のプレーンタイプを小さじ1杯程度から。乳製品でお腹をこわしたことがある子には与えないでください。いずれもトッピング程度にとどめましょう。
下痢の時にいつものドライフードをあげてもいい?
元気があれば、いつものフードをぬるま湯でふやかし、量を半分くらいに減らして3〜4回に分けて与えれば問題ないことが多いです。食べない時や下痢が続く時は、おかゆとささみなどの消化の良いご飯に切り替えて様子を見ましょう。
犬の下痢を早く止める食べ物はある?
下痢を「止める」食べ物はありません。消化の良いご飯で腸を休ませることと、水分をしっかりとることが回復の近道です。人用の下痢止めや整腸剤を自己判断で与えるのは避け、2日以上続く時や元気がない時は動物病院を受診してください。
まとめ:下痢の時のご飯は「消化の良いものを少量ずつ」、心配な症状はすぐ受診
- 元気と食欲があり水を飲めていれば、ご飯は抜かずに消化の良いものを少量ずつ(1日3〜4回)
- 子犬・老犬・持病のある犬は絶食させない
- おかゆ・ささみ・白身魚・加熱したかぼちゃなど、脂質の少ないものを味付けせずに人肌で
- 脂身・乳製品・おやつ・味付けした人の食べ物は控える
- うんちが安定したら3〜5日かけていつものフードに戻す
- 血便・嘔吐・ぐったり・2日以上続く下痢・子犬や老犬の下痢は、すぐに動物病院へ
下痢は、犬によくある体調不良の一つですが、ご飯の与え方しだいで回復が早くも遅くもなります。愛犬の様子をよく観察しながら、お腹にやさしいご飯で回復をサポートしてあげましょう。
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