犬にごはんを与えるとき、どうせならば市販のドッグフードではなく、愛情を込めて作った手作りごはんをあげたいと思う方も多いのではないでしょうか。
手作りごはんと言えど与えすぎてしまうと肥満の原因になるため、分量をしっかりと考えてごはんを与える必要があります。
栄養バランスも考えてごはんを与えないと、体調不良を引き起こしてしまいます。
適正な分量は犬によって変わってくるので、今回は犬の手作りごはんをどれだけ与えればよいのか、その適正分量について説明します。
愛犬の体重別手作りごはんの推奨分量
前提知識として頭に入れておきたいのが、犬には「適正体重」がある、ということです。
これは犬が理想的な体型を保っている状態での体重であり、人間で言うBMIが適正値にある場合の体重と同義です。
この適正体重ごとに、推奨カロリーが変わります。
自分の犬が適正な体型を維持できているかは、「ボディ・コンディション・スコア」(BCS)を算出して判定します。
BCSには1から5までの値があり、BCS1の場合は痩せすぎ、BCS5の場合は太り過ぎ、という判定です。
理想体型を指すBCS3の目安として、
- 「過剰な脂肪の沈着なしに肋骨を触れる」
- 「上から見て肋骨の後ろに腰のくびれがある」
- 「横から見て腹部に釣り上がりがある」
の3点が挙げられます。
愛犬と触れ合うときには、これら3つを満たしているかを常に意識するとよいでしょう。
この適正体重ごとの1日あたりの推奨カロリーとしては、避妊・去勢している成犬の場合
- 1kgの場合は約110kcal
- 2kgの場合は約190kcal
- 4kgの場合は約320kcal
- 10kgの場合は約630kcal
とされています。
もちろん、これはあくまで目安であることを念頭に置くようにしてください。
犬の肥満具合によっては推奨カロリーは減少しますし、育ち盛りの幼犬の場合は推奨カロリーが増えます。
定期的に体重を測定することで、体重の変化を見ながらごはんの量を調整するようにしましょう。
最近太ってきたかな?と気になったり、成犬で体重が増えている場合はカロリーを減らした食事を、逆に痩せてきたかな?と気になったり、成犬で体重が減っている場合はカロリーを増やした食事を出すようにすると、適正な体型を維持できます。
もし自分で手作りご飯を作るのが大変…という場合は、獣医師監修の手作りドッグフード「ココグルメ」を試してみてください。
新鮮な国産食材だけを厳選したご飯で、総合栄養食の基準にも準拠しているため、おやつやトッピングとしてだけではなく、主食としても食べ続けてもらえるご飯です。
今なら送料無料980円でお試しいただけます。
犬の手作りごはんに使いたい食材別タンパク質量と給餌量目安
手作りごはんに使用する食材ごとに、含まれるタンパク質の分量は異なります。
- 鶏むね肉は100gあたり約23g
- 鶏もも肉は100gあたり約17g
- ささみは100gあたり約28g
です。
いずれの部位についても、皮付きの場合は皮なしの場合に比べて約2gほど減少します。
一方豚肉は、
- 赤肉で100gあたり23g
- 脂付きでは100gあたり19g
となります。
ただし、脂付きの肉は赤肉に比べて脂質の含有量が3倍から4倍にもなるため、脂質を押さえたい場合は赤肉を使用すると良いでしょう。
魚類については、手作りごはんで使用されることの多い白身魚で100gあたり約18gです。
白身魚はDHAやカルシウム、鉄分なども補給できるため、手作りごはんの材料としては優秀です。
また、1日に必要なカロリーのうちタンパク質は25%、脂肪は15%、炭水化物は60%摂取したほうが良いと言われています。
たんぱく質1gあたり3.5kcalであるため、たとえば避妊・去勢をしていない1kgの成犬に必要なカロリーは126kcalなので、
- 鶏むね肉が39g
- 鶏もも肉が52g
- 豚の赤身肉が39g
- 白身魚が50g
程度を一日に与えるようにしましょう。
犬の手作りごはんのメリットは分量を調整できること
市販の犬用ごはんは、手軽に犬にごはんをあげられますが、分量を細かく調節できず、1食あたりの量が決まっています。
特定の栄養素を重点的に摂取させたい、といったケースの場合も、市販のドッグフードではすでに栄養素が配合済みです。
細かく分量を調整したい場合は、自分で好きなように作れる手作りごはんに軍配が上がります。
例えば、これ特定の食品に対してアレルギーがあるという場合は、原因のアレルゲンを含まない食品を使ってご飯をつくったり、食欲が落ちている場合は少し食べやすいサイズや調理を行うなどの工夫を行うことが可能です。
このように、犬の年齢や体重、その時の犬の体調や食欲、前日に食べた献立などに応じて自在に調整することができ、愛犬に健康的な食生活を提供することができるのです。
犬の手作りごはんで摂りたいタンパク質と与えるべき量
- 被毛
- 爪
- 筋肉
- 骨
- 腱
- 血液
- 酵素
は全てタンパク質や、それを分解して得られるアミノ酸によって形作られるため、タンパク質は、犬も人間と同様に身体を作るために必要です。
犬の生命活動維持に必要なアミノ酸は20種類ありますが、その中でも必須アミノ酸と呼ばれる10種類のアミノ酸は犬の体内で合成することができず、食事による摂取に頼らなければいけません。
タンパク質が不足すると、食欲不足や生育不良などを引き起こす恐れがあります。
もちろん、だからと言って過剰に与えることも健康には悪いものです。
タンパク質の過剰摂取は、肥満の元になる上、肝機能の悪化や腎臓の疾患、尿石症を引き起こします。
犬に与えるべきタンパク質の量は、AAFCO(米国資料検査官協会)の2016年度の栄養基準によれば、「成犬フードは水分を全て除去した乾燥物ベースで最低18%以上の粗タンパク質が含まれること」とガイドラインが定められています。
成長期の犬や妊娠・授乳期中の母犬には、食事に必要な粗タンパク質の含有量は乾燥物ベースで最低22.5%に上がるなど、わんちゃんの状態によって必要なタンパク質の量は変わってきます。
不安な方は一度ご自分で計算するか、かかりつけの獣医さんに相談すると安心です。
犬の手作りご飯の微細栄養素(ビタミン・ミネラル)の分量はどうする?
犬はタンパク質・炭水化物・脂質以外にも、ビタミンやミネラルなどの微細栄養素も適正な摂取量が示されています。
三大栄養素は食材選び等でバランスよくとることはできますが、ビタミン・ミネラルとなるとなかなか食材だけで調整するのが難しいです。
手作りご飯だけで毎食用意するのであれば、微細栄養素の不足に気をつけることが重要です。
人間の食事もそうであるように毎食で必ず全ての栄養素をとるのではなく、1週間くらいの期間をかけて全体でバランスよく摂取できていれば問題ありません。
そのためには毎回同じレシピをたべつづけるのではなく、わんちゃんの手作りご飯も何種類かレシピをストックして作ってあげるとよいでしょう。
最適な手作りごはんの量は犬それぞれ
犬の食欲、体調、肥満の度合いによって、必要な食事量は変わってきます。
結局のところ、本当に最適なごはんの量は犬それぞれということです。
普段から手作りごはんを犬に与える上では、日頃から犬の様子を観察し、その結果に応じて与える量を調整することが大事です。
また、犬の健康的な生活のためには、専門家である獣医師の力を頼らない手はありません。
定期的に獣医師による健康診断を受けて、愛犬に何をどれだけ与えれば良いか相談しながら決めていくようにしましょう。