両手にすっぽりと収まってしまいそうなほど小柄で愛くるしい体型と、うるうるとした大きな瞳がチャームポイントであるチワワ。
ペットとしての人気は安定して高いと言えます。
ただし、チワワと一緒に生活をしたいのであれば、健康的な食事の内容や適切な散歩の仕方だけでなく、間違ったことをした場合に正しく怒る方法も身に付けておかなくてはなりません。
そうでないと、人間とチワワの間に信頼関係が生まれず、楽しく暮らすことが難しくなってしまいます。
チワワの性格とは?
可愛らしい外見からもイメージできる通り、チワワは心を許せる相手に対しては甘えん坊な姿を見せることがよくあります。
と同時に、非常に忠実で愛情深く、献身的な一面も持ち合わせています。
また、学習能力も高いので、しつけも比較的しやすくて飼いやすいのも特徴と言えるでしょう。
しかし、その一方で、チワワは慣れないうちは特に警戒心が強く、時には気の強さや攻撃的な一面が出てしまうこともあります。
自分の何倍もある大型犬に向かっていったり、四六時中吠え続けたりというのが例です。
攻撃性を表したり吠えたりすることで自分を強く大きく見せようとするのは、チワワの臆病な性格の裏返しとも言えそうです。
こういった側面を放置してしまうと、チワワが自己中心的でわがままな性格になってしまうリスクがあります。
警戒心を解いてくれるまで優しく見守ることも大切ですが、それだけでなく正しい怒り方を身に付ける必要性も生じるわけです。
チワワに適した怒り方
チワワが間違ったことをした場合の怒り方にはいくつかの方法がありますが、いずれもチワワの学習方法に配慮することが重要なポイントとなっています。
怒るときの言葉を統一する
1つ目の怒り方は「怒るときの言葉を統一する」というものです。
人間であれば、「食べてはいけない!」「入ったらダメ!」「噛んだらめっ!」はいずれも怒られるときに使われる言葉だと認識できます。
犬の場合は毎回異なる言葉を使われると、怒られていると認識するまでに時間がかかったり、なぜ怒られているのかに混乱してしまうことも珍しくありません。
そこで、怒るために使う言葉をあらかじめ統一しておき、犬が怒られているのだとその場ですぐに理解することを助けてあげるのです。
怒るときは一貫性を持つ
2つ目は「怒るときは一貫性を持つ」です。
例えば、チワワが何か間違ったことを複数回してしまった際に、家族のうちの1人はをそれに対して怒ったのに、別の家族は何も言わなかったという状況があったとします。
こうなるとチワワは、自分がおこなったことがいけないことなのか、そうではないのかを判断しにくくなり、同じ過ちを繰り返しやすくなってしまいます。
人によって「怒る、怒らない」がぶれないよう認識合わせをして、「怒るべき時は誰でも一貫して怒る」という仕組みを整えておくべきです。
また、飼い主の気分によって怒ったり怒らなかったりすることも、同じ理由で避けるべきです。
「昨日も怒ったからチワワが可哀そう」「今日は仕事で疲れているから怒る元気を出すのが大変」のような状況もあるかもしれませんが、
大切な家族であるチワワのためにも、しっかりと一貫性をもって怒る意識を持たなくてはなりません。
条件付けを活用する
3つ目は「条件付けを活用する」ことです。
「条件付け」とは簡単に言うと「チワワがしてはいけないことをしたら特定の条件を結び付けて学習させる」というものを指します。
例を挙げると、飼い主の友人を家に招いた際にチワワが友人に向かって激しく吠えたり、噛みつこうとしたら、飼い主はチワワをプイっと無視したり、いつもあげているおやつをなしにしてしまうというやり方です。
これを繰り返していくとチワワは「飼い主に無視されるのも、おやつがもらえないのも、吠えたり噛みつこうとするからなのではないか?」と学習をしはじめ、最終的にはその行為自体をしなくなることにつながるという論理です。
チワワに適した褒め方
チワワと付き合っていく中では、適切な怒り方に加えて、正しい褒め方も重要になります。
何かを上手にできた際はたくさん褒めてあげると、チワワももっともっと頑張ろうと期待に応えてくれるはずです。
褒め方のポイントも怒り方に類似した点も多いですが、「すぐに褒める」「言葉やスキンシップも使って褒める」「ご褒美を使って褒める」が代表的な手法です。
「すぐに褒める」のは、チワワが何について褒められているのかを理解しやすくするためです。
時間が経ってから褒めると、チワワもなぜ褒められているのかがわからなくなり、褒める効果も薄くなってしまいます。
人間と同じようにそこから愛情を感じ取りやすいため「言葉やスキンシップを使って褒める」のも欠かせない要素です。
「いい子だね」と優しい言葉をかけながら、撫でてあげることが大切です。
「ご褒美を使って褒める」は怒り方でも言及した「条件付け」の応用です。
チワワがいいことをした際におやつなどの「ご褒美」と条件づけることで、チワワも「いいことをしたからご褒美がもらえた」と学習しやすくなるのです。
チワワを怒る時にやってはいけないこと
チワワに限ったことではないですが「動物が間違ったことをしてしまうのは悪意からではなく無知によるもの」ということを忘れてはいけません。
彼らはどこまでは許容されて、どこからは罰則の対象になるかを「知らない」だけなのです。
その前提を忘れず、どんな怒り方にしても必ず相手への愛情を持つことを心がけるべきです。
逆を言えば、チワワを痛みや恐怖心でコントロールしようとする怒り方は絶対にしてはいけないとも言えます。
ありがちなのは「叩く」「押さえつける」という怒り方です。
体の小さいチワワにとっては、軽くおこなったつもりでもケガにつながるリスクもあるため厳禁です。
また「大声で怒鳴る」という怒り方も逆効果です。
もとからの臆病な性格もあり、チワワは大きな音や声を極端に嫌うため、恐怖心を強く煽る結果になり、関係が悪化する可能性も否定できません。
根気と愛情をもってチワワとよりよい関係を
学習能力が高いと言われるチワワであっても、必ずしも1度のしつけですべてを学ぶとは限りません。
人間と同じように、チワワにもそれぞれに得意不得意や個性もあるのが普通です。
飼い主としては、何回でも正しいしつけを繰り返せる根気と互いに信頼し合って生活していきたいという愛情を持って、きちんとチワワに向き合っていくことが求められます。
それは決して簡単なことではありませんが、続けることさえできればチワワにもきっと気持ちが伝わるはずです。