犬の肛門絞りをしないと大変なことに！やり方、注意点など解説

皆さんは愛犬の肛門腺絞りを定期的に行なっていますか？

また正しく行えていますか？

今回は犬の肛門腺とは何か、肛門腺絞りをする意味、肛門腺に関する病気、最後に肛門腺絞りのやり方を紹介します。

初心者はなかなか難しい肛門腺絞りですが、コツを掴めばお家で簡単に行うことができます。

愛犬が快適に健康に過ごせるように、ぜひチャレンジしてみてください。

肛門線とは

肛門線の場所

肛門腺とは、肛門の左右に1ずつある袋状の分泌腺です。

中には非常に匂いの強い分泌物が入っています。

肛門線の役割

分泌物の匂いは1匹1匹異なるため、縄張りをアピールするマーキングや、個体認識のために使われると言われています。

よく犬同士の挨拶はお尻の匂いを嗅ぎ合うことと言われますが、あれは肛門腺に溜まっている分泌物の匂いを嗅いで、その子の特有の匂いを認識しているのです。

分泌物はサラサラの液状、砂状、粘土状などその子によって性状が異なります。

色も茶色、黄色、灰色など様々です。 

肛門線絞りとは

通常、便を出す時に肛門腺が圧迫されて、便と一緒に排泄されます。

ところが、生まれつき肛門腺が出にくい子が中にはいます。

また、もともと排泄がうまくできていた子でも、加齢による分泌物の性状の変化や肥満など体型の変化で、溜まり続けてしまうことがあります。

自然と肛門腺を出すことが難しい子は定期的に人が絞ってあげることが必要です。 

肛門線絞りをしないことのリスク

便の臭いがキツくなる

 肛門腺がたまりやすい子の肛門腺絞りを長期間行わなかった場合、様々なリスクがあります。

まず、肛門腺が溜まると臭いがひどくなり、一緒に排泄される便の臭いも強くなります。

また、排泄をしていないにもかかわらず常にお尻まわりから独特の臭いがするようになります。

病気を引き起こす

肛門腺に古い分泌物が溜まった状態が長く続くと、肛門腺の中で菌が増え、炎症を引き起こすことがあります。

これを肛門嚢炎と言います。

炎症が悪化し、化膿がひどくなると、皮膚が破けてしまうこともあります。

これを肛門腺破裂と言います。

肛門腺破裂までいくと、肛門周りは血流が豊富なため、出血が見られ、非常に痛々しい状態になります。

薬を飲む必要が出てきたり、ひどい場合には縫合が必要な場合もあります。

臭いの緩和や、病気の予防のために肛門腺絞りを定期的に行いましょう。

 肛門線絞りをする頻度

肛門腺が溜まってくると、不快感を感じ、自分で肛門を舐めたり、後ろ足を前に出した状態でお尻を床に擦りつけたりします。

また、便や肛門周りの臭いが非常に強くなります。

このような症状が出てきたら、早めに人が肛門腺を絞ってあげる必要があります。

週に1回肛門腺絞りが必要な肛門腺が溜まりやすい子もいますが、大多数の子は月に1回の肛門腺絞りで十分です。

カットやシャンプーをトリミングサロンでお願いしている場合は、トリマーさんが毎回絞ってくれているところが多いので確認してみましょう。

肛門線絞りをするときの注意点

強く絞らない

肛門は出血しやすく傷つけやすい場所のため、肛門腺を絞るときには強く絞りすぎたり何度も繰り返したりしないように注意しましょう。

また、ただでさえお尻を触られることが苦手な子もいるので、嫌がっている子には無理やり行わないようにしましょう。

無理に行わない

無理に行うと、お尻を触られることを極度に嫌がるようになり、次からの肛門腺絞りが難しくなってしまうことがあります。

犬の肛門腺絞りは最初はなかなか難しいです。

お尻の筋肉が発達している子は特に初心者が絞っても全く出てこない子がいます。

そのような子はトリミングサロンや動物病院でお尻に指を入れて絞ってもらう必要があります。

初めて肛門腺絞りに挑戦する際は、トリマーや獣医師などプロに指導してもらいましょう。

肛門線絞りに必要なもの

ティッシュ

肛門腺はたくさんたまっていると、絞った時に飛び出てくることがあります。

肛門を2〜3枚のティッシュで覆うようにして絞りましょう。

ビニール袋

肛門腺がついたティッシュは臭いが非常に強いため、ビニール袋に入れてしっかりと口を閉じて捨てましょう。

お湯

肛門腺絞りをした後はお尻周りの毛や尻尾が汚れている場合があります。

水や人肌くらいの温度のお湯で優しく洗い流してあげましょう。

肛門線絞りのやり方

場所移動

肛門腺は非常に臭いが強く、指や服につくとしばらく臭いが取れません。

お風呂場など汚れても良い場所へ移動しましょう。

しっぽをあげる

肛門腺絞りの体勢は様々ですが、その子が嫌がりにくい体勢が1番です。

ここでは1例を紹介します。

まず絞らない手（右利きの人は左手）を犬のお腹の下に通し、尻尾をしっかりと持ちあげます。

肛門の位置を確認

尻尾をしっかりと持ち上げることで肛門がよく見え、肛門腺を絞りやすくなります。

尻尾をまっすぐ上げた場合、尻尾を時計の12時とすると、肛門腺は4時と8時の位置にあります

肛門を絞る

肛門腺の位置に親指と人差し指（または薬指）をそえて、押し上げるように絞ります。

大型犬や、お尻の筋肉が発達している子はやや力を入れて絞る必要があります。

綺麗に後処理をする

しっかり絞れたら、お尻まわりの毛を綺麗にして終了です。

肛門腺絞りはストレスを感じる子も多いので、終わった時にしっかり褒めてあげたりご褒美をあげたりして肛門腺絞りを嫌いにならないようにトレーニングしましょう。

愛犬の健康のために肛門絞りは定期的に！

肛門腺絞りを正しく、定期的に行うことで病気から愛犬を守ることができます。

愛犬の健康のために肛門腺のチェック、肛門腺絞りは定期的に行いましょう。

最初は難しい肛門腺絞りですが、コツを掴めば誰でもおうちで行うことができます。

この記事のやり方を参考にぜひ挑戦してみてください！

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