犬も人と同じようにせきをすることがあります。
激しいせきや、1日中続く咳の場合は何かしらの病気がある可能性があります。
今回は、犬のせきの原因として考えられるもの、病院へ行く必要がある症状、飼い主ができることなどを紹介しています。
犬のせきの原因
肺の腫瘍
肺に腫瘍ができて咳が出ている可能性も考えられます。
肺の腫瘍は、肺から発生する原発性肺腫瘍と、身体の様々な場所で発生した腫瘍が転移して発生する転移性肺腫瘍に分けられますが、どちらも症状として咳がみられます。
他にも呼吸が荒くなったり、元気がなくなったり、他の疾患と似たような症状が見られます。
苦しそうな咳が続く場合、レントゲン検査で肺に何か影がないかどうかチェックしてもらいましょう。
一時的なものや生理現象
せきは空気の通り道である気道にある咳受容体が刺激されて起こる反射です。
気道の中にたまった分泌物や異物を気道の外に排除するための生体防御反応で、生理現象の1つです。
すぐおさまる一時的なせきであれば心配はいらないでしょう。
誤飲
口に入っている食べ物や唾液が逆流したり、口と鼻が何らかの原因で繋がってしまっていたりすると、気道が刺激され、せきが出ます。
食事中に毎回せき込む場合(特に子犬)は何かしらの疾患も考えられるので、獣医師に口の中をチェックしてもらいましょう。
誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)
誤嚥性肺炎とは、胃や口の中から肺に何かしらの物質が入ることで引き起こされる肺炎です。
嘔吐や全身麻酔後、重度の歯肉炎、強制給餌などから誤嚥を起こす可能性があります。
シニア犬の場合、食事の後に誤嚥性肺炎が引き起こされることもあります。
誤嚥性肺炎になると、せきや呼吸が速くなるなどといった症状が見られますので、突然呼吸器症状が見られた場合は病院で検査をしてもらいましょう。
また、介護の中で強制給餌が必要な子は、寝たきりの状態ではなく、支えてあげながらふせの体勢や、上半身全体をしっかりと起き上がらせた状態でご飯をあげましょう。
ケンネルコフ
ケンネルコフとは、犬の伝染性気管支炎で、非常に感染力の強い呼吸器の病気です。
まだ免疫機構がしっかりとしていない子犬で感染が拡がりやすく、激しい乾いたせきや鼻水、くしゃみ、目やにが症状としてみられます。
ワクチンで予防することも可能ですので、自分の愛犬のためにも、他の子のためにもワクチン接種は積極的に行いましょう。
気管虚脱
気管虚脱とは、何らかの原因で気管が歪んだり、押しつぶされたりして呼吸がしづらくなる病気です。
乾いたせきやガーガーという荒い呼吸音が初めの症状としてみられ、嘔吐をするような動作や、ひどい時は呼吸困難がみられます。
根本治療は外科的処置が必要ですが、多くの子は内科的治療で対症療法としてせきをコントロールしています。
心臓病
心臓病が進行し心臓が大きくなると、気管を圧迫したり、押し上げたりして咳が出ます。
また、心臓病が進行した結果、肺に水がたまる「肺水腫」という状態になり咳が出ます。
この場合、早急に治療が必要になりますので、もともと心臓病があって咳がひどい場合はすぐに病院へ連れて行きましょう。
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こんな犬のせきの症状は病院へ
一時的なせきや、呼吸困難を伴わないせきであれば生理的なせきの可能性が高く、心配はいりません。
せきがずっと続いたり、呼吸が苦しそうな場合は何かしらの疾患がある可能性があります。
身体を横にできない、元気がなくぐったりしている、舌の色が青みの強い紫色になっているなどの症状が見られる場合にもすぐに病院へ行きましょう。
犬のせきに対して飼い主ができること
激しい運動を控える
せきが出ている子にとっては、過度な運動は呼吸困難を引き起こす原因になります。
特に心臓病を持っている子や、気管虚脱が進行している子は興奮するような激しい運動は控えましょう。
栄養をしっかり取る
免疫機構にしっかりと働いてもらって感染症悪化を防ぐために、栄養をしっかりと摂りましょう。
寝たきりの状態の子は、ご飯やお水をあげる際に姿勢を工夫し、誤嚥に注意しましょう。
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安静にする
せきがひどい場合はうまく呼吸ができず、酸素不足になる場合があります。
安静を心がけ、あまり興奮させないようにしましょう。
リードからハーネスに変更する
お散歩の際にぐいぐいとリードをひっぱってしまう子は、気管を圧迫するリードから、負担の少ないハーネスへと変更してみましょう。
咳の原因が気管にある子は、興奮しやすい散歩中の咳がハーネスに変更するだけで改善することがあります。
環境を整えてあげる
部屋の温度が低く、また乾燥している場合、気道を痛めやすいと言われています。
暖房機や加湿器を使用してストレスの少ない環境を整えてあげましょう。
太りすぎないようにする
安静にしてしっかり栄養をとっていると太りやすいですが、過度に太ると首周りの脂肪が気管を圧迫し、咳がさらに出やすくなります。
栄養はバランスの良いご飯で取るようにして、おやつは控えると良いでしょう。
人と異なり、運動量で体重をコントロールするのは難しいため、食事で調節してあげましょう。
動画などで記録する
ひとことにせきと言っても、乾いたせき、湿ったせき、痰が絡んだ激しいせきなど様々なせきがあります。
病気発見のヒントになる可能性があるので、せきをしている様子は動画に残し、診察時に獣医師に見せると良いでしょう。
また、いつ頃からせきが出ているか、思い当たるきっかけはあるかなども獣医師に伝えましょう。
愛犬がせきをした時は適切な判断と対応を!
早めの原因発見は、早めの治療、回復につながります。
愛犬が1日中つらそうにせきをしているところを見かけたら、様子見ではなく早めに病院へ行きましょう。
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