犬も人間と同じようによくくしゃみをします。
しかしまれに病気が原因でくしゃみをしている可能性があります。
今回は、くしゃみの原因やくしゃみが出るしくみ、鼻が鳴る逆くしゃみについて解説します。
よくくしゃみが出る子は、このコラムを参考に原因を推測して、必要があれば病院へ行きましょう。
犬のくしゃみの原因
生理的なもの
犬は人より嗅覚が優れています。
そのため強い香りを感じると、それが刺激となりくしゃみが出ます。
これは病気ではなく生理的なもののため、心配はいりません。
ただお家の中のアロマやお香、タバコなどは、くしゃみの原因となる以外にも、肺に負担をかけてしまったり、誤食の原因になったりします。
犬の様子を見ながら、または犬の生活スペースとは別の部屋で楽しみましょう。
アレルギー
何らかのアレルギー物質が入ってきた場合に、粘膜で免疫反応が起こり、その刺激が脳に伝わってくしゃみがでます。
原因としては、人と同じようにハウスダスト、ダニ、花粉などです。 花粉は季節性ですが、ハウスダストやダニの場合は年中苦しめられることになります。
あまりにくしゃみがひどい様子であれば、動物病院でアレルギー検査を行い原因を見つけ対策しましょう。
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外部からの刺激
外部からの刺激によってもくしゃみは引き起こされます。
何らかの物質が鼻に入ってきた場合に、それを身体の外へ排除しようとする生体防御反応です。
鼻の刺激によって、三叉神経という神経が反応し、反射的にくしゃみがでます。
これも病気ではないため心配のいらないくしゃみです。
病気
くしゃみを引き起こす病気はたくさんあります。
元気食欲がない、鼻水や鼻血が出ている、呼吸が苦しそうなど、くしゃみ以外の症状も見られる場合は病気の可能性があります。
また、一日に何度もくしゃみが出る場合は、アレルギーや何かしら病気があるかもしれません。
その場合は早めに動物病院へ行き、診察してもらいましょう。
犬のくしゃみから考えられる病気
鼻炎
まずはいわゆる風邪が考えられます。
この場合は、くしゃみの他にも、鼻水(ひどい時は鼻血)や発熱、普段よりだるそうにしている、食欲不振などの症状が見られます。
また、目やにが出たり、目が赤みがかったり結膜炎の症状が一緒に出ることが多いです。
原因はウイルス、細菌、真菌(カビ)など様々です。 人間と同じようにしっかりと食事をとり、安静にして自己免疫を上げることが大切です。
ひどい場合や、なかなか治らない場合には病院へ行って薬を処方してもらいましょう。
腫瘤
鼻の中に腫瘤ができるとくしゃみがよく出ます。
くしゃみ以外にも、鼻水、鼻血、呼吸困難、顔の形が変わった、咳などの症状が出ます。
特に腫瘤の子は、初診時の半分以上の子が鼻血が出ているというデータもあります。
抗菌薬が効かなかったり、1ヶ月以内に再発を繰り返したり、ひどい鼻血が出る場合は、早めにCT検査・MRI検査をして鼻の中の状態をチェックした方が良いでしょう。
歯周病
歯周病によって骨吸収が進み、鼻と口が通じてしまうと、口から入った食べ物や唾液が鼻に入りくしゃみが出ます。
くしゃみがでる他の病気と違い、歯周病の場合には、歯石が見られたり、口臭がキツくなったりといった口の中の症状が現れます。
穴が大きいと、その分誤嚥する可能性が高まり、肺炎になる可能性もありますので早めに対処しましょう。
口蓋裂
口蓋裂は子犬の咳の原因でよく見られる先天性疾患です。
生まれる前に口と鼻を分けている壁が完全に形成されず、生まれた後も口と鼻がつながってしまっている状態です。
ミルクや水を飲んだ直後にそのまま鼻から出てきたり、食べ物を含んだ鼻水が出たり、くしゃみ、咳が見られたりした場合、口蓋裂が疑われます。
誤嚥性肺炎を引き起こす可能性があり、手術しか治療法がないため、このような症状げ見られた場合には早めに病院へ行きましょう。
ケンネルコフ
ケンネルコフとはよく子犬で発症する伝染性の気管支炎のことです。
3〜10日の潜伏期間ののちに発症します。
伝染性の病気ですので、ペットショップから迎え入れたばかりであったり、散歩やドッグランで他の犬と接触した後の場合が多いです。
興奮時によく出る乾いた咳が特徴です。
同居犬や、他の家の子にもうつしてしまう可能性があるため、子犬が乾いた咳をした場合はすぐに病院へ連れて行きましょう。
犬の逆くしゃみ
逆くしゃみとは
よく小型犬や短頭種の子が喜んでいる時にフガフガと鼻を鳴らしているのを見かけます。
逆くしゃみとは、このような喉の奥の粘膜に刺激を受け、強く息を吸い込む行動のことを言います。
発作性呼吸と言われることもありますが、病気の可能性は低く、ほとんどの場合は心配はいりません。
逆くしゃみの原因
ほとんどの場合が生まれ持った鼻腔の形が原因です。
年齢を重ねると、筋肉のたるみによって鼻腔の広さが変わり、逆くしゃみをするようになる子もいます。
逆くしゃみが長く続く場合、鼻道の中に何かしらの疾患がある可能性もあります。
また、普段はそんなに逆くしゃみをしない子で、夏の暑い日や、冬の暖房の効いた部屋で逆くしゃみを連発する場合は熱中症の可能性もありますので注意しましょう。
逆くしゃみの対処法
逆くしゃみはほとんどが数分で治り、特に治療の必要はありません。
背中や頭などを撫でて落ち着かせたり、喉や胸辺りを触って唾を飲み込ませると治りやすいです。
しかし、長く続いたり、酸欠で舌の色が悪くなるようなことがよくあるのであれば病院へ行き相談しましょう。
よく逆くしゃみが出る子に対しては、暑すぎる散歩や部屋に注意し、過度に興奮を煽るようなことがないように気をつけてあげてください。
愛犬のくしゃみの原因を正確に把握して、毎日健康に!
くしゃみと言っても、生理的なものから命に関わる病気まで、様々な原因がありましたね。
愛犬がくしゃみをしていたらこの記事を参考に、くしゃみ以外の症状や、くしゃみが出た環境などで原因を推測してみてください。
長く続くようであったり、本人が辛そうであったり、くしゃみ以外の症状も多く見られる場合は、病院へ行き診てもらいましょう。
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