犬の心臓病は症状からは気付きにくく、治療が難しい病気です。
しかし、完治を目指す手術や、症状をコントロールする内服薬も存在します。
治療を早く始めるためにも早期発見に努めましょう。
今回は心臓病の症状、犬でよくみられる心臓の病気、今すぐできる心臓のチェック方法、日常で気をつけるべきポイントなどを紹介します。
犬の心臓病の症状
発熱
心内膜炎という心臓の感染性の病気では全身の発熱が見られることがあります。
心内膜炎は血液の中に菌がいる状態である「菌血症」が主な原因です。
不明熱という原因の分からない発熱が続くような場合、心臓の検査も検討してみましょう。
運動不耐性
少し歩いただけで呼吸が荒くなる、運動を嫌がるといった症状は、運動不耐性といい、心臓や呼吸器の病気の際に出てくる症状です。
昔お散歩が好きだったのに嫌がるようになったり、お家の中で極端に歩き回らなくなったりしたら運動不耐性という状態かもしれません。
咳
心臓病が進行し心臓が大きくなると、気管を圧迫したり、押し上げたりして咳が出ます。
また、心臓病が進行した結果、肺に水がたまる「肺水腫」という状態になり咳が出ます。
この場合、早急に治療が必要になりますので、咳がひどい場合はすぐに病院へ連れて行きましょう。
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むくみ
心臓は、全身に血液を送るという生きるために重要な役割を持っています。
その心臓が病気になり血液の循環が悪くなると、血管の外に水分が漏れ出し、様々な場所でむくみが見られるようになります。
むくみを起こす病気は心臓病の他にも、肝臓や腎臓の病気がありますが、呼吸器症状とあわせてむくみが見られる場合は心臓病の可能性が高いでしょう。
お腹がぽっこりとしてきた
ご飯を食べた直後でもないのにお腹が常にぽっこりと出てきたら、腹水がたまっているのかもしれません。
心臓病では、全身の血液の循環が悪くなり、血管から水分がお腹の中の空間にもれ出てしまうことがあります。
レントゲンやエコー検査で簡単に腹水がたまっているかどうかチェックできますので、お腹の張りや出っ張りが気になるときは病院で相談してみましょう。
下痢
腸で養分や水分と吸収がうまくできず、下痢気味になってしまうことがあります。
ただ下痢の原因は様々であるため、症状が下痢だけの場合、心臓病の可能性は低いでしょう。
下痢の他にも、心臓病の症状として挙げられている症状の中で当てはまるものが複数あるのであれば心臓の検査をしましょう。
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呼吸困難
心臓は全身に血液を送り、それによって全身に酸素を運んでいますが、心臓病になって血液循環が悪くなると、全身で酸素不足が起こります。
その結果、不足分の酸素を補おうと呼吸が早くなります。
また、心臓病によって心臓が大きくなると、肺や気管を圧迫し呼吸しにくくなります。
さらに心臓病に伴って、肺水腫、肺高血圧、胸水貯留などの二次的疾患が発症すると呼吸状態が悪化することがあります。
ふらつき・失神
心臓の機能が落ちると、血液循環が悪くなり、脳の血液の巡りも悪くなります。
脳への血流が減ると、ふらついたり、失神したりします。
全身への血流も十分でないため、酸素がうまく全身へまわらず、痙攣発作のような症状が出ることもあります。
食欲・元気がない
呼吸が苦しかったり、気持ち悪かったりすると当然食欲や元気も落ちてきます。
食欲の低下、食べ物の好き嫌いが激しくなったなども、何か心臓や他の臓器に異常が認められる可能性があります。
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犬の心臓病の種類
僧帽弁閉鎖不全症
僧帽弁閉鎖不全症と犬の心臓病でもっとも発生率の高い病気です。
僧帽弁という心臓の左側で血液が逆流しないように働いている弁が、もろくなったり、分厚くなったりした結果、弁が完全に閉鎖することができなくなってしまう病気です。
その結果血液の逆流が起こり、全身への酸素の供給が滞ってしまったり、肺水腫を引き起こしたりします。
最初の段階では症状が出にくく病気に気付きにくいのですが、聴診で心雑音が聞かれたり、心エコー検査で血液の逆流が見られたりして発見される場合が多いです。
フィラリア症
現代は予防されている方が多い病気であるフィラリア症も、心臓に大きく関わる病気です。
蚊に刺されることで感染する寄生虫のフィラリア(犬糸状虫)は、心臓から肺へ流れている肺動脈に寄生します。
そこで虫体が血管に詰まり血液循環が悪くなります。
症状としては、まず咳や運動不耐性が見られ、進行すると貧血、腹水、血尿などが見られ、死に至ることもある病気です。
フィラリア症はクッキーやお肉のような飲み薬で簡単に予防できますので、その子に合った薬を探してみましょう。
心筋症
心臓を動かしている筋肉が様々な理由で障害を受け、全身へ血液を送り出すポンプ機能が低下してしまう病気を心筋症と言います。
様々な種類に分けられているのですが、犬の心筋症で1番発生率が高いのは、心臓の中の部屋が広くなる拡張型心筋症です。
原因としては、遺伝、栄養不足、代謝異常、薬などが挙げられます。
他の心臓の病気と同じように咳や運動不耐性といった症状が見られます。
残念ながら予防や根治は難しい疾患で、発症・発見された場合は負担を減らすため、症状を軽減するための投薬を行っていくことになります。
今すぐできる犬の心臓病のチェック方法
心臓の音
聴診器がないと心臓の音をはっきり聞くのは難しいですが、抱っこしたり、心臓の部分に耳を近づけてみると、かすかに心臓の音が聞こえます。
人間と同じような普通の心臓の音の間に、「ザー」や「シャー」といった普段聞こえないような音が聞こえたら、その音は心雑音の可能性があります。
なかなか心雑音を聞きとるのは難しいですが、もしそのような音が聞こえたら、獣医師に聴診器で聴診してもらいましょう。
心拍数
心臓病になると全身へ血液を送りだす機能が衰えますが、それを補おうと心臓が多めに動く結果、心拍数が上がります。
体の大きさや緊張度によって変化しますが、犬の心拍数は1分間で60〜180回が正常と言われています。
動物病院の診察台の上など緊張する場だと1分間で120〜180回まで上がることもあります。
大型犬は小型犬に比べると数が減り、子犬の場合は数が増えます。
お家でも心臓あたりに手を当てて測ることができるので、計測してみましょう。
呼吸数
犬の正常な呼吸数は、1分間に10〜30回と言われています。
大型犬に比べると、小型犬は1分間の呼吸数が多く、平均20〜30回です。
また、短頭種は空気の通り道が狭く、呼吸が速くなる傾向にあります。
ただし、運動後などに口を開けてハアハア息をしているパンティングと呼ばれる状態の時は正しい呼吸数を数えることはできません。
この場合は落ち着くまで待ってから数えてみましょう。
お家でゆったりとリラックスしている時、つまり安静時の呼吸数を目安にしてください。
1分間に60回以上であれば、呼吸が早く、何らかの疾患が疑われます。
疑わしいなら検査を受けよう
前述のような症状が多く当てはまる場合は、心臓に何らかの疾患がある可能性がありますので、病院へ行き、検査をしましょう。
- レントゲン検査
- 心エコー検査
- 血液検査
- 血圧検査
- 心電図
など心臓に関する検査はたくさんあります。
まずは聴診器で心臓の音を聞いてもらい、異常音がないかどうかチェックしてから何の検査が必要か病院の先生と相談しましょう。
犬の心臓病で気をつけるべきこと
バランスの良い食事
心臓病に限らずですが、バランスの良い食事によって病気は予防できます。
特に心臓の場合は、ナトリウム(塩分)の量に気をつけると良いでしょう。
塩分をとりすぎると血圧が上がり、心臓や血管に負担をかけてしまいます。
塩分を控えるために、人間の食べ物を与えたり、おやつのあげすぎには注意しましょう。
適度に運動させる
心臓病になってしまった場合、激しい運動をして血圧を急にあげてしまったり、全身の酸素が足りなくなってしまったりすると危険です。
しかし、適度に体を動かして肥満、糖尿病、高血圧などを防ぐことで結果的に心臓や血管に良い影響が出ると言われています。
全力ダッシュや他の犬との激しい遊びは控えながらも、日々のお散歩は積極的に行きましょう。
愛犬が心臓病かもと思ったらすぐチェック、病院へ
この記事に挙げたような症状が複数見られる場合はすぐに病院へ行き、チェックしてもらいましょう。
また、症状が出ていなくても心臓病は静かに進行することがあります。
シニアと言われる年齢になってからは、定期的に健康診断を受け、その際に心臓の音や大きさだけでもしっかりチェックしてもらいましょう。
愛犬と健康に少しでも長く一緒にいるためにも早期発見、早期治療に努めましょう。
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