自分の犬の寿命はどのくらいなのか?ふと考えたことのある人も多いでしょう。
近年医療技術や栄養管理が発達し、犬の寿命はどんどん伸びていると言われています。
私たちの年齢に換算すると、
- 自分の愛犬は何才くらいなのか
- 現在の犬の寿命はどれくらいが平均なのか
- どんな犬が長生きなのか
解説したいと思います。
犬の平均寿命はどのくらい?
お家へ迎えた子といつまで一緒に居られるのかは気になるところですよね。
犬の平均寿命は一体どれくらいなのでしょうか?
犬の平均寿命
犬の平均寿命は個体の大きさにも関わりますが、飼育頭数の多い超小型犬〜小型犬で平均すると14.4歳となっています。(アニコム家庭動物白書2021より)
10年前2012年の平均寿命は13.5歳ですので、この10年間で約1歳も寿命が延びたことになります。
ただあくまでも年齢は参考数値です。
人間も人によって元気の良さや健康状態が変わってくるのと同じで、わんちゃん達も犬種差・個体差がかなりあります。
自分のお家の子はいつまでも子供・・・と思いがちな方も多いです。
私たちの一年と犬たちの一年は長さが違います。
あっという間に年をとってしまいますので、毎年年齢を意識して生活することが大切です。
時には年齢を人間の年齢に換算して無理をさせないよう気を付けつつ、日々の生活での異変の有無をチェックしたり、定期検診はきちんと受けて老化に備えましょう!
ギネス記録の最も長く生きた犬は何歳?
2022年現在、ギネス記録に登録されている世界で一番長生きした犬は、オーストラリアン・キャンドルドッグのブルーイーで、年齢はなんと29才5ヶ月!
1910年〜1939年まで生きたそうですが、それから80年以上たった今でもその記録は破られていません。
犬の年齢を人間に換算すると?
犬の年齢を人間の年齢に換算すると、何才くらいになるのでしょうか。
犬種や個体によって老化のスピードは異なってきますので、あくまでも目安となります。
私たち人間よりも圧倒的に早く年をとってしまうので、1日1日を大切に過ごさせてあげたいですよね。
小・中型犬
小型犬・中型犬の場合、人間の年齢に換算しすると以下の表になります。
小型犬・中型犬は1歳くらいで大人の身体へと成長が完了する子が多いです。
1歳以降は1年に4歳ずつ年をとっていくと考えるのが良いでしょう。
犬の年齢 | 人間の年齢に換算 | ライフステージ |
3ヶ月 | 3歳 | 子犬 |
6ヶ月 | 9歳 | |
1歳 | 16歳 | 成犬 |
2歳 | 24歳 | |
3歳 | 28歳 | |
4歳 | 32歳 | |
5歳 | 36歳 | |
6歳 | 40歳 | |
7歳 | 44歳 | 高齢犬 |
8歳 | 48歳 | |
9歳 | 52歳 | |
10歳 | 56歳 | |
11歳 | 60歳 | |
12歳 | 64歳 | |
13歳 | 68歳 | |
14歳 | 72歳 | |
15歳 | 76歳 | |
16歳 | 80歳 | |
17歳 | 84歳 | |
18歳 | 88歳 | |
19歳 | 92歳 | |
20歳 | 96歳 |
大型犬
大型犬の場合、人間の年齢に換算しすると以下の表になります。
大型犬の場合は小・中型犬に比べて子犬の時期は成長が遅いため、1歳半頃までは身体が成長する子犬期間と考えて良いでしょう。
2歳頃で大人の身体に成長完了となります。
2歳以降は1年に7歳ずつ年をとっていく計算になります。
犬の年齢 | 人間の年齢に換算 | ライフステージ |
3ヶ月 | 2歳 | 子犬 |
6ヶ月 | 6歳 | |
1歳 | 12歳 | |
1歳半 | 16歳 | 成犬 |
2歳 | 19歳 | |
3歳 | 26歳 | |
4歳 | 33歳 | |
5歳 | 40歳 | |
6歳 | 47歳 | |
7歳 | 54歳 | 高齢犬 |
8歳 | 61歳 | |
9歳 | 68歳 | |
10歳 | 75歳 | |
11歳 | 82歳 | |
12歳 | 89歳 | |
13歳 | 96歳 | |
14歳 | 103歳 |
犬の種類別平均寿命は?
犬は種類によって平均寿命が異なります。
今回は飼育頭数の多い犬種からご紹介します!
あなたの愛犬はどうでしょうか?
(以下参考:アニコム家庭動物白書2021より https://www.anicom-page.com/hakusho/)
小型犬(〜10kg)
トイ・プードル:15.3歳
人気品種No1のトイ・プードルの平均寿命はなんと15.3歳!
病院でも来院頭数の多い品種ですが、長生きの子も多い印象です。
よく罹患する病気としては、骨折や白内障、歯周病になってしまう子が多いです。
チワワ:13.8歳
人気品種No2のチワワは平均寿命13.8歳。
よく罹患する病気としては、心臓の弁膜症や気管虚脱、くしゃみや鼻水などの呼吸器の疾患を起こす子が多いです。
ミニチュア・ダックスフント:14.9歳
人気品種No3のミニチュア・ダックスフントは14.9歳とこれまた長生き!
お年をとっても元気な子が多いイメージです。
よく罹患する病気としては、椎間板ヘルニアや歯周病、乳腺腫瘍になる子が多いので注意が必要です。
ポメラニアン:13.7歳
人気品種No4のポメラニアンは平均寿命13.7歳。
よく罹患する病気としては、気管虚脱や骨折、股関節形成不全などの病気が挙げられます。
中型犬(10〜25kg)
柴:14.9歳
中型犬の人気品種No1は柴犬です。平均寿命も14.9歳と長生きな犬種です。
全体の人気品種ランキングでも中型犬ながら5位にランクインしており、近年人気が急増している品種ではないでしょうか。
よく罹患する病気としては、アトピー性皮膚炎や緑内障、アレルギー性皮膚炎など。
また『咬傷』がかかりやすい疾患に入ってしまうのは、シャイなこの犬種の特徴ではないでしょうか。
フレンチ・ブルドッグ:11.2歳
中型犬人気No2のフレンチブルドッグは平均寿命11.2歳。少し短い部類に入ってしまうかもしれません。
よく罹患する病気としては、軟口蓋過長症や脳腫瘍、中耳炎などがあります。
また潰瘍性角膜炎や外傷性角膜炎、チェリーアイなど目の疾患にかかりやすいのも、鼻が低く目が出ているこの犬種の特徴でしょう。
ウエルシュ・コーギー・ペンブローク:12.5歳
中型犬人気No3のウエルシュ・コーギーは、平均寿命12.5歳。
よく罹患する病気としては、リンパ系・造血系の腫瘍や前立腺肥大、変形性脊椎症などが挙げられます。
その他にも前十字靭帯損傷や関節炎、跛行など、足の短い犬に特徴的な関節疾患が多く見られます。
大型犬(25kg〜)
ゴールデン・レトリーバー:10.9歳
大型犬の人気品種No1はゴールデンレトリーバーです。
しかし平均寿命は10.9歳と他の犬種に比べて短めです。
よく罹患する病気としては、耳血腫や血管肉腫(悪性腫瘍)、リンパ系や造血系の腫瘍等が挙げられます。
その他も腫瘍疾患に罹患する子が多いのもこの犬種の特徴でしょう。
ラブラドール・レトリーバー:12.9歳
人気品種No2のラブラドール・レトリーバーは平均寿命12.9歳。
同じレトリーバー系のゴールデン・レトリーバーと比べても2歳長いのが特徴的です。
よく罹患する病気としては、耳血腫や肥満細胞種(悪性腫瘍)、全身の腫瘍等が挙げられます。
バーニーズ・マウンテンドッグ:8.7歳
人気品種No3のバーニーズ・マウンテンドッグは平均寿命8.7歳と少し短め。
よく罹患する病気としては、胃拡張胃捻転症候群や耳血腫、胸腔内腫瘍などにかかりやすいようです。
胃拡張胃捻転症候群は発症すると数時間の間に亡くなってしまう可能性も高い疾患ですので注意が必要です。
MIX犬(混血種)
近年は純血種同士をかけ合わせたMIX犬も多く見られます。
どんな犬種を掛け合わせたかによって寿命も異なってきますが、平均的にはどれくらいなのでしょうか?
- 10kg未満(小型犬):14.7歳
- 10kg以上〜20kg未満(中型犬):14歳
- 20kg以上30kg未満(大型犬):12.7歳
どの体重の子も、各体重別の平均寿命よりも比較的長生きな子が多い印象です。
雑種強勢と言って、遺伝的に異なる両親の間に生じた雑種には、生育、生存力、繁殖力などの優れた性質が現れると言われています。
その事から、純血種よりMIX犬の方が平均寿命が長くなっているのではないでしょうか。
室内犬と室外犬で寿命は変わる?
犬には室内犬に向いている犬種、室外犬に向いている犬種がいます。
それらの犬種特性を守った上での室外での飼育であれば、適正に予防や飼育環境の改善を行っていればさほど寿命の差はないでしょう。
しかし多くの室外犬は、適切な予防や適切な飼育が行われていないのが現状です。
きちんとした予防医療が行われず、適切な湿度温度管理がなされていない環境下では寿命は確実に短くなってしまうと言って良いでしょう。
愛犬に長生きしてもらう方法
それでは、どうしたら愛犬に長生きしてもらえるのでしょうか?
愛犬に長生きしてもらう4つの秘訣をご紹介します。
定期検診を受ける
まず病院で定期検診を受けるのはとても大切です。
血液検査やレントゲン検査、エコー検査などで病気が発見されることは多く、その際には健康時の状態との比較が重要になります。
定期的に健診を受けることで健康な状態を知ることができますので、健康な時から健診を受けることはとても大切なのです。
適度な運動
毎日適度な散歩・運動は健康に不可欠です。
特にシニア期になると筋肉が落ち、新たな筋肉は付き辛くなりますので今ある筋肉を保つ為に運動は必要です。
運動器や関節に疾患がある子も、無理のない程度で身体を動かし、関節の可動域を保つ必要があります。
愛犬に合った食事
愛犬の健康状態にあった食事をすることは長生きの秘訣と言えるでしょう。
現在は栄養バランスの良いフードがたくさん販売されています。
持病を持っている子は持病に合わせた食事を選択することが重要で、時には悪化させてしまうこともあります。
是非かかりつけの獣医師に食事について相談してください。
避妊・去勢手術をする
避妊・去勢手術は行うことによって病気の予防効果があり、メリットが手術のデメリットを大きく上回る為多くの病院で手術が推奨されています。
メスの場合、乳腺腫瘍や子宮蓄膿症、子宮内膜炎や卵巣腫瘍や卵巣嚢腫などをほぼ100%予防できます。(乳腺腫瘍は初回発情前の避妊手術で発生率は約0.3%)
オスの場合、精巣腫瘍や前立腺腫瘍、肛門周囲の腫瘍、会陰ヘルニアの発生率などを下げる事ができます。
長生きする犬種ランキング
愛犬とはできるだけ長く一緒にいたいもの。
長生きしてくれる犬種を5位までご紹介します!
(以下参考:アニコム家庭動物白書2021より https://www.anicom-page.com/hakusho/)
1位トイ・プードル
平均寿命は15.3歳でトップです。
飼育頭数も1位の犬種で、長寿の個体が多いようです。
2位ミニチュア・ダックスフント&ビションフリーゼ
平均寿命はどちらも14.9歳。
トイ・プードルに次ぐ長寿犬種です。
3位柴犬
平均寿命は14.8歳。
近年人気の日本犬がランクインしました。
4位MIX犬(10kg未満)
10kg未満のMIX犬が4位にランクイン。
平均寿命は14.7歳です。
5位イタリアングレーハウンド
スラっとした体格のハンター犬、イタリアングレーハウンドが5位。
平均寿命は14.6歳です。
短命な犬種ランキング
長寿な犬種がいる一方、残念ながら短命な犬種もいます。
事前にチェックして後悔のないように毎日過ごしましょう。
(参考:一般社団法人東京都獣医師会霊園協会HPより https://petreien-a.tokyo/dog/ )
1位:ドーベルマン 9.8歳
1位は超大型犬のドーベルマン。
平均死亡年齢は9.8歳です。
とても大きな体で世界で一番背が高い犬種にも認定されています。
大きな身体ゆえなのか、平均寿命が短い個体が多いです。
2位:ブルドッグ 9.9歳
2位のブルドッグは平均死亡年齢が9.9歳。
大型犬に分類される中では比較的体重が軽い犬種ですが、犬種の特徴でもある骨格が様々な疾患の原因になるようです。
3位:フレンチブルドッグ 10.2歳
このランキングでは中型犬で唯一ランクインしたフレンチブルドッグ。
平均死亡年齢は10.2歳です。
ブルドッグ同様、特徴的な骨格が関係していると思われます。
4位:ニューファンドランド 10.5歳
4位のニューファンドランドは平均死亡年齢10.5歳です。
黒くて大きな体格で、おおらかな性格の犬が多い印象です。
5位:バーニーズ・マウンテン・ドッグ 10.4歳
大型犬ながら人気犬種にもランクインしたバーニーズ・マウンテン・ドッグは10.4歳。
アニコムの統計でも8.7歳と寿命が短めなので、あまり長生きする子は少ない印象です。
愛犬の寿命を伸ばせるように
もちろん遺伝的な素因や個体差はありますが、愛犬の寿命をできる限り伸ばせるように『長生きしてもらう方法』を意識して生活しましょう!
いかがでしたでしょうか?
犬種によって寿命の長さは大きく変わるため、犬を飼う際には是非参考にしてみてください。
私たちの1年と犬の1年は長さが大きく違います。
犬達は私達よりも数十倍早く年をとってしまうので、それを意識して大事に毎日を過ごしましょう。