愛犬が可愛いと、ついおやつをあげすぎてしまったり、ご飯のおかわりに応じてしまったりして体重が増えてすぎてしまうことがありますよね。
今回は、犬の肥満状態とはどういった状態なのか、その原因、ダイエットの方法、注意点などを紹介していきます。
愛犬の肥満状態とは
食事量
運動も大切ですが、犬にとって運動よりもダイエットに効果的で重要なのは食事量です。
フードのパッケージや公式ホームページに犬種や体重ごとの適正量が書いてありますのでチェックしてみてください。
しかし、現時点で太り過ぎかなという時は、現時点で与えている量から1〜2割減らして1週間後に体重測定をしてみましょう。
太りすぎ、痩せすぎと感じている時でも、急激に食事量を増やしたり減らしたりすると体調が悪化する可能性がありますので注意しましょう。
前述のBCSを1番指標にすると過度の肥満、削痩を防ぐことができますので、ぜひBCSと体重、食事量をチェックしてみてください。
体重
犬種や個体によって差はありますが、犬は1歳〜1歳半で臓器が完成し、皮下脂肪が増え、体重増加は止まります。
そのため、1歳〜1歳半くらいの痩せすぎていない、また肥りすぎていない体重がその子の適正体重といわれています。
よく犬種による適正体重がネットなどにはありますが、あくまで目安で、人と同じように骨の太さや筋肉量はひとりひとり異なります。
体型
犬の肥満状態かどうかをチェックするのに1番大切なものは体型です。
犬の体型を評価するのに使われるものにBCS(ボディコンディションスコア)というものがあります。
5段階に分けられており、BCS3が理想体型、1が削痩、5が肥満状態です。
真上から見た時、横から見た時のウエストのくびれ具合がメインの指標となります。
また手で体に触れてみた際に、心臓、肺を守るようにある肋骨が皮下脂肪のやや下に感じられるか、逆に肋が浮いていないか、そして腰骨も同じようにチェックします。
自分で判断するのが難しい際は、ぜひ動物病院へ行った際に体重と共に、獣医師に身体を触ってもらいチェックしてもらいましょう。
運動量
運動もダイエットには非常に重要です。
しかし、すでに過度に体重が増えている子が突然激しい運動をすると、関節に大きな負担がかかってしまいます。
まずは食事量で体重をコントロールしてから運動量を増やすのが安全です。 また、必要運動量は犬種によって大きく異なります。
例えば、運動量が他の犬種に比べると多く必要で有名なのは、
- ボーダーコリー
- シェパード
- ラブラドールレトリバー
など中〜大型の牧羊犬・牧畜犬としてのルーツを持つ子たちです。
この子たちは涼しい時間帯で1日1〜2時間の散歩を1日2回するのが理想と言われています。
チワワ、マルチーズなどはこのような長時間の運動は必要ないと言われています。
ぜひお家の犬種で検索し、運動量がどれくらい必要なのかを調べてみてください。
愛犬の肥満の原因
体質
人と同じように体質で太りやすい子やせやすい子はいます。
体質とは具体的にいうと、代謝の違いです。
取り込んだエネルギーが同じ、運動量が同じでも、その子によって使用されるエネルギーが異なります。
余ったエネルギーが身体の中に脂肪として溜め込まれるので、その子にあった食事量、運動量を模索することが大切です。
年齢
人と同じように年齢が上がるにつれて代謝が下がり、かつ運動量が減るので太りやすくなります。
年齢を重ねた時にその子のBCSや体調、体重に合わせて、食事の種類、量、運動量を変化させていくことが大切です。
運動不足
運動が十分できていない子は、摂取カロリーと消費カロリーにギャップが生まれ、太ってしまいます。
余ったカロリーが脂肪として身体の中に溜め込まれるため、見た目も体が丸くなり、血中に脂質が多く含まれている「高脂血症」という状態になります。
高脂血症が重症化すると様々な病気を引き起こすので、高齢でやや肥満気味かなという子は定期的に血液検査を実施し、検査しましょう。
病気
食欲が落ちているにもかかわらず体重が増え続けたり、食欲が異常にあるにもかかわらず体重が減り続けたりの場合は病気の可能性があります。
食欲にはホルモンが非常に深く関わっており、特にシニア期と言われる7歳以上の子はホルモン系の病気が増えてきます。
また、身体のどこかに腫瘍がある場合、そこに養分が取られるため、食べているにもかかわらず、体重が減り続ける子がいます。
食欲と体重の増減にギャップがある場合、すぐに病院へ行き検査をしてもらうことをおすすめします。
愛犬の肥満が原因で起こること
病気にかかる
脂肪が代謝されるとシュウ酸が作られるため、摂取する脂肪が多い子は、シュウ酸カルシウム結石ができやすくなるというデータがあります。
さらに、糖尿病や膵炎も、肥満状態の子はかかりやすいと言われています。
足腰への負担
体重が増えて体が大きくなっても、関節や骨の大きさがそれに合わせて急激に大きくなることはありません。
そのため、体重が過剰に増えると、膝や腰に負担がかかり、靭帯断裂や関節炎のリスクが上がります。
呼吸器・循環器への負担
胸部の余分な脂肪は、犬が呼吸するときに気道を圧迫してしまいます。
そのため、肥満状態の子が運動するとすぐにゼエゼエといった呼吸になってしまいます。
呼吸器・循環器に負担がかかるため、特にシニアの子は肥満状態にはならないよう気をつけましょう。
愛犬のダイエット方法①食事
低カロリーフードに変える
獣医師にダイエットしてくださいと言われ、ご飯の量を減らしてしまうとどうしても満足できない子がいます。 そういった子には低カロリーのダイエットフードがおすすめです。
ドライフードでもウエットフードでも現在は多様なダイエットフードがあります。
愛犬のダイエットにおすすめなココグルメ
低カロリーのご飯は食いつきが悪かったり、飽きやすかったりするのが難点です。その場合は野菜や低カロリーのささみなどのトッピングがおすすめです。
しかし、手作りご飯やトッピングを毎日作るのは栄養管理の点からも、労力の点からも大変です。
そこでおすすめなのが、獣医師監修の国産かつ新鮮な食材を使った手作りご飯、ココグルメです。
チキン&ベジタブル、ポーク&ブロッコリー、フィッシュ&パンプキンの3種類があるためぜひ試してみてください。
ご飯の量を減らす
犬のダイエットで1番効果が出やすいのは、やはり毎日のご飯の量を調節することです。
しかしいきなり量を大きく減らすと体調を崩してしまう恐れがあるため、体調、体重をチェックしながら調節しましょう。
ご飯をかさましして満腹感を与える
食欲がありすぎてダイエットが難しい子は、ご飯にひと工夫することをおすすめします。
カリカリご飯であればお湯を少し足してかさを増したり、カロリーが控えめなトッピングをしたりして満足感を与えましょう。
ひと工夫をすることで、ご飯をいつもの量から少し減らしても満足感を得てくれることが多いです。
間食・おやつをやめる
肥満の原因にもよく挙げられるのは、間食やおやつのあげすぎです。
おやつはカロリー計算が難しく、脂質や塩分が多いことが多いです。
また、家族など複数人でバラバラに与えていると、つい与えすぎてしまいます。
間食やおやつは1日の量を決めたり、徐々に量を減らしたりしましょう。
人間の食べ物を与えない
人間の食べ物は脂肪分が多く、カロリーが高いことが多いです。
かつ塩分や糖分が高いことが多いため、身体にも悪影響を及ぼすことがあります。
健康のためにも人間の食べ物(特に加工品)を与えるのは控えましょう。
獣医師に相談する
どうしても、食事量や種類の変更、運動量を増やしても思うように体重がコントロールできない場合は獣医師に相談しましょう。
病気の可能性も考えられますし、ダイエット用の療法食を処方してもらえる場合もあります。
愛犬のダイエット方法②運動
散歩の時間を増やす
散歩は犬種にもよりますが、1日2回15分〜1時間が一般的です。
体重を少し減らしたい時は、少し時間を伸ばしてあげると良いかもしれません。
散歩は、まず人の手で地面の温度をチェックしてから行い、長時間の散歩は夏場は熱中症に、冬場は凍傷に気をつけましょう。
遊ぶ時間を増やす
散歩だけではなくお家での運動も効果的です。
忙しく散歩に行けなかった日や、散歩が難しい雨の日はぜひおもちゃのひっぱりっこやボール遊びでお家で遊んであげてください。
また、ドッグランなどで犬同士で遊ぶのも、思いっきり走ることができるのでおすすめです。
獣医師に相談する
運動の方法や時間なども、もし不明点があった場合は獣医師に相談しましょう。
間違った運動方法を長時間続けたり、年齢に合わない運動時間を継続して行うと関節や筋肉に負担をかけてしまう場合があります。
愛犬のダイエットでしてはいけないこと
過度な食事制限
過度な食事制限をすると、体重減少、エネルギー不足に陥るだけではなく、病気を引き起こす可能性があります。
ホルモンバランスが乱れたり、エネルギー不足から骨から栄養分をとるため骨折しやすくなります。
過度な運動
過度の運動は関節や筋肉に負担をかけます。
無理なくできるお家の中のボール遊びや、散歩時間を少しだけ延長するところから始めましょう。
すでにBCS5で体重が非常に重い子や運動が苦手な子は、関節負担が非常に減る水の中の運動をおすすめします。
犬用水中トレッドミルは、日本ではまだ少ないですが一部のドッグサロンや動物病院で使用することができます。
愛犬のダイエットが失敗する理由
食事と運動のバランスが悪い
食事ばかり気にしていて運動が足りていないなど
運動量を過度に増やしても食事量、おやつの量を減らしてなければ思うように体重は減りません。
食事量、運動量どちらかを過剰に増減させるよりも、その子にあった食事量と運動量のバランスをみつけることが大切です。
体重が減って満足してしまう
体重が減って満足し、ご飯の量、運動量はそのままでおやつの量を増やしてしまう飼い主さんがいます。
この場合リバウンドだけではなく、栄養の偏りが生じ、体調を崩してしまう可能性があります。
体重測定、BCS、体調のチェックは続け、健康的なダイエットを意識しましょう。
愛犬のダイエットには運動と食事の改善が大切!
愛犬のダイエットは、ほとんど飼い主さんの意識、努力にかかっています。
人が意識して、かつ無理させない程度に運動と食事の調節をしなければいけません。
この記事に書いてあることに注意して、健康的に愛犬のダイエットを成功させましょう。