「老犬が腎不全(腎臓病)と言われた。余命はどれくらい?」「皮下点滴を毎日しているけれど、いつまで続くの?」「ご飯を食べない、おしっこが出ない時はどうすればいい?」。愛犬が腎不全と診断されると、飼い主さんにはたくさんの不安が押し寄せます。
結論から言うと、犬の慢性腎不全(慢性腎臓病)の余命は、診断時のステージ(進行度)と、食べられているか、体重を保てているか、血液中のリンの値などで大きく変わります。研究では、ステージ2で1年以上、ステージ4では数週間という中央値が報告されていますが、同じステージでも年単位で元気に過ごす子もいれば、短い子もいます。
この記事では、老犬の腎不全の症状と急性・慢性の違い、ステージ別の余命の目安と余命を左右する要因、皮下点滴の役割と続け方、ご飯を食べない・尿が出ない時の対処法、進行を遅らせる生活と看取りまでをまとめました。
※尿がほとんど出ない、何度も吐く、けいれんする、ぐったりしている時は、この記事を読み終える前に動物病院に連絡してください。
老犬の腎不全(腎臓病)とは?急性と慢性の違い

腎臓は、血液中の老廃物や余分な水分・ミネラルを尿として体の外に出し、血圧や赤血球の生産にも関わる臓器です。腎不全とは、この働きが十分にできなくなった状態をいいます。
腎不全には、数時間〜数日で急激に悪化する「急性腎不全(急性腎障害)」と、数か月〜数年かけてゆっくり進む「慢性腎不全(慢性腎臓病・CKD)」があります。老犬で多いのは慢性腎不全です。
| 急性腎不全 | 慢性腎不全(慢性腎臓病) | |
|---|---|---|
| 経過 | 数時間〜数日で急に悪化 | 数か月〜数年かけてゆっくり進行 |
| 主な原因 | 中毒(ぶどう、ユリ、不凍液、人用の痛み止めなど)、尿路の閉塞、脱水やショック、感染症 | 加齢に伴う腎臓の変化、慢性の炎症、結石、腫瘍、先天的な腎臓の病気など |
| 主な症状 | 尿が出ない・極端に減る、ぐったり、嘔吐、けいれん | 多飲多尿、体重減少、食欲のムラ、嘔吐、貧血 |
| 回復の見込み | 早く治療できれば腎機能が回復することがある | 失われた腎機能は戻らない。進行を遅らせる治療が中心 |
慢性腎不全は、腎臓の働きの多くが失われるまで目立った症状が出にくい病気です。「年のせい」と思っていた水を飲む量の増加や体重の減少が、実は腎臓病のサインだったということも少なくありません。
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犬の腎不全のステージ(IRIS分類)と余命の目安

腎臓病のステージ分類(IRIS)
犬の慢性腎臓病は、国際獣医腎臓病研究グループ(IRIS)の基準で、血液検査のクレアチニンとSDMAの値からステージ1〜4に分けられます。ステージが進むほど腎臓の働きが落ちていることを示し、治療の内容や余命の見通しもステージによって変わります。
| ステージ | クレアチニン | SDMA | 主な状態 |
|---|---|---|---|
| ステージ1 | 1.4未満 | 18未満 | 血液の値はほぼ正常。尿検査や画像検査で腎臓の異常が見つかる段階。症状はほとんどない |
| ステージ2 | 1.4〜2.8 | 18〜35 | 軽い腎機能の低下。多飲多尿が出始めることがあるが、症状は軽いか無いことが多い |
| ステージ3 | 2.9〜5.0 | 36〜54 | 中程度の腎機能の低下。食欲低下、体重減少、嘔吐、貧血などの症状が出てくる |
| ステージ4 | 5.0超 | 54超 | 重度の腎機能の低下。尿毒症の症状(嘔吐、口臭、けいれんなど)が出やすい末期の段階 |
※IRIS「Staging of CKD(2026年改訂)」の犬の基準(単位はクレアチニンがmg/dL、SDMAがμg/dL)。脱水のない安定した状態で、2回以上の検査をもとに判定します。さらに、尿中のタンパク(UPC)と血圧でサブステージが決まります。
ステージ別の余命(生存期間)の目安
腎不全の犬116頭を追跡したブラジルの研究(Pedrinelli ら、2020年)では、診断からの生存期間の中央値は次のように報告されています。中央値とは「半数の犬がその期間まで生きていた」という値で、これより長く生きる犬も短い犬もいます。
| 診断時のステージ | 生存期間の中央値 | 目安 |
|---|---|---|
| ステージ2 | 475日 | 1年〜数年。治療と食事管理で長く安定する子が多い |
| ステージ3 | 187日 | 半年前後。食欲・体重・リンの管理で差が大きい |
| ステージ4 | 13日 | 数日〜数週間。緩和ケアが中心になる |
また、英国の一次診療の動物病院のデータをまとめた研究(O'Neill ら、2013年)では、慢性腎臓病と診断された犬全体の生存期間の中央値は226日でした。
ただし、これらは研究上の数字であり、愛犬の余命そのものではありません。同じステージ3でも、食事療法と点滴で2年以上元気に過ごす子もいれば、数か月で進行する子もいます。余命を決めるのは、ステージの数字だけではなく、次のような要因です。
余命を左右する要因
前述の研究(Pedrinelli ら、2020年)では、生存期間と関係が強かった要因として次のものが挙げられています。
| 要因 | 生存期間の中央値の違い |
|---|---|
| 食欲 | 食欲に変化なし 429日/食欲が落ちている 246日/ほとんど食べない 33日 |
| 血液中のリンの値 | 5.5mg/dL以下 573日/5.5mg/dL超 136日 |
| 貧血(ヘマトクリット) | 37%超 415日/37%以下 99日 |
| 体型(ボディコンディション) | やや太め〜太め 327日/痩せている 125日 |
| 腎臓病用の食事 | 経過の75%以上の期間で腎臓病用の食事を食べていた 309日/それ以外 92日 |
つまり、「食べられていること」「体重と筋肉を保てていること」「リンと貧血をコントロールできていること」が、余命を延ばすうえでとても大切です。腎臓病用の食事を続けられるかどうかも、生存期間に大きく影響します。
老犬の腎不全の症状

早めに気づきたい初期のサイン
- 水を飲む量が増えた、おしっこの量や回数が増えた(多飲多尿)
- おしっこの色が薄くなった
- 食欲にムラが出てきた、ドライフードを残すようになった
- 体重が少しずつ減ってきた
- 毛づやが悪くなった、寝ている時間が増えた
これらは「年のせい」と見過ごされやすい変化です。7歳を過ぎた犬で当てはまるものがあれば、動物病院で血液検査(クレアチニン・SDMA)と尿検査を受けましょう。
進行した時・末期の症状
- 嘔吐や下痢を繰り返す、よだれが増える
- 口からアンモニアのようなにおいがする、口内炎ができる
- 食欲がなくなり、体重と筋肉が落ちる
- 貧血でふらつく、歯ぐきが白っぽい
- おしっこの量が減る、出なくなる
- 体温が下がる、ぐったりして動かない
- けいれん発作を起こす
末期には、体の中にたまった老廃物によって「尿毒症」と呼ばれる状態になり、嘔吐やけいれん、意識の低下などが見られます。急性腎不全では、これらの症状が数日のうちに一気に現れます。
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老犬の腎不全の原因

慢性腎不全の主な原因
老犬の慢性腎不全は、加齢とともに腎臓の組織が少しずつ傷み、働きが落ちていくことで起こります。そのほか、腎臓の慢性的な炎症、腎アミロイド症、尿路結石、腫瘍、腎盂腎炎、先天的な腎臓の病気、免疫の病気などが原因になることもあります。多くの場合、はっきりした原因は特定できません。
急性腎不全の主な原因
- 中毒:ぶどう・レーズン、ユリ科の植物、不凍液(エチレングリコール)、人用の痛み止め(NSAIDs)など
- 尿路結石や腫瘍による尿路の閉塞
- 重い脱水、ショック、麻酔中の血圧低下
- レプトスピラ症などの感染症
- 高カルシウム血症、リンパ腫など
ぶどう、ユリ、人の薬などは、少量でも急性腎不全を起こすことがあります。老犬は腎臓の予備力が落ちているため、若い犬より影響を受けやすく、愛犬の生活環境に置かないようにしましょう。
老犬の腎不全の治療

急性腎不全では、入院して静脈からの点滴を行い、原因を取り除く治療をします。早く治療できれば腎機能が回復することもあります。一方、慢性腎不全で失われた腎機能は元には戻らないため、治療の目的は「進行を遅らせ、つらい症状を減らして、元気に過ごせる時間を長くすること」になります。
食事療法(最も大切な治療)
慢性腎不全の治療の土台は食事です。リンを控え、タンパク質を質の良いものを適量に、塩分を控えた腎臓病用の療法食が基本で、前述の研究でも、腎臓病用の食事を続けた犬のほうが生存期間が長いという結果でした。オメガ3脂肪酸(EPA・DHA)も腎臓の炎症を抑える目的で使われます。
ただし、療法食を食べてくれないまま痩せていくことは、腎臓病そのものより余命を縮めます。どうしても食べない時は、食べられる腎臓にやさしい食事を獣医師と相談して選びましょう。具体的な食材は腎臓病の手作り食ガイドで解説しています。
皮下点滴(輸液):役割・頻度・いつまで続けるか
腎不全の犬は、薄いおしっこをたくさん出すため、体が脱水しやすくなります。皮下点滴は、背中の皮膚の下に輸液を入れて脱水を補い、老廃物を尿として出しやすくする治療です。脱水が改善すると、吐き気が減って食欲や元気が戻ることも多く、慢性腎不全の在宅ケアの中心になります。
- 頻度:ステージや脱水の程度により、週1〜2回から毎日まで。進行すると頻度が増える傾向があります
- 自宅での皮下点滴:動物病院で手順を教わり、自宅で行う飼い主さんも多くいます。通院のストレスを減らせます
- 注意点:心臓病のある犬では輸液量に注意が必要です。量や頻度は必ず獣医師の指示に従ってください
- いつまで続けるか:点滴で腎機能そのものは回復しません。「点滴をすると楽そうにしている」「食べられる」など、愛犬の生活の質が保てている間は続け、つらさが勝るようになったら、緩和ケアの方針を主治医と相談します
「毎日点滴をしているから余命が短い」とは限りません。毎日の点滴で数か月〜1年以上安定して過ごす犬もいます。ただし、点滴をしても食べられない、吐き続ける、尿が減ってきた、という場合は進行のサインで、残された時間が短くなっている可能性があります。
薬による治療
- リン吸着剤:血液中のリンの値を下げ、進行を遅らせる
- 降圧剤・尿タンパクを減らす薬:高血圧や尿タンパクがある場合
- 吐き気止め・胃薬:尿毒症による吐き気や胃炎を抑え、食欲を保つ
- 造血ホルモン(エリスロポエチン製剤)・鉄剤:腎性貧血が進んだ場合
- 食欲増進剤:食べない期間が続く場合
透析・手術
急性腎不全で尿が出ない時には、腹膜透析や血液透析で老廃物を取り除くことがあります。尿路結石による閉塞が原因の場合は、手術で閉塞を解除します。慢性腎不全では透析は一般的ではなく、食事・点滴・薬による治療が中心です。
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腎不全の老犬がご飯を食べない時の対処法

腎不全の老犬が食べなくなる主な理由は、脱水、尿毒症による吐き気、口内炎や口の痛み、血液中のリンの上昇、貧血、療法食の味が合わない、などです。まず動物病院で血液検査を受け、吐き気止めや皮下点滴で体を楽にしてもらうことが、食欲を戻す近道です。そのうえで、家では次の工夫を試してみましょう。
- ご飯を人肌に温めて香りを立てる(老犬は嗅覚が衰え、においで食欲が刺激されにくくなっています)
- ドライフードをふやかす、ウェットタイプや水分の多いごはんに変える
- 1回量を減らし、1日4〜5回に分けて与える
- 手のひらにのせて口元に運ぶ、食器の高さを変える
- 腎臓病用の療法食にも複数の味・形状があるので、別の製品を試す
- 療法食をどうしても食べない時は、食べられるものを優先し、リンの少ない食材を獣医師と相談して選ぶ
- 歯や口の痛みがないか診てもらう
「ちゅ〜るやおやつしか食べない」という時も、何も食べないよりは食べたほうがよい場面が多いですが、塩分やリンの多いものを続けるのは避けたいところです。腎臓に配慮したおやつや、療法食をペースト状にしたものに少しずつ置き換えていきましょう。詳しくは腎臓病の療法食を食べない時の解決策も参考にしてください。
無理に口に押し込む強制給餌は、食事への嫌悪感を強めたり誤嚥を起こしたりすることがあります。必要な場合は、給餌チューブも含めて獣医師と相談しましょう。
腎不全の老犬の尿が出ない・減った時は
慢性腎不全の初期〜中期は、むしろ尿の量が増えるのが特徴です。尿の量が明らかに減った、半日以上おしっこが出ていない、という時は危険なサインです。
- 急性腎不全や尿路の閉塞:排尿の姿勢をとるのに出ない、お腹を痛がる、吐く場合は、結石などで尿が出せなくなっている可能性があります。数時間の遅れが命に関わるため、夜間でもすぐに動物病院へ
- 重い脱水:水を飲めず脱水が進むと尿が減ります。点滴で改善することがあります
- 末期の腎不全:腎臓が尿を作れなくなってきた状態で、尿毒症が急速に進みます。残された時間を穏やかに過ごすための緩和ケアを主治医と相談します
水を飲んでいるのに尿が出ない、または尿が出ているのにぐったりしている、どちらの場合も早めに受診してください。
老犬の腎不全の予防と、進行を遅らせる生活

7歳を過ぎたら年1〜2回の健康診断
慢性腎臓病は早く見つけるほど、食事管理で進行を遅らせやすくなります。シニア期に入ったら、血液検査(クレアチニン・SDMA)と尿検査(尿比重・尿タンパク)を年1〜2回受けましょう。SDMAは、クレアチニンより早い段階で腎機能の低下を反映するとされています。
水分をしっかりとる
脱水は腎臓への負担を大きくします。水飲み場を複数用意する、ぬるま湯や鶏ささみの茹で汁で香りをつける、ウェットフードやフレッシュフードなど水分の多いごはんを取り入れる、などで食事からも水分をとれるようにしましょう。
バランスのよい食事と、おやつの塩分・リンに注意
腎臓に異常のない健康な老犬に、腎臓病用の療法食を予防目的で与える必要はありません。タンパク質を減らしすぎると筋肉が落ち、かえって体力の低下につながります。総合栄養食で栄養バランスを整え、ジャーキーや煮干し、チーズなど塩分やリンの多いおやつは控えめにしましょう。
【獣医師監修】犬はりんごを食べてもOK!尿路結石や腎臓病への注意点も
中毒物質を遠ざける・体重と筋肉を保つ
ぶどうやユリ、人の薬は犬の届かない場所に置きましょう。また、痩せて筋肉が落ちた犬ほど腎不全の経過が悪いことが分かっています。無理のない散歩で筋肉を保ち、体重の変化を月1回は記録しておくと、異変に早く気づけます。
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末期の腎不全の老犬との過ごし方と看取り
ステージ4になり、点滴や薬をしても食べられない日が続くようになったら、「治す」ことよりも「つらさを減らして穏やかに過ごす」緩和ケアに重心を移す時期です。
- 皮下点滴と吐き気止めで、脱水と吐き気のつらさを減らす
- 食べたいものを、食べられる時に少しずつ。無理強いはしない
- 体温が下がりやすいので、毛布や湯たんぽで保温する(低温やけどに注意)
- 寝たきりになったら、2〜3時間おきに体の向きを変え、床ずれを防ぐ
- 口の中を湿らせ、目やにや排泄物をこまめにきれいにする
- 静かで安心できる場所で、家族がそばにいる時間を増やす
けいれんが止まらない、呼吸が苦しそう、痛みが強い、といった様子が続く場合は、安楽死という選択肢について主治医と話し合うことも、愛犬のための大切な判断の一つです。どんな選択をしても、ここまで一緒に過ごしてきた時間と向き合い方に間違いはありません。
老犬の腎不全・余命に関するよくある質問
犬の腎不全ステージ4の余命はどれくらい?
研究では、ステージ4で診断された犬の生存期間の中央値は13日と報告されています。ただし、点滴や吐き気止めで食べられるようになり、数か月過ごす犬もいます。食べられているか、尿が出ているか、吐き気が抑えられているかが、残された時間の目安になります。
皮下点滴を毎日している犬の余命は?
毎日の皮下点滴が必要になるのは腎不全が進んだサインの一つですが、点滴で脱水と吐き気が抑えられ、食べられていれば、数か月〜1年以上安定して過ごす犬もいます。点滴をしても食べない、吐き続ける、尿が減ってきた場合は、残された時間が短くなっている可能性があるため、主治医と今後の方針を相談しましょう。
腎不全の犬がご飯を食べなくなったらどうすればいい?
まず動物病院で血液検査を受け、脱水や吐き気、リンの上昇、口内炎などの原因に対する治療(皮下点滴・吐き気止めなど)を受けましょう。家では、ご飯を温めて香りを立てる、水分の多いごはんに変える、少量を回数を分けて与える、療法食の種類を変える、などを試します。療法食をまったく食べない時は、食べられる腎臓にやさしい食事を獣医師と相談して選んでください。
腎臓病の犬が食べてはいけないものは?
ぶどう・レーズンは急性の腎障害を起こすため厳禁です。また、煮干しや小魚、レバー、卵黄、チーズなどの乳製品、ジャーキーなどの加工肉は、リンや塩分が多いため控えます。人の食べ物や味付けしたものも避けましょう。食べていいもの・悪いものの一覧は、腎臓病の手作り食ガイドで解説しています。
老犬の腎不全の末期症状は?
食欲がなくなる、嘔吐を繰り返す、口からアンモニアのようなにおいがする、口内炎、強い貧血でふらつく、尿の量が減る、体温が下がる、けいれん発作、意識がもうろうとする、などが末期に見られる症状です。これらが出てきたら、つらさを減らす緩和ケアを主治医と相談しましょう。
老犬の腎不全は治りますか?
慢性腎不全で一度失われた腎機能は元に戻らないため、「治る」病気ではありません。しかし、食事療法・皮下点滴・薬で進行を遅らせ、症状を抑えながら、年単位で元気に過ごせることもあります。急性腎不全は、原因を取り除く治療が早ければ腎機能が回復することがあります。
まとめ:余命の数字よりも「食べられる・水分がとれる・体重を保てる」を大切に
- 老犬の腎不全の余命は、ステージ、食欲、体重、リンの値、貧血の有無で大きく変わる
- 研究の中央値は、ステージ2で475日、ステージ3で187日、ステージ4で13日。ただし個体差が大きい
- 食事療法は最も大切な治療。食べられないまま痩せることが一番の問題
- 皮下点滴は脱水と吐き気を楽にし、食欲を保つための治療。毎日の点滴=すぐに余命が尽きる、ではない
- 食べない・尿が出ない・吐き続ける・けいれんは、すぐに動物病院へ
- 7歳を過ぎたら年1〜2回の血液・尿検査で早期発見を
腎不全は進行性の病気ですが、飼い主さんの食事と水分のケア、動物病院との連携で、愛犬が穏やかに過ごせる時間を延ばすことができます。余命の数字にとらわれすぎず、今日の愛犬が「食べられているか」「楽そうにしているか」を一番の目安にして、できるケアを続けていきましょう。
参考文献
- International Renal Interest Society (IRIS). IRIS Staging of CKD (Modified 2026).
- Pedrinelli V, et al. Nutritional and laboratory parameters affect the survival of dogs with chronic kidney disease. PLoS One. 2020;15(6):e0234712.
- O'Neill DG, et al. Chronic kidney disease in dogs in UK veterinary practices: prevalence, risk factors, and survival. J Vet Intern Med. 2013;27(4):814-821.
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