愛犬に健康な状態で長生きしてもらうためには散歩や食事習慣の見直しなど様々に気を遣う箇所がありますが、中でも特に犬に欠かせないのが歯磨きです。
犬は食事はもちろん物をつかんだりする際も口で咥えるという方法をとりますので、人にとっては手と同じくらい大切なものです。
そんな歯も歯磨きをしないままではいつか病気にかかって満足に物を嚙めなくなる危険が潜んでいます。
今回は犬にとっていかに歯磨きが重要か、また歯磨きの習慣をつけるとしてその頻度はどれくらいがよいか、などについて解説していきます。
愛犬の歯磨きが重要な理由
犬に歯磨きが必要だといわれると多くの人が疑問に思うのが「野生の動物は歯磨きなんかしないじゃないか」という点ですが、実はこれは野生とペットの生活環境の違いにその理由があります。
実は多くの人が思うその感想通り、野生の動物は歯磨きをしなくても歯にまつわる病気をペットほどの確率で患うことがありません。
なぜなら野生の動物は固い肉や骨を日々かじって食べており、この「硬い物を食べる」ことが本来の歯の構造に適した食生活で汚れが蓄積しにくい可能性が高いのです。
その反面ペットとして飼われている犬は基本的にドッグフードなどの柔らかい食事を与えられます。
これらの柔らかい食事には本来肉を裂いて食べるための歯の構造が行う役割と異なる働きをさせているため、汚れは蓄積しやすくなります。
そのため食事とは別に歯磨きを行って歯をキレイにしてあげる必要があるのです。
ではペットにも硬い物を食べさせてあげればいいと思う人もいますが、それはあまり良い結果を招きません。
野生の動物は確かに硬い物を食べることで汚れを蓄積しづらくすることができています。
しかし、ペット用に小型に改良された犬が同じことをしようとすると食事をするだけで顎を酷使して体力を消耗したり、硬い物を消化するために内臓への負担もかかります。
歯も野生動物ほど大きく頑丈ではないため、摩耗し折れてしまうこともあります。
犬のルーツは野生の肉食に近い動物ですが、全く異なる動物です。
愛犬と少しでも長く寄り添っていきたいと考えるのであれば健康のためにも犬用のごはんを食べることが大切でありそれとは別に歯磨きもまた必要なのです。
犬が歯磨きをしないとどうなってしまうのか?
実際に歯磨きをしないとどうなるかというと、まず歯磨きをしない犬の歯にはどんどん歯垢(プラーク)ができていきます。
これは犬の口内にいる細菌が出す代謝物の塊で、いわば細菌の巣のようなものと考えてよいでしょう。
歯垢の状態ではまだ柔らかいですが、歯垢は徐々に唾液などに含まれるカルシウムやリン酸を取り込んで硬く硬化し、石灰化して歯石へと変化します。
こうなると簡単には歯からはがれなくなり、除去にはかなりの力が必要になりますし、自然に取れることもめったにありません。
硬くなった歯石は細菌を守って繁殖を助けてしまうのに加えて、歯茎を圧迫し、歯茎が細菌に感染して炎症を引き起こしやすくしてしまいます。
この炎症が口内の様々な症状へと発展していくことになってしまうので、歯磨きによって歯垢のうちに除去しておくことが重要なのです。
愛犬の歯磨きでおすすめの頻度
犬の歯垢は歯石になってしまう前に歯磨きで取り除く必要があります。
歯垢は一旦塊ができるとそこから加速度的に増えていくので、除去はなるべく早い方が結果的に手間や力が必要なくなるので、犬の歯磨き頻度は可能であれば毎日行うのが理想的です。
毎日なら5分で済む歯磨きも、週1回で取り切ろうとすると長い時間がかかってしまう場合があります。
すでに歯石になってしまうと歯磨きではもう取り除けなくなってしまいます。 また、毎日のごはんでの汚れを1日ずつリセットしてあげる必要があります。
大変ではありますが、1日1回犬の歯磨きをする時間を設けて習慣化するようにしてみましょう。
愛犬が嫌がる場合の対処法
犬が歯磨きを嫌がる場合には、犬一匹一匹ごとに何が嫌なのかを理解して対処してあげる必要があります。
いくつか方法を載せていくので自分の愛犬がもっとも受け入れやすい方法を探してみましょう。
指で歯磨きしてあげる
口の中に異物を入れられることを怖がる犬の場合は、飼い主さんが指で直接歯を磨いてあげる方法があります。
もちろん指はつるつるしているので、指歯磨き専用のシートやガーゼを指にしっかり巻き付けて、それでこすり取る形で行っていきます。
犬は信頼している飼い主の指なら我慢して歯を触らせてくれるかもしれません。
歯ブラシへの恐怖心をなくさせる
歯ブラシを最初は犬におもちゃとして与えてみましょう。
慣れ親しんだおもちゃとなれば犬も歯ブラシへの恐怖心を感じなくなるので、それで歯を磨かれても平気になる場合があります。
また犬が嫌がるときは無理に歯を磨こうとしないことも重要です。
嫌がればやめてくれるという安心感を与えることが、信頼してもらうためには必要なことだからです。
小さいころからスキンシップの一環として徐々に慣らしていき、ストレスにならずに行えるようにするとよいでしょう。
痛がる場合はすでに口内に炎症がないかチェック!
もし歯磨きをしようと口の中に触れた時犬が悲鳴を上げたりおびえる場合は、犬の口内にできた炎症などに触れてしまって痛みを感じている可能性があります。
一度犬に口を開けさせて異常がないかしっかりチェックしておきましょう。
歯石がべったりついていたり、歯茎に腫れや出血が見られる場合、歯が抜けそうな場合などは急いで動物病院で見てもらうようにしましょう。
愛犬の歯磨き粉やガムは使って良いのか?
歯磨きを行うときは、人間は歯ブラシと歯磨き粉を使用します。
愛犬の歯磨きは汚れを除去することが目的ですが、それではどのようなグッズを使用したらいいのか迷ってしまいますよね。
ブラシだけでいいのか、併せて歯磨き粉やガムを使ってもいいのか、迷う飼い主さんも多いのではないでしょうか。
歯磨き粉
基本的に歯磨き粉を使うことは問題ありません。 ただし、人間用のものでは刺激も強いため、犬用のものを使用しましょう。
歯磨き粉を塗れば歯磨き完了と思いがちですが、歯磨き粉を歯や歯茎に塗るだけでは不充分です。
歯磨きの一番の目的は、歯ブラシを用いて、歯と歯茎の間に蓄積しがちな汚れをかきだすことです。
歯磨き粉を併せて使用することで、口腔内の環境をより衛生的に保てるなどの効果は期待出来ます。
また、おいしい味がついているため、歯ブラシだけでの歯磨きだと嫌がる子も、おいしい歯磨き粉を使うことでおやつ感覚で楽しめるかもしれません。
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ガム
一番理想的なのは歯ブラシを用いての歯磨きとお話しました。
どうしても嫌がってさせてくれない子であれば、効果は歯ブラシよりも低くなりますが、汚れを除去して、口腔内環境を整えてくれる可能性はあります。
その場合、ただのガムではなく、歯磨き用のガムを選ぶことで、口腔内の状態改善により良い成分が含まれていると言えるでしょう。
また、ガムでの歯磨き効果を期待する場合は、奥歯でもしっかり噛んでもらった方が好ましいため、飼い主さんが持った状態で奥歯で噛ませるように心がけましょう。
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おすすめの犬の歯磨きグッズ5選
RICISUNG 犬 歯ブラシ 犬用歯磨き 透明ペット用歯ブラシ 10個セット
歯ブラシでの歯磨きが理想的とお話をしましたが、シートや指での歯磨きは嫌がらずに行なわせてくれるけれど、歯ブラシはまだちょっと難しいという子におすすめなのがこちらの商品です。
指サックの先についた柔らかいブラシで歯茎をマッサージしながら歯磨きが可能です。
最初はブラシに違和感を感じる子もいるかもしれませんが、歯磨きペーストを併用しながら上手にステップアップして慣らしていけると歯ブラシでの歯磨きに近づけるでしょう。
RICISUNG 犬 歯ブラシ 犬用歯磨き 透明ペット用歯ブラシ 10個セット はこちら
ビルバック (Virbac) C.E.T.歯みがきペースト チキンフレーバー 70g
歯磨きペーストの中にはこのようにおいしい味の付いている物もあります。
例えば今まで歯磨きを行ってこなかった子は、指にペーストを塗って、歯の表面につけて舐めてもらうことから始めると、嫌がらずに歯ブラシでの歯磨きへステップアップしていけるかもしれません。
色々な味のペーストがあるので、愛犬の好みを探してみるのも楽しめると思います。
ビルバック (Virbac) C.E.T.歯みがきペースト チキンフレーバー 70g はこちら
デンタルバイオ 10粒×10シート(犬・猫用)
動物病院でもお勧めすることのあるサプリメントです。 口腔内の環境をより良いものにしてくれることが期待出来ます。
歯磨きが完璧に出来て、プラスアルファでより良いことをしたい方や、歯磨きが全くできないからせめて何かをしたいという方におすすめです。
錠剤タイプですがフレーバーがついているのでお薬が苦手な子でも、嫌がらずに食べてくれる可能性があります。
色々なタイプのサプリメントが市販されているので、愛犬に最適な物を長く続けていけるとよいでしょう。
犬口ケア 歯ブラシ シリンダーヘッド
歯ブラシにステップアップした飼い主さんたちが直面するのが、ブラシ部分の狭い面積の歯へのあてづらさです。
愛犬の動きと、指先の時よりも狭い面積で効率よく歯磨きをすることは最初はなかなか難しい場合もあります。
この商品は360度ブラシ部分が植毛されているので、通常の歯ブラシよりも、ブラシ部分にあてやすく、ブラシでの歯磨きを始めたばかりで苦戦している飼い主さんにはおすすめです。
ビルバック (Virbac) C.E.T.ベジデントフレッシュ XS XSサイズ (15個)
歯ブラシも指も口の中に入れさせてくれなくて歯磨きは難しいという犬には、歯ブラシよりも効果は劣りますが、ガムでの汚れ除去も期待出来ます。
汚れが除去しやすいようなガムの形をしていて、成分も口腔内や消化器に良いものを使用しています。
体格によって、適するサイズが異なります。
愛犬に適したものを選んであげてください。
小さくなってしまうと丸呑みしてしまう可能性があるので、出来れば飼い主さんが近くで見守りながら与えてあげるとよいでしょう。
ビルバック (Virbac) C.E.T.ベジデントフレッシュ XS XSサイズ (15個) はこちら
毎日犬の歯磨きをして丈夫な歯を維持してあげよう
犬の健康には歯を清潔に保つことが必要不可欠です。
そのためにはできれば毎日しっかりと犬の歯を磨いてあげて、歯垢を取り除いてあげることが重要になるでしょう。
また歯周病は独特の口臭の原因になる為、口腔内を健康に保てると犬になめられて臭くなってしまうようなこともなく、より犬とのふれあいがしやすくなる面もあるかもしれません。
犬が健康で少しでも長生きするためや、より犬との触れ合いがしやすくなるためにも犬の口内環境を清潔に保ち、元気にご飯を噛める歯を維持してあげましょう。
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