健康で長生きするためには、犬も毎日歯磨きを行うことが理想的です。
しかし、人間と違って犬の歯はどのように磨いたらいいのか悩まれる飼い主様も多いと思います。
毎日の歯磨きに慣れてきたら歯ブラシを使ったケアが一番のお勧めですが、お家でのデンタルケアのファーストステップとして、そして歯ブラシよりも犬が受け入れやすくお家でも使いやすいのが、犬用の歯磨き用シートです。
この記事ではなぜ犬の歯磨きが重要なのかを解説し、犬の歯磨き用シートのメリットや使い方、お勧めの犬の歯磨き用シートについてもご紹介致します。
犬の歯磨きが重要な理由とシートの役割
犬の歯磨きがなぜ重要なのかというと、犬も人間と同じように歯周病になる可能性があるからです。
歯周病を放置すると、歯周病菌により歯の周囲の歯肉が溶けて歯が抜けたり、顎の骨が溶けてしまう可能性があります。
さらに、歯周病が引き起こす問題は口の中だけではなく、心疾患や腎疾患、肝疾患などの 病気とも関連があると言われています。
歯周病の原因は、歯についたドッグフードなどの食べかすに細菌が付着してできる歯垢によるものです。
歯垢は3日ほどで固い歯石になります。
歯垢は柔らかくお家でのケアで取れますが、歯石はお家でのケアでは取れない上に歯石の表面はザラザラしてるので、さらに歯垢が着きやすくなるという悪循環に陥ってしまいます。
また、お家でのデンタルケアを行わない小型犬では生後9か月くらいから歯周病が始まる可能性があるとも言われています。
犬は、自分で歯を磨くことはできません。 そのため、人間が歯を磨いてあげる必要があります。
しかし、口元を触られるのを嫌がる犬もいるので、いきなり歯磨きを行うのはお勧めできません。
まずは口元に触れることから始めて、唇をめくる、口の中に指を入れて歯に触れるなど 少しずつ慣らしていくことが大切です。
歯と歯茎の間の汚れについては、歯ブラシほどは磨きにくいものの、 犬の歯磨き用シートは、犬に安心感を与えつつ磨けるメリットがあります。
犬にとって口の中を触られるのは、かなりのストレスになる可能性があります。
しかし、犬の歯磨き用シートは、飼い主が指に巻いて使うので、スキンシップをしながら、歯磨きをすることができます。
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歯磨きシートは歯磨き代わりになる?
お家でのデンタルケアの目的は、柔らかい歯垢を取り除くことです。
歯磨き用シートでも歯の表面の歯垢を綺麗に取り除くことができるので、お家でのケアとしては十分歯磨きの役目を果たしていると言えます。
ただし、歯と歯茎の間などの細かいポケットの部分の汚れだけは、歯ブラシの様には綺麗にとれないというデメリットがあります。
「歯ブラシは無理だけど歯磨き用シートなら嫌がらない」という理由で、自宅では歯磨き用シートを使ってケアをして、動物病院に連れて行って定期的に歯ブラシを使ったケアをお願いするという方もいらっしゃいます。
この様に犬が嫌がらない方法を色々試して、かつしっかりケアをする工夫も大切です。
愛犬の歯磨き用シートを使うメリット
犬の歯磨き用シートを使うメリットは、歯の一本一本を丁寧に磨くことができるところです。
犬の歯磨き用シートは、直接指で歯の感触を確かめながら、擦るように磨くことが可能で、犬にストレスを与えないという点も大きなメリットになります。
この様に愛犬も飼い主もストレスなく行える上に、 直接指で触れることで、口の中の異常を発見しやすいのも歯磨き用シートの優れた点です。
シートを使った愛犬の歯磨きのやり方とその注意点
犬の歯磨き用シートの使い方は、まず指にシートをしっかりと巻きます。
巻く時はシートはまっすぐ巻くのではなく、斜めに巻いて先端を尖らせるようにしましょう。
先端を尖らせた方が、小さい歯や細かい部分も磨きやすくなります。
そして、犬の横の方からそっと滑り込ませるようにして、口の中へと指を入れます。
片方の手で唇を軽くめくりながら磨くと、歯と歯茎を確認しながら磨くができます。
前から奥へと向かって磨いていくようにして、丁寧に一本一本を磨いていきます。
また、シートがヒラヒラすると犬がじゃれついてきたり、歯に引っ掛かったりするため、磨いている最中もシートが緩まないように注意しましょう。
さらに、注意することとしては犬が誤ってシートを飲み込まないようにすることです。
ケアが終わった後は、犬がいたずらをしないようにしっかり捨てることを忘れないようにしましょう。
歯磨きシートを使う頻度
歯周病の原因となる歯垢は、そのままにしておくと3日位で固い歯石になってしまいます。
可能であれば毎日しっかり歯垢を取り除くことが理想です。
ただし、毎日できなくても2日に1度でもできる範囲で歯のケアを行うことが大切です。
全くケアしていない歯と少しずつでもお家でのケアを継続している歯の汚れは全然違います。
少し間隔が空いてしまっても継続することが非常に重要です。
おすすめの犬の歯磨き用シート5選
LION VDS 犬猫用デンタルシート
歯周病菌の抗菌作用があると言われる明日葉ポリフェノール配合。
エッジ構造&ミクロの網目で歯の表面の汚れをかきとる効果があり、 動物病院でお勧めしています。
きれいになるので定期的に購入される方が多く、一押しのデンタルシートです。
LION PETKISS 歯みがきシート ペット用
同じくライオン製品で、2種類の網目で汚れをかき取り、 上の製品よりお安いので経済的です。
無香料とアップルの香りがあり、愛犬の好みに合わせて選べます。
犬口ケア歯磨きウエットシート
犬が好むミルクの風味のウエットシートです。
銀イオンと緑茶エキスが口臭を軽減する効果があり、 ノンアルコールタイプなので安心です。
歯垢トルトル プラケアシート
富士山の天然水を使用し、研磨剤(炭酸Ca)を使った歯磨きシートです。
研磨剤を使用しているので、落ちにくい汚れが落ちやすいのが特徴です。
安価で使いやすい商品です。
ふしみ和紙アート研究所 ワンコ歯石トルン
丈夫な国産すき和紙でできた珍しい歯みがきシートです。
天然鉱石ゼオライトを和紙にすき込み、歯石を吸着させる効果も期待できる 環境にもペットにも優しい商品ですが、少し価格がお高めなのが気になる点です。
犬用の歯磨き用シートで愛犬の歯磨きを簡単に!
犬用の歯磨きシートを選ぶ際は、柔らかくても破れやすかったり、愛犬が嫌がる匂いのものもあるのでまずは動物病院で相談してみるのもひとつの方法です。
世界的に、3歳以上の犬猫の8割以上がすでに歯周病になっていると言われています。
愛犬がきれいな歯で元気に過ごせる様、この記事が少しでもお役に立てれば幸いです。
参考文献
Veterinary Information No.19
犬猫の歯周病 イラストで見る犬の病気 小 動 物 歯 科 診 療 の 歴 史 な ら び に 現 状 と 展 望(Ⅱ)藤田桂 一