人でも辛い猛暑が続く日本ですが、当然ながら人と密接に関わりながら生きている犬にとっても、この猛暑の影響は深刻です。
特に家庭によっては家の外で飼っている事もあり、その場合は特に犬の夏バテには注意が必要になってきます。
とくに暑い季節などに犬が嘔吐を繰り返す場合、それは夏バテの影響によって起きている可能性もあるからです。
そこで今回は犬の夏バテが嘔吐を引き起こしている可能性についてや、夏バテの症状とは違う場合の嘔吐との見分け方などについて解説していきます。
犬の嘔吐は夏バテが原因?
大切な愛犬が嘔吐をするような場合、6月から10月にかけての暑い季節であれば原因に夏バテを含めて考える必要があるでしょう。
一見嘔吐と夏バテは関係性がないように思われがちですが、実は夏バテによって影響を受ける内臓器官には消化器系が含まれています。
そのため夏バテが原因となって嘔吐につながるケースもよく見られるのです。
また嘔吐に加えて下痢をしてしまうケースもあります。
犬は夏バテになると、食欲不振が最初のサインとなっており、その後嘔吐や下痢、唾液が異常に出るなどの変化が現れます。
ワンちゃんは暑さに弱い体質
犬は全身を被毛に覆われており、人間のように全身から汗をかくこともできない関係上、暑さには弱い生き物です。
加えて日本は世界でも有数の高温多湿な環境であり、直射日光から逃れられたとしても、湿気を持った空気は熱を持ちやすくなっているため、サウナのような環境になってしまい熱から逃れる事ができません。
そんな高温の環境では熱に弱い犬はあっという間に体温が上がってしまいます。
口を開けて唾液を蒸発させることである程度気化熱によって体温を下げる機能は備わっていますが、日本の気候では焼け石に水と言えるでしょう。
そのため、いくら人間が我慢できる気温でも、犬の体では絶えられず夏バテになってしまい、嘔吐などを引き起こしてしまう事があるのです。
犬が嘔吐してしまう夏バテ以外の原因は?
夏バテの症状として嘔吐が有るとはいえ、犬が嘔吐したから即夏バテだと断定してしまうのは危険です。
病気
嘔吐が予兆となる病気には夏バテと同等かそれ以上に危険な病気もあるからです。
嘔吐は主に消化器系の不調によって起こるため、消化器に影響を及ぼす病気として胃腸炎・膵炎・腸閉塞・胃捻転などが考えられます。
また散歩でいつもとは違うルートに行くなどして何かのウィルスに罹ってしまうケースも考えられます。
その場合は
- 犬パルボウイルス
- 犬ジステンパーウイルス
- レプトスピラ
- 犬コロナウイルス
などの感染症や犬伝染性肝炎が疑われます。
どの病気も病院での治療が必要となるものであり、注意が必要です。
異物の誤飲
またそうした病気が進行した結果によって起きる嘔吐以外にも、元気だったのに急に嘔吐する場合は毒物や異物を飲み込んでしまったケースなども多く見られるものです。
また毒物などでなくても純粋に水を飲みすぎてしまった時も戻してしまう事があり、夏場だからと飲ませすぎてしまうのも考えものです。
水と同じくご飯も食べすぎてしまうと嘔吐を引き起こしますし、量が管理されていたとしても、食事内容を今までの物とは違うものにすると、犬の胃が驚いて受け付けず嘔吐してしまうケースもあります。
新しい食べ物を与える際は少量ずつ慣れさせて、様子を十分に見たあとで食事に組み込むようにする事が大切です。
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犬が夏バテが原因で嘔吐した時は食事を見直そう
犬の嘔吐が夏バテによる軽いものである場合、食事を改善することで快方に向かうことも十分考えられます。
特に夏バテ中の犬は食欲が落ちていて食べ残しなども出てくる事が多いため、今までの食事内容や与え方などに工夫をしていく必要があります。
水分の豊富な野菜や果実を与える
水分を多めに取ることは犬にとっても夏バテを防ぐ重要なポイントです。
オススメなのはスイカやきゅうりなど、水分だけでなくミネラルやビタミンなども豊富に含まれている物です。
キュウリというとアスコルビン酸酸化酵素によるビタミンC破壊なども気になりますが、犬はビタミンCを体内生成する事ができるので問題ないでしょう。
ウェットフードなどに切り替える
ウェットフードは水分を多く含む事に加え、柔らかく食べやすいこと、香りが立つので食欲が落ちている犬でも食べる気が起きやすいなどのメリットがあります。
ドライフードに水分を足してみる
ドライフードに水分を足す方法でも、犬のご飯を柔らかく且つ水分豊富にする事は可能です。
オススメは肉の茹で汁をドライフードに足してあげる方法で、鶏胸肉やササミなどを茹でて汁と一緒にドライフードに入れてあげれば動物性タンパク質をしっかり摂取させることができます。
食事の回数を増やす
犬の食欲が弱い時は、食事の1日あたりの総量は変えず、回数を増やす方法も良いでしょう。
ご飯は少量ずつ食べた方が胃への負担が少なくなるので、夏バテで弱っている消化器官でも消化しやすくなります。
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夏バテで嘔吐が止まらない時は病院へ
嘔吐の程度が軽い物であれば、犬をクーラーを効かせている部屋に連れていき、水分を摂取させる、食事を見直すなどして様子見をしても良いでしょう。
しかしそれでも体調が改善されず、嘔吐を繰り返す場合は迷わず病院で受診させる事が大切です。
特に嘔吐が予兆となる病気には症状の重いもの等も含まれており、処置が遅れたことで命が脅かされる危険性もあるからです。
また病気は早期発見であればあるほど、薬などで治療できる可能性が上がりますが、発見が遅れればそれだけ手術をするしかなくなる可能性が高くなっていきます。
薬での処置であればおおよそ3000~5000円程度で済んだはずの病気が、大掛かりな検査や手術などをする場合10万円を超える治療費がかかることも有ります。
基本的には早く病院に連れて行ってこまめに見てもらう方が、犬の健康を維持する意味に加え、飼い主にかかる医療費の負担なども最終的には安くなります。
犬に異常が見られた時は転ばぬ先の杖として、早めの受診を心がけておきましょう。
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夏場の犬の嘔吐は夏バテかも!しかし止まらない時はすぐ病院へ
犬は暑さに弱いため、夏バテなどを起こしやすい傾向にあります。
その症状として消化器系への負担が嘔吐を引き起こすのです。
水分やミネラルの多い食事にすることで改善する事もありますが、それでも嘔吐が止まらない場合別の病気の可能性もあります。
その場合は早めに病院に連れて行った方が治療も薬だけで済む可能性が高くなりますし、医療費も安く済む事がほとんどです。
しかし発見が遅れ重症化すると犬の命にも危険が及びますし、医療費も文字通り桁が2つほど変わるため、嘔吐が続く時は早めの受診を心がけましょう。