愛犬が食ふんしていた時のショックは大きいですよね。
実は食ふんする理由はたくさんあり、原因をしっかりと特定して、改善してあげることが大切です。 今回は愛犬が食ふんする理由と対策、食ふんによって引き起こされるリスクについて獣医師の方のご意見のもと解説していきます。
犬の食ふんに悩む飼い主は多い
飼っている犬がうんちを食べる食ふんは、そう珍しいことではありません。
カリフォルニア大学が行った食ふんに関する調査では、約3000頭の犬の飼い主に食ふんの実態を尋ねたところ、16パーセントの犬が日常的にうんちを食べているという回答を得られました。
国が違っても犬の行動は大きな違いがでるものではありませんから、日本でも同様に犬の食ふんに悩む飼い主は多いでしょう。
しかし、同じ悩みを抱える飼い主が多いという事実は、飼い主に安心をもたらすとしても、食ふんを受け入れる気持ちにはつながりません。
愛犬に食糞をやめさせるためにも、何らかの対策を講じる事が必要です。
犬がうんちを食べる(食ふん)リスクは?
愛犬のリスク
愛犬がうんちを食べたからと言って、すぐに病気になるリスクは低いです。
なぜなら、健康な状態であれば害になる細菌は含まれていないからです。
また犬の胃酸は、酸度が強いという特徴がありますから、健康被害を及ぼす細菌が含まれていたとしても、死滅する可能性が高いので再び体内に取り込んでも問題にはならない可能性が高いです。
しかしながら、散歩をしているときに病気にかかっている犬のうんちを食べてしまうと、病原菌に感染するリスクがでてくるので気をつけなければいけません。
また細菌以外のリスクも考えるべきで、うんちの中には寄生虫が潜んでいることもあります。
寄生虫も、よその犬がだしたうんちから体内に取り込んでしまうと厄介です。
飼い主さんのリスク
犬ではなく飼い主に与えるリスクを見ると、口が臭くなる、うんちを食べた口で近づかれるのは不快だという精神的なものをまず挙げられます。
不快な思いをして犬を飼うことになったら、次第に愛情が薄れて真剣に飼おうとする意欲がなくなるでしょう。
それが長く続くと、手放したいという気持ちを抱いても不思議ではありません。
精神的なリスクで言えば、世間体が悪くなることもあります。
散歩をしている最中に、愛犬が食糞をしている姿を近所の人に見られると、あたかも飼い主が容認しているように見られます。
同じように犬を飼っている人であれば理解してくれるでしょうが、そうではない人は飼い主に悪い印象を持つこともあるでしょう。
無論、飼い主へのリスクは健康被害も含まれます。
胃酸で死滅する細菌も、口の周りではまだ生きている状態です。
細菌がついた口で、物をかじったり飼い主を舐めたりすれば、そこに細菌が付着します。
飼い主は目に見えない細菌に気が付かず触れることで、自分の体内に取り入れるリスクがでてきます。
人間と犬に共通する感染症もありますから、そのせいで病気を発症する恐れもあります。
飼い主の健康を守るためにも、食ふんはやめさせた方が良いでしょう。
犬がうんちを食べる(食ふん)9つの理由
ドッグフードが足りない
ドッグフードが足りないと、愛犬は空腹に悩まされます。
特に育ち盛りの若い犬の場合には、代謝もよく運動量も多いので空腹になりやすいので注意しなければいけません。
食事の回数や量が少なく空腹に悩まされたら、腹を満たすため、そして不足した栄養を補うためにうんちを食べようとします。
空腹や栄養不足のために食ふんをするのは、本能的な行動ですから言葉で注意したとしても簡単にはやめてくれないでしょう。
食事をしたあとに、まだおかわりを欲するのであればドッグフードが足りていないという可能性も高く、食事の回数や量を考え直したほうが良いです。
ストレス
人間と同じように犬もストレスが溜まる生き物です。
飼い主がかまってくれないとか、散歩に連れて行ってもらえないという不満が、やがては大きなストレスとなりうんちを食べるという行動へと駆り立てます。
飼い主が犬の精神的負担をゼロにできるように、生活を犠牲にしてまで寄り添う必要はありませんが、必要最低限の体力やストレスを発散させてあげることは飼い主の責任です。
食ふんをするくらいにストレスが溜まっているならば、やがては可能性もあるので放置せずに対処するべきです。
おもちゃとして遊んでしまう
特に若齢の子犬に多い理由です 暇で、自分の近くにうんちが落ちている場合、おもちゃとして認識し、食べたりいたずらすることがあります
出来るだけ早めに取り去るなど、配慮してあげる必要があります。
消化不良
食べ物ではないうんちを食べ物として認識するのは、食べたドッグフードがまだ残っているときに起こりやすいです。
特においしいドッグフードを与えていると、うんちの中に香りや味が残っているので好んで食べるようになります。
この場合には、なぜドッグフードがまだ残っているのかを考えなければいけません。
食べたものが消化されずに出されるということは、胃腸の働きが衰えているということで、病気や寄生虫の影響も考えられるので、かかりつけの獣医師に診てもらった方が良いでしょう。
うんちを隠したい
過去にうんちに関するしつけを厳しくすると、うんちをすること自体が悪いことだと認識するようになります。
そのため、うんちを出したら飼い主に見つからないように食べて隠そうとします。
誤解ではありますが、一度覚えてしまったことをそう簡単には修正することはできません。
うんちのしつけは、犬を飼うならば基本であり、確実に覚えさせるべきことです。
しかし、しつけだからといって叱りすぎることがないように気をつけたほうが良いでしょう。
綺麗にしたい
うんちが排泄された後に放置されたままだと、気になってしまうこともあります。 人間と同じで綺麗好きな犬もいます。
特に子犬の頃からの狭い空間でうんちと近い距離で長時間いることで、自分の空間の中に汚いもの、気になるものがあるため取り除きたいために食べてしまう可能性もあります。
衛生面でも、排泄された糞便をそのままにしておくことは良くありません。 排泄をしたら早めに取り除きましょう。
かまってほしい
うんちをして食べてしまったときに、声をかけている場合に起こりやすいです。
叱ったつもりでも、言葉を確実に理解しているわけでないため、自分の相手をしてくれたと勘違いしてしまい、相手をしてほしくて食べているのかもしれません。
スキンシップの時間を増やすなどの寂しさを満たせる対策を考えましょう。
同時に、食ふんしたときの対応を変えなければなりません。 食ふんをしたら、黙って片付ける、その後しばらく相手をしないなど、声かけ以外の対応に変えましょう。
寄生虫や病気
お腹の調子が悪く、消化吸収が上手に出来ていないため、食ふんをしているのかもしれません。
便の形状が緩かったり、取り除くときにつかみにくいなどの症状がある場合は疑わしいです。
健康のためにもそのままにすることは良くないため、出来るだけ早めに受診してください。
その際に検便をする可能性が高いです。 出来るだけ新鮮な便を採取して持っていくと、診察がスムーズに進むかの診察がスムーズに進みやすくなります。
お母さんや兄弟の真似をしている
一緒にいる犬たちの真似をして食ふんをしている可能性もあります。
多頭飼いをしている場合、血縁関係が無くても、一緒に家で生活をしている先輩犬の真似をすることがあります。
ものごとの良い、悪いがわからない場合、特に同じ行動は真似されてしまうかもしれません。
他の犬についても食ふんをやめさせるしつけをしながら、一緒に暮らす犬たち全頭が食ふんをしなくなるようにする必要があります。
時間はかかると思いますが、長期戦でしっかりとしつけていきましょう。
https://coco-gourmet.com/archives/270
犬がうんちを食べる(食ふん)の6つの対策
空腹を避ける
空腹が原因で食ふんをする場合、ごはんの量が適切でないときはお腹が空かないよう、量を適切なものにしたり、満腹感の得られる質のものなどにする必要があります。
食欲旺盛な子はそれだけでも改善できない可能性が高いので、排泄後はすぐに除去するなどの対策もとる必要があります。
病気にかかってないか確認する
消化不良や感染・消化器の不調による食ふんの場合、長く続くと健康状態も悪くなり、最悪の場合死に至る可能性も生じます。
病気の可能性がある場合は、すみやかな受診が必要となります。
食ふんが愛犬が示す体調のSOSサインかもしれません。
他の可能性が低い、色々対処をしても改善されない場合や、便の状態が悪いなどの症状の併発がある場合、病気の可能性を疑った方がいいかもしれません。
うんちをすぐに片付ける
どんな原因の子であっても、しつけをするのと並行して、うんちをすぐに片付ける習慣をつけなければなりません。
衛生的にも、うんちがお部屋の中にずっと存在することは望ましくなく、食ふんをしなくても、踏んでしまって皮膚炎につながるなどのリスクもあります。
きれい好きで食ふんをしている子は片づけることが食ふんの予防に直結できる可能性が高いです。
その他の原因の子も、他の対策に合わせてうんちを早くかたづけることで、早い解決につなげられる可能性があります。
ストレスを発散させる
精神的な問題から食ふんをしている場合、犬を満たしてあげることで食ふんの頻度を減らせるかもしれません。
スキンシップの時間を増やして寂しさを満たしてあげたり、運動が少ないと感じている場合は散歩時間などの体力の発散の時間を増やしてあげるの良いでしょう。
その子によって感じているストレスは様々なので、何を発散させてあげる必要があるか、把握したうえで対策を考えてあげてください。
うんちにわさびや唐辛子などの嫌な風味をつける
うんち自体を食べる気をなくさせる方法がこちらです。
食べた際に刺激を感じるようにわさびや唐辛子をかけたりすることで、嫌な刺激により食ふんが減るという説があります。
人間用のわさびなどのおすすめはあまりできませんが犬用の食ふん防止のグッズとして、糞に唐辛子の成分をかけることで食べようとした際に刺激がわかり、頻度が減るというものをしようしてみてもよいかもしれません。
ただし反応は個体差があると言われているので、これだけで完全にしなくなるのは難しい可能性が高いです。
トイレを失敗しても怒らない
トイレを失敗して怒られたことがトラウマになって、隠そうとしたり、酷い場合排泄自体を我慢するようになってしまう可能性があります。
また、この場合飼い主さんに対しても恐怖心を感じている場合もあるので、相互の関係性の見直しも必要と言えるでしょう。
トイレを失敗しても怒らないことを最低限行いながら、普段のしつけの仕方も、愛犬の性格を考慮したうえで、適切な方法を再度考えましょう。
時間はかかるかもしれませんが食ふんの改善だけでなく、愛犬とのより良い関係が構築できるかもしれません。
サプリメントを飲む
腸内環境が整っていないために、食ふんをしている場合、消化器の状態の改善が期待できるサプリメントを飲むのも選択肢の一つです。
サプリメントも色々な種類があり、乳酸菌などの腸内環境を整えるものや、消化酵素のような消化を補ってくれるものなど様々です。 愛犬に合うタイプを見つけてあげましょう。
わかりづらい場合、かかりつけの獣医師の先生に相談しておすすめのものを教えてもらうのもいいかもしれません。
ドッグフードを変える
どんなにいいと評判のドッグフードでも、適するフードは犬によって様々です。
もしかしたら愛犬に最適なフードが与えられていない可能性もあります。
フードの見直しをしてみても良いでしょう。
市販の消化器に良いと表記のあるフードのタイプに変えてみても良いと思います。
わかりづらい場合、療法食で食物繊維が豊富だったり低脂肪で消化器に良いとされているフードに変更するのも選択肢の一つです。
その場合は自己判断ではなく、必ず獣医師の受診をしたうえで、最適な療法食を選んでもらうようにしましょう。
愛犬がうんちを食べる理由を突き止めることが重要
愛犬がうんちを食べる様子を見たら、やめさせたいと思うでしょうが、理由がわかっていないと適切な対策を講じることはできません。
その理由を探るヒントは、愛犬の振る舞いや飼い主の行動の中にあります。
時間はかかるかもしれませんが、今後に多様な問題が怒る可能性があるため、根本解決が大切なので慌てずに理由を考える時間をつくりましょう。
もし、飼い主の力だけでは解決が難しいときには、獣医師やブリーダーなどの専門家に相談をすることで、有益なアドバイスをもらえます。
ときには一人で悩まずに、他人の力を借りることも必要です。