愛犬がウンチを食べている姿を初めて見て、驚いてしまう飼い主さんは少なくありません。
「食ふん」は子犬の頃によく見られる行動です。
成長するにつれて落ち着くケースがほとんどなので、子犬の食ふんはあまり心配しなくても良いと言えるでしょう。
しかし、成犬の食ふんに関しては様々な原因が考えられるので、少し注意が必要です。
飼い主にとって心配な行為である食ふんですが、「食ふんしやすい犬種」にはどのようなものがあるのでしょうか。対策と共にご紹介していきます。
食ふんしやすい犬種
食ふんしやすい犬種を、以下にまとめました。
ミニチュア・ダックスフンド
ダックスフンドは3つのサイズに分かれていますが、そのなかで中間サイズにあたるのがミニチュア・ダックスフンド。
胴長短足、そして長い垂れ耳が特徴の人気犬種です。
人懐っこくて好奇心が強く、陽気な性格をしているのが特徴。少し頑固なところがありますが、非常に賢く順応性も高いです。
食ふんしやすいという一面はありますが、しつけやすい犬種でもあるため、飼い主が上手にコントロールすることで解決していく可能性は大きいです。
トイ・プードル
社交的で、非常にお利口な性格をしていることが多いトイ・プードル。
他の犬とも友好関係を築きやすいという、先住犬がいる飼い主にとっては嬉しい特徴を持っています。
元々は水鳥回収を行う狩猟犬だったので、水遊びを好む一面も。
無駄吠えも少なく、飼いやすい犬種です。
食ふんに関してはミニチュア・ダックスフンドと同様しつけのしやすい犬種であるため、飼い主のコントロールが重要な鍵となりそうです。
ビーグル
ビーグルは明るく活発な性格の、よく通る吠え声が特徴的な犬種です。
「スヌーピー」のモデルとしても有名で、愛らしい大きな垂れ耳を持っています。
ひとりで過ごすのが苦手な犬種なので、長い時間一緒にいられる飼い主に向いているかもしれません。
好奇心旺盛で何でも口に入れてしまうため、食ふんには注意をしておく必要があります。
ラブラドール・レトリーバー
大きくて賢く、優しい性格をしているラブラドール・レトリーバー。
聡明な犬種であるため、盲導犬や警察犬、麻薬探知犬としても活躍しています。
暑さに弱いという特徴があるため、室内で飼うことが望ましいでしょう。
穏やかな性格の犬種ですが、2歳頃まではやんちゃで好奇心旺盛なのだとか。
食ふんの可能性もありますが、誤飲事故にも気をつけて飼育していくことが大切です。
フレンチ・ブルドッグ
フレンチ・ブルドッグは短い鼻とシワの多い顔が特徴の、世界的に人気のある犬種です。
社交的な性格で遊ぶことも大好きです。
その反面独占欲が強く、他の犬に対抗心を持ってしまうケースもあるとか。
子犬のうちから様々な人・犬に慣れさせておくこと、そして「待て」などのしつけをしっかりしておくことが望ましいです。
好奇心旺盛で食ふんもしやすいですが、ストレスが原因の場合もあるので、愛犬からのシグナルを見極めることが重要です。
ゴールデンレトリバー
大きくて、とても友好的なゴールデンレトリバーは、とても利口で飼い主さんと良好な関係が築きやすいと言われています。
運動能力が高く、好奇心旺盛のため、散歩時間が少ないなどで発散が上手くできないと、自分の排泄物も興味を持ちおもちゃ代わりに遊んだり食ふんにつながる可能性があります。 愛犬が寂しい思いをしないよう、充分なスキンシップと発散の時間を設け、食ふんが習慣になることが無いようにしつけの一環として教えていきましょう。
犬が食ふんをする理由
まずはじめに、どの犬種であっても、犬はウンチをそれほど「汚いもの」とは思っていません。
母犬が子犬の排泄を手伝うとき、お尻から出たウンチを食べて処理をすることがあります。
そうすることで子犬を清潔に保っているのです。
子犬はそれを見て育つので、犬にとっての「食ふん」は、ごく自然な行為であると言えるでしょう。
本能的な面から見ると、犬の食ふんは野生の名残であるとも言えます。
理由は様々ですが、寝床の環境をきれいに保つため、排泄の痕跡を消して敵から身を守るためなどが考えられます。
一方で、栄養が足りていない犬が食事の代わりとして食べているケースや消化不良が原因で、ウンチにフードのにおいが残っていて食べてしまっている場合もあります。
犬は言葉を話せないので、飼い主は愛犬の出すシグナルにしっかり気付き、解決してあげることが大切です。
体重の増減など健康状態はこまめにチェックし、気になることがあれば獣医さんに見てもらいましょう。
食ふんをする理由について気になった方はこちらをご覧ください。
https://coco-gourmet.com/archives/267
犬の食ふんはリスクがある?
前述のように、犬自身はウンチをそこまで汚いものとは捉えていません。
食ふんが大きな病気に直結する可能性も低いため、あまり心配しすぎる必要はないと言えるでしょう。
しかし、食ふん行為をそのまま放置してしまうのは良くありません。
また、体内に寄生虫がいた場合、ウンチとして排出した寄生虫を再び取り込んでしまうことになりかねません。
更に、もし食ふんが習慣化してしまえば、他の犬が排泄したウンチまで食べてしまうこともあります。
そこから寄生虫や菌に感染して、病気になってしまうということも考えられます。
犬の食ふんは珍しいことではありませんが、そのままにしておくことはやめた方がいいと言えます。犬種によってしつけ方には工夫が必要かもしれませんが、大切な愛犬の健康のため、飼い主は根気強く対策していきましょう。
犬の食ふん対策
犬の食ふんには「飼い主の目の前で食べる」場合と「飼い主が見ていない時に食べる」場合があります。
それぞれで対策方法が異なるので、ケースごとにご紹介します。
飼い主の目の前で食べる
この場合の原因としては、単純な興味・好奇心によるものや、飼い主の気を引くためなどが考えられます。
食べてしまった後でしつけることは困難なため、対策としては「食べる前にウンチから興味をそらす」ことが重要。
愛犬がウンチをしたら、おやつなどのご褒美を使ってその場から遠ざけ、その間にサッと掃除してしまいましょう。
この時さりげなく片付けないと、かえって愛犬が興味津々で近づいて来ることがあります。飼い主の素早い対処が肝心と言えるでしょう。
食ふんしている所を目撃した場合、リアクションをしないことも大事です。
ショックでつい声をあげたくなってしまいますが、愛犬は「飼い主が注目してくれた」と勘違いし、ますます食ふんしてしまう可能性もあります。
また、食ふんに対して怒ると「ウンチ自体してはいけない」と思ってしまう犬もいます。
決して叱らず、「ウンチをした後、飼い主の所へ行くといいことがある」と覚えさせるようにしましょう。
どうしてもウンチから離れない場合、食ふん対策用として売っている苦い味のするスプレーを使って「ウンチは美味しくない」と覚え込ませるのも一つの手です。ただし、スプレーもその個体の性格により、まったく効果が無い場合もあります。
飼い主が見ていない時に食べる
飼い主の留守中や見ていない時に食ふんしてしまう原因には、退屈や好奇心の他、片付けのつもりで食べている可能性もあります。
この場合も、食べてしまったことを叱ってはいけません。
食べてしまった後で叱っても、食ふんが悪いことという理解にはつながらないからです。
帰宅後に食ふんした後があれば、黙って淡々と片付けてしまいましょう。
普段ウンチをした後でご褒美をもらう犬であれば、それだけで「ウンチを食べるとご褒美がもらえない」と覚えていきます。
どちらにしても、普段から「ウンチをしたらすぐ飼い主の所へ行く」と愛犬に覚え込ませることが大事です。
そして愛犬がウンチをしたら飼い主はご褒美を与え、その隙にさりげなく片付けてしまいましょう。
犬種によってしつけやすさの違いもありますが、少しずつ確実に覚え込ませることで、食ふんが習慣となることを防ぐことはできるはずです。
食ふん対策について更に知りたい方はこちら
https://coco-gourmet.com/archives/267
怒るのではなく、しっかりと対策することが大切
食ふんしやすいと言われる犬種はありますが、もちろん個体差も大きいです。
大切なのは、飼い主が愛犬の性格をよく理解し、ストレスにならないような食ふん対策を工夫してあげるということ。
愛犬がウンチを食べる姿は、飼い主にとってショックが大きいことでしょう。
しかし、大声をあげたりむやみに叱ったりせず、「ウンチから離れたらいいことがあるんだよ」と、ゲームのように楽しんでしつけていくことが大切です。
大切な愛犬の健康のため、食ふんの原因をしっかり見極め、焦らずコツコツと対策していきましょう。