犬の貧血は、体内の酸素運搬を担っているヘモグロビンの濃度が低下している状態です。
ヘモグロビンは、赤血球の中に存在しており、赤血球が産生されなかったり、破壊されたりすると減少していきます。
その結果、体内の組織に酸素を運搬することができず、元気、食欲の低下などさまざまな症状を呈します。
今回は、犬の貧血に良いとされる食べ物を紹介し、貧血の症状、原因、飼い主さんができる食事のポイントを解説していきます。
愛犬の貧血に良い食べ物
貧血に良いとされる食べ物にはどのような物があるのでしょうか?
ここでは、愛犬の貧血予防に食べさせて良いとされる食べ物を紹介します。
レバー・牛肉・赤身
レバーは、貧血時に不足しがちな鉄や増血作用のあるビタミンB12を多量に含んでいます。
その他、皮膚や粘膜、目の健康維持に役立つビタミンAも多量に含まれており、愛犬の総合的な免疫向上にも良い作用をもたらします。
牛肉や赤身もタンパク質のほかに、鉄を多量に含んでおり貧血予防に適した食べ物であると言えるでしょう。
レバーよりも脂質が少ないので、脂肪分が気になる方は牛肉や赤身を与えてあげましょう。
小松菜・ほうれん草・ブロッコリー
小松菜やほうれん草は、鉄を含んでいる野菜として有名であり、貧血予防に適しています。
特にほうれん草は、葉酸やビタミンCという増血ビタミンが鉄の吸収を助け増血を促すので、貧血の子にはぜひ食べさせてあげたい食材です。
ブロッコリーは、鉄の吸収を促す増血ビタミンであるビタミンCの含有量が野菜の中でトップクラスに高いです。
ただし、ビタミンCは水に溶けやすく、また加熱も弱いため、茹ですぎないように注意が必要です。
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海藻類
海藻類は、ビタミンやカルシウムなどのミネラルも含んでいますが、鉄も多量に含んでおり、愛犬の貧血対策にはぜひ与えてあげたい食べ物です。
しかし、海藻類は犬にとっては消化しづらい食べ物であるので、細かく刻んだり、しっかり煮出して、スープとして与えるのがおすすめです。
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愛犬の貧血が起こる原因
愛犬が貧血を起こす原因にはどの様なものが考えられるのでしょうか?
ここからは、愛犬の貧血が起こる原因について解説していきます。
再生不良性貧血
血液中の赤血球は、骨髄にある造血幹細胞から生成されています。
しかし、何らかの原因により造血幹細胞が減少することにより、赤血球が作れなくなり貧血になります。
これを再生不良性貧血といいます。
再生不良性貧血は、腫瘍や自己免疫性、腎不全、抗がん剤など薬の副作用などさまざまな原因で起こり得ます。
溶血性貧血
溶血性貧血は、血液中の赤血球が破壊されることにより起こります。
玉ねぎなどのネギ類を摂取した場合の中毒なども考えられますが、犬で多いのは、自己の抗体が赤血球を攻撃してしまう免疫介在性の溶血性貧血が多いです。
溶血性貧血の症状としては、貧血のほかにも、黄疸や血色素尿といって血尿の様な尿を認める場合があります。
鉄欠乏性貧血
鉄欠乏性貧血は、体の中の赤血球を作る上で欠かせない成分である鉄が欠乏しているために起こる貧血です。
腫瘍や慢性的な疾患、栄養失調があると体の中では鉄分が不足し鉄欠乏性の貧血を起こしやすくなります。
鉄剤を投与してあげたり、鉄分が多く含まれた食事を与えることで改善する場合もありますが、根本的な原因を治療できないとなかなか改善していかない貧血です。
出血
多量に出血することによっても貧血になります。
この場合は、急にぐったりして動物病院に運ばれてくることが多いです。
体の中の腫瘍が急に破裂して出血した場合や交通事故にあったなどの可能性が考えられます。
命の危険性があるので早急に動物病院に連れていきましょう。
中毒
先述した通り、ネギ類などの摂取による中毒によっても、溶血性貧血を引き起こします。
飼い主さんは、あげていい食べ物とあげてはいけない食べ物をしっかりと理解してから愛犬に食べ物を与える様にしましょう。
寄生虫
寄生虫の感染によっても貧血を起こすことがあります。
バベシアと呼ばれる赤血球に寄生する寄生虫が感染した場合、溶血性貧血が引き起こされます。
ほかにも、腸管に寄生する鉤虫やノミやマダニの寄生も吸血されるため、貧血を引き起こします。
こういった寄生虫の感染を起こさないためにも、駆虫薬の投与や草むらなどの環境に連れていかないことが大切です。
愛犬の貧血の症状
愛犬の貧血の症状には、どの様な症状があるのか解説します。
貧血の症状が認められた場合、緊急性の可能性もありますのですぐに動物病院で診てもらいましょう。
粘ついた黒い便
腸管で出血がある場合などは、酸化された血が混じり黒くなった便が排出されることがあります。
腫瘍や胃や腸の潰瘍などからの消化管出血を疑いますので、一度動物病院で検査してもらいましょう。
レバーなどの血液の多い食材を食べた場合も便の色が黒くなりますので、病気との鑑別に注意が必要です。
歯茎の粘膜が白い
口の中の歯茎を見てみて、ピンク色ではなく白色になってきている場合は貧血がある可能性があります。
しかし、犬の中には元々、口腔粘膜の色が薄い子もいますので日頃から歯茎の粘膜をチェックしてみて健康時の色を把握しておきましょう。
元気がない、すぐに疲れる
赤血球は体中の組織に酸素を届けて、エネルギーを生み出しています。
しかし、貧血になると体の中の赤血球が不足しエネルギー不足になります。
この結果元気がなくなったり、運動後すぐに疲れるといった症状が認められることがあります。
ふらついている、立てない
ふらついていたり、立てない場合も、貧血により体中に酸素を届けることができないためエネルギー不足に陥っている可能性があります。
こういった症状がでた場合は、かなり貧血が進行している可能性がありますので注意が必要です。
呼吸が荒い
貧血になると、赤血球が減少するため酸素を体中の組織に送れなくなります。
その結果、肺が体中の酸素不足を改善しようと、頑張って酸素を外界から取り込みガス交換しようとするため呼吸が荒くなります。
血尿
腎臓や尿道などの泌尿器から出血をしている場合や膀胱炎からの出血している場合、血尿が認められ貧血傾向に陥ります。
こういった泌尿器からの出血が慢性的に進むと貧血がどんどん悪化してしまう要因となります。
血尿が認められた場合は、経過観察せず診察を受けましょう。
血色素尿
溶血性の貧血が起こると赤血球が破壊され、赤い色素であるヘモグロビンが尿中に排泄されます。
飼い主さんは、よく血尿と勘違いして様子見をすることもあるのですが、血色素尿であることもありますので、注意が必要です。
尿の色がいつもと違うと思った場合には、動物病院で診察を受けることをおすすめします。
愛犬の貧血におすすめのドッグフード
愛犬の貧血におすすめのドッグフードとして「ココグルメ」はおすすめです。
貧血気味な子には、鉄分やビタミンCが取れる食事を取り入れていくことが大切になります。
特に、ココグルメのチキン&ベジタブル、ポーク&ブロッコリーのレシピには、レバーの鉄分と野菜のビタミンCなどのビタミンがバランスよく配合されているのでおすすめです。
また、国産手作りごはんであり、アレルギーを起こしやすいとされる穀物を使っていないグレインフリーであること、保存料、着色料、香料無添加であることも安心できるポイントです。
ぜひ愛犬のドッグフード選びに迷っている方はお試しください。
貧血の愛犬を病院へ連れて行った時にすること
貧血を疑って愛犬を病院に連れて行った場合、どの様な検査をするのでしょうか?
ここでは、病院での診察内容について解説していきます。
問診・身体検査
まずは、問診として、以下のようなことを聞きます。
- いつから貧血を疑う症状、元気消失、食欲低下などがあったのか?
- ネギ類など貧血を起こす様な食べ物の中毒の可能性はないか?
- 寄生虫感染が起こる環境ではないか?
- 何か環境や与える食べ物が変わったか?
その結果から、大まかに中毒や寄生虫感染、急激な出血などがないかどうかを判断していきます。
身体検査では、口腔粘膜、歯茎の色を確認し貧血の程度を推測します。
また、聴診して心拍数、呼吸回数の計測や血圧がしっかりとあることを確認します。
血液検査
血液検査にて、貧血の程度、再生不良性貧血かどうかを評価します。
その他にも、顕微鏡にて赤血球に寄生虫感染などがないかどうか、赤血球の形、大きさ、色などを評価し、貧血が再生不良性なのかどうか、再生性の貧血なのかを鑑別していきます。
また、貧血を起こす原因が他の臓器にないかどうかを確認していきます。
特に慢性腎不全の場合は、貧血を起こしやすくなるので、腎臓の数値には注意が必要です。
骨髄検査
画像診断でも骨髄の赤血球産生能力が低下している再生不良性貧血が疑わしい場合では、麻酔をかけて骨髄の細胞をとってくる骨髄検査を行い、確定診断をします。
愛犬の貧血対策
愛犬の貧血に対して、飼い主さんができることはどんなことでしょうか?
ここでは、愛犬の貧血対策について解説していきます。
運動
貧血を予防するためには、運動を適切に行ってあげましょう。
犬種や年齢によっても必要となる運動量はさまざまですので、その子に合った運動量で定期的に運動させて健康的な体を作ってあげることが大切です。
食事
食事では、他の臓器に異常がない限り、貧血に良いとされている食べ物を積極的に食べさせてあげましょう。
また、そもそも食事量が足りず体に栄養が行き届かない場合は、強制給餌を行い必要カロリーを摂取させてあげる必要があります。
どうしても食べれない子の場合は、他に疾患がないことを確認した上で、胃や食道にチューブを入れることがあります。
寄生虫予防
もし、寄生虫の予防を行っていないのであれば、寄生虫の予防薬を投与するべきです。
最近では、皮膚に滴下するだけで、ノミ、マダニ、お腹の寄生虫の全て駆虫できるような予防薬も出ていますので、寄生虫による貧血が疑わしい場合は試してみましょう。
駆虫薬は成分によって全く効かないものもありますので、獣医師に相談してから与えるようにしてください。
愛犬の貧血に役立つおすすめグッズ
ペットチニック犬猫用 30mL
ビタミンB群、鉄、銅をバランス良く含んでいるミネラルサプリメントです。
普段の食事に加えるもしくは、お薬感覚で投与することによって貧血の改善が期待できます。
ただし、溶血性貧血や再生不良性貧血には効果はあまり認められない可能性があります。
慢性疾患や食欲不振で栄養不足で貧血になっている様な子にはおすすめのサプリですのでぜひ試す価値はあると思います。
サイペット FCVリキッド 30mL
こちらのサプリもビタミンB群、鉄、銅を補充するのに適したサプリメントになっています。
カツオ風味の味付けを施していますので、嗜好性が高くお薬が苦手な子でも飲みやすい液体タイプとなっています。
愛犬の貧血が気になる方は使ってみてもいいかもしれません。
プロラクト鉄タブ
こちらのサプリは、錠剤タイプです。鉄とビタミンB群、葉酸が含まれており、造血を促してくれます。
魚介風味の味付けをしており、さらにラクトフェリンを配合することにより整腸作用もあります。
お腹が弱い子にも使えるおすすめのサプリです。
愛犬の貧血に悪い食べ物
貧血に良い食べ物を紹介しましたが、逆に貧血に悪影響を及ぼす食べ物にはどの様な食べ物が該当するかを紹介します。
以下の食べ物は愛犬に悪影響を与える食べ物ですので与えないようにしましょう。
ネギ類
犬に
- 玉ねぎ
- 長ネギ
- ニンニク
- らっきょう
などのネギ類は絶対に与えない様にしましょう。
犬がネギ類を摂取すると貧血を引き起こすと言われています。
これは、ネギ類に含まれる「アリルプロピルジスルファイド」と呼ばれる赤血球を破壊する物質が含まれているためです。
ニラ
ニラは犬に食べさせてはいけない食べ物です。
ニラに含まれる「アリシン」と呼ばれる物質は赤血球を破壊するとされており、人はこの「アリシン」を消化する酵素を持っていますが、犬はこの酵素を持っておらず、ニラを食べると貧血を起こします。
加熱調理したものでも危険ですので食べさせない様にしましょう。
愛犬の貧血を食べ物で解決しよう!
犬の貧血は、元気や食欲がなくなり、呼吸が荒くなるだけでなく、進行すると命の危険に関わる疾患です。
特に、再生不良性貧血や免疫介在性の溶血性貧血は放っておくとどんどん進行していきます。
貧血の症状をいち早く察知し、重篤化を防ぐために動物病院で診察を受けることが大切です。
また栄養失調によって貧血している場合は、貧血を改善させるために、貧血に良い食べ物を与えることが必要です。
本記事で紹介した食材やドッグフード、サプリなどを試しつつ愛犬にあった貧血対策をしていきましょう。