ピーマンは栄養豊富な食材で、私たちの食卓にもよく上がります。
しかし、独特なニオイと苦みがあり犬に与えることができるのか気になりますね。
ピーマンは犬が食べても問題がない食材とされていますが、犬にとってどのような効果が期待できるのか、与えるときの注意点などを解説します。
愛犬にピーマンを食べさせても良い
人にとっても栄養豊富なピーマンですが、愛犬が食べても問題はありません。
丸ごと食べるということはないと思いますが、野菜によってはへたや種に毒があることがあります。
ピーマンの場合はどうなのでしょうか?
調理方法によって栄養素に変化が起きるのかについても解説します。
実
ピーマンの実の部分は愛犬が食べても問題はありません。
皮があり消化が悪いので、小さく刻み消化しやすくした方が良いでしょう。
生のままでは苦みが強いですが、加熱すると多少苦みが和らぎます。
また、火を通すことで柔らかくなり消化しやすくなるため加熱してから与えた方が良いでしょう。
ピーマンは加熱調理しても栄養素が壊れにくいので、栄養素が多く残った状態で与えることができます。
へたや種
ピーマンのへたや種も食べることができますが、量に注意しましょう。
ピーマンはナス科に属する野菜で、ナス科の植物にはアルカロイドという毒性のある物質が含まれています。
しかし、致死量がとても多いので、普通にピーマンを与える程度では毒性が出てしまう量にはなりません。
また、加熱するとアルカロイドは消滅するといわれています。
ピーマンの栄養素と愛犬への影響
ピーマンに含まれる代表的な栄養素には次のようなものがあります。
βカロテン
βカロテンは犬の体内でビタミンAに変換されます。
抗酸化作用があり、
- 免疫力アップ
- 老化防止
また、皮膚や粘膜の健康を維持する働きも持っています。
に効果があります。
クロロフィル
クロロフィルは葉緑素ともいわれる植物などに含まれる緑色の天然色素です。
クロロフィルには抗酸化作用があり、
- 血中コレステロールを下げる働き
- 抗アレルギー
- 抗腫瘍
などの働きがあります。
ピラジン
ピラジンはピーマンの香りや苦みの原因物質です。
血流を改善し、精神的に安定する作用がるといわれています。
ビタミンC
ビタミンCには抗酸化作用があり、活性酸素を抑える働きがあります。
また、コラーゲン生成に不可欠な栄養素で、皮膚や粘膜の健康を守ります。
犬は体内でビタミンCを合成できるので、あえて食事からとる必要はありませんが、老犬になるとビタミンC合成能が低下しますので、体調をみながら与えるには良い食材です。
ビタミンB群
ビタミンB群には8種類のビタミンが含まれています。
それぞれに働きが少し異なりますが、共通しているのは疲労回復に必要なビタミンであるということです。
ほかにも、皮膚炎や口内炎の症状を緩和する働きがあります。
ルテオリン
ルテオリンは植物性のフラボノイドで、苦みや色素の一種です。
抗酸化作用があり、肝臓の解毒作用を促進する効果があります。
テンペル
テンペルには
- 抗がん作用
- 抗酸化作用
があるといわれています。
愛犬にピーマンを与えて良い量
犬の大きさごとに表にしてください。
与えてもよいピーマンの量は、1日の必要カロリーの10%以下です。
おおよその目安ですので、体格や運動量によって変動します。
体重 | 量 |
超小型犬(体重4㎏以下) | 約5~14g |
小型犬(体重10㎏以下) | 約15~24g |
中型犬(体重25㎏未満) | 約25~44g |
大型犬(体重25㎏以上) | 約45~70g |
愛犬にピーマンを与える時の注意点
愛犬がピーマンを食べても大丈夫なことが分かりました。
しかし、与えるときにいくつか注意することがありますので、ご紹介します。
細かく刻んであげる
ピーマンには硬い皮がありますので、大きいまま食べると消化不良を起こすことがあります。
細かく刻んで食べやすいようにしましょう。
アレルギー
ピーマンを食べてアレルギーや中毒が起こることはほぼありません。
また、ピーマンを食べて体調を崩したり、嘔吐や下痢が起こることも食べ過ぎない限りはないでしょう。
しかし、初めて食べる場合はアレルギー症状が起こる可能性があるので、少量ずつ食べさせるようにしてください。
与え過ぎない
ピーマンが大好きな愛犬で喜んで食べているとついついあげたくなってしまいますが、これはNGです。
好きなものばかり食べると栄養が偏ってしまいます。
適正量を守りましょう。
ピーマンを使った料理
料理に危険な具材を入れないよう注意する ピーマンを使ったお料理を愛犬におすそ分けする場合、愛犬にとって危険な食材に気を付けてください。
玉ねぎなどのネギ類は中毒の原因になりますので特に注意が必要です。
ピーマンの肉詰めはOK?
人用に調理されたピーマンの肉詰めはNGです。
玉ねぎを加えることが多いですし、油が多く含まれるお料理ですので嘔吐や下痢の原因になりかねません。
病気
栄養たっぷりのピーマンですが食物アレルギーや持病がある場合や、体調不良の時には与えないようにしましょう。
尿路結石
尿路結石と診断され、処方食を食べている場合はピーマンを与えるのは控えましょう。
結石はミネラルのバランスや摂取水分量などの複数の要因が原因になり形成されます。
処方食を食べている状態でほかの食べ物を食べてしまうと、治療がうまく進まないことがあります。
消化機能
消化機能に心配のある状態でピーマンを与えると、消化不良や嘔吐、下痢の原因になることがあります。
控えましょう。
子犬や老犬にピーマンを与えても大丈夫?
子犬や老犬は基本的にピーマンを食べても大丈夫です。
特に老犬はビタミンCの合成能力が年齢と共に衰えてきます。
ビタミンCを補う素材としてピーマンはお勧めできます。
しかし、ピーマンを食べると嘔吐や下痢になってしまう場合は、量をかなり減らすか中止するようにしましょう。
ピーマンに似た野菜を愛犬に与えて良い?
ピーマンに似たパプリカや人参を犬に与えても大丈夫でしょうか?
ピーマンとの違いも確認しておきましょう。
パプリカ
パプリカはカラーピーマンの一種で、犬が食べても問題ありません。
ビタミンA,C,Eを多く含み抗酸化作用が強い野菜です。
ピーマンにはアルカロイドの一種のカプサイシンが含まれていますが、パプリカには含まれていませんので安心して与えることができます。
人参
人参はβカロテンを多く含む食材です。
体内でビタミンAに変換され、目や皮膚の粘膜を健康に保つ働きをします。
また、ビタミンAは目の働きに重要なビタミンです。
一方、人参は食物繊維を多く含みますので、あげすぎると下痢や便秘の原因になります。
初めてあげるときには量に注意しましょう。
【獣医師監修】愛犬はにんじんを食べれる!生でも良いか、腎臓への効果も
愛犬にピーマンを食べさせると健康になる!与えすぎに注意!
ピーマンにはβカロテン、ビタミン類が豊富に含まれ栄養価の高い野菜です。
生でも火を通しても与えることができます。
ビタミン豊富な野菜は、火を通すことでビタミンが壊れやすいのですが、ピーマンに含まれるビタミンは壊されにくいことも特徴です。
与えるときには小さく刻み消化しやすいようにしましょう。
初めて食べるときには嘔吐下痢、アレルギーが起こらないか注意して少量ずつ与えるようにしましょう。