犬と一緒に暮らしていると、人間の食べ物を欲しそうにしてくることが珍しくありません。
しかし、人にとっては安全な食べ物でも犬にとっては危険な場合は多々あります。
今回はウリ科のデザートとして人気の高いメロンにフォーカスし、犬に与えても大丈夫なのか?どのような影響があるのか?などについてまとめていきます。
愛犬と一緒に美味しいデザートを楽しむためにもしっかりとした知識を身に着けて、安全なデザートを提供できるようにしましょう。
犬はメロンを食べていい?
メロンは犬に与えても良い果物であり、水分や糖質以外にも、さまざまな栄養素を含んでいるのでおすすめです。
しかし、与える部位や量など気をつけるポイントも幾つかありますので、飼い主さんはしっかりと知識を身につけてメロンを与えていきましょう。
メロンの果肉
犬にメロンを与える場合には、果肉の部分のみを与えるようにしましょう。
また与える時も、大きすぎると詰まって窒息する可能性もありますので、細かく切ってから与えるようにしましょう。
皮や種
メロンの皮や種の部分は不溶性の食物繊維を含み、消化吸収しにくいため、便秘や嘔吐などの消化器症状を引き起こす可能性があります。
基本的に、犬にメロンを与えるときには、皮や種をしっかり取り除いてから与えるようにしましょう。
缶詰などの加工食品
メロンの缶詰などの加工食品は与えないようにしましょう。
砂糖や添加物が多量に含まれている可能性があり、血糖値の上昇や肥満のリスクが高まります。
そのため、メロンを与える時には加工されていないものを与えましょう。
メロンの栄養成分と愛犬の健康
メロンには、さまざまな栄養成分が含まれています。
愛犬の健康維持のためにも、与えてあげたい果物の一つです。
ここからは、メロンに含まれる栄養素とその効果について紹介します。
βカロテン
メロンには、緑肉種と赤肉種があります。
夕張メロンなどが赤肉種として有名ですが、赤肉のメロンにはβカロテンが多量に含まれており、果物の中でも一番の含有量をほこっています。
βカロテンは、体内でビタミンAに変換され栄養として利用されます。
ビタミンAは、皮膚、粘膜、目の健康に役立つ以外にも細胞の障害を防ぐ抗酸化作用や免疫を上げる効果もあり、愛犬の健康を担う非常に重要なビタミンです。
ただ、βカロテンは肝臓でビタミンAに変換されるため、肝臓に負担がかかります。
そのため、肝機能が落ちている子にメロンを与える場合には、与える量に注意が必要です。
ビタミンC
メロンはビタミンCの補給源としても優秀な果物です。
ビタミンCは抗酸化物質の一つです。
犬は体内でビタミンCを合成することができるため、必須の栄養素ではありませんが、摂取したほうが良いビタミンであることに間違いありません。
また、ビタミンCは熱に弱く、加工されたドッグフードからはビタミンCを摂取することはできません。
そのため、ビタミンCを補給する手段の一つとして生のメロンを与えることは非常に有効な手段となります。
カリウム
メロンには、カリウムが100gあたり350gと豊富に含まれています。
カリウムは体内の余分な塩分を排泄する作用があり、高血圧や体内のむくみを取るのに役立つ重要なミネラルです。
しかし、腎臓病の子にはカリウムの摂取を制限をする必要がある子もいます。
メロンを与えるときには、腎臓病になっていないかどうかをしっかり調べて、獣医師さんと相談してから与えるようにしましょう。
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GABA
GABAは、アミノ酸の一種です。メロンのGABAの含有量は果物の中でも多いです。
興奮系の神経伝達物質の過剰分泌を抑え、ストレス緩和やリラクゼーション効果、血圧の上昇を抑える効果があります。
メロンには、このGABAがかなり多く含まれています。
犬は加齢やストレスにより体内でのGABAが少なくなる傾向があります。
そのような、GABAが不足しがちの子にとってメロンはGABAの含有量が多く、補給源としては優秀な果物になります。
メロンは低GIな食べ物
メロンは、血糖値の上昇が緩やかである低GIな食べ物です。
インスリンの分泌も緩やかに分泌されますので、肥満や糖尿病を予防をするためにも優秀な食品です。
しかし、果物ですので糖質もしっかり含まれており、与えすぎは肥満につながります。
食物繊維
メロンにはペクチンと呼ばれる水溶性食物繊維がふくまれています。
ペクチンは腸内環境を整え、便秘の改善につながります。
また、腸内で糖質やコレステロールの吸収を抑えることから、血糖値の上昇を防ぐ効果があります。
ただ、与えすぎると下痢をすることもありますので注意が必要です。
愛犬に与えて良いメロンの量
メロンを与える量としては、一日の摂取カロリーの10%程度にしておやつとして上げることをおすすめします。
ただ、大型犬になってくるとカロリー以外にも糖質やビタミンの過剰摂取につながりますので、少なめにしたほうが良いです。
メロンを与える際の量については、以下の表にまとめてます。
※健康な成犬の場合です。
犬の体重 | 1日の総摂取カロリー | 与えることのできるメロンの量 |
超小型犬(3kg) | 290kcal | メロン1/16玉(50g) |
小型犬(5kg) | 420kcal | メロン1/8玉をさらに3/4(75g) |
中型犬(10kg) | 710kcal | メロン1/8玉(100g) |
大型犬(30kg) | 1500kcal | メロン1/4玉(200g) |
愛犬にメロンを与える際の注意
メロンには多くの体に良い栄養素が含まれているので、ぜひ愛犬に食べさせてあげたい果物です。 しかし、メロンを与える際には注意が必要です。
皮、種、加工食品を与えない
先述した通り、メロンを与える際には、果肉の部分のみ与えるようにしましょう。
皮や種の部分には、不溶性の食物繊維が多く含まれており、消化吸収しにくく便秘や嘔吐などの消化器症状を引き起こす可能性があります。
また、加工食品は砂糖や添加物が多量に含まれている可能性があります。
小さく切る
大きすぎるメロンを与えてしまうと飲み込んだ時につまらせる恐れがあります。
そのため、詰まらせないように小さく切ることをおすすめします。
また、メロンを小さく切ることによって、消化吸収されやすくなります。
アレルギー
メロンを食べた後に、体を痒がったり、目の充血や口まわりに赤みがでる場合は、メロンに対するアレルギーがある可能性があります。
また重度の場合、アレルギー性の呼吸困難になったり、下痢をする可能性もあります。
このような症状が認められた場合は、メロンを与えることは控えたほうが良いです。
また、はじめてメロンをあたえる場合は、アレルギーの症状がでる可能性を考慮して、 少量ずつあげてあげましょう。
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ククミシン
人間も犬も、メロンを食べた後に、喉や口腔内がイガイガしたりかゆみが出たりとアレルギーに似た症状がでることがあります。
この症状はメロンに含まれるククミシンという酵素によるものです。
もし、愛犬がメロンを食べた後に気持ち悪くなったり、口の中や喉を気にするようなら与えることを控えた方が良いかもしれません。
病気
メロンはさまざまな栄養素を含んでおり、愛犬の健康維持のために優秀な食品となりえますが、メロンを病気の子に与える場合には注意が必要です。
糖尿病
メロンは血糖値を上げにくい低GIの食品ですが、果物ですので糖質を多く含んでいます。
糖尿病の子にとっては、与えすぎることはやはりよくないので適切な量を守るようにしましょう。
腎臓病
メロンにはカリウムが多量にふくまれており、高血圧やむくみなどの予防につながります。
ただ、腎臓病の子の場合は、食事中のカリウムを制限しなくてはいけない場合もあるので、与える場合には、獣医さんとの相談が必要です。
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肥満
メロンには含まれる糖質は、バナナなどの他の果物にくらべて少ないとされています。
しかし、与えすぎはやはり肥満に繋がりますので量には注意しましょう。
子犬や老犬にメロンをあげていい?
基本的にメロンは子犬や老犬にもあげても問題ありません。
ただ、あまりにも小さい子犬の場合は腸内環境が整っておらず、うまく消化吸収できない可能性があります。
老犬の場合で腎臓病、糖尿病などの疾患がある場合には先述したような体に悪影響を及ぼす可能性もありますので、与えすぎには注意しましょう。
メロンを使った犬の手作りレシピを紹介
では、ここからメロンを使った手作りレシピをご紹介します!
メロンを使った手作りレシピ① メロントッピング
普段のご飯に小さく角切りにしたメロンを乗せてあげるだけで作れる簡単レシピです。
いつもと違った食感を喜んでくれます。生ハムメロンならぬ生肉メロンを作ってあげても良いでしょう。
メロンを使った手作りレシピ② メロンアイス
まずはメロンや、あれば他の犬に与えて良いフルーツを好きなサイズに切り分けます。
ここでは一口サイズの大きさを気にする必要はありません。
フルーツが切り終わったら棒型の製氷皿か、アイスを作る型を用意します。
ない場合はタッパなどを利用しても良いでしょう。
切ったフルーツを型の中にバランス良く配置し、その中に任意のジュースと水を2:1の割合で注ぎ入れます。
あとは持ち手として割り箸下、あればアイス用の棒を差し込んだ状態で冷凍庫で凍らせれば完成です。
フルーツのサイズが大きくても犬は少しずつなめるように食べるので喉に詰まる心配はないでしょう。
しかし途中でアイスを噛み砕く場合もあるのでしっかり飼い主さんがアイスを手で持って見守りながら食べさせてあげましょう。
メロンを使った手作りレシピ③ メロン入りスムージー
メロンとその他の野菜を使う部分に切り分けて、全てをミキサーで撹拌するだけで作れる簡単レシピです。
スムージーに入れるメロン以外の食材で、犬の体にも優しくおすすめの材料としては、小松菜、レタス、リンゴ、スイカなどがあります。
喉に詰まる心配がなく、液状で消化にも優しいので食欲のない時におすすめです。
愛犬に与えてはいけない食べ物
果物も基本的に与えても良いものが多いです。
ただ、犬に与えていけない果物は、
- ぶどう
- いちじく
- 柑橘類
- プルーン
などありますので、注意が必要です。
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メロン以外の愛犬に与えても良いおすすめの果物
キウイ
キウイには、抗酸化作用のあるビタミンA、C、Eを多量に含んでいます。
他にも、アクチニジンと呼ばれる消化吸収を助けてくれる消化酵素が含まれていますのでおすすめです。
パイナップル
パイナップルには、ビタミンの他にも食物繊維が多く含まれており、腸内環境を整えつつ血糖値やコレステロールの急激な上昇をおさえます。
しかし、メロン同様にアレルギー症状がでる可能性もありますので注意しましょう。
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スイカ
抗酸化作用をもつリコピンやβカロテンを多量に含みます。
愛犬の健康維持のためにはぜひ与えてあげたい果物です。
また水分を90%ほど含んでいますので夏場の水分補給にもつかえます。
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メロンを犬が欲しがった場合はあげても大丈夫!アレルギーや持病にだけは注意しよう!
メロンには基本的に犬の体を害するような成分は多くないため、健康体であるならば欲しがった時少量与えることは問題ないでしょう。
しかし、アレルギーが有る場合や、腎臓病や糖尿病など基礎疾患がある場合は悪化させてしまう可能性もあるため控えた方が良いです。
また病気の心配がないのであれば固形物から水分補給させる物としてウリ科の植物は比較的優れているので、犬の熱中症が心配な季節に食べさせるのはおすすめです。
愛犬がメロンを欲しがったら、あげすぎに注意しつつ適量を与えてあげましょう。