愛犬が癌になってしまった場合、食事はどのようなものをあげたら良いのか悩まれる飼い主さんも多いのではないのでしょうか?
本記事では、癌の愛犬に対して手作りご飯をあげる際の注意点やおすすめのドッグフードを紹介しています。
食事のポイントを抑えて、癌の愛犬の免疫力向上、QOLの改善を目指していきましょう。
癌の愛犬に手作りご飯をあげていい?
犬が癌を発症している場合、食欲不振が認められたり、痩せてきて免疫力低下に陥りやすくなったりします。
こういった状態を避けるためには、ご飯を食べてエネルギーをしっかりと摂取することが一番大切です。
そのため、愛犬が食べてくれる美味しい食材を使った手作りご飯がおすすめです。
しかし、癌を発症している場合の食事では栄養面やミネラルバランスなど気をつけるべきことも多いです。
次章では、犬の癌の食事管理で気をつけるべき注意点を解説していきます。 ぜひ、癌の愛犬に手作り食を作ってあげたいと考えている方は参考にしてみてください。
癌の愛犬に手作りご飯で気を付けること
愛犬が癌を発症している場合、体内の炭水化物、タンパク質、脂肪の代謝が変化してきます。
そのため癌の犬に対する基本的な食事は、
- 低炭水化物・糖質
- 高タンパク食
- 高脂肪の高エネルギー食
がおすすめされます。
しかし癌を発症している犬では、食欲低下や筋肉量、体脂肪低下も認められるため手作りごはんを与える場合、気をつけるべきポイントは多々あります。
ここからは、癌の愛犬に手作りごはんを与える際に気をつけるべきポイントをご紹介します。
糖質制限する
がん細胞は、炭水化物や糖質が大好物であり、糖質からエネルギーを得て増殖していきます。
また、がん細胞が糖質からエネルギーを得る際には乳酸と呼ばれる物質が産生されます。
この乳酸を分解するため、大量のエネルギーを消費しなければいけないので愛犬はエネルギー不足の状態に陥ってしまいます。
そのため、できるだけ糖質・炭水化物を制限した食事を与えてあげることが大切です。
質の良いタンパク質をとる
がん細胞は、愛犬の健康な細胞からタンパク質やアミノ酸も奪ってしまうので、なるべく愛犬が利用しやすい高品質のタンパク質を与えてあげることが大切です。
また、タンパク質の構成要素であるアミノ酸の中でも、
- グルタミン
- グリシン
- システイン
- アルギニン
は、筋肉量の維持、免疫力・消化機能の向上、がん細胞の増殖を抑制する効果があります。
ぜひ、高品質なタンパク質・アミノ酸を与えてあげるようにしましょう!
抗酸化作用のある食材を取る
体内で炎症が起きた時の酸化ストレスやDNAの酸化による損傷が癌発生の主な要因であると考えられています。
ビタミンA、C、Eや β-カロテンなどは抗酸化作用を示すビタミンとして知られており、これらの抗酸化作用のあるビタミンはがん細胞の増殖抑制に役立ちます。
また、抗がん剤治療や放射線治療による活性酸素の産生と酸化ダメージから正常な細胞を守る働きも期待されています。
抗酸化作用を多く持つ食材としては、
- にんじん
- ほうれん草
- カボチャ
- ブロッコリー
- トマト
などが挙げられます。
ぜひ手作り食に取り入れてみてください!
免疫力を高める食材を取り入れる
愛犬が癌になってしまうと、徐々に免疫力が低下していってしまいます。
これは、食欲不振による摂食量の低下や体内でのエネルギー不足が原因と考えられています。
愛犬が癌に罹患している場合、良質な脂肪分をとってエネルギー不足を解消してあげましょう。
特にω-3脂肪酸と呼ばれる魚に含まれる脂肪分は、抗炎症効果に加え、腫瘍の転移を防ぎます。
良質な脂肪からエネルギーを摂取し免疫力を高めましょう!
油のバランスに気を付ける
サラダ油や、ごま油には、ω-6脂肪酸と呼ばれる脂肪分が含まれています。
ω-3脂肪酸は愛犬の癌の炎症を抑えたり、腫瘍の転移を防ぐ効果がありますが、ω-6脂肪酸は体内で炎症を引き起こし癌の悪化を引き起こします。
手作りご食を作る場合は、サラダ油やごま油などの油を多量に使うことは避けましょう。
発酵食品をあげる
発酵食品には、がん細胞による炎症や発がん、転移を抑制する効果があることがいくつかの研究で報告されています。
また、発酵食品は整腸効果もあるので、抗がん剤治療や放射線治療で消化機能が低下している子にもおすすめです。
特に納豆やヨーグルトのような発酵食品は犬でも好んで食べてくれることが多い良質な食材なので手作り食に加えてあげても良いかもしれません。
ミネラル不足にならないように
人では、亜鉛、マグネシウム、セレンといったミネラルが不足していると癌のリスクが高まると報告されています。
手作り食では、ミネラルバランスが崩れやすくなる傾向がありますのでしっかりとミネラルを供給できる食材を選ぶようにしましょう!
塩分を与え過ぎない
塩分の過剰摂取は人間でも良くないことだとされており、塩分の過剰摂取で胃がんの発生率が上昇すると報告されています。
高血圧や腎臓、心臓にも負担をかけてしまうので犬の手作り食では、塩分は控えめもしくは全く使わないことが理想的です。
バランスの良い食事を心がける
愛犬が癌を発症している場合、食べてくれることが最も重要ですが、食材の偏りは体内の免疫力低下に繋がりますのでバランスの良い食事を心がけましょう。
癌を持っている子の場合、基本的には、
- 低炭水化物・低糖質
- 高タンパク食
- 高脂肪の高エネルギー食
になるように手作り食を作ってあげ、そこにミネラル、ビタミンをバランスよく加えてあげましょう!
最初は既存のご飯にトッピングでも
愛犬が癌に罹患している場合、一番大切なことは、ご飯を食べてエネルギーを摂取してくれることです。
ミネラルバランスや塩分の調節などは難しい部分もあると思いますので、最初は今までのご飯に食いつきが良い食材をトッピングして食欲増進を促すのも良い手段です。
慣れてきたら徐々に、糖質制限を行い手作りご飯に変更していきましょう。
癌の愛犬におすすめの食材
癌の愛犬に手作り食を作る場合に気をつけるべきポイントを解説してきました。
しかし、実際に手作り食を作る場合にはどういった食材を使えば良いかわからない飼い主さんも多いと思います。
そこで、ここからは癌の愛犬におすすめの食材について紹介していきます。
椎茸
椎茸などのきのこ類には、β-グルカンと呼ばれる成分が含まれています。
このβ-グルカンはがん細胞を攻撃するナチュラルキラー細胞やマクロファージなどの細胞を活性化させ愛犬の免疫力を向上させます。
また、椎茸に含まれる「レンチナン」と呼ばれる物質も、免疫力を高めて癌を抑制すると言われており、厚生労働省から認可された医薬品が販売されています。
このように椎茸を含め、きのこ類には抗がん作用を持つさまざまな成分が含まれているため、癌の進行や転移を抑制する食材として非常に優秀な食材と言えるでしょう。
ぜひ、手作り食に加えてみてください。
鮭
鮭には、DHA、EPAと呼ばれるω-3脂肪酸が含まれています。
ω-3脂肪酸は、抗炎症効果や腫瘍の転移を防ぐと言われている脂肪酸です。
その他にも、皮膚や関節、認知機能の健康にも良い効果を示すのでぜひ摂取してほしい成分です。
また、鮭に含まれるタンパク質は生体利用率が高い良質なタンパク質ですので癌の愛犬の食事に非常におすすめです。 ぜひ、食べさせてあげましょう。
ささみや鶏胸肉
ささみや鶏胸肉も生体利用率が高い良質なタンパク質として良く知られています。
また、ビタミンB群による疲労回復、免疫力向上効果やセレンと呼ばれる抗酸化作用を持つミネラルも含まれており、癌の発生率を下げたり、進行を抑制する効果を持ちます。
アンチエイジングの効果もありますので、ぜひ積極的に食べさせてあげてほしい食材の一つです。
しかし、腎不全や肝不全があるとタンパク質を制限する必要がありますので食べさせる場合には、かかりつけの獣医師の判断を仰ぎましょう。
https://coco-gourmet.com/archives/75
さつまいも
さつまいもに含まれるポリフェノールの一種であるクロロゲン酸は抗酸化作用やがん細胞の成長を抑制する効果が報告されており、野菜の中でも最も強い抗がん作用を持つ食材です。
また、食物繊維を多量に含む食材であるため腸内環境を整え、便通を整えたいときにはおやつやドッグフードのトッピングにさつまいもを取り入れてみても良いでしょう。
https://coco-gourmet.com/archives/156
にんじん
にんじんに含まれているβカロテン、ビタミンA、葉酸を含んでおり抗酸化作用が高い食材であり、人では、胃がんや肺がんなどの発生率を下げるということも報告されています。
にんじんには食物繊維が多量に含まれているので、さつまいもと同様腸内環境を整えることができます。
茹でることにより柔らかくして与えるようにしましょう。
https://coco-gourmet.com/archives/159
愛犬の癌には手作りご飯で食生活を支えよう
愛犬が癌になってしまった場合、先々の闘病生活のことが不安になってしまいますよね。
まずは食事を食べてくれることが一番大切です。
愛犬がご飯を美味しく食べてQOL向上できるように手作りご飯にチャレンジしてみましょう。
手作りご飯としては、「CoCo Gourmet」もおすすめです。ぜひ試してみてください!