良質なたんぱく質が摂れると、人間の食事でも注目されているささみですが、犬は食べることが出来るかどうかご存知ですか?
与える場合に、なぜいけないのか、与えても良い場合はどんな注意が必要かなどの知識を持っておくことは大切です。
愛犬にささみを食べさせていい
ささみは脂肪分も少なく、きちんと加熱をすれば問題なく与えていただけます。
しかし、与える量や方法を誤ってしまうと体に害を与える危険性もあるので、注意が必要です。
また、ささみは鶏肉であるため鶏肉のアレルギーがある子はアレルギー反応を示す危険性もあるので与えることはおすすめできません。
生
ささみは生で与えてはいけません。
ささみを含む鶏肉には犬の消化器へ負担をかける危険のある細菌が多く存在します。
カンピロバクターやサルモネラなどが挙げられますが、食中毒のように消化器症状に陥る危険性があります。
必ずしっかりと加熱をして与えるようにしましょう。
茹でたささみ
細菌を除去するためにもしっかりと加熱することがおすすめです。
特にささみをゆでることは手軽でおすすめな方法の一つです。
しかし、茹でたささみを与える場合でも、注意すべき点があります。
しっかりと殺菌をし、食中毒などの危険性を除外出来ていても、大きな塊のささみは消化器に大きな負担をかけてしまう可能性があります。
その子の顎の大きさや、消化機能にもよりますが、細かく刻んだうえで与えてあげましょう。 手で裂いてほぐしてあげても良いと思います。
ささみの加工食品
ささみの加工食品には注意が必要です。
犬用のジャーキーやウェットフードのような加工食品であれば、量を守れば与えても構いません。
しかし、人間用の加工食品の場合、にんにくのような犬が口に出来ないもので風味付けしてある可能性や味付けが濃い可能性があり、消化器や体に負担を与えてしまう危険があります。
人間用の加工食品は与えないように気をつけましょう。
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愛犬に食べさせていいささみの量
ではどの程度与えるのが適切な量なのでしょうか。
与えすぎても害になります。
また、熱量において1日の総合摂取量の10%程度が適量とされていますが、あくまでも主食はドッグフードになる場合、肥満防止のためにも少量にとどめることをお勧めします。
超小型犬 | 10~60g程度 |
小型犬 | 50~100g程度 |
中型犬 | 80~160g程度 |
大型犬 | 100g~200g程度 |
ただし、あくまでも目安であり、消化能力など個体差があるため、便の状態などを見ながら量を調整してあげてください。
ささみの栄養素と愛犬へのメリット
ささみは犬も食べることが出来ることがわかりました。
せっかくであれば、どんな栄養素がメリットとなるのか知ったうえで与えるとより体にとっても良い影響が期待できます。
たんぱく質
ささみを食べることで一番摂取が期待できる栄養素といえます。
良質なたんぱく質をしっかり食べることで、適度な運動と合わさると筋肉をつきやすくし、より健康的な体作りに近づけられる可能性が高いです。
ただし、たんぱく質を取りすぎることで、腎臓の状態によってはより負担をかけてしまう危険性もあるため、おうちの子に適した量を与えることが大切です。
脂質
脂質は取りすぎることで肥満などの問題につながりますが、まったく脂質を取らないことも健康に害を与える危険性が高く、気をつけなければなりません。
ささみは低脂質で、多すぎないため、与えるためには適していると言えるでしょう。 脂質は与えすぎることで、肥満や消化器への負担につながります。
また脂質はエネルギー源や、体の中の器官の構成に関与しています。 良質な脂質を適量摂取するよう心がけることが大切です。
リン
リンはエネルギーの代謝や犬の体の中の細胞膜等の構成、骨の吸収などに関与します。
欠乏すると、成長の遅延や骨格形成の異常、代謝の低下などが起こり得ます。
一方で腎臓病を患っている子は、摂取をし過ぎると、より負担を与えてしまう危険性があり、中にはかかりつけの先生からリンの制限を治療の一環として行なっている場合もあります。
注意しましょう。
カリウム
犬の体内の主要ミネラルになり、細胞の内部に多く含まれるとされています。
神経の伝達や、エネルギー代謝などに関与し、濃度の調節に関与しています。
下痢や栄養失調で欠乏すると、筋力低下や心臓の状態の悪化など健康を害する危険性があります。
また腎不全や心臓疾患などではカリウムの濃度に変化が起こる可能性があるので、治療中の犬の場合、摂取しても大丈夫かどうか確認することをお勧めします。
ビタミン
ビタミンは犬の体の中の機能や代謝の中に大きな役割を持ちます。
特にささみにはビタミンB6と呼ばれるビタミンが豊富に含まれるとされており、様々な代謝をサポートする役割が期待されています。
欠かせないものであるためフードなどに配合されていますが、欠乏によって皮膚や血管などに問題が生じるため、しっかり摂取することが大切な栄養素と言えます。
愛犬にささみをあげるおすすめの方法
栄養豊富で愛犬の健康にも良いささみですが、生で与えないよう注意をしなければならないというお話をさせていただきました。
ではどのような調理方法が適しているのでしょうか。
お勧めの調理方法をご紹介させていただきます。
オーブンで焼く
オーブンで加熱することで、水分も飛ばして、自家製のジャーキーを作ることが出来ます。
ただし、水分が抜けて硬くなるため噛み切り、飲み込みやすい小さいサイズに切って、薄くのばして焼くことが大切です。
また、つい味付けをしたくなってしまいますが、犬用のおやつに味付けは不要です。
味付けをせずに加熱してください。
茹でる
生肉の場合、サルモネラ菌やカンピロバクターなどによる消化器への負担がかかる危険性が高い為、必ず加熱が必要です。
一番手軽で、だし汁も有効活用出来るため、茹でる方法はおすすめです。
茹でた場合に大きなままだと丸呑みしてしまって、消化器に負担をかけてしまう恐れがあります。
茹でた後に細かく裂くなど、食べやすいようにしてあげましょう。
下記のレシピは蒸していますが、茹でたささみで同様のレシピを作っても良いと思います。
茹で汁を与える
水分をあまりとらない子には、ささみの茹で汁をスープ状にして与えることで水分補給にすることも出来ます。
ただし、このときに、塩分等の味付けは加えない、保存する場合はしっかり冷蔵をし、早めに使い切るなどの配慮が必要です。
高齢でなめとりにくい子には片栗粉やくず粉などでゆるくとろみをつけてあげると舐めたり、飲み込みやすくなる可能性が高いです。
野菜なども一緒にゆでて汁もスープにして柔らかごはんに与えるとスープの中に溶けだした栄養も一緒に摂れて、一石二鳥です。
ペースト状
たんぱく質もしっかりと摂取するうえで、ささみを与えたいと思ったときに、高齢犬などは、細かくしても噛み砕いたり飲み込むのが大変な場合もあります。
その場合は細かくすりつぶしたり、フードプロセッサーで細かくするなどしてペースト状にするのもお勧めです。
さらにくず粉や片栗粉などでとろみをつければ自家製のペーストごはんになります。
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ささみで作る手作りご飯のレシピは以下をご覧ください。
愛犬のささみの保存方法
ささみが好きな愛犬と暮らす飼い主さんであれば、お買い得な時にささみを購入し、調理して保存しておけると手軽に与えやすいですよね。
では、保存における注意点についてお話させていただきます。
茹でたささみ
ささみは傷みやすい傾向があります。
茹でたささみは熱を取ってから細かくして保存してあげてください。
冷蔵であれば2~3日以内に食べきることがおすすめです。
冷凍のささみ
茹でて冷凍をしてからであれば、1か月程度長期の保存が可能になるため、保存方法としてはおすすめです。
茹でた後に細かくほぐし、一回量ずつの小分けにしてから冷凍保存をすると使いやすいです。
レンジで温めて解凍した場合は、やけどをしてしまう恐れがあるため、かならず人肌くらいの温度にまで冷ましてから与えてあげましょう。
愛犬にささみを与える時の注意点
ささみを含む鶏肉を好む犬は多い傾向があります。
愛犬が喜んで食べてくれるのであれば与えたいという飼い主さんも多いでしょう。 しかし、与える際の注意点を守らないと、健康を害してしまう危険性があります。
生で与えない
生のささみには、消化器に害を与える危険性のある細菌が多く存在します。
生で与えることによって、下痢や嘔吐などの消化器症状につながる可能性が高いです。
そのため、しっかり加熱してから与えてあげてください。
加熱方法は、茹でる、蒸す、煮る、焼くなどが消化器への負担を考えるとおすすめです。
過剰に与えない
ささみは良質の蛋白質ですが、与えすぎるとカロリーオーバーや腎臓への負担などの問題につながる危険性があります。
特に、ごはんのトッピングやおやつとして与える場合にはドッグフードとのカロリーの兼ね合いも注意すべきです。
過剰に与えないよう注意しましょう。
香辛料や調味料に注意
犬がささみを食べることは問題ありませんが、使われている香辛料や調味料には注意が必要です。
特に人間用のささみの加工品には犬が食べてはいけない香辛料や味付けが濃すぎるなど犬の体にとって問題になり得る要素が含まれている危険性があります。
味付けをしない、犬用の加工品を与えるなどの配慮をしてあげてください。
病気持ちの愛犬にささみをあげていい?
では、万が一愛犬に持病があった場合に、ささみを与えても良いのでしょうか?
状態によっては持病を悪化させてしまう危険性もあるため、病気の種類によっては注意が必要です。
尿路結石
膀胱内や尿道に結石と呼ばれる石が出来ることで排尿が困難になる病気です。
結石ができるかどうかは食べ物や、膀胱内の環境によって決まります。
結石の種類によっては、肉を多く食べることでおしっこの性質が酸性に傾き、できやすくなるケースもあります。
愛犬がどのようなタイプの結石症を患っているのか、食事制限はあるのかなどの確認をしてからいつも食べているもの以外を与えると安心です。
尿路結石の愛犬はささみは食べないほうがいい!あげてもいい食べ物も解説
膵炎
膵炎にとって問題となるのは脂質です。
ささみは脂質の少ない部分ではあるため、大きな害は与えない可能性が高いですが、膵炎の程度によっては、管理のために低脂肪に作られた療法食しか食べられないケースもあります。
愛犬の膵炎の程度がどの程度なのか、かかりつけの先生に確認してみることをお勧めします。
膵炎の愛犬にささみはOK?さつまいもやりんご、食べてはいけないものも
腎臓病
ささみの主な成分であるたんぱく質は腎臓に大きなダメージを与えます。
腎臓に問題があることがわかると治療の一環として腎臓への負担を軽減するために、低たんぱくの療法食を食べることが一般的です。
そのため、腎臓疾患の犬の場合、ささみを食べることはお勧め出来ない可能性が高いです。
子犬や老犬にささみをあげていい?
どんな犬でもささみは有意義な食材なのでしょうか。 特に子犬や老犬は、ささみを食べることがどのような影響を与えることがあるのでしょうか。
子犬
子犬は消化機能が成犬と比較するとまだ未発達であるため、ささみのようにたんぱく質が多く塊になっているものだと、消化器に負担をかけてしまう危険性があります。
子犬のうちは、既に食べやすいように子犬用の缶詰ごはんなどで加工されているものを選んで与えるようにしましょう。
また、子犬用とされているものでも、個体差があって、体質によっては消化不良を起こしたり、食欲不振につながってしまう可能性もあります。 様子を見て少量ずつ与えましょう。
老犬
老犬も消化機能や噛み砕く力が低下します。
成犬と同じように塊で与えてしまうと細かく噛み切れずに消化不良になってしまう可能性があります。
より細かく刻んだ状態やペースト状などの負担のかかりにくい状態で与えていただくことをお勧めします。
もも肉や胸肉は与えていい?
ささみは鶏肉の中でも脂質が少なく、かつ、硬過ぎない程よい部位と言えるでしょう。
もも肉は脂質が増え、むね肉は脂質は減りますが、大きな塊になるため、細かく刻まないと消化器への負担が大きくなってしまいます。
与える場合は脂質部分を落とすことや、むね肉であれば細かく刻むなどの工夫をして与えましょう。
獣医師が進めるささみを使ったおやつ
では市販のものではどのようなささみのおやつがあるのでしょうか。
その子の好みによって、気に入ってくれるものはそれぞれだと思いますが、一部ご紹介させていただきます
手作りササミジャーキー
国産の手作りで無添加であるため、おやつの品質にこだわった飼い主さんも安心して与えられるおやつです。
おやつはダイエットのことも考慮すると少量ずつ与えるため、開封後の品質の劣化なども心配な点の一つと言えますが、50gずつの小袋に文法されているので安心です。
手でちぎれるやわらかさなので、小型犬で小さくほぐしたい場合にも使いやすいです。
ペティオ (Petio) デリカテッセン
お家で加工するのが手間だという飼い主さんにおすすめのささみです。
蒸して2本ずつにパックされているので、手軽にささみを与えることが出来ます。
蒸したやわらかいささみなのでごはんのトッピングにもおすすめです。
ちゅ~るごはん 子犬用 とりささみ&緑黄色野菜
若齢でおやつ代わりに消化の良いささみの加工品を与えたい場合におすすめです。
ささみと野菜の風味で好きな子も多いはずです。
ごはんのトッピングや、注射などの頑張った後、特別な日のお祝いなど普段食べない子も与えてみても良いかもしれません。
病気や量に注意して愛犬にささみを与えよう!
健康にも良いささみですが、体質や与える量、与え方によっては害を及ぼす危険性もあります。
愛犬に与えても良いのか、確認をしてから注意を守って与えることで、より健康に食を楽しむことができて充実した生活につなげられる可能性が高いです。