愛犬の膵臓を守る食事で健康をサポート!
嘔吐や食欲不振、下痢など、愛犬を苦しめる膵炎。この記事では、獣医師監修のもと膵炎の原因や症状、そして愛犬にぴったりの手作りごはんや市販フードについて詳しく解説。
おすすめの食材や食べていいもの、食べてはいけないもの、手作りレシピなど、愛犬の食事に関する疑問を解決します。
※急性膵炎の場合初期の治療と食事がとても重要になりますので、主治医の指示に従ってください。
愛犬の膵炎に良い手作り食材
膵炎と診断されたことのあるワンちゃんの手作りご飯におすすめな食材を紹介したいと思います!
白米
水分多めに炊いた白米は、エネルギー源である糖質と水分を取れる上、脂質が含まれていないので膵炎に良い食材です。
しかし与え過ぎると肥満の原因になりますので注意しましょう。
鶏ささみ肉
鶏ささみ肉は脂質が少なく、犬が好むお肉なので膵炎の子へおすすめの食材です。
煮汁と共にご飯のメイン食材にすると水分も取れますし、香りが立つので食欲を増す効果もあります。
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じゃがいも
じゃがいもに含まれる炭水化物は、犬にとって消化に良い成分。
糖質が取れる上、脂質がなく、膵臓に優しい食材なのでおすすめです。
柔らかく茹でて、潰してから与えましょう。
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ブロッコリー
ビタミンやミネラル類が豊富なブロッコリーは、栄養価が高く食物繊維豊富、脂質が低いので膵炎には良い食材です。
生のままであると消化不良を起こすので、硬い皮を剥いて加熱して、細かく砕いて与える必要があります。
茹でるとビタミン類が流出してしまいますので、レンジで加熱する事がおすすめです。
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キャベツ
キャベツは低カロリーで食物繊維が豊富、ビタミンも豊富に含まれている野菜です。
キャベツに含まれるビタミンUは胃粘膜を修復する作用があると言われており、胃腸に良い食材と言えるでしょう。
レンジで加熱して与えるか、細かく切って与える方が良いでしょう。
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愛犬の膵炎に手作りご飯のポイント
膵炎の既往歴がある子は、悪化・再発しないように食事管理が必要です。
食事管理にはいくつかポイントがあります。
低脂質
膵臓は脂肪を分解する酵素を分泌する器官です。
脂肪分の多いものを与えると膵臓が過剰に動いてしまいますので、低脂質の食材が推奨されます。
消化に良いご飯
膵炎を起こすと消化能力が落ちてしまいますので、できるだけ消化に良い食材を与えてあげましょう。
手作りする場合、大きな食材や生の食材は消化に悪いので、細かく切ったり加熱すると消化しやすくなります。
不溶性の食物繊維は減らす
不溶性の食物繊維は水分を含んで便のカサを増し、腸管を刺激して腸管の運動を促進する効果があります。
便秘解消には良い栄養素ですが、膵炎の際過度に腸管が動くと激しい腹痛の原因になります。
膵炎の場合にはあまり良い食材とは言えませんので、減らす事が推奨されます。
膵炎の愛犬にあげてはいけない食べ物
膵炎の既往歴がある愛犬には与えてはいけない食べ物があります。
具体的にはどんな食べ物でしょうか?
脂質の多い肉類
膵炎を発症する原因で多いのが、脂質の多い肉です。
「家族で食事中に食べていたお肉を与えてから、体調が悪そう」というのは膵炎の子で伺うことのある状況です。
脂質の多い肉は膵臓に負担をかけ、過剰に膵液を分泌させる原因になりますので絶対に避けましょう。
脂質の高いドッグフード
市販されているドッグフードの中には、脂質が高めのドッグフードが良くあります。
脂肪分の高いお肉と同様で、脂質の高いドッグフードは膵臓に負担をかけますので避けた方が良いでしょう。
膵炎の既往歴がある子には、低脂肪の食事を与えてあげましょう。
きのこやとうもろこしなど不溶性食物繊維が多い食べ物
不溶性食物繊維が多い食物は、腸の運動を促進する効果があるので便秘の子にはある程度与えると良い食べ物です。
しかし一方で消化に悪いため、消化器に負担がかかります。
膵炎を持っている子の場合、消化機能が弱まっていますので、できるだけ消化に良い食べ物がおすすめです。
膵炎の愛犬がご飯を食べない時はどうすればいい?
現在膵炎の治療では、できるだけ早期から食事を取る事が重要とされています。
膵炎を発症した愛犬がご飯を食べてくれない時には、どうしたら良いでしょうか?
食事をふやかす、細かくする
腹痛や吐き気があり、なかなか固形物は受け付けてくれない子が多いです。
その為、食事をふやかしたり、細かくして食べやすいようにしてあげると良いでしょう。
ミキサーで液状にして、シリンジで口へ入れてあげる方法もあります。
温める
食事を温めると匂いがたつので食欲をそそり、食べてくれやすくなります。
レンジで人肌程度に加熱して与えると良いでしょう。
嗜好性の高い市販商品を使用してもOK
食欲がない際は、市販の嗜好性の高い商品を使用してもOKです。
その際にはできるだけ低脂肪のものが推奨されます。
膵炎の食事にトッピングにしても良いので、普段から愛犬が好きな低脂肪の商品を探しておくと良いかもしれません。
膵炎の愛犬におすすめのサプリメント
膵炎は繰り返し発症しやすい病気です。
膵炎が慢性化してしまっている子の場合、食事療法の他にサプリメント等も与えてみるのも良いでしょう。
オメガ脂肪酸含有のサプリメント
オメガ脂肪酸は抗炎症効果があるといわれています。
人間の膵炎の場合でも抗炎症効果を期待して、補助治療に使用されることもあります。
消化酵素系サプリ
消化を補助する役割で、消化酵素のサプリメントもおすすめです。
天然酵母や乳酸菌などサプリメントで摂取する事で、消化の助けになり、膵臓への負担を軽くすることができると考えられています。
愛犬が膵炎ならご飯からケアしよう!
今回は膵炎の際におすすめな食材をご紹介しました。
膵炎は特に、食事のセレクトが重要な疾患です。
ご飯は大切な治療の一環ですので、ご飯の変更からまずケアをしてあげましょう。
主治医の指示に従いながら、美味しくて食べやすい食事を選んであげてください。
時には数日でなくなってしまう怖い病気ですので、注意点を守ってきちんと予防し、再発を繰り返したり慢性化しないように、食事の管理を行ってあげましょう。